議事録

   

第162回国会 経済産業委員会 第12号
平成17年4月20日(水曜日)

 

 

○河上委員長 次に、大畠章宏君。
○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 鈴木委員に引き続いてこの原子力二法に関する質問をさせていただきますが、その前に、質問通告はしておりませんけれども、けさ、民主党の経済産業の部会といいますか会合で、中国の反日問題、反日運動の日本経済といいますかあるいは中国国内の企業に対する影響はどうなんだろうかという論議をいたしました。
 さまざまな背景があるということでありまして、大臣におかれましても、政府内でこの問題について種々報道を集め、そしてまた分析をし、小泉政権としてどうするかという対応をされていると思うんですが、その中で、中国国内の経済状況、あるいは貧富の差、あるいはまた労働条件がなかなか上がらない、そういう国内の不満等々がうっせきした形でこういう形になったんじゃないか。あるいはまた、整然と警察官がガードしながらも、れんがを投げるとか、インクの瓶を投げるとか、火をつけたものを云々するとかという者には全く制止する姿勢すらないわけでありますから、何か気脈を通じて、ああいう形で国内の不満を解決させようとしているんじゃないかとか、さまざま論評がされているんです。
 その中でちょっと私が気になるのは、日本の常任理事国入り問題について、中国政府の方で、隣国との信頼関係を築けない者が常任理事国入りすることはできないんじゃないかと。インドですとかあるいはドイツについては評価をする、そういう形で表明がされておりますけれども、この事態、あるいは中国のこのようなメッセージ、まあ韓国の方からもそういうメッセージが出始めておりまして、日本の経済活動にも大きな影響を与えるんじゃないかと指摘をされているところでありますが、小泉内閣の閣僚としての御意見あるいは御感想がありましたら、冒頭にお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 まず今回の、毎週、週末になると、整然とした暴徒という、何か日本語になっていないことは自分でもわかっているんですけれども、整然とした暴徒が集まって、そして日本企業あるいは日本の在外公館に対して投石をしたり傷つける、あるいはまた日本人に対しても、何人かいきなり殴られたという方もいらっしゃるわけでございます。
 原因がどこにあるかということは、今、大畠委員もおっしゃったようないろいろな原因があるのかもしれません。そこは私自身、推察の域を超えませんけれども、いずれにしても、法治国家あるいはまたWTO上の市場経済国家の位置づけを確固たるものにしたいというふうに思っている国であれば、私は、愛国無罪という言葉は通用しない。愛国無罪という言葉から思い出すのは、文革のときに、造反有理、革命無罪という言葉がありましたけれども、どうもそれとダブってきてしようがない、これはもう私の個人的な印象でありますけれども。
 愛国という名のもとに、幾ら日本に対して言いたいことがあっても、無法状態にし、しかもテレビで堂々と、まあ警察官がコントロール、あるいは私はこの前のテレビでアシストという言葉を使いましたけれども、こういう形でやるということは法治国家としてはいかがなものかと。他方、日本に対して、何か日本にいる中国人の方に対してはしっかり警備をしろよということを申し上げたということになると、私としては、笑止千万というふうに言わざるを得ないわけでございます。
 いずれにしても、隣国として、日中平和友好条約を結び、互恵平等で発展をしていきましょうというふうにお互いに確認をし合っている両国でございますから、少なくともお互いの国の人々あるいはお互いの国の資産をきちっと守るというのは、所在する国の治安の責任であるというふうに私は思っております。
 他方、常任理事国入りが一つの原因ではないかということについては、実際に中国も韓国も、ヨーロッパのドイツは支持する、あるいはインド、ブラジルは支持する、日本は支持しない、なぜならば云々ということでありますけれども、これは、例えば韓国について言うと、似たような例としては、ドイツの常任理事国入りに対してイタリアが必死になって反対しているということを聞いております。やはり、常任理事国入りということに対して、その対象になっていない国から見ると、一般論としてはそんなに、反対をしている例も世界の中にはあるわけでありますし、他方、周りで応援している例もあるわけでございますから、ぜひとも隣国の韓国、中国の皆様にも、日本が国連常任理事国入りすることによって、我々は東アジアの代表として、中国、韓国あるいはまたその他の国々にとってもプラスになるんだということを我々としても行動で示さなければなりませんし、また、そのことを御理解いただかなければなりません。
 そういう前提でぜひ御理解をいただいて、この常任理事国入りについても地域の仲間としてぜひ御支援をいただきたいと思いますが、いずれにしても、愛国無罪のスローガンに基づくあの行動というものは、どこの国の行動であっても許すことはできないというふうに考えております。
