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○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
きょうは、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案というものについて質問をさせていただきます。
この法律案の質問に入る前に少し大臣のお考えを伺いたいと思うんですが、実は私、いつも自分自身の心に戒めを持っております。「心は豊かに 生活は質素に」という一つのある経営者からの手帳をいただいて、それを胸にしながら、そうあるべきだなという思いを持っておるんですが、逆に、日本の今の社会の中は、どちらかというと生活が豊かで心が貧しくという、そんな感じになり始めております。
今回のこのものづくり法案に当たって地域社会の中のいろいろなお話を伺いますと、どうも大畠さん、このものづくりに関する高度化の法案はわかるんだけれども、地上を一生懸命自転車こいで走っている人に対して、高度一万メーターの上空を飛んでいる飛行機に急いで飛び乗れという感じの法律案にも見えると。どうも今回の法律案、趣旨はわかるんだけれども、我々も飛行機に乗りたいんだけれども、毎日毎日、地上で自転車をこぎ、一生懸命車を走らせている立場からすると、何かいま一つ何か欠けているんじゃないかという感じがするという話がございました。
現在、小泉政権の中では、改革、加速という標語が各議員の部屋にたくさんあるわけでありますけれども、どうも選択と集中、それも大事かもしれませんけれども、大臣、大きな企業あり、中規模な企業あり、小規模な企業がある。結局どこがどこを担っているかというと、やはり地域社会の中で下請という企業があって初めて大きな企業も成り立つわけなんですね。
ですから、今回のこの法律案の方針というのは理解しながらも、大臣として、今の小泉改革の、いわゆる改革を加速しようということなんですが、その視点からすると、地域社会における中小企業、あるいは都市部に対しての地方の町並みというのがどうも眼中に入らないで、選択と集中、選択と集中というので、そっちの方ばかりに向いておられるんじゃないか、こういう御指摘がございましたけれども、この件について、一番最初に大臣の、まさに小泉政権の中核であります経済産業大臣としての御認識を伺いたいと思います。
○二階国務大臣 ただいま大畠議員から、心は豊かに生活は質素にと、まことに含蓄に富むお言葉をいただき、大変感心をいたしております。
まさに小泉内閣は改革続行内閣、こういう意気込みで、改革をさらに加速することを願っておるわけでありますが、一方、その改革の後に何があるかと、その将来を展望して、我々は、今こそ日本が、日本の経済が、大企業のみならず中小企業の皆さんにも、大都市だけではなくて地方も、お互いに元気の出る産業の育成を考えていくことが私どもに課せられた重要な使命だというふうに考えております。
したがいまして、私も就任以来、いろいろな場所で御質問をいただいたり意見を述べさせていただく機会がありますが、中小企業のことを言わなかった日はないわけでありまして、やがてそのうち大企業の方から抗議が来るのではないかと思うぐらい中小企業、中小企業と一つ覚えにずっと言ってまいりました。
しかし、私は政治に携わる者として、今こそ、中小企業の皆さんの今日までの長いトンネルの中での痛みと、地方の皆さんが、ややもすれば希望を失いがちになるほどの苦しい状況の中で今必死で頑張っていただいている姿を思うと、まさに中小企業と地方に力点を置く政治が大事だということを私は痛感をいたしております。
したがいまして、今、大畠議員から御指摘のありましたような点につきまして我々も十分心得て、中小企業と地方の皆さんが元気を出す、そして改革をしてよかった、改革の恩典が地方、中央を問わず、大企業、中小企業を問わず均てんされるような世の中でなくてはならない、かように思っておる次第であります。
○大畠委員 基本的な御認識は今伺いました。
確かに大臣がおっしゃるように、経済産業省管轄の調査室からいただいた資料によりますと、二百九十九人までの従業員の企業が三十万社、そして三百人以上の企業が大体三千百五十二社ということなのでありまして、九九%はまさに中小企業という構図でございます。従業員数でいいますと、七三%がいわゆる中小企業、大企業と称する三百人以上という企業が二七・三%。出荷額なんかも、中小企業で五〇・五%、三百人以上の企業で四九・五%。
