議事録

   

第164回国会 経済産業委員会-12号
平成18年04月14日(金)

 

 

○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案について質問させていただきます。
 先ほどは、達増先生から大変いろいろと勉強になるお話もございました。ああ、そういう視点もいろいろあるんだなということを学んだわけでありますが、私は少し視点を変えて、現在の地域社会における町の現状というものの現実を踏まえながら、質問をさせていただきたいと考えるところでございます。
 ちょっとその前に、一昨日ですかの夕刊に出ていたもので、これは国土交通白書の中でありますが、国民の七割以上が今の日本は危険と認識していることが、十一日に公表された国土交通白書で明らかになったと。最近、目にすること、耳にすることは非常におかしなことが多いわけでありまして、新潟県の中越地震、台風、大雨、自然災害、JR西日本の福知山線脱線事故、耐震強度偽装問題、確かに経済的には少し立ち上がり始めているとはいいながらも、国民自体はどうも、この日本という国が、あるいは地域社会が、何か危険になってきているんじゃないかという認識を深めてきているんじゃないかと思うんですね、いわれなき殺人も多くなってまいりましたし。
 そういう意味で、先ほど達増議員が、小泉内閣の五年間の構造改革と現在の日本というのは、これは当然切っても切れない関係にあるわけでありまして、現在の日本の国民の七割、詳しく申し上げますと、危険だと思うというのが二八・五%、どちらかといえば危険というのが四二・一%に上って、合計七〇・六%が危険と認識しているという実態が明らかになったというんですね。
 この日本の社会の現状等について、これは国土交通白書でありますから大臣の所管ではありませんけれども、やはり、住んでいる国民がこういうことを感じているということに対して、経済産業大臣としてどういう御所感をお持ちか、冒頭にお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、上田委員長代理着席〕

○二階国務大臣
 ただいま国土交通白書について御紹介がありましたが、最近の新聞やテレビだけではなくて、この社会の状況等をお互いに認識する中で、少し、何となくおかしいことが起こり過ぎるではないか、そして、これは地球温暖化からくるんだなんて言われる人もおりますし、みんなそれぞれいろいろな意見を持っておられるわけであります。先般の客船の事故でも、犯人といいますか、ぶつかった相手は鯨ではないか、こう言われるのですが、これもまだ定かではありません。何かの物体とぶつかったに違いないわけでありますが、その原因究明等が今いろいろ言われているところであります。
 そうした中で、今議員が御指摘のように、改革あるいはそのスピード等と関連があるのではないかという御指摘でありますが、私どもは、一概に、小泉内閣改革と今の問題とが直接関係がある、そういう立場ではありませんが、しかし今、現に起こっておる各種のそうした問題につきましては、けさの閣議におきましても、総理からも、安全の問題について、担当大臣初め各閣僚が十分これについて対策を講ずるようにという御指摘がありました。
 そういう面からしましても、私どももいろいろな分野で、経済産業省の所掌範囲におきまして足元を点検してみる必要もあるわけでありますが、今、大畠議員の御指摘のようなことにつきましても、よく念頭に入れて、今後、国民の皆さんの、安全でしかも楽しい生活が送れるように配慮をしてまいりたいと思います。
 なお、一点追加して申し上げますと、私ども実は、経済産業省では、子供たちの塾の問題につきましても私たちの所管であります。したがいまして、塾で発生した事件を中心にして、この問題に対する、犯罪防止に関する閣僚懇談会というのがありまして、そこから我々に対していろいろの御指摘がありましたので、早速私は、関係省庁、つまり、文部科学省もやはりこれに対して考えがあるはずだ、警察ももちろんだ、少子化社会においての観点から内閣府も参画をしたい、こういう希望がありましたので、関係省庁の局長クラスで、また課長クラスで会議を催して、今取り組んでいるところでございます。
 そしてまた、先般は、携帯電話をつくっておられるある会社の実験でありますが、危険を察知した場合の対応ができるような子供用の携帯電話が開発されたということで、そういうお示しがありました。私どもは、これから、そうした機材も含めて、国民の皆さんの安全を確保するという面で、経済産業省に何ができるかということを真剣に考えてみたいと思っておる次第であります。