○大畠委員 おおよそ大臣が今述べられましたが、私自身も、愛国無罪と叫びながら何の罪もない日系の商店街を襲って被害をこうむらせるということは、全く無罪ではなくて、あの行動そのものは有罪だと思いますね。
 私は、この暴動の背景に、もちろん中国国内のさまざまな動きがあると思うんですが、小泉政権の外交姿勢について、余りにも日米に偏り過ぎていて、隣国の韓国とかあるいはお隣の中国との外交問題について、どうも軽視しているというのは言い過ぎかもしれませんが、ほとんど眼中にないというその政治姿勢も一つの要因になっているんじゃないかと思うんですね。したがって、小泉総理のコメントの中で、今度会ったときにはこの問題についてお互いに非難し合うことではなくという姿勢もわからないわけじゃないんですが、毅然と日本として言うべきもの、あるいは、中国国内の日系企業あるいは日本の国民の命と財産を守るという強い姿勢を私は出すべきだと思うんですが、閣僚として、もう一度そのことについての御意見を賜れればと思います。
○中川国務大臣 小泉総理は、隣国の韓国、中国というのは極めて大事な存在として認識をしているというふうに私は思っております。
 だからこそ私の東シナ海に対する取り組みについても、もちろん、これは政府として全体で行動しているわけでありますけれども、総理からはいつも、あの東シナ海は対立の海ではなくて協調の海にしなければいけないということを必ず発言されているわけであります。
 他方、どういう原因であれ、今、大畠委員もおっしゃり、私も申し上げたことの、日本人に対する危険あるいはまた日本の資産に対する損害ということに対しては、向こうに一義的に治安の維持をする責任があるわけでございますけれども、それができなければ、邦人保護、日本の財産の保護のために日本国がきちっとそれに対して対策をとる、守るというのは、主権国家として国民に対する責務だというふうに私は考えております。
○大畠委員 外交問題は非常に国が行うべき課題の中枢でもありますし、防衛問題、外交問題、教育あるいはまたさまざまな治安の問題等々も国のやるべきものでありますが、ぜひ、日米関係のみに傾倒してあとはどうでもいいんだというような感じのメッセージを出さないように。町内会だって同じなんですね。隣の町内の金持ちの人と仲よくなっていればいいというのではなくて、やはり両隣あるいは前後ろ、こことはちゃんと仲よくするというのが、地域だって生きていくための大変重要な形でありますから、ぜひそこら辺は小泉政権として、改めてそういうものに配慮しながらも毅然とした姿勢を示していただきますように、特に国民の生命、財産、中国国内でも必死になってやっているわけですから、企業の対策とかあるいは被害を受けた商店街に対する対応等々、十分に配慮していただきますよう要望しておきたいと考えます。
 さて、そういうことを申し上げながら、この原子力関連二法案に対する質問をさせていただきますが、最初に、私たち民主党としての基本的な立場といいますか、これまでの経緯というものについて申し上げながら質問させていただきます。
 私たち民主党は、我が国の原子力政策は、安全性を最優先させ、万一に備えた防災体制を確立した上で、いわゆる次の技術の確立までの過渡的エネルギーとして慎重に推進します。まず、原子力安全規制の独立性及び安全チェック機能の強化充実を図るため、経済産業省や文部科学省から切り離した国家行政組織法第三条による原子力安全規制委員会を新たに創設します。こういうことを基本的な政策に置いております。
 また、プルトニウムの再利用は、MOX燃料、高速増殖炉などの研究開発用として使用計画のある分量のみを抽出し、その他の使用済み燃料は中間貯蔵します。その間、安全確保を前提とした使用済み燃料の国内再処理事業の確立と核燃料サイクルの研究開発を進め、放射性廃棄物処分の計画的かつ確実な実施、廃炉技術の技術的安全性とあわせて、信頼性確立のための先進国間の協力を推進します。こういうことをベースとして政策活動を進めているところであります。
 そこで、そうは言いながら、昨今、先ほど吉田委員あるいは鈴木委員からも御指摘を賜りましたが、さまざまな原子力事故等々が重なって、日本の原子力政策に対する国民の不安というのが非常に大きくなってしまったんですね。先ほど決議をいただきましたけれども、美浜の事故の問題もそうですが、いろいろお話を伺いますと、安全性とコスト、いわゆる定検期間を短くしよう、そのかわり一日原子力発電所がとまると一億円と言われていますから、だからなるべく定検期間を短くしよう。そのために、プラントはとまらないんだけれども、前もって準備作業はいいじゃないか、PWRは、タービン建屋はいつでも入れますから、そういう意味で準備作業に入っていてああいう事故に遭ったわけですね。
 それで、社長も会長も陳謝をし、確かにコスト優先で安全をないがしろにしてしまいましたという反省の弁は聞いたところでありますが、これは原子力だけにかかわらず、雪印の問題もそうでしたね。三菱ふそうを初めとして自動車問題も、コストと安全性のどっちを優先したかというと、コスト優先にしてしまったというくだりがございました。ジェー・シー・オーの事故のときにも、効率、効率と、効率を上げようというのであのバケツの事故でもって二人の方が亡くなられたわけですね。