まさに日本の国というのは、何となく経済界の動きを見ていますと、大規模企業といいますかが中核となって動かしているようでありますが、その実は中小企業がしっかりと支えてやっているということが実態だと思います。
もう一つ、過去の経済産業省の、昔の通産省でありますが、あの時代、小規模企業は中規模企業になり、中規模企業は将来大企業になる、中小企業というのはその一通過点であって、大規模企業に対して集中的に政策を展開すればそれで事足りるんだというような一つの考え方があったんですが、ここら辺、大臣はどういうふうに今改めて御認識をされているのか。
そしてもう一つは、最近のライブドア問題でもそうなんですが、株を買った買わない、あるいはあの企業を買収しよう、企業というのは株主のものだという発想が随分世の中に出てきておりますが、私は、日本のものづくりという観点からいっても、企業というのは株主のものという発想は日本にはなじまない。企業というのは、その企業の経営者、あるいはまた創業者の方もいるかもしれません、そしてそこで一生懸命仕事をしている従業員にとっては、まさに地域社会の中における生活をしていく基盤なんですね。
そういう意味では、単にその株を買ったからおれのものだとかなんかという社会的な風潮に対して、経済産業大臣として一つ警鐘を鳴らしながら、そして大臣の御認識を、御見識をここで改めてお伺いしたいと思います。
○二階国務大臣 私は、中小企業の皆さんがやがて大企業に、あるいは中企業に発展していくということに関しては、それはそれで結構なことだと思いますが、そればかりが中小企業の皆さんの願い、ねらいではないと思うんです。
中小企業でなければできない仕事がたくさんあります。そして、今我が国は、だんだんと長いトンネルから抜け出して明るさが見えかけてきたところでありますが、その根幹をなすものは、やはりものつくり産業の奮起であったと思うんです。そのまたもとは何かというと、中小企業の皆さんの頑張りであったと思います。
私も時々、中小企業の現場を訪ねていろいろ教えてもらったり、あるいはまた御意見を聞かせていただいたり、あるいは私どもには中小企業庁のメンバーもたくさんおっていただきますし、地方の出先にもそれぞれ経済産業局がございますが、こうした諸君にも一層奮起してもらうために、私も率先してできる限り現場を歩くようにいたしております。
そんな中で思うことは、やはり中小企業の皆さんの今日までの蓄えてきた技術、それは大変なものであって、もう今では大企業が私たちのところに相談に来てくれるようになった、何か新しいものはこの考えの中にありますか、あるいはまたこんなものをつくってくれないでしょうか、あるいは外国でこんなものができておるんですが日本でできないでしょうか、そんなことを私ども中小企業に大企業の幹部が相談に来てくれるようになった。私は、それを聞きながら、やはり中小企業に力点を置いて日本の経済の再活性化を図るというこの視点は間違いではないというふうに改めて思うわけであります。
そういう意味で、私どもは、これからも中小企業を中心としたものつくり、このことにもっともっと力を入れて支援していかなくてはならない。法律ができたから、その法律一本で何もかも立ち上がるというものではなくて、その法律は一つのきっかけをつくるわけであって、これからもこの法律の、皆さんのお力で成立をさせていただいた場合に、それから先の発展について、我々は中小企業の皆さんと一体になって取り組んでいきたいと思っておる次第であります。
今、ライブドアの話を引用されてのことでありましたが、ライブドアのこの事件そのものについては、今私が意見を述べる立場にはありませんが、しかし、御意見のように、子供が小さいときから株等のゲーム遊びがはやってきたなんという話を聞きながら、お互いの子供のころは、そんなことが評価されたり優先される社会ではなかったはずであります。
しかし、そんな我々の時代が本当に一番よかったのかというと、今の子供たちの方がある意味では進んでおるのかもしれませんが、そこは、もう少し社会が落ちついて、何でも金もうけすれば偉いんだというふうなこの風潮は、やはりぬぐい去っていくべきだと思っております。
日本人の本当のよさ、日本人の魂、そういうものはどこへ行ったか、今言われるわけでありますが、我々は、もう一度自信を取り直して、日本が国際社会の中でも尊敬される日本であり続けるためには、やはりいま一度立ちどまって考えてみる必要があると私は思っております。
○大畠委員 大臣の御認識、わかりました。