○大畠委員 まちづくり問題も非常に大事なのでありますが、その以前の問題として、日本の国民の七割以上が今の日本は危険だという認識を示していることは、ぜひ、内閣としても大臣としても重く受けとめていただいて、どうするか、しっかりと考えていただきたいと思うんです。
 栃木県の今市市で小学生が殺害をされて、私の選挙区の近くで発見をされたんですね。もう既に、あれは十二月ですから四カ月近くたつんですが、今でも犯人は全く見つかっていないんです。ですから、小さな子供さんを持つ親御さんは、御両親は、みんな何でこういうことになってしまったのかなと。毎日帰ってくるのが当たり前でありますけれども、しかし、本当にきょう無事帰ってくるんだろうかという心配をしながらの昨今になっているということを考えると、私は、大臣は小泉改革云々ということではないという話でありますが、今小泉改革が掲げるとすれば、改革加速じゃなくて改革検証じゃないかと思うんですね。
 要するに、この五年間の間やってきた改革というものがどんな社会的な影響を与えたのか。国というのは経済だけで成り立っているわけじゃありませんから、文化も伝統も治安も人間も、それから地域社会のコミュニティー、家族、地域社会、全部ですから、そういう意味では、何か私は、最近の世相を考えますと、小泉内閣が掲げる改革加速というあの標語自体に違和感を最近覚えるんです。
 ぜひ、内閣の一閣僚としても、閣議の中でもそういう問題についての検証をすべきじゃないか、もしも問題点があればそれを軌道修正していく、ただ方向性を決めてどんどん加速すればいいというものではないんじゃないかと私は思いますので、この点だけは指摘をさせていただきます。
 さて、いわゆるこのまちづくり三法の問題であります。
 平成十年にこの法律を私もいろいろと審議させていただいて成立をさせたところでありますが、考えてみますと、あの平成十年にまちづくり三法の制定を行ったときに、現在のような状況というのは余り、残念ながら想定しておりませんでした。これほど町の郊外に無秩序に大規模開発が進むということは、私も委員の一人としてこの法律の審議をしながらも、まさに想定外といいますか、想定の範囲をはるかに超えた現状になってしまいました。
 この問題については、既に政府の方で、この改正作業に入るに当たって、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会、こういうところから、去年の七月にも「まちづくり推進のための新たな枠組みの構築に関する要望」とか、さまざまな要請あるいは意見が寄せられまして、今回、まちづくり三法の改正ということになったわけであります。
 私自身も自照しながら振り返ってみたいと思うんですが、あの平成十年時点でこのまちづくり三法というものをやったわけでありますけれども、一体、何が間違えていたのか、なぜ今回改正をしようということになったのか、そのことについて、率直に経済産業省と国土交通省にお伺いしたいと思います。

○迎政府参考人 まちづくり三法制定後の状況につきまして、どういった点が旧来の法律において不十分だったのかという点につきましては、私どもでも審議会の審議を一年以上にわたりまして審議をいたしまして、さまざまな方からいろいろな御意見を受け、その中でいろいろな御指摘を受けたところでございます。
 基本的には平成十年から以降というのは、中心市街地がかなり寂れるような状況になったというのは、背景に、経済環境が非常に厳しかった、経済環境の中でも小売業の販売額自体、トータルがずっと八年、九年と減っていくような状況にあったというふうなことが背景にあろうかと思いますけれども、私どもの中心市街地活性化法におきましても、やはりまちづくりの観点が、旧来の法律では、市街地の整備と商業等の活性化の一体的推進というふうなことで、商業に偏っていた視点であった。もっと町トータルに、町の郊外化、人口の郊外への移動とか、あるいは公共施設の全体的な郊外への移転とか、そういったものについての対応策みたいなもの、より大きな視点でのまちづくりというふうな観点が不十分であった。
 それから、実際に、その中心市街地活性化のための施策につきましても、市町村が作成をする基本計画について、十分チェック、レビューをする仕組みというのがつくられていなかった。
 それから、先ほどの第一の点、視点が商業にちょっと偏り過ぎていたんじゃないかという点とも関連するところでございますけれども、やはり商業関係者と、それからその他の開発を手がける方、あるいは地権者ですとか、そういった町全体の関係者の連携が不十分であった。町ぐるみの取り組みというのを促すような仕組みというのが不十分だった等々の課題があるというふうに御指摘をいただいているところでございます。
 今回、私どもといたしましては、こうした指摘を踏まえまして、本法案においては、まさに都市機能の市街地への集積、町中居住の推進といった町のコンパクト化と、それと合わせた中心市街地のにぎわいを回復する、図るということで、コンパクトでにぎわいあるまちづくりというふうなものを基本的な目標として掲げたわけでございます。
 また、支援策等の仕組みにつきましても、基本計画の認定スキームを設けまして、チェック・アンド・レビューを働かせていく、それからその中で、支援策を拡充するとともに重点化を行っていく、それから町ぐるみの取り組みを促すための中心市街地活性化協議会を法定化する、こういった抜本的な見直しを行った次第でございます。
    〔上田委員長代理退席、委員長着席〕