 そういう意味では、どうも日本全体が小泉さんの言う頑張れ、頑張れ、競争しろ、勝ち残った者を支援してやるから、こういう日本全体の風潮が今日のさまざまな事故を生んでいると思うんですが、経済産業大臣として、私は、日本国内の物づくり、あるいは各産業界に対して警鐘を鳴らすべきだと思うんです。競争もいいけれども、安全大事ですよ、国民の信頼を失ったらどんなに大企業といえどもあっという間に滅びるんですよという、産業界のトップである経済産業大臣としてこの際警鐘を鳴らすべきだと考えますが、この件について、最初に大臣の御見識あるいは御見解をお伺いします。
○中川国務大臣 今お話のありました雪印、あるいはまた三菱自動車、そして昨年の関電、いずれも日本を代表する企業でありますけれども、どうも共通しているのは、ちょっとしたことで、このぐらいなら大丈夫だろう、美浜について言いますと、次の定期点検まで大丈夫だろうとか、あるいは通常の出力であれば問題ないだろうとかいったようなこと、あるいはまた、製造そしてメンテナンスをやっていた三菱重工についても同じようなことがあって、それが複合的に重なり合って大変な事故を出してしまった。
 雪印については、私の地元でございましたから大変影響が大きかったのでありますけれども、賞味期限の切れたものをまた入れたとか、あるいはパイプの掃除をきちっとしていなかったとかいうちょっとしたことから会社自体が実はばらばらになってしまったということで、まさしく大畠委員の御指摘のとおり、日本を代表する企業があっという間に信用を失うだけではなくて、会社の存立にかかわる。会社の存立にかかわるということは、従業員、御家族あるいは取引先、地域経済にも大きく影響を与えるわけでありますから、まさに、社会的な企業の責任というものはますます大きくなってきているわけであります。
 小泉総理が、勝者だけ頑張れ、頑張れと言っているというのは、必ずしもそれはそういうことではないと私は思っております。
 つまり、競争力を強めるということは、ある意味では日本が、今おっしゃられた物づくりも含めて、生きていく上での一つの、はっきり言って唯一とも言っていい人材育成と競争に勝つための方策をいかにつくり上げていくかということに今取り組んでいるわけでありますけれども、そのトップランナーあるいはまた勝者というのは、何も瞬間的に売れているから勝者だということではなくて、あくまでも安全性だとか食品における信頼性、安全性、あるいはこういう巨大なエネルギー組織あるいは自動車といった安全性、信頼性というものが大前提にあって、その上で技術的な格差というものによって競争力を勝ち抜いていくということでございます。
 トータルとして最終的に競争していって勝ち抜いていくということでございますから、当然その安全性とか信頼性とか社会に対する責任というものが大前提にあっての日本として物づくりとして勝ち抜いていくということが、小泉総理、そして我々経済産業省も含めた内閣の基本方針でございますが、いずれにしても、企業の社会的責任というものはこれからも極めて大きくなっていく、それをクリアしたところの企業というものは逆に高く評価される、それが健全な、あるべき姿だろうというふうに思っております。
○大畠委員 いずれにしても、今、大臣からもお話ありましたが、日本は、戦後、戦争で負けて焼け野原になって何にもなかったところからここまで来たんですから。それは、世界の一流国に入ったことは事実かもしれません。しかし、その原点、要するに、物づくり、貧しさ、堅実、それから約束したことはきちっと守るとか、そういう日本のよさが次々と失われて、私は非常に残念なんですよ。
 こういう事故、雪印の問題だってそうだし、安全性よりもコストを優先するなんという発想はもともと日本にはなかったんですね。世の中の人に役立つものをつくろう、いいものをつくろう、隣のやつよりもいいものをつくろうというのはありましたよ。しかし、わからなければいい、ごまかしてでも勝てばいいなんという風潮はどこから出てきてしまったのか、私は非常に悲しんでおるんです。
 ぜひ、経済産業大臣としてリーダーシップをとって、もう一回みんな昔を思い出せというような話で、そういうこそくなことをやると必ず失敗するよという警鐘は鳴らし続けていただきたいと考えます。
 次に、皆さんのお手元に二枚の紙が渡っていると思うんですが、参考資料がございます。これは、一つは毎日新聞の新聞記事でございまして、「スーダン油田に中国旗」ということで、サハラ砂漠に中国の国旗が翻っていた、中国が年間に支払う石油代金は推定六十億ドル、約六千五百億円。下の方へ行って、中国が九七年に石油開発権を獲得して、アメリカは九五年、人権抑圧を理由にスーダンを制裁、中国やインドなどアジア系石油企業が権益を握った、こういう記事があります。私は、中国というのは本当に着実にこういうことをやっているなという感じがするんですね。