大臣もごらんになったかもしれませんが、「ALWAYS 三丁目の夕日」というのが、今国内でも非常に評価されているんですが、昭和三十三年代、貧しかったけれども、なぜみんな心は明るかったんだろうか。そこのところをもう一回たずねてみなきゃいかぬと思うんですね。
お互いの助け合いとか町内会とか、そういう社会があって、お互いに頑張れよと励ましながらの状況があったんですが、今じゃ、家庭も地域社会も何かつま先立っちゃって、お互いに助け合うという気持ちがほとんど見えなくなってきている。そのときに、株の売買というので、企業をお金を持っている人がばっと買って、そして大きくなったらまた売ってしまうという、これは一つの経済行為だと思うんですが、私は、どうも日本の国に、こんなことをいつまでもやっていたら、いわゆるモラルというのがなくなってしまうんじゃないかと。
私も、かつて株式会社におりましたけれども、株主のために一生懸命頑張ろうなんというので仕事していたわけじゃないんですね。やはり、日本の国を支える一つの装置、あるいはそういう技術というものを私たちが担っているんだという誇りを持ってやっていたわけなんで、そういうモラルを雲散させてしまうような経済政策あるいは社会の風潮というのは、私は、戒めなければという感じがいたします。
そこで、今回の法律案の質問に入るわけでありますが、実は、今回、法律案についての質問をするに当たって、おとといの午後ですか、一枚のアンケート用紙を私自身つくりまして、各関連の企業、中小企業に送りました。
そうしたら、二十四社から集まってまいりまして、おおよそこの法律案を知っているかというのは、二十四社のうち六社が知っていました。それから、一番困っていることは何ですかと、金融とか人材とかいろいろ聞いたんですが、人材というもの、いい作業員といいますか、なかなか集まらないというのが十五社ありました。金融というものが二社、あるいは、仕事量が減っている、あるいは単価の切り下げで困っているというのが三社、その他二社というんですが、中小企業、人の問題で一番困っているようですね。
それで、企業は人なりという言葉がもちろんありますが、あるいは、中小企業にとっては社長の魅力とかあるいは会社の魅力というのも人集めの大変重要なものでありますが、午前中、御質問がありましたが、どうも技能者というか、ホワイトカラー対ブルーカラーにすればホワイトカラーをどうも目指してしまいがちであって、ブルーカラーに対する日本国内の社会的な地位が余り高くないんじゃないか、こういう御指摘もいただいております。
したがって、機械加工でまさに社会的に一級の腕を持つとか、そういう方の社会的な地位を高めてもらいたい。例えば、結婚式のときに、新郎か新婦かいろいろありますが、この方は、国の検定を受けて機械加工のまさに一級の腕を持つ機械加工士です、これからの人生の発展が期待される人なんですとか、そういうときに披露できるような、社会的な地位までやってもらいたい。
そうすると、学卒の人で、現場の作業員として入ろうとなかなかしない、学卒で現場に入った人は非常にやはり伸びるというんですね。だから、高卒であろうと学卒であろうと、よし、おれは機械加工の一級の人間として人生を生きようという、そういう流れを少し社会的につくっていただかないと、なかなか優秀な人材が集まらないというような趣旨の御意見が非常に多かったわけでございます。
この点、経済産業省というよりも、これは厚生労働省の所轄かもしれません。先ほど、午前中もドイツのマイスター制度の話が出ましたが、厚生労働省、たしかきょう来ておられますね。厚生労働省として、直接企業経営には携わっておりませんが、そういうものが非常に大事だという指摘があるんですが、この件について厚生労働省から御意見をいただきたいと思います。
○草野政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、技能者の社会的位置づけを明確にし、その地位の向上を図るということは、極めて重要な課題であるというふうに認識しております。
こうした観点から、第一に、技能検定制度を初めとします職業能力評価制度の整備を進めておりますほか、第二に、すぐれた技能者を顕彰する制度としまして、高度熟練技能者の認定でありますとか、あるいは、卓越した技能者、これは現代の名工と言っておりますが、そうした方の表彰、それから、十七年度よりは、経済産業省と共同でものづくり日本大賞の創設などを行っているところでございます。
特に、技能検定制度でございますが、これは、ドイツのマイスター制度のように、広範な職種にわたって職業資格や営業権と直接結びつくものではございませんが、労働者の職業能力を公証し、品質、生産性の向上などの産業活動にも寄与するものでございます。