○大畠委員 いろいろとお話をいただきましたけれども、結果的には、平成十年にあの法律をやりましたけれども、想定した状況ではなく、地域からも、商工会議所からも指摘されているように、無秩序な大規模開発が増加して、社会、文化、生活、環境面、行財政面など、さまざまな分野で弊害が発生しており、構造的な閉塞感をもたらし、地域全体の危機とも言える状態に至ってしまったということは事実だと思うんですね。
 それで、これからどうするかということなんですが、では、どんな町を想定してやるんだ。平成十年もそういうことをやりましたが、きょうは片山経済産業大臣政務官、二十のときに公務員試験に通ったという話を……(片山大臣政務官「外交官」と呼ぶ)外交官試験ですか、お話を先ほど披瀝いただきましたけれども、それから、後藤国土交通大臣政務官もおいででありますので、一体これから、まちづくり三法と言われていますが、中心市街地あるいは町とは何だ、どんな概念をお持ちなのか、お二人からそれぞれお述べいただきたいと思います。

○後藤大臣政務官 今委員からのお尋ねでございますけれども、(大畠委員「個人的なあれで結構ですから」と呼ぶ)はい。これまでのいろいろな町のことを考えてまいりますと、人口の高齢化あるいは減少化の中で、これまでのまちづくりというのは都市が拡大成長をするということを前提としてつくられてきていたように思います。
 そのことが高齢者にとって本当に住みやすい町であったのかとか、あるいは環境負荷についてどうなのかとか、後追いでインフラを整備していくことでコストがどうなのかとか、あるいは各種の公共的なサービスがどうだったのかとか、そういうようなことでさまざま、生活、活動、交流の場としてのいわゆる町の機能が損なわれているのではないか、そんな問題意識は私も共有をしているところでございます。
 まちづくりにおきましては、やはり都市機能の無秩序な拡散に歯どめをかけまして、地域交流あるいは地域固有の文化や歴史を大切にする、そして地域の創意と工夫を生かす、そういうまちづくりをしていくことが必要でありますし、中心市街地はそういうものでなければならない、そんなふうに思っております。
 また、都市機能がコンパクトになっていく、公共交通機関を使う、そういうようなことも含めまして、高齢者も含めてすべての人々にとって暮らしやすい、歩いて暮らせる美しい町をつくっていかなきゃいけない、そんなふうに思っておりまして、このようなまちづくりのためにしっかりとやってまいりたいというふうに思っております。

○片山大臣政務官 町ということがどういうものを意味するかという個人的な感想、個人的な所見ということでございましたが、やはり町というのは人々が集い、住み、暮らす場であって、また、生活の場でもありますが、交流の場でもあるようなところなのかなというイメージを持っております。
 町が町並みという形になりますと、それに美観ですとか建設、建築的な観点も加わってくるでしょうし、まちづくりということになりますと、ただいま後藤政務官からお話がありましたように、より都市計画、都市機能構造的なお話になってきますでしょうが、町ということには多様な意味がありまして、先ほどから議論に再三出ておりますようなコミュニティーの発想がございますでしょうし、町中という言葉になりますと、ある程度、そこに必ずしも定住していなくても、雑踏のようなエリアですか、そういったものを示すこともあると思います。
 今回の中心市街地の活性化及びまちづくり三法で考えております中には、今言ったような概念もすべて含めた上で、さらに公共の交通機関などの有効な利用、それから、先ほど申し上げましたような文化、教育的な面もすべて含めて一体的に取り組んで、今回こそは中心市街地活性化を何とか成功させたいという法案になっているのではないかと考えております。