 それからもう一つの資料は、これは資源エネルギー庁からいただいた資料でございます。二一〇〇年のときのデータを見ますと、二〇〇〇年に比べると六・二倍に肥大すると。北米、欧州、日本とか旧ソ連関係は余り大きく変わっていないんですが、中南米、中東・アフリカ、アジア関係が急速に伸びるんですね。
 こういうことを考えたときに、日本のエネルギー政策は大丈夫か。きょうは原子力関連二法でありますけれども、非常に緻密なことを考えることも大事なんだけれども、こういうものを考えたときに、日本国内のエネルギー戦略というのは、どうも私は、メッセージが余りにも少な過ぎる。
 先ほど鈴木委員からも御指摘がありましたが、エネルギー政策というのはどこがやっているのというときに、答える人というのはどこなんでしょう。例えば、日本のエネルギー戦略はどこでやっているんだというときに、どこどこの部署がエネルギー戦略をやっていますという部署があるでしょうか。大臣、もしもわかりましたらお答えください。
○中川国務大臣 エネルギーの長期見通しについては、これはもう内閣として基本方針ができておりまして、それに基づいてやっているわけでありますけれども、エネルギーを担当する責任者はだれかといえば、私でございます。
○大畠委員 実はここに、私の手元に、フランスの原子力庁の原子力開発局長さん、フィリップ・プラデルさんという方と先日お会いしました。彼の略歴をいただいたんですが、七八年にフランス原子力庁に入省して、スーパーフェニックスの試運転に入ったんですね、立ち上げに従事。それから、八七年にコジェマに入社した。それから、八七年から八九年、ラ・アーグ再処理場に入り、一九九〇年には再処理本部技術部長になって、九五年から二〇〇〇年には核燃料・リサイクル本部副本部長。それから、二〇〇〇年から二〇〇四年はコジェマの副社長、二〇〇五年一月にフランス原子力庁の原子力開発局長。言ってみますと、ずうっと原子力部門、それも高速増殖炉関係をずうっとやっているんですね。
 こういう人が、今、日本にいますか。大臣も、最長四年ですか、最短一年。私が責任者だと言ったって、大臣もかわるわけですよ。そのときに、日本のエネルギー関係者の中でこういう経歴を持つような人物を育てているのかどうかが問題なんです。役職は、それは社長さんでも副社長さんでも次々かわりますよ。ただ、それじゃなくて、やはり現場、あるいは、こういうエネルギーをずうっとやっている男をどうやって育てるかというのが私は大事だと思うんですね。
 そういう意味では、先ほど鈴木委員の方から、エネルギー問題ではエネルギー省というものをつくることが必要じゃないですか、エネルギー問題にずうっと、入省してからあるいは携わってからずうっとやるような男を育てることが必要じゃないですかと言ったけれども、大臣は、今その必要性は感じておりません、現在でも十分ですというお話がありました。閣僚の一員としてはそういう答えをしなければならないかもしれませんが、私は、ちょっとそれは違うんじゃないか。
 こういうことを考えると、二一〇〇年時代、あと百年先といったってすぐですよ。そういうことを考えると、今の体制のままで、エネルギー担当の課長さんも二年ごとにころころころころかわる、ずうっとエネルギーに携わる人間がなかなか育たないというのが現状。
 そういう意味では、こういう「スーダン油田に中国旗」という記事がありますが、日本のエネルギー政策がどうもどこが責任部署でやっているのかわからないというのが私は非常に残念なんです。これは、与党の中でも、ぜひ、そういう建前論だけにとらわれずに、私たちも今日あるのは、先輩方がそういう下地をつくったから今日生きられるのであって、私たちもいずれ死にますよ。死んだ後の日本人の子供たち、あるいは、将来はだれが担うかといったら、私たちが担わなきゃならないことは事実。
 そういう意味では、現状、非常に不十分であるということをぜひ御認識いただいて、さらに御努力いただきたいということを申し上げさせていただきます。
 それから、再処理準備基金についてお伺いします。
 これは、いろいろ資料を見ると、言ってみますとこの問題は、今まで電力会社がたんす預金をしていたんだけれども、どうもたんす預金をしているとどこに使っちゃうかわからないから、やはり公的な郵便局に貯金しよう、そういうことだと私は思うんですね。だから、信頼できる郵便局に預ければ大丈夫だということで預けるんだと思うんです。
 ただ、三百年も十八・八兆円を預金しておいて本当に大丈夫かな、そういう不安視する声もあるんですが、この十八・八兆円の基金の使途あるいは透明性をどう確保するかということについて、具体的なお話を伺います。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 再処理積立金として積み立てられた資金につきましては、今御指摘のように、極めて長期にわたり発生する再処理に要する費用の支出に適正に充てられることが不可欠であると考えてございます。このために、電力会社が再処理事業の支出に充てるため積立金を取り戻そうとするときは、その支出内容について経済産業大臣の承認を受けることを義務づけまして、国による厳格なチェックを行うこととしてございます。