したがいまして、こうした技能検定合格者の社会的評価を高めていくための取り組みといたしまして、例えば、第一に、官庁の営繕工事の発注の際に、一級技能士を地域の実情において常駐するような制度、あるいは、特級、一級技能士が製作した商品に技能士名を表示いたしまして、それを顕彰する、こういう製作技能士名表示事業の普及促進などの措置を講じているところでございます。
なお、企業におきましても、技能検定に合格したことを昇格、昇進の前提条件としたり、あるいは月々の資格手当の支給などに反映している企業も相当数に上っているというふうに承知しております。
このほか、技能を評価していく上で、社会全体として技能尊重機運を醸成することが重要であると考えておりまして、各種の技能競技大会の開催をいたしているところでございます。特に、二〇〇七年には、静岡におきましてユニバーサル技能五輪国際大会が開催されることになっておりまして、こうした大会などを契機として、技能尊重機運を盛り上げていきたいというふうに考えております。
いずれにしましても、今後とも、技能士などの資格を有することによる特例的な取り扱いでありますとか技能士の積極的な活用、こういったことを関係省庁や業界団体、企業に働きかけまして、技能を有する方の社会的評価を高めてまいりたいというふうに思っております。
○大畠委員 大臣、今お話があったように、厚生労働省としてはそういう認識なんですが、実際問題、一番冒頭にお答えがありましたように、マイスター制度に比較すると非常に社会的な影響力は少ないですという認識を持っているんです。それではやはりだめなんですね。だめなんです。
私も、午前中も大田区の選出の議員からお話ありましたが、大田区で加工業の仕事をしている社長さんがいまして、分析をしたら、九割ぐらいがコンピューターでできる、でも最後の一割はどうしても、いわゆる技術者、技能者でなければできないという分野が残ると言うんですね。そういう人間をどうやって確保するかなんですよ。
皆さんも、ここにおられる人はほとんどホワイトカラーなんですが、実際に物をつくるという仕事につこうとする人が枯渇してしまったら、まさにものづくりというのは、高度一万メーターに乗ろうという人がいるのはいいんですが、その周辺というか支えるところがだめになってしまうんですね。
したがって、大臣、この件はもうちょっと、午前中、小泉内閣の閣僚で発言が異なるとかなんかという話もありましたが、この件については、ぜひ厚生労働大臣ともよく話をして、社会的な地位を上げようよ、そして、その地位についたら社会的な影響力も、ほぼマイスター制度と同じぐらいの社会的評価が得られるようなものをつくろうよ、それはぜひ調整といいますか話し合いをしていただきたいと思うんですが、大臣、どうでしょうか。
○二階国務大臣 私どもは、今、問題ごとに各閣僚と連携をして、いろいろなことに対応しております。
例えば、塾の問題なんかは御承知のとおり経済産業省の所管なんですね。しかしこれを、我々だけの所管ではなくて学校も関係してくるし警察も関係してくる、それならば一緒にやろうよということで今対応しております。川崎大臣には今大畠議員からの御提言を必ず伝えまして、一緒に対応できるような道を考えていきたいと思っております。
そのためにも、今回の法律もお願いしておりますが、同時に、私ども、三百社ばかりの優秀な企業をピックアップして一冊の書物にして皆さんにごらんに入れるということにいたしておりますが、その際に何か考えたいということをずっと思っております。ただその書物に入ったということではなくて、その位置づけをしていきたい。そして、この次には、選外優秀校ではありませんが、その選に漏れた新たな三百社がおられるわけですから、みんなが希望を持てるように。
そのことによって銀行も、ああ、あの企業は技術的にも立派なんだな、経済産業省もそれを認めているんだなというふうな御判断をいただく。同時に、人格を伴うそうした技術者に対して、マイスター制度のような、そういう社会から尊敬を浴びることのできるようなことをどうすればいいか、一度改めて研究してみたいと思っております。
○大畠委員 ぜひお願いしたいのは、今御指摘ありましたが、やはり気持ちなんですね、どういう気持ちでそれに取り組むかという。誇りを持つというのは非常に大事でありまして、私も一人の技術者でありましたが、現場の人にかなわないものはたくさんあります。それは、指でさわっただけで表面粗さがわかるとか、ちょっとしたかげんでちゃんと百分の一ミリの精度でもって機械加工ができるとか、すごい人がたくさんいますよ。そういう人を、やはりすごいということで社会的にも評価する。
