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○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
甘利大臣を初めとして関係の皆さんに、今回の経済成長戦略大綱関連三法案といいますが、言ってみますと、日本の現在の持てる力をもう一度掘り起こして強い体質をつくろうという趣旨だと思いますが、この法律案について質問をさせていただきます。
現在、甘利大臣も経済産業大臣として日夜大変な努力をされているわけですが、日本の努力は努力としながらも、アメリカと韓国でFTAが締結をされる、あるいは、日本とアメリカ、FTAも課題になってくるんじゃないかという趣旨の話も報道でされておるところであります。この話はまた別な機会にさせていただきますが、ぜひ甘利大臣には、地域社会あるいは日本の企業あるいは日本の企業を取り巻く環境あるいは地域における現実、そういうことをしっかりと踏まえて、堅実な日本の経済体質になるようにさらに一層努力をしていただくことを冒頭にお願いをしておきたいと思うところであります。
今回の法律案の内容等については、既に馬淵議員あるいは後藤委員から質疑がされているところでありますが、馬淵議員からは甘利ファンドという名前もちょっと出されましたが、いずれにしても、あらゆる手を尽くして日本のものづくり、あるいは地域経済の再生に向けてみんなで力を合わせていかなければなりませんので、そういうことも踏まえて質問をさせていただきます。
特に、きょうは、地域においてはどんな声が上がっているのか、あるいはこの三法案にどんな期待があるのかということを少し尋ねてまいりました。私の地元にも、茨城大学の工学部もございますし、商工会とか商工会議所、あるいは市の方も、どうやったら地域の経済を再生できるかということでかなり真剣に取り組んでいるという実態もわかりました。
二、三御紹介申し上げますと、例えば、日立市においては、一生懸命努力しているんだけれども、せっかく茨城大学の工学部があるんだけれども、それを十分に生かされていない。地元の中小企業との接点がなかなかないとか、大学の方に言っても、なかなか企業の方がこっちを向いてくれないとかいろいろな悩みもあるようですが、そこら辺の連携をして、再生のための基盤をどうつくるか、こういうことも真剣に考えているようであります。また、高萩とか北茨城の方でも、山と海、そういう観光をどう織りまぜて再生を図るかとか、いろいろそれぞれ努力をしているようでございます。
そういう状況で幾つか具体的な質問もさせていただきますが、まず甘利大臣には、今回の三法案、これまでの御経験等を踏まえての法案提出と伺っておりますが、この三法案を提出するに至った背景について、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○甘利国務大臣 安倍内閣のスローガンは、成長なくして日本の未来なしであります。これは何を意味するかといえば、ほうっておけば、日本は、制約要因を抱えているし、経済はマイナス成長になりかねない。つまり、人口が減っていきます。少子高齢社会にもう既に突入をしている、労働力人口はどんどん減っていく。そういう中で、一方で財政赤字に正面から対処をしなければならない。つまり、借金をしっかり返さなきゃいけない、未来にツケは残せない。そうすると、歳入の中から返済に回る金額はどうしても多くなる。あるいは、高齢化社会に入っていって社会保障費の自然増というのはふえていく、この予算を確保しなければならない。でありますから、経済が成長して税収をしっかり確保していかないと実は大変なことになるということで、成長なくして日本の未来なしというスローガンになっているわけであります。
では、その成長をどう確保するか。イノベーションによって産業の力を強くしていく。あるいは、オープンという姿勢、先ほど先生が御指摘になりましたが、EPAというのはオープンな姿勢をもとに市場を広げるというわけでありますが、日本国内と同じように商売ができる地域を広げていく、こういう施策をとっていかなければならないわけであります。
国内に目を転じますと、経済成長を確保していくためには、やはり地域の力が必要であります。地域経済がしっかりと立ち上がっていってくれないと日本経済自身が回復をしていかない。しかも、中小企業が全企業に占める比率は九九%以上であります。雇用も七割以上を支えている。中小企業が再生をしていくということと地域が再生をしていくということは、かなりオーバーラップするわけであります。そういう視点から中小企業と地域を再生していく、たくましく成長路線に乗せていく、そのためにこの三法案を提出した次第であります。