 さらに、積立金の管理を行うことになる資金管理法人が、取り戻された積立金が確実に再処理事業に支出されることを確認する業務を法律上行うことにより、適正な支出を確保することとしてございます。
 また、この資金管理法人は、毎年度、資金の取り戻し状況を記載した事業報告書を国に提出することとしてございますが、この提出されたものを公表いたすことによりまして、常に積立金の使途の透明性の確保を図っていきたいというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、今先生から御指摘のように、安全、確実、透明性が担保されるような形でこの資金管理が行われるように、今後とも十分な監督をしてまいる所存でございます。
○大畠委員 とにかく、三百年というと江戸三百年ですから、それと同じぐらいの時間ですから、そこら辺は十分に、国民の皆さんにも理解いただけるようにさらに努力をしていただきたいと思いますし、資金管理団体が天下り先になるんじゃないかとか、社会保険庁に対する批判も今出ているところでありますが、往々にすると無責任な機関になりがちでありますから、そこらは十分に注意をしていただきたいということを申し上げさせていただきます。
 それから、日本原燃でございますけれども、六ケ所村でさまざまな困難を克服して一生懸命事業展開をしているわけでありますが、この日本原燃さんの位置づけというのは、今回のこの原子力政策上大変重要な位置づけでありまして、まさに不可欠な任務を負うことになっています。再処理事業、燃料加工処理、そして高レベル廃棄物処理事業などの運営を行うんですが、民間企業にこんなに、四六年とかなんかというと、これはかなりの時間やらなきゃならないわけでありますが、こういうところを本当に民間企業でいいのかなという感じが私はしているんですね。
 それで、今回の法律案の計画を見てみますと、実は、原子力情報資料室からも私どもにファクスが幾つか来ています。こういうことはやめた方がいいんじゃないかというようなものが来ているんですが、その中で、やはりもうちょっと政府の方も、使用済み燃料を再処理してどうするのかということをつじつまが合うような仕組みにしておかないと、こういう声が出るんですよね。
 これは、やはり懸念する声に対してはきちっと答えなければならないんですが、すなわち、使用済み燃料は三・二万トン処分されるが、それより多い三・四万トン分は当面貯蔵される。結局、今回シナリオを書いたんだけれども、これまでにたまった使用済み燃料が一・四万トン。それから、これから発生する分量のうち一・八万トンの分はこの施設で処理できるというんですが、毎年千トン出る使用済み燃料のうち、二百トンは処理できないんですね、八百トンしかキャパシティーがありませんから。そうなると、二百トンずつずっと積み上がって三・四万トン、二〇四六年までには三・四万トンどうしても処理できないものが残ってしまう。それから、再処理をしてプルトニウムをどういう形で使うのか、そこのところも明らかじゃないんじゃないか。
 だから、今回の法律案で基金をきちっと明確にして、たんす預金からきちんと郵便貯金に入れて保持しますが、そのお金を使いながらきちっと再処理をし、そして基準、クリアランスを決めますよというこの流れはいいんですが、国民に対してそこら辺をわかりやすくするためにも、やるんですが処理できない部分が残ってしまって、それをどうするかということについては、残念ながら解をまだ出していないわけですね。
 ですから、私は、原燃さんの問題も、こういう重要な位置づけを民間企業にやらせていいんだろうか。小泉さんは、民でできるものは民へ、官から民へと言うんですが、こういうものは、数十年あるいはひょっとしたら数百年続けなきゃならない事業については、本来は官でやるべき、国がやるべきだと私は考えるわけでありますが、ここら辺の基本的な御認識をお伺いしたいと思います。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 使用済み燃料の再処理でございますけれども、これをどのような事業形態で行うかということにつきましては、これまでさまざまな形で議論をされました結果、今日のような形で民間九電力が主体となりまして設立をされました日本原燃株式会社において再処理工場を運営するという形になっているわけでございます。他方で、国といたしましては、安全規制等につきましては国としてしっかり対応する、それから、その事業につきましても、ただいま御審議をいただいております使用済み燃料に関します法案等によりましてこの事業の裏づけを図っていくというような形で、国と民間企業がそれぞれ役割分担をしながら的確に進めていくというのがこれまでの方針であり、また現在そういうことで取り組んでいるということでございます。