大臣もベルギーに行ったことがあると思うんですが、あそこの国では、非常に、技術者というか技能者といいますか、時計修理工もそうですし、みんな大事にしているんですね。三、四人の企業だけれども、代々お父さんの後を継いで、時計の修理会社をやったりあるいはこういう小さな工場をやっていたり、非常にうまくいっているんですね。なぜ日本が最近崩れ始めてきたのか、そこら辺、社会的な位置づけというのは大変重要だと思いますので、ぜひ取り組んでいただきたい、これは要望しておきます。
それから、幾つかアンケートの中に、この法律案、第一歩になるのでぜひとも成立させてほしいという御意見とか、あるいは中小企業の定義がこの法律案ではっきりしていない、零細企業でも頑張っているところもあるので零細企業なんかも、三百社に入ることは難しいかもしれませんが、大規模、小規模を問わず、ぜひやる気があるところは認定してほしいという意見ですとか。
特許を取りたいんだけれども特許を取る費用が大変だ、かつ、特許を取っても維持費が大変だ。したがって、零細企業なんだけれども出したい特許はある、しかしなかなか経費なんかを考えると二の足を踏んでしまう。法律案の中では、大臣認定がなくてもぜひそういうのは認可してほしいとか。
研究開発問題で、この企業は年商二億ぐらいの程度ですが、一〇%程度を研究開発に投資している。しかし、銀行はこういう研究開発のための融資はしてくれない、これが実態なんだ。
金融機関の問題で悩んでいる方は、金利二%で貸し出しをする民間金融機関はない、現在、銀行関係は金利三から五%、保証協会が一・三で、合計四・三%から六・三%の金利を取られるという状況にある、したがって、今回さまざまな動きがありますが、政府系金融機関についてもぜひそういう実態を配慮した形でやってほしいとか、いろいろ御指摘がございます。
後継ぎがいない、やめたい人とやりたい人の窓口をつくってはどうかとか。
ものづくりの高度化も重要だけれども、まず、世界に対して日本の位置づけ、ポジションをどこに持ってくるのかで基盤技術の高度化を図る業種が変わってくると思う、個人的な意見ではエネルギー云々という話もありますし、中小企業の経営者の方々も非常に真剣にこの問題についても取り組んでおられます。
また、もう一つは、六十歳代になって基礎年金が受給できるけれども、働いていると収入があると引かれてしまう、このようなことでは能力のある技能者が集まらない、基礎年金は収入に関係なく満額受給できるようにしてくれないかとかいう、いろいろな話が来ております。これが正直言って地域の中小企業の実態なんですね。
そこで、先ほどの人の問題に戻りますが、学卒関係はなかなか中小企業に来てくれない、あるいは工業高等学校を出た学生もなかなか中小企業には来てくれないという意見がありまして、その中でこういう提案がありました。例えば、中学校を卒業した生徒を中小企業が採用する、そして採用を決めた後にその生徒を工業高等学校とか高専に進学させる、そうすると、その生徒は意識を持って三年間の工業高校の生活をしたりあるいは勉学に入るわけですね。
そういう制度を少し考えてくれないかという提言がございましたが、この件については、文部科学省、きょうお見えになっていますね、ちょっとその件についての今の見解をお聞かせください。
○山中政府参考人 先生、今の御提言でございますけれども、中学を卒業するときにまず中小企業に就職した、そこで進学先を確保するということでございますけれども、現在、働きながら学ぶという形で就業の形態もいろいろな形になっていることから、例えば、従来の定時制高校というふうなところだけでなくて単位制高校というような形で、非常に単位を積み上げやすくするという形での専門高校等もふえているところでございます。
また一方で、現在九七%が中学を卒業して高校に進学しております。そういう中で、高校教育の中で、専門高校の中でも、しっかりとした職業意識を持って学べるような環境づくり、そういうことも進めていきたいというふうに考えております。
○大畠委員 私の地元できのう、日本版デュアルシステムの成果発表会というのがあったという新聞記事が今届いたんですが、これも一つの大事なことではないかと思うんですね。日立工業高校の生徒が、実習先、企業内に入って実習をして、それでその成果を発表した。学生も、何で三角関数をやっているんだかわからなかったけれども、やっとわかった、これで、こういうふうにやるときちっとした計算ができてこういう図面が引けるんだとわかりましたというので、非常に生き生きして帰ってきたというんですね。