○大畠委員 今、甘利大臣からもそういう背景についてのお話、御意見がありましたが、私が見るところ、確かに、日本のものづくりもあるいは地域の方も、非常に疲弊していることは事実でありますから、この三法案、産業活力再生特別措置法の改正、これで産業再生。あるいは、中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律案、これも、農林ですとか観光ですとかそういうもののてこ入れ。あるいは、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律案、これは、企業の立地あるいは大学との連携とか人材育成。
どれも大変大事な法案だと思うんですが、私は、日本が進んでいる、これも一つの現象面をどうするかということなんですが、なぜそういう現象が起こったのかという根本のところをしっかりと踏まえておかないと、常に何か後手後手のといいますか、現象が起こってきたらそれに対応するという、これまでの日本の国の施策と同じような形になるんじゃないか。
その根本は何かというと、甘利大臣と私は意見を異にするかもしれませんが、市場原理主義経済というもののとらえ方だと思うんです。すべてを規制撤廃して自由競争させればうまくいくんだというような話で、一九九〇年のバブル崩壊以降どうするんだというときに、アメリカが、助け舟なのかあるいはまた別な意図があったのかわかりませんが、いわゆる年次改革要望書というものを次々と日本に要求しては、それを日本がのんできたんですね。それをのめば何とか日本はやっていけるんじゃないかという形でここまで来てしまったんですが、特に小泉政権になってから顕著に、構造改革と称する小泉改革を進めてきたんですが、その結果として、こういう三法案を提出しないと地域の経済あるいは地域の社会が非常に疲弊するということになってしまったんじゃないかという感じも私は受けるわけです。
そこで、では市場原理主義経済に対抗するものは何かということでございますが、これについても前回質問をいろいろさせていただいたところでありますが、一つは、前回も取り上げたかもしれませんが、「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」という、ノーベル賞を受賞したスティグリッツ博士の提案でございます。この方の提唱だと、最初は市場原理主義経済がすべて問題を解決するという考えで進めてきたんだけれども、どうもそうではないという主張がこの本の中にも提言されているわけでありまして、ここのところを甘利大臣にも、経済産業大臣として、この三法案は三法案としながらもぜひ研究をしていただきたい。
このまま突き進むと、例えば十年後、二十年後のものづくり、あるいは地方経済はどうなるのか。これはこれとして私は非常に大事な法案だと思うんですが、少し長期的なビジョンで、経済産業省にも優秀な方がおられます。特に、四月一日付で、何人かわかりませんが、二十名か三十名、入省されたんでしょう。もっとたくさんされたかもしれませんね。その方々も非常に意欲を持って経済産業省に入ったし、各省庁にもみんな夢を持って入ってきたんですね。
その官僚の方々のやる気あるいは英知を結集しながら、私は、経済産業省というところは日本のまさに経済の中枢をなすところですから、少なくとも、十年後、二十年後、三十年後の日本の経済あるいは社会というものを念頭に置いた長期的ビジョンというものを掲げて、その上でこういう法律案を提出するということがあってしかるべきだと思うんですが、この問題についての甘利大臣としての御所見をお伺いしたいと思うんです。
○甘利国務大臣 経済財政諮問会議でも私と民間委員がよくぶつかる場面があります。それは、私は、規制緩和というのは、経済を発展させる、企業の競争力を伸ばす有力な武器であることは間違いない、間違いないけれども、しかし、これは極めてよく切れる刀だから、扱い方を慎重にしないとけがをするおそれもあるという種類のことを言っているわけであります。
かつて、私は予算委員会の理事として小泉総理に質問をしました。そのときに、規制緩和、規制改革は極めて有効な武器だけれども、その武器を使うときには、ある面、慎重に判断をする必要がある。その判断をする、使うべしという基準はイノベーションで、イノベーションが起こることが予想される分野には大胆に振るって、それから、単に過当競争だけしか起こらないのではないかというところには慎重に対処してほしいという話をいたしました。