○大畠委員 今お二人の政務官からお話をいただきましたが、今のイメージからすると、いわゆる大型、大規模商業集積施設というのは入っていないんですよね。やはりイメージするのは、商店街があって、学校があって、企業があって、病院とかそういうのがあって、そういうところが町というイメージなんですが、これが古来からの日本における私たちが描いている町なんだと思うんです。
 そこに突然、私たちの予想もはるかに超えるような、映画館もあれば、自動車も売っている、ラーメンも売っている、住宅の部品も売っている、そこに行けば何でもある。行ってみますと、町といいますか、巨大なショッピングセンターというのは余り私たちの概念の中に入っていなかったんですね。ところが、郊外にそんなのが出てきてしまうと、突然、私たちが考えていた町の中心の商店街関係に人が行かなくなる、とすれば当然お店が成り立たなくなる、それでシャッター通りになる。それで、さあ、大変だというのでここまで来たわけなんです。
 そのときに、かつてこの間の中心市街地の商店街の空き店舗問題について質問をすると、中小企業庁は何を言うかというと、いわゆる郊外に市民が住み始めちゃって、中心部に住んでいないから必然的に中心市街地の商店街のお店が疲弊してきたんです、同時に、その商店街の人のやる気がないから、商店主が、まあ、お店をあければだれか来てくれるだろうというので積極性がない、その二つが相まってこのような状況になってしまったんですという答弁を何回も聞かされたんです。私は、これは構造的な問題だと思うんですね。
 したがって、今回論議する上で、私たちは当然どんな町をつくるんだということを、これはオランダの発想で、まちづくりは五十年間かかると言うんですね、すぐはできない、五十年間かかる。だから、これから五十年後にどんな町をつくるかということを想定しながら、私たちは改めて軌道修正をしなきゃならないと思うんです。
 そこで、理想とする町の姿に私たちが描くのは、やはりヨーロッパの町並みなんですね。私たちも委員会の派遣とかなんかでよく行きますが、いい町だなと思います。イギリスの古い町なんかも、とてもすてきだ。ああいうところに住んでみたいとも思うし、フランスの郊外の町もなかなかすてきだ。カナダに行きましたけれども、カナダでも、なかなか立派なといいますか、重みがある町があって、住んでみたいと思う。前にも申し上げたけれども、町の中をリスが走っている姿なんかは日本じゃなかなか見られない。そういう意味では、何がどう違ってこうなってしまったんだろうかという思いを持つんです。
 一つ私たちが見落としていたのは、中小企業庁からも前に答弁いただいたんだけれども、中心部に人が住まなくなってしまった、ここのところが大きな問題だと私も思うんです。やはり、人が住んで、働くところがあって、病院があって、学校があって、役所があって、集会所等があって、そしてお店がある、これが町の姿なんだけれども、どうも、中心市街地というと、お店だけとか、企業だけというイメージなんだけれども、やはり人が住むということが大事なんだと思うんですよ。ヨーロッパの町を見ると、必ず三階とか四階には住宅があって、下の一階、二階が店舗とか企業とかが入っていて、実にそこのところはうまくコントロールされているんですね。
 ですから、私たちのいわゆるまちづくりという意味での概念というのが、従来やはり間違えていたんじゃないかと私は思うのでありますけれども、この件、自動車の普及というのも私たちの考えるテンポをはるかに超える形で進んでいます。
 したがって、これからどんな町を目指すのかということについて、改めてまちづくり三法を改正するに当たって、国土交通省、経済産業省から、目指すべき概念というのをお伺いしたいと思うんです。