ですから、こういうことを少し応用しながら、各国いろいろ努力をしておりますが、ものづくりという観点から意識、動機づけをした上で、工業高校で三年間仕事をするとか高専で仕事をするとか、そしてそれをうまく利用しながら、中小企業にも就職の流れが一つ起こるような形で、ぜひこれはさらに検討を進めていただきたいと考えます。
それから、金融問題の御指摘がございました。金融も、先ほどちょっと御披露申し上げましたが、中小企業の金融面で、中小企業金融公庫、商工中金、国民生活金融公庫などが果たしてきた役割は大きいという意見が大変多くありました。今回、内部で構造改革の一環として検討されていると伺っておるんですが、今回の撤退あるいは実質的な廃止計画について心配する声がたくさん出ています。
特に、民間金融機関では大体五年返済というのが主流でありまして、十年とか十五年返済という政府系金融機関というのは民間の金融機関では見当たらないんですね。したがって、中小企業にとって非常に高いリスクといいますか、大きなリスクを背負いながらの真剣勝負をやらなきゃならない。一発間違えると返済ができないからアウトになるという、そのリスクもあるので、何とかここら辺の地域の中小企業の実態を踏まえた金融制度というものの維持を図ってもらいたいという意見がありますが、中小企業庁、きょうお見えになっていますか。
○望月政府参考人 今回の政策金融改革では、中小企業向けの、先生今御指摘になった三機関、三機関のうちの中小公庫と国民公庫は一つの政策金融機関への統合、それから、商工中金は民営化の方針ということで示されております。
統合された政策金融機関におきましても、中小企業者の資金調達支援が重要分野の一つということで法定されるようでございますし、中小公庫、国民公庫の機能は改革後もきちっと残ることになるというふうに私どもは考えております。
また、商工中金につきましては、所属団体中小企業向けフルバンキング機能を行う金融機関として完全民営化する。組合金融を中心とした中小企業金融でございますけれども、完全民営化するときにはそういうものとしてなるということでございまして、中小企業向け金融機能を維持するためにしっかりとした措置を講ずるということを、大臣以下経済産業省を挙げて、これから詳細設計の際に努力をしていかなきゃいけないと思っております。
いずれにいたしましても、大臣がたびたび申し上げておりますように、中小企業の方々が不安感を抱くことのないよう、政策金融改革にしっかりと取り組むとともに、長期資金の供給を含め、中小企業向け資金供給の円滑化ということには万全を期してまいりたいと思っております。
○大畠委員 そうすると、先ほども指摘がありましたが、金利二%ぐらいで貸し出しをする民間機関というのはない。民間の金融機関に入ると四%から六%ぐらいになっちゃう。それも大体五年返済というのが、たががはめられているんですね。中小企業を支える金融機関としては、公的な金融機関は大変ありがたかった。十年とか十五年、そして、金利問題についても大体現在の水準を維持するような形で統合されるというふうに受けとめてよろしいですか。
○望月政府参考人 先ほども申し上げましたように、今回統合される政策金融機関においては、現行の中小公庫、国民公庫の機能をきちっと維持して、新しい金融機関の中でも、真ん中にその中小企業金融を据えて行われるというふうに理解しておりますので、その点において、今回統合されたからどうこうということにはならないというふうに考えております。
○大畠委員 もう一つ、このアンケートの中ではちょっとなかったんですが、連絡がありまして、午前中もありましたが、遺産相続のお話が出まして、工場敷地の個人資産の遺産相続の減免を求める声があるんですね。
私の田舎の方では、大体五百坪ぐらいの小規模の工場、大田区とは違いまして地価が非常に安いものですから、五百坪ぐらいの企業が結構あるんです。それが社長の個人の所有となっておりまして、こういう遺産相続のときに非常に困るという意見、何とか、企業が存続しているうちは遺産相続税というのを非常に軽減させてもらえないかという話とか、あるいは、遺産相続時の子供の人数によって分割をしなければならないんですね、今の法律上は。