そのときに申し上げたのが、タクシーの業界の例を挙げました。私自身がいろいろな場面で接していたのは、もちろん、サービスがよくなった、運転手の態度が変わった、愛想がよくなったというような報告もありますけれども、従業員の生活環境が劣悪になったという報告も当然あるわけであります。結局、イノベーションというよりも過当競争が起きてしまっていて、過剰に事業者が参入をして、パイの取り合いになった部分がかなり指摘されているわけであります。
そこにどうイノベーションを持ち込むか。それは、効率的なお客さんのピックアップをする、そういう優良運転手の業務行動をGPSでソフト化して、それを他の効率の悪い運転手さんにもこういう方法でということをすれば効率が上がるという部分もあるのかもしれません。しかし、パイが決まっているところに台数を大幅にふやすと、やはり弊害も起きる。ですから、イノベーションが起きるか過当競争になるか、そういう判断、視点が必要ではないですかという問題提起をしたことがかつてあります。
それで、政府側の人間になってもそういう思いが私自身はありますので、経済財政諮問会議において、規制緩和、規制改革は極めて有効な武器であり、それ自身はお金が実はかからないから使いやすいんだけれども、弊害も副作用もあるということを考えながら有効に使うべしという発言をしているところであります。
○大畠委員 このスティグリッツ博士の主張は、今、甘利大臣からもちょっとございましたけれども、市場原理主義経済に身をゆだねると、貧富の格差だとか、国と国の間の格差も非常に開いたり、非常に弊害が多い、そして、そのためにセーフティーネットの充実を図らなきゃならないというのが彼の後半の部分の主張なんですね。
ところが、残念ながら、今、小泉、安倍政権のやっていることは、セーフティーネットを十分張ってきたんだけれども、お金がかかるからこれを少しずつ外していこうというのが、医療ですとかあるいは教育あるいは福祉の分野。そういう分野での社会的弱者の人が少しずつ悲鳴を上げ始めている。再チャレンジという言葉がありますが、再チャレンジする意欲すらわかないという社会現象にほうり込まれつつあるというのが私の見方でございまして、これは、大臣は大臣としてまた別な御見解があると思いますが、もしも市場原理主義経済に国民をほうり込むのであれば、せめてそういうセーフティーネットの充実というものと一緒に考えていかないといけないという考えを私は持っております。
そこで、具体的な話に少しずつ入ってまいりますが、まず、今回この対象になっているのは地域経済と中小企業ということでありますが、経済産業省として中小企業の現状というものをどう見ているのか。すべてお医者さんが判断するときには、患者の体力ですとか現状をよく把握した上で治療を施さないと別な弊害が起こる可能性もありますので、この中小企業の現状というものをどう見ているのか。
一部、景気が回復したという声もありますし、四月二日の日銀の三月の企業短観では、悪化しているという声もございます。人手不足になってきているという声もありますし、それも、私も団塊の世代の一人でありますが、ことし六十で退職する人が非常に多くなるということで、いわゆる熟年労働、非常に経験豊かな、社会を支えてきたメンバーが大量に退職するということで、経営者の方でもそれを何とか補わなきゃならないというので人手不足感も上がっているのかなと思うんですが、現在の中小企業を経済産業省としてどのように見ているのかという、ここのことについてまずお伺いしたいと思います。
○石毛政府参考人 お答え申し上げます。
中小企業をめぐる景気の状況でございますけれども、今先生もお触れになりました日銀の短観によりますと、業況がよいとする企業、それから悪いとする企業、その割合がほぼ等しいというのが、日銀短観による中小企業の景況になっております。
ただ、私どもの中小企業景況調査、これは小規模企業を多く含んでいる景況調査でございますけれども、それで見ますと、製造業、非製造業とも、悪化というふうに答える企業の比率が好転というふうに答える企業の比率を大きく上回っているという状況にございます。
それから、今先生も御指摘になりましたように、業種とか地域によりまして非常に回復の度合いにばらつきがございます。全国の中小企業を見てみますと、いまだ景気の回復を実感できるという状況にはなっていないのかなというふうに判断をしております。
それから、こういう景気回復が日本全体としては進んでいるというふうに言われているわけですけれども、その中で、今御指摘のありましたような人手不足の問題、そういうものが中小企業においても徐々に実感はされてきております。そういう中で、中小企業の側でも売り上げをふやしたいというようなことで雇用をふやすというようなことをする企業もかなりあるわけですけれども、どうしても人件費が上がってきている、その人件費がなかなか売り上げの方に転嫁できない、価格の方に転嫁できない、そういう厳しい状況にあるというふうに認識をしております。