○迎政府参考人 目指すべき概念ということでございますけれども、まさに今御指摘もございましたけれども、従来のまちづくりというのは、人口が増加する中にあって町の拡大であったわけでございます。それと同時に、郊外の開発であり、その結果として町の郊外化というふうなものが進んできたわけでございます。
 現在、人口も、これは地域によって違いはあるわけでございますけれども、減っていく、そして、財政上の制約もある中で、既存の開発された地域のインフラというのを活用して町をつくっていくという意味におきまして、町のコンパクト化というのを図っていくことが必要なのではないか。それと合わせて、コンパクトでにぎわいのあるまちづくりを図っていくというのが基本の考え方であるというふうに考えております。

○加藤政府参考人 どういう町をこれからつくっていくかということについてでございますが、これは、先ほど後藤大臣政務官から御答弁がございましたように、これまでの都市の拡大成長を前提としてきたまちづくりではいろいろな問題が生じてきている。このまま放置した場合に、さらに中心市街地の衰退が進み、生活ですとか活動、交流の場としての町の機能が大きく損なわれるということが想定されるということが非常に問題だというふうに考えております。
 中でも、今先生御指摘になりましたように、町中に人が住まなくなったということも非常に、生活、活動、交流の場として中心市街地に魅力がなくなってきたということが大きな原因の一つになっているであろうと思っております。
 このために、今回の中心市街地活性化法の改正の中では、共同住宅供給事業といったような町中居住の促進のための施策も盛り込んでおりまして、中心市街地の基本計画をつくっていただきまして、その認定を条件として、町中居住を進める場合には重点的な支援措置を講じていきたいと考えております。これによって町中の居住の回復を少しでも図っていければというふうに考えております。

○大畠委員 正直言って、今までの私たちの町に対する概念というのは非常に貧弱だった。部分部分ではいろいろ過去考えてきたけれども、一体どんな町をこれからは目指すのだという意味では、発想あるいは現実を通し見る力というのが私は非常に不足していたんじゃないかという反省を持っておりますし、今御答弁いただきましたけれども、ヨーロッパでは、町の中に入る自動車でもナンバープレートで制限したり、あるいは町の周辺部までは車で来ていいけれども後は公共機関使ってくれと強制的に、規制緩和じゃなくて規制強化しながら、町の中の交通システムといいますか流れまでコントロールしようとしているんですね。
 今、日本では規制緩和の大合唱ですよ、規制緩和の大合唱。だけれども規制も、きちっとしているときは規制しなければ、だから、結局どんな町を考えるのか、どんなシステムを考えていくのかという概念がないままに規制緩和をやると大混乱になるということが、今回のまちづくり三法の問題でもわかったわけですよね。
 ですから、これからやはりある程度、ある程度というか明確に、どんな町をつくるのかというのは、経済産業省も国土交通省も協力をしながら青写真をつくって、五十年後にはヨーロッパ並みの町をつくるというぐらいの決意を持って私はやるべきだと思うんですね。
 そこで、今回の法改正で一体何がどう変わるのかということについて質問をさせていただきます。
 平成十年のときに法改正をして今日の無秩序な郊外型の大規模商業施設ができてしまったんですが、今回の法改正で、例えば工場跡地の出店、あるいは農地の転用による大規模店の出店等々、こういうものに対してどういう規制といいますかフィルターがかかるのか、これについてお伺いしたいと思います。

○加藤政府参考人 同時に行わさせていただいております今回の都市計画法の改正では、大規模集客施設が広域的に都市構造ですとかインフラに大きな影響を及ぼすということにかんがみまして、大規模集客施設の立地可能な用途地域を、現行の六種類から、商業地域、近隣商業地域及び準工業地域の三種類に限定する。それとともに、都市計画区域及び準都市計画区域内の用途地域の指定のない、いわゆる白地地域と言っておりますが、白地地域において、大規模集客施設の立地を原則禁止することとしております。
 また、都市計画区域外でございますが、都市計画区域外におきましても都市計画の土地利用規制を行うことができる準都市計画区域制度がございますが、これの準都市計画区域制度について、農地も含め土地利用の整序等が必要な区域に広く指定できるように指定要件を見直す、それとともに指定権者を都道府県に改めることとしております。
 このように、大規模集客施設については、郊外も含め広く立地可能とされていたこれまでの土地利用の原則を逆転させ、商業地域等を除き原則立地ができないこととしております。これにより、大規模集客施設を立地しようとする場合には都市計画手続を要することとなります。当該手続を通じて、地域の判断を反映した適正な立地が確保されることになると考えております。
 また、御指摘ございました工場跡地の関係でございますが、工場跡地への立地につきましては、まず、工業地域については、今回の改正により大規模集客施設の立地を原則禁止したところでございます。なお、準工業地域については、当該用途地域の性格から新たに規制を強化することとはしておりませんが、地方都市については、中心市街地活性化への影響にかんがみまして、特別用途地区の活用を図る、それで大規模集客施設の立地規制を促進することといたしておりまして、これを中心市街地活性化法に基づきます基本計画の大臣認定の際の要件とすることを予定しております。