 これからの見通しにつきましては、さまざまな形でこれまでも公表をしてきたところでございますけれども、例えば、今御指摘のございました年間一千トン生じます使用済み燃料のうち、六ケ所の再処理工場で処理されますものは八百トン、残りの二百トンにつきましては、中間貯蔵をした後に、将来建設をされる第二再処理工場で処理をするというのが基本方針でございますけれども、そこら辺の数字を含めたこれからの展望、あるいはプルトニウムの利用計画につきましても、これは平成十五年の八月に原子力委員会が決定をしております「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方について」におきまして、「電気事業者は、プルトニウムの所有者、所有量及び利用目的を記載した利用計画を毎年度プルトニウムを分離する前に公表する」というふうにされておりまして、「利用目的の妥当性については、原子力委員会において確認していく」ということにされております。
 プルトニウムにつきましては、こういう仕組みも含めまして、さらに一般によく周知、情報提供がされるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○大畠委員 私が思うには、この計画に反対する国民、市民もいるわけでありまして、なぜそういうことを言うのかな、そういうものに対してはきちっと答えられるものは答えなきゃならない。ところが、どうもここら辺が、二百トン余ってしまいまして、それについては将来再処理場をつくるんですという話でありますが、やはり全体像をきちっとしていないから、こういういろいろな指摘を受けちゃうんだよね。
 私は、だから大臣に先ほど申し上げましたけれども、この原子力政策、この原子力問題も、では、どこが本当に責任部署でやるんだ、だれがやっているんだと。単なる、今度私が担当しましたから私がやります、あなた、いつから来ているの、三カ月前にちょうど赴任しましたというので、その後はどこがというと、全然別な人が入ってきたりなんかすることがあるんですが、私は、そういう人事じゃなくて、まさに自分の頭の中にマップをかいて、原子力問題について懐疑的な方々の問題点、指摘にきちっと答える。きちっと答えられるようなマップをつくっていないからこんな話になってしまうので、今の二百トンについても、つじつまが合っていないわけですよ。将来やればいいという話じゃなくて、やはり今から、こういうことできちっとやるんですということがなぜ言えないのか。
 それから、NUMOとの関係もございますね。二〇四〇年の中ごろから始まるというんですが、いずれにしても、そういう問題も含めて、一度大臣、ぜひマップをつくって、いろいろなことを言われないように、言われるというのは何かすきがあるんですよ。ですから、もう一度、原子力政策全体について、将来考えましょうなんという話じゃなくて、一応こういうふうにするんですという一つのマップをきちっとつくることが今必要なんじゃないかと私は思うんです。
 今回の法案は法案として、民主党としても必要性を認めて賛成をする予定でありますが、まだまだそういう意味では部分、ジグソーパズルでいえば、部分のピースをはめているような形で、まだピースがはまっていない部分があるんですね、空白が。ここら辺のところをやっていないから、青森県の知事さんなんかもいろいろ悩んでいるところがあるし、原子力発電所の立地県の首長さんだって、なかなか議会に対して答えができないんですよ。だから、それはやはり国の責任としてジグソーパズルの空間を全部埋めて、これで日本は原子力政策を進めるんですということをやらないと、この政府の方の説明資料についても、当面は貯蔵なんという話でありますが、原子力委員会の全量処分の方針とは違うわけですよね。こういう資料を出さざるを得ないという体制そのものに、やはり不備があるんじゃないかという感じがすることを私は申し上げさせていただきます。
 それから、原子力用語の話ですが、ちょっとお伺いしますが、プルサーマルというのは何語ですか。
○安達政府参考人 造語でございます。プルトニウムをサーマル発電所でたくという造語でございます。日本語の造語でございます。
○大畠委員 国際的に通じないような日本国内の専用の言葉をつくること自体が、要するに、市民から見ればわからないんですよ、プルサーマルって何だろうと。原子力関係者は、私もそれは知っていますよ。でも、青森とか茨城の東海村とか、そういうところの農作業をやっているおばちゃんにプルサーマルと言って、わかりますか。わからないんです。そういう言葉がかえってわからなくしているんですよ。
 だから、私は先ほど、フランスの友人の話をするわけじゃないんですが、彼らは明確に、どういうふうな言い方をしているかというと、核燃料リサイクル本部というのをつくっているんですよ。リサイクル本部というんですよね。サイクルじゃないんですよ、リサイクル。核燃料リサイクルなんですよ、使用済み燃料のリサイクル。これだったらわかる。紙のリサイクルとか、ペットボトルのリサイクル、空き缶のリサイクル、これはみんなわかっているんですよ。ところが、原子力になると突然、サイクルになっちゃうんだよね、核燃料サイクル。でも、これも結局は核燃料リサイクルというのが正しいし、プルサーマルについても、言ってみますと、これは使用済み燃料のリサイクルなんですよ。使用済み燃料のリサイクルの使い方として、原子力発電所で使うということなんだから。