したがいまして、私どもは、そういう中小企業の状況は厳しいものでございますから、引き続きよくその動向を注視していかなくてはいけないというふうに思っております。
○大畠委員 今、報告がありましたけれども、基本的には私もそうなんだと思うんですね。よくなってきた、よくなってきたと言うけれども、地方の方の商工会とか商工会議所のお話を伺うと、いや、とてもそんな気持ちにはならないと。その気持ち、景気も気の問題という話もありますが、気持ちはやはり重いんですね。それで、今後どうなんだろうかという不安感が非常に強いというのが、地域における経営者の基本的な考えだと思うんです。それが今の報告にあるような形で、決して好転はしていない。中小企業の地域におけるマインドは非常に悪化しているんじゃないかという意識に集約されるという報告も前段ありましたけれども、だから、そこのところは大事なことだと思うんです。
六本木ヒルズとかそういうところは、あそこは日本の国なのかどうか、私は見間違うような感じがします、正直言って。私の地元の方から見ると、ここは何なんだろうかと私は思いますが、そういうところも生まれてきていることは事実なんです。だから、それだけ非常に差が激しくなっているという現状を認識しておかなければなりません。
それから、人手不足の問題ですが、人数さえそろえばいいというんじゃなくて、どういう人が集まってくるか、マインドですね。経済産業省にも入った人がいろいろたくさんおられるでしょうけれども、どんなマインドで来たか、その入省したときの気持ちをずっと持ち続けられるとこれは非常にいいことですが、テンションが下がってくると、だんだん自分の未来ばかり見ていて、公務員というのは公に尽くすのが公務員ですから、自分の、私的に務める意識になってもらったのでは困るので、これもすべて意識なんですね。だから、どういう意識を持った人が地域で産業を支え町を支えるかという、そのことも非常に大事なので、私は、そこも含めて後ほど人材確保の問題についてもお伺いしたいと思うんですが、まず、現状をしっかりと踏まえた形で対処をすべきだということを申し上げさせていただきます。
それで、具体的な話の二番目に、地域商店街あるいは地域経済対策としていろいろと経済産業省も考えておられると思うのでありますが、今回の三つも、基本的には、企業、それから農林水産、観光、人材確保等々は考えているわけですが、これまでも、バブル経済の崩壊以来、いろいろな施策を経済産業省はやってきたんです。でも、なかなかその薬が効いていないのも事実なんですね。それで、今回の三法案をベースとして、経済産業省は地域経済をどう好転させようと考えているのか、その基本的な戦略をお伺いしたいと思います。
○福水政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘にございますように、全体、景気の方が回復過程にある中で、地域によりましてはその回復度合いにかなりばらつきがあるというのも事実でございまして、足取りが弱いおくれている地域につきましては、一般的に言えることは、一次産業でありますとかあるいは公共事業に依存度が高い、そういう地域じゃないかというふうに思っております。
また、人口減少とか少子高齢化、これが進んでまいりますし、公共事業費の削減につきましてもますます厳しくなってくる中で、何も手を打たないと、ますます地域間の格差が開いて、取り残される懸念も出てくるというふうに考えております。
こういう中で、地域経済あるいは中小企業の活性化を図るためには、企業立地を進めたり、あるいは既にあります既存産業の高付加価値化、これはイノベーションを通じてでございますが、高付加価値化を進めたり、あるいは地場にあります農林水産品をさらに付加価値を強めて売り出していく、こういう取り組みが極めて重要じゃないかというふうに考えております。
このため、私ども今国会に、企業立地の促進を通じまして、みずからの強みを生かした個性ある産業集積を目指した地域の取り組みを支援するという意味で企業立地促進法案を出させていただいておりますし、農林水産品や産地の技術を生かしまして新商品、新サービスをつくっていこう、こういうことで中小企業地域資源活用法案を出させていただいております。また、地域の中小企業の再生を円滑に進めるという意味で産活法の一部改正案、これは大綱三法でございますが、提出させていただいているところでございます。
さらに、これに加えまして、昨年度から施行になっております中心市街地の活性化、いわゆるまちづくりでございますね、これにも注力いたしております。これも、昨年おつくりいただきましたものづくりの基盤を担う中小企業、金型でありますとかプレスでありますとか、こういうサポーティングインダストリーを育てていこう、強くしていこう、こういうこともやっております。