○宮本政府参考人 お答え申し上げます。農地転用とのかかわりでございます。
 当然のことながら、国民に対する食料の安定供給を確保する上で、優良農地を良好な状態で確保することは極めて重要であるというふうに考えているところでございます。このため、集団的農用地あるいは基盤整備が済んでいる農用地、こういったところにつきましては農用地区域と定めまして、農地転用を原則として認めないということとし、計画的な土地利用の推進に努めてきたところでございます。
 今回の都市計画法の改正は、農地を含めた土地利用の整序が必要な区域を準都市計画区域に指定し、大規模集客施設等の立地を規制すること等を内容としているものと承知いたしております。
 農地転用の許可に当たりましては、都市計画法等の他法令の許認可の見込みのないものにつきましては転用を認めないこととされているところでございまして、今回の改正によりまして農地の転用によります大規模集客施設等の出店は抑制されるものというふうに考えております。
 また、私ども農林水産省といたしましては、今回の都市計画法等の見直しにあわせまして、農業振興地域制度及び農地転用許可制度の適正かつ厳格な運用を進めるとともに、公共施設の整備のための農地転用を行うに当たりましても、農業上の土地利用との調整の徹底に努めることとしておりまして、改正される都市計画制度との連携を図りながら、優良農地の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○大畠委員 これまで、大型店の出店の実態等を調べた資料もございますが、とにかく十万平米とか十九万平米とか、自動車の駐車場も大変大きなものでありますし、こういう大規模なお店の出店については農地の転用というのがすごかったんです。
 私もこの問題、農水省はほとんど、中心市街地の衰退問題については我関せずというような意識を持っておられましたけれども、皆さんのところの農地転用というのがどれほど町を壊してきたのかという話もさせていただきました。そして、農地がどんな転用をされて何に使われているのか農水省は把握していますかと言ったら、把握しておりませんと言うんだよね。
 だから、ここら辺は、今一応、外の方から明かりをともしたような感じの答弁をいただきましたけれども、もうちょっと農水省も、日本国内の農水省なんですから、農業関係だけやっていればいいというのじゃなくて、やはりまちづくり、自分たちの地域の、ふるさと自体が破壊されようとしているんですから、農地転用問題についてはもっと力を入れて、今御答弁いただいたことを徹底するように、さらに一層努力していただきたいことを要望しておきます。
 そういう意味でも、今回の法律案で中心市街地活性化協議会というものが新たに設置されることになりました。フランスでも同じようにそういうものが設置をされていまして、フランスの例では、県商業施設委員会というのがあるんですね。県商業施設委員会というのは六名で構成する、地元市町村の首長さん、それから商工会議所の代表、消費者の代表など六人の委員で、中身を精査して許認可を出しているんですね。
 注目されるのは、この新たにつくられた中心市街地活性化協議会というものでありますが、まだ詳しくは決まっていないんだというお話は伺っているんですが、ここら辺、どういう形でどう運用されるのか。特に、私は、これからのまちづくりにおいて商工会、商工会議所の役割というのは非常に重要だと思っておりますし、また、その中に市民の代表というのも入ることが大事だと思うんですね、まちづくりという意味では。
 そういう意味で、この中心市街地活性化協議会というのは、どういう形で、どんな運用をされるおつもりなのか、お伺いしたいと思います。