 だから、こういうところも含めて、再度、原子力関係者はもうちょっとわかりやすい言葉で説明をする責任があると思うので、これは一つの例として申し上げますが、まだまだ努力が足らない。
 ですから、この原子力問題についてももうちょっと、今度担任しましたとか何かじゃなくて、ずうっと原子力でやっているとか、ずうっと高速増殖炉をやっているとか、そういう、一言で言えば……(発言する者あり)そうです、人を育てるという言葉がありましたが、そういうことをぜひ政府内でも努力していただきたいということを申し上げます。
 それから、核不拡散の問題について質問させていただきますが、最近、核兵器を持たない国の使用済み燃料の再処理を認めないという考え方をIAEAの事務局長が示したということでありますが、北朝鮮問題も絡み、複雑な国際情勢下となり、かつ、各国が競ってエネルギー資源を求めている中で、日本としてはどういう対応をしようとしているのか、お伺いします。
○天野政府参考人 お答えいたします。
 御質問のIAEA事務局長の発言というのは、ことしの二月のファイナンシャル・タイムズ等におきまして、同事務局長が、ウラン濃縮や再処理施設の新規建設を五年間凍結すべきという趣旨の意見を述べたことを指しておられるものと考えます。
 このように、現状では、IAEA事務局長の見解は、新聞紙上での意見表明であり、まだ正式な提案ではなく、また、議論も行われてはおりませんが、一般論として申し上げますと、国際的な不拡散体制の維持強化が必要だという認識は共有いたしますが、我が国が国際社会の信頼を得て行っている核燃料サイクル活動を含めまして、原子力の平和利用を阻害する可能性がありますので、適切なアプローチではないと考えております。また、このような考え方は、直接エルバラダイIAEA事務局長にも伝えております。
○大畠委員 実は過日、ロシアの新任大使の方とお話をする場があって、いろいろお話をさせていただきましたが、北朝鮮の核開発を放棄させることは非常に難しいと思うと。それは、中国も核兵器を持っているし、ロシアも持っていますし、アメリカも持っている、その中で、おまえだけ核兵器を放棄しろというのはなかなか難しい話だという率直な話をちょっと聞いたんですが、だからといって、今の外務省のお話もありましたが、IAEAの事務局長が非核保有国の核燃料サイクルを制限するというようなことになれば、日本のエネルギー政策はどうなってしまうんだ。
 これは単なる核不拡散というものだけの問題じゃなくて、日本のエネルギー、二一〇〇年ぐらいを考えた場合は、高速増殖炉というのも非常に有効な手段として浮上するわけですね。一般的に、高速増殖炉はもう各国とも興味を失って云々という話がありますが、中国は二〇〇七年に、開発を進めて、高速増殖炉の臨界に入りますね。それからフランスも、フェニックスを二〇〇八年でやめて、二〇〇八年から新しい新型炉に、第四世代炉というものをつくり始める。そういう意味では、日本にとっても死活問題になってくるわけですよ。
 ですから、外務省の方も、対中国、対韓国、いろいろ大変かもしれませんが、そうではないんだ、我が国のエネルギーの中核にこの再処理というものが位置づけられているんですからということを明確に出さなければならないし、それを担当する大臣としても、経済産業大臣としてこういう問題に対してきちっと物を申すべきだと思いますが、この動きに対しての大臣の御見解がありましたらお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 まず、北朝鮮は、中国もロシアも持っているから自分も持っていいんだというのは、これは全然理屈にならない理屈だろうと思っています。
 それから、今大畠委員の、IAEAが日本についても今までと違う措置をとるということにつきましては、私は東京で二回エルバラダイさんにお会いしていますが、一回目に会ったときには、日本は優等国です、平和利用の優等国ですから特別扱いというんですか、ちょっと正確な言葉は忘れましたけれども、やっているんです、こうおっしゃっておりました。その後、あれはことしの初めでしたか去年の終わりでしたか、二回目にお会いしたときに、ことしの初めですね、こういう今のような議論が出てきたので、何でそういうことをするんですかということで、私の方からも強く申し上げたところで、まさに平和利用の優等生、世界に対する一つのお手本としての自負と責任を持っている日本という立場があるからこそ、ほかの国もそういうことによって平和利用に徹すれば、そういうメリットといいましょうか、そういうものもあるのではないかということを強く申し上げたところであります。
○大畠委員 これは外務省マターではなく、本来は経済産業省の所管でもありますし、ぜひそういう御認識を持って進めていただきたいと考えます。