また、産業クラスター計画、先ほど先生の方から茨城大学という話がありましたが、大学と地場の中小企業のネットワークをいかにつくっていくかという意味で、産業クラスター計画などを通じまして、地域発の新事業あるいは新しい取り組み、新産業、こういうものを進めておるところでございまして、各種いろいろな施策を総合的に使いまして、地域経済の活性化に全力で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○大畠委員 基本的なお話を伺いましたが、ぜひセンサーをあっちこっちに張りめぐらせて、そういう考え方で本当に効くのかどうか、お医者さんがいい薬だからと投与してもそれが功を奏せないときもありますから、十分に地域の声、実態を把握しながらの戦略をとっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
次に、人材。先ほども私、人が大事だというお話を申し上げましたが、人材、人ですね。商店でもそうですし、中小企業でもそうですし、すべて私は人なんだと思います。
そこで、この問題についてもいろいろお話を伺ってくると、なかなかいい人が来てくれないという悩みは、これはどこでもあるんですね。ちょうど今、来年卒業する学生にとっては就職活動をやっているところだと思うんですが、目につくところの企業には入るけれども、なかなか小規模あるいは中規模の企業にはいい人が来てくれないという悩みはずっと抱えています。
同時に、後継ぎがいない。これは市場原理主義経済で言えば、後継ぎがいないというのは魅力がないんだからそれでいいんだということかもしれませんが、いい技術を持って、いい伝統的な産業なんかも、そういうことはやらない、手っ取り早く株の売買とか、堀江社長とか村上さんを目指して手っ取り早く巨額のお金を得た方がいいという風潮もなぜか社会的に吹聴されてきたところでありますが、もっと私は、日本人は正直でまじめで、こつこつと物事をこなしていく、そういう大多数の国民がいて初めて日本は成り立ってきたんです。堀江さんとか村上さんもそれはすばらしい能力を持っているかもしれませんが、みんな一獲千金みたいな形のものだけを追い求めたのでは、私は日本の国が崩壊してしまうと思うんですよ。
ですから、もっと私は、まじめにこつこつと仕事をこなす、ルールがあればルールをきちっと守ってやっていく、そういう人間的な基盤をどうつくっていくかというのは、本当に長期的にも大事なことだと思うんですが、次代を担うといいますか、商店街あるいは中小企業でも、後継者がいなくて困っているという方には何か、仕事がない方も随分いるわけですから、そこの橋渡し。まあ、ハローワークには出ないんですね、この話は。
ですから、経済産業省として、中小企業の人材確保、商店あるいは特異な業、なりわい業をやっているところの後継者をどうやって確保していくか、ここのところも私は大事なんだと思うんです。経営権を意欲がある人には譲ってもいい、ぜひこれを残したいという人もいるわけで、そういうことに対する対策をどう行うかということが一つ。
それから二つ目には、もうかるかもうからないかというのもおもしろいのかもしれませんが、私もものづくりの世界でやってきましたけれども、物をつくるということは非常に楽しいことなんですね。金属を削ったり、あるいは組み立てたり、動くものをつくる、あるいはユーザーが使用していいものをつくってくれてありがとうと言う、そういうお金以外の部分のよさも随分あるんです。
ここのところも、どうも片隅に追いやられているような感じがするんですが、各市町村にある工業高校、高専も含めて、あるいは工業大学とか、そういうところの学生同士の交流が正直言って余りないんです。余りというか、ほとんどないでしょうね。地元の人も余り関心を持たないというので、ここのところが、行き来がなければ理解もされませんし、理解がなければ就職しようという気にもなりません。
そういうことで、これは、もう既に欧米ではインターンシップ制というものを導入して、地元の企業に高校生とか大学生が夏休み等で、経験を積みながら物をつくる、あるいはこういう仕事をするということで非常によく認識をしながら、地元に就職しようという活動のベースになっているという話も聞くんです。ここら辺、文部科学省が管轄かもしれませんが、経済産業省と文部科学省が連携をとって、いかに地元の企業を理解し、そして仕事を理解しながらそこの場に勤めてもらう、そういう努力も日本としては足らないんじゃないかと考えております。