それで、かつて浅草のしにせのお菓子屋さんが、子供三人いたので、兄弟から三分割だと言われて、結局、由緒ある建物を畳んで、更地にして土地を売って、商売をやめちゃったというニュースが四、五年前にありましたけれども、どうも私は、ここら辺から考えると、平等論というのもいいんだけれども、伝統あるそういうしにせ、一生懸命やっている企業経営、あるいは農地なんかでも同じなんですね、各子供さんは一人ずつ等分に遺産相続を受ける権利がありますから、それを主張して非常に困っているケースが随分各所で見られるんですね。
ここら辺は法務省の管轄かもしれませんが、少し見直してほしいという声が、少しといいますか、これからの伝承、継承というものから考えると、その法律自体を見直すべきじゃないかという意見が出ています。
ここら辺について、財務省、法務省から、それぞれ今の見解をお伺いしたいと思います。
○加藤政府参考人 まず、相続税の関係でございます。
先生の御指摘については、私どもも、いろいろ事業承継の問題というのは議論をかねてからさせていただいております。ただ、まず基本的には、その相続によって取得した財産、これはすべて、いろいろな種類はございますが、資産価値、時価に置きかえて評価して課税をする、これがまさに法律の平等の精神でございます。
ただ、私ども、いろいろ過去において、ずっとこの議論の過程で、特に相続税全体を何回も改正することによって負担軽減を図っております。それから、さらに、平成十五年度の税制改正で、特に生前贈与の円滑化ができるように、精算課税制度という制度も導入しました。
それから、これは今お話のございました工場敷地がまさに該当するわけですが、事業用の宅地につきましては、四百平米までは課税価額を八割減額する。だから、逆に言えば二割で済む。こういうふうに、できる範囲のことはいろいろしています。
先ほどお話がございましたが、全体としての相続税負担の問題というのをかなりこれまで軽減してきておりますので、特に土地の価格の低いところは、相続税の課税最低限との関係において、かなり負担は軽減されていると私どもは考えております。
○深山政府参考人 今の相続の話です。
中小企業の経営者の相続人が複数存在する場合に、遺産の分割という問題が生じますが、これは、物理的に分割をしてしまいますと事業の継続が困難になってしまう、こういう問題が生ずるわけです。
民法上ある制度として、遺産を分割する方法として、例えば、事業の後継者である相続人が、事業用の資産は相続するかわりに、ほかの相続人に対しては債務を負担する、お金をお支払いすると約束をする。こういう形で、財産そのものを分割しないで、最終的には、ほかの相続人には例えばお金を分割でお支払いするというような形で遺産分割協議を行う、こういうような方法もございます。
また、もともとの経営者の方、被相続人が、事業の継続に必要な資産を後継者である相続人に相続させるという趣旨の遺言をあらかじめしておきまして、そのことによって、その事業用の資産はその人に確実に行く。ほかの資産はほかの相続人に行くという形で、遺言でこういう事態を回避する方法もございます。
もっとも、相続人は基本的に平等の権限を持っていますし、遺留分というものがございまして、これ以上遺言で自由にできない部分というものもございますので、遺留分を侵害しない範囲でという限定はどうしてもついてしまいますけれども、この財産はもう承継者に渡すという、遺言でそういう指示をすることもできる。
さらに、後継者である相続人の方は、よく先代の方と一緒に事業をやっているというようなことで、そもそもの相続財産の形成に寄与しているというようなこともしばしばございましたので、そういう特別な貢献をしている場合には、遺産分割の際にその寄与分が認められます。
したがって、この場合には均分相続ではなくて、その寄与分は承継者の方にお渡しして、残りの部分を均分相続するというような形で、事業承継に必要な資産をその人に残すというような方法もございますので、これらの民法上のさまざまな手段をぜひ御活用いただきたいと思っております。
○大畠委員 時間が来ましたので、これで終わりますが、今の話だけでは解決していないんですよ。だから、現実をもうちょっと見て、きちっと継承できるようなことを少し考えていただかないといけないんじゃないかということと、大臣には、本当は質問しようと思ったんですが、中小企業大国を日本は目指すんだという宣言でもしていただいて、中小企業庁じゃなくて中小企業省というのをつくるべきじゃないかという意見もありましたので、また別な機会にいろいろ御意見をいただきたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。 |