○迎政府参考人 中心市街地活性化協議会は、今回法改正で位置づけるものでございますけれども、まさに町ぐるみでまちづくりを考えていただくための組織ということでございます。
 商工会や商工会議所、あるいは商店でございますとか、そういった商業関係の商業活性化を推進される方と、それから中心市街地推進整備機構といった都市機能の増進に携わる方、こうした両方の方が必ず入っていただいて共同で組織をする。さらに、中心市街地活性化に関係する開発業者ですとか、あるいは地権者ですとか、場合によっては住民の方ですとか、それから行政なんかも含めて、まちづくりを進めるに当たって不可欠な関係者が幅広くメンバーになっていただくということを考えております。
 ここにおいて市町村がつくります中心市街地活性化の基本計画についても議論をして、協議会の意見を聞いた上で決めていただく。それから、さらに、事業の実施段階におきましても各種事業の実施の調整を行っていくということで、全体の意見の調整を図ると同時に、まちづくりの推進の中心的な役割を担っていただく組織にしていきたいというふうに考えておるところです。

○大畠委員 そうすると、今のお話ですと、当該する市町村以外に、影響を受けるだろうという周辺の首長さんなんかも、この中心市街地活性化協議会、郊外に大型店なんかが進出しようとするときには、こういうところで調整あるいは規制することができると考えてよろしいんですか。

○迎政府参考人 その点でございますけれども、中心市街地活性化協議会は、基本的には中心市街地活性化法の中で、市町村の単位で基本計画をつくって活性化の事業を実施していくというふうなことで考えておりますので、その活性化協議会のメンバーもそういう範囲で物事を考えるというふうなことになろうかと思います。
 ただいま先生の御指摘のありましたのは、こうしたまちづくりの推進の活性化協議会というふうなことではそういうことでございますけれども、まさに出店についてまちづくりへの影響等をどう考えるか、こういう点についての広域調整の問題かと思いますけれども、この点は、中心市街地活性化法ではなく、都市計画法で今回対処をするというふうなことでございます。

○大畠委員 では、都市計画法の中で、郊外に大型店が希望してきた場合には、どういう形で調整をされるのでしょうか。

○加藤政府参考人 先ほど申し上げましたが、郊外部で土地利用規制を、非常に緩かったところを、今回、原則と例外を逆転させまして、白地地域においては大規模集客施設を原則禁止すると申し上げました。そういうことで、都市計画区域の外の準都市計画区域においても、これまでは一の市町村が指定をするという、どちらかというと非常に狭い範囲でしかできなかったことでございましたけれども、先ほど農水省さんからもお話がございましたように、この指定を、農地を含めたより広範囲な範囲で、都市計画区域の外であっても、準都市計画区域を広範囲にかける。
 その際に、市町村ではなくて、指定権者を都道府県に改めるというお話をさせていただきましたが、その中でも、同様に、大型集客施設の立地制限がきくということになりますものですから、大型集客施設に限って見れば、これまでのような非常に広範囲な、かなり自由に立地できたものが制限をされるということになるものと考えております。
 ただ、当然、地域の判断で、みんなで都市計画を変えてここに立地をさせようということになりますれば、それは都市計画手続を踏んでいただいて、都市計画決定をして立地を可能とする、こういうふうな考え方で整理をしております。