いずれにしても、そういう交流が非常に乏しいという声も上がってきておりますので、経済産業省、文部科学省の方もきょう来ていると思うんですが、ここら辺、本当に大事なことなので、お二方からこの問題についての基本的な考え方をお伺いしたいと思うんです。
○石毛政府参考人 お答えいたします。
二つの大きな問題をいただいたと思います。最初に、後の方の問題からお答えしたいと思います。交流をもっと深めていかないと人材はなかなか育たないぞ、そういうお話だったと思います。
御案内のとおり、少子化が進行して団塊の世代の退職ということを考えると、ものづくりの人材の育成というのは、今先生がおっしゃったように、待ったなしの課題になっている。そういう中で、実践的な人材育成というのが非常に重要だというふうに思っております。こういう認識のもとに、私ども、三つの段階で製造現場と企業の間の交流を深めて人材育成をしていこうということに取り組んでおります。
ちょっと時系列的に申し上げますと、最初に、工業高等専門学校、いわゆる高専でございますけれども、平成十八年度から、地域の産業界と高専が連携をして中小の製造現場を担っていく若手技術者を育成する、そういう事業を始めております。地元の企業のニーズを踏まえまして、特に高専の場合は割合いい研究設備を持っているものですから、例えばクリーンルームなんかを持っている高専もございます、そういう場所で中小企業の若手技術者を訓練するというような事業を立ち上げております。
それから、本年度からでございますけれども、地元の産業界あるいは教育委員会、そういうものの協力を得まして、文部科学省と連携をして、工業高校にものづくり人材を育成するための実践的な教育を導入する事業を立ち上げております。具体的には、企業の技術者を高校へ派遣して実践教育をするとか、それから、生徒あるいは教員の方が生産現場に行って研修を受けるとか、そういったような事業を始めようとしております。
それからもう一点、大学のレベルに関係するわけですけれども、製造現場の中核になる人材を育てようということで、産業界と大学が連携をしまして実践的な人材育成を行うという事業を、これも十八年度からですけれども、行っております。
こういう形で、ものづくり人材のところにつきましては、単に教育の施設でやるだけでは不十分なものですから、企業と密接な連携をとって、それから、関係の省庁、とりわけ文部科学省と連携をとってそういう人材育成に努めていきたいというふうに思っております。
それからもう一点、事業承継といいますか、後継者不足の点について御質問がございました。
中小企業の場合は、数の多いことはパワーであります。そういう中小企業をふやしていくこと、無駄に減らさないこと、そういうことが必要だと思っております。そういう中で、私ども、事業承継の円滑化というのは非常に重要だというふうに認識をしております。
そういう事業承継、そういう人材をきちっと確保するということが必要だという認識を強く持っておりまして、私ども、二つの場所でそういう後継者の育成というものに取り組んでおります。一つは、商工会議所、商工会。こういうところでは、大体二十時間から三十時間ぐらいの研修で後継者を養成しようということで、今まで一万人ぐらいの方がそういう研修を受けております。それから、もうちょっとインテンシブに研修を受けるという形のものとして、中小企業大学校で、後継者を育成するセミナーをずっと実施してきております。中小企業大学校の場合、十カ月ぐらいかけてそこで訓練をしていくというようなことをやっております。
それから、事業承継を現実にやっていくということになりますと、いろいろな問題が出てまいります。大畠先生も御案内のとおり、事業承継に係る税制面の改正というのを累次行ってきているわけですけれども、これに加えまして、昨年度、事業承継ガイドラインというものを公表しております。この中で、後継者の教育は早く始めなくてはいけない、後継者への資産の引き継ぎ方はどうするのか、種類株の使い方だとか法律の問題等々、そういうようなものをその事業承継ガイドラインの中でお示しをしているわけでございます。
それから、平成十九年度からでございますけれども、後継者問題にさらに突っ込んで対応しようということで、専門家によるネットワークを組んで、法律問題であればこの先生、会計問題であればこの先生、そういうような形で、ネットワークを組んで対応するということのための予算措置を講じてきております。
それから、先ほど、例えば事業を売却するというようなケースもあるんじゃないかというお話がございました。