 それから、先ほどちょっと申し上げさせていただきましたが、原子力委員会では全量再処理の方針が確認されたんだけれども、実際上、六ケ所では、残念ながら、八百トンの年間処理の能力しかないんですね。そこで、そこの差ですとか、あるいは、再処理をした後何に使うんだ、その使う目的が明らかになっていないじゃないかという御指摘をいただいているわけでありますが、このことについても明確に答えていくことが必要だと思いますが、このことについてお伺いします。
○小平政府参考人 まず、再処理の、六ケ所工場の能力、年間八百トンであるということに関しますことでございますけれども、昨年の原子力委員会で、大変時間をかけまして、すべて公開のもとで、日本における使用済み燃料についてどうするかということが徹底的に議論をされました。その結果取りまとめられましたものが、昨年の十一月の核燃料サイクル政策の中間取りまとめでございます。
 この中におきましては、再処理を行う目的につきまして、循環型社会の追求、まさに先ほどお話がございましたリサイクルということでございます。それから、エネルギーセキュリティーの確保、将来における不確実性への対応能力の確保ということから、再処理することを基本方針とするということは非常に明確にされているところでございます。
 したがいまして、先ほど中間貯蔵のお話がございましたけれども、これはあくまでも将来再処理をするという前提で中間貯蔵するという位置づけに原子力委員会の中間取りまとめでなっているところでございまして、これはこれまでの国の政策の再確認ということでございます。
 また、今お話のございましたこれからのロードマップと申しますか、出てくるプルトニウムをどういうふうに利用していくのか、この再処理によって得られる資源をどのように日本のエネルギーとして活用していくのかということを明確にすべきであるという御指摘でございます。
 これにつきましても、従来から国といたしましてはプルサーマルでの利用、これは電気事業連合会におきましても電力会社の取り組みをこれに合わせまして発表しておられますけれども、この推進を図るということ、それから、高速増殖炉の実用化に向けての研究開発というものも進めてきたところでございます。
 現在、原子力委員会で、新しい長期計画を策定する中で改めて検討がされておりますので、現状を踏まえた上での全体としてのロードマップ、将来に向かっての展望、政策が示されるということになるというふうに考えておりまして、私どもといたしましても、これに全面的に参画をし、議論をしてまいりたいというふうに思っております。
○大畠委員 時間が参りましたので、最後に大臣にお伺いしようと思ったんですが、鈴木委員からもありましたように、私は、エネルギー省というものをきちっと日本としてつくると。教育、食糧、エネルギー、防衛、こういうものはまさに現状だけではなく未来の日本を支える大変重要な柱でありますから、そういうものをきちっとしないから、諸外国から、日本は何だ、いつもアメリカの言うとおりじゃないかという、何か弱腰外交とか日本人というのは何を考えているかわからないなんという、そんな話を指摘されちゃうんですね。
 だから、私は、この際、きちっとこのエネルギー問題についても、冒頭に申し上げましたように、マップを、ジグソーパズルでいえば全部当てはめて、これこれです、どこからでも質問してください、どこからでも意見を言ってください。青森の知事も、福島の知事も、茨城の知事も、新潟の知事も、これできちっと議会あるいは住民に話をしてくださいという全体のマップを準備してやるのは国の責任だし、ましてや、中間のところを民間企業に任せておくというのは、どうも私はよくわかりませんね。
 アメリカは、使用済み燃料は全量をアメリカ政府が買い取って処理するというし、フランス政府も、使用済み燃料については国の責任でやっているんですね。そういう意味では、日本の原子力政策のそこら辺が、民間企業の責任なのか国の責任なのか、何かよくわからないもじゃもじゃしたところがあるのが今日の日本の原子力政策の大きな問題点じゃないかと思っているんです。ここら辺を踏まえて、大臣には大臣の任期中にぜひそこら辺を明確にしていただきたいと思いますが、一言大臣のお話を伺って、終わります。
○中川国務大臣 文字どおり、食糧とかエネルギーとかいったものの安定確保はある意味では国民に対する責務でございますから、そういう意味で、きちっとした政策をやっていくことが大事だと思っております。
 いろいろ御提言をいただきましたが、その中で、人材の育成、その方がずうっとコジェマへ行ったり、また政府へ行ったりやっているというのは、フランスやアメリカと日本とではなかなか違う部分もありますけれども、いずれにしても、人材の育成は大事であります。
 それから、マップを示せということも、国民あるいは御地元に対しての理解をさらに深める意味でも必要なことだと思いますけれども、まだ不透明な部分があったり、突発的にいろいろなことがあったりということもありますけれども、きちっと国民にサイクルを含めたマップを示すということは、やはり大変重要な御指摘だと思っております。
○大畠委員 終わります。

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