○大畠委員 わかりました。この法律がどのくらい効果が出るのか、そこら辺はしっかりと私も検証をさせていただきたいと思います。
 あと二つほどお伺いしたいと思うんですね。
 今度はこの法律案に直接絡むものではありませんけれども、一般的にヨーロッパの町並みの美しさは、看板とか広告類が非常によく規制されていてきれいなんだけれども、美しいところに突然ぱたぱたぱたっと看板があったり、非常に日本の場合には自由になっちゃっているんですね。
 それから、建物の色も、奇抜なピンクとか赤とか真っ黒とか、きょうはたまたま服が違っていましたからよかったんですが、町並みというか、そういうものについても、目に触れるものは公だと言うんですよね、フランスの、ヨーロッパの感覚は。自分のうちだから何色に塗ったっていいというんじゃなくて、目に入るものは好きでも嫌いでも目に入っちゃうんだから公だということになって、ちゃんと規制をしているわけですが、これからはそういうことも私は必要なんだと思うんです。
 いずれにしても、現在の一番の町の悩みは空き店舗等々でありますから、今ヨーロッパでもタウンマネジャー制度というものを導入して、空き店舗があればそこにだれを入れるか、あるいは、もうやめたいんだという人には相談に乗って新しい人を入れるとか、大体、年間三千万ぐらいの予算をかけてタウンマネジャーを要請して、町並みをそろえているということですが、これについてはどういうふうな形で取り組もうとしているのかというのが一つ。
 それから二つ目には、チェーン店とかコンビニが町の中で非常にふえているんだけれども、商工会議所とか商工会に入らないし、あるいは商店会にも加入しない、なかなか町の連帯がとれないんだという話が出ていますが、こういう意味で、中心市街地に指定された地域の商店街、中小企業は、商工会議所、商工会に入るという加入義務づけもこれから必要になってくるんじゃないかという意見が出ています。
 それから、コンビニの二十四時間営業に対しても、本当に必要なのか。夜中の一時、二時、三時まで、だって、そこがまた犯罪の温床にもなったという、犯罪の温床というよりも、犯罪を生むところにも使われたことがあるという過去の事例もありますし、国道筋なんかは一つのニーズがあるでしょうけれども、二十四時間営業については許認可制にしたらどうかという意見もございますが、ここら辺を含めて御答弁をいただきたいと思います。

○望月政府参考人 タウンマネジャーのお話がございました。
 これは、こういった中心市街地の活性化の際、あるいは商店街の活性化の際に、大変重要な役割だと思います。今でも、空き店舗の地権者を一軒一軒回って熱心に独自の構想で粘り強く協力要請を続けているようなタウンマネジャーもおられますので、そういう方々をこれからも大いに活用していかなきゃいけない。
 したがって、先生おっしゃいましたように、町に常駐して、そういうことを含めてまちづくりに専念するようなタウンマネジャーについて、今度の法律のもとで、私どもは活動経費などについても補助できるような仕組みを盛り込んでおります。
 コンビニの話は、ちょっと省略します。

○迎政府参考人 まず、チェーン店とかコンビニが商工会議所、商工会へ加入するという問題について、加入を義務づけるというふうなこともございましたけれども、そもそもこういうのは自主的団体でありますから、加入を義務づけるみたいなことをしては、組織の本旨が損なわれるものであるというふうに思っております。
 ただ、一方で、こうしたお店につきましても、地域に存在する以上、地域との協力をきちっとやっていく、いろいろな催しに協力をするとか、いろいろな地域での事業に積極的に取り組むというふうなことは、まさに事業者の責務ということで取り組んでいただきたいということでございまして、法律にも、具体的に第六条で、事業者の責務というふうな規定を設けたわけでございまして、こうしたものを踏まえて、ちゃんとやっていっていただくよう、私どもも促してまいりたいと思っております。
 それから、コンビニの二十四時間営業につきましては、過去に犯罪があったとか、あるいは青少年のたまり場になったとか、あるいは、お酒、たばこを青少年がそういうところで買ったとか、いろいろそういうふうな問題が起きたこともございます。
 したがいまして、そういった状況を解消すべく、セーフティーステーション・トライアル活動というふうなものを日本フランチャイズチェーン協会において取り組んで、警察庁等とも共同して、私どももこういった取り組みを支援したところでございまして、実際に多くの成果を上げてきておりまして、最近では、消費者の方なんかにアンケートをいたしますと、深夜において必ず電気がついていて逃げ込む場所にもなるというふうなことで、逆に、防犯に役立って安心だというふうな評価もふえているやに聞いております。
 したがいまして、引き続き、こうした防犯ですとか、あるいは地域の安心ということのために評価を受けるよう自主的に取り組んでいくということについてバックアップをしていきたい、こういうふうに思っております。

○大畠委員 これで質問を終わりますが、ぜひ、大臣を初めとして、しっかりとした、ヨーロッパに負けないようなまちづくりに向けて邁進していただきますよう要請して、質問を終わります。ありがとうございました。

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