御指摘のとおり、事業承継の形も随分変わってまいりまして、二十年ぐらい前ですと、大体自分の息子さん、お嬢さん、あるいは親族の方に引き継ぐというのが九十数%でございました。ところが、最近時点で見てみますと、そういうふうに親族に引き継ぐというのは大体六〇%ぐらいになっておりまして、四〇%が親族外に引き継ぐという形になってきております。そういうことを受けまして、私たちは、外に事業を譲渡する、そういうような場合に、その譲渡を受けようとする者に、お金が不足しているだろうということで、そういう面での制度的な金融をつけるというような措置を十九年度から実行するということをやろうとしております。
こういったような形で、事業承継にかかわるものは、人材面だけではなくて広い範囲の問題をいろいろ含んでおるものですから、さらに検討を進めて、役に立つ承継制度をつくっていきたいというふうに思っております。
○合田政府参考人 お答えをいたします。
先生御指摘ございましたように、工業高校、大学、高等専門学校の生徒、学生が企業で仕事の実体験をする、インターンシップなどを通じて実習をするといったようなことは、生徒、学生の実践力の習得のみならず、次代を担う人材の育成確保あるいは職業観、勤労観の育成といったような観点からも、極めて重要であるというふうに認識をしております。
インターンシップにつきましては、高等学校におきましても、インターンシップなどの学校外における学習をそれぞれの学校で単位として認めるという制度を私ども用意しているわけでございますけれども、広がりと申しますか、日数とか内容につきましても充実がまだまだ必要であろうというふうに考えておりまして、各都道府県における取り組みの充実を促進していきたいというふうに考えております。
さらに、先ほど御紹介のございましたものづくり人材育成のための専門高校・地域産業連携事業を、経済産業省と共同で、連携をして十九年度から新たに推進をしてまいりたいというふうに考えております。
また、大学段階におきましても、いろいろと、インターンシップの普及啓発のためのフォーラムの開催でございますとか、あるいは私立大学等に対します特別補助でございますとか、大学院生を対象とする質の高い長期インターンシップの開発、実施の支援といったようなことを実施しているわけでございますけれども、十九年度からは、新たにものづくり技術者育成支援事業というものをスタートさせまして、地域の企業とも連携をいたしまして、実験、実習あるいは講義といったようなものを有機的に組み合わせて実践的な教育を行う。そういったようなことで、企業でのものづくりをリードする技術者の育成を図ることとしているところでございます。
今後とも、経済産業省とも連携をしながら、次代を担う人材の育成確保に努めてまいりたいと考えております。
○大畠委員 今、合田大臣官房審議官から、インターンシップ制について、メニューは準備したんだけれどもまだ十分に広がりがないというお話がございましたが、なぜメニューが準備されても広がりがないんですか。
やはり、メニューを準備して、せっかく出したらそれが生かせるように、皆さんはメニューさえ準備すればいいんじゃなくて、それが実際に使われないと、せっかく法律をつくっても生かされないのと同じですから、それだけのインターンシップ制度があるのであれば、地元の高等学校とか工業高校あるいは高専、大学等でももっと、学生だってそういう機会を求めているし、地元の企業だってそれを求めているはずですよ。ところが、実際上はなかなか普及していない。
アメリカ、ヨーロッパでは、学生たちが、自主的かどうかわかりませんが、非常に積極的に入っていって、そういうインターンシップ制度を利用して企業の実態を学んでいる。私の地元の、選挙区外ですが、ひたちなか市では、去年、四人ぐらい高専の方が地元の企業に就職してくれたと非常に喜んでいるんですね、四人でも。
だから、どうもそこら辺、文部科学省の合田大臣官房審議官のいわゆる認識、緊張感のある認識が少し足らないんじゃないか。せっかく、制度をつくったら、なぜそれが生かされないんだ、そこら辺まで踏み込んで、少しサーベイして、さらに普及できるように努力していただきたいと思いますが、もう一度そこら辺の背景を教えてください。
○合田政府参考人 お答えをいたします。
まさに御指摘のとおりでございまして、インターンシップを初めといたします企業での実体験を通じて学ぶということにつきましては、これは高等学校の努力だけでは実現をしないわけでございまして、実際に、中小企業を初め、企業の方々との連携がきちんとできないと成立をしないわけでございまして、これまで、お互いに求めていたということだろうとは思いますけれども、そこのところがなかなかうまくいっていないことがあったというふうに思っております。
そういうことでございまして、私ども、実は平成十六年度から、地域の産業界と連携をして学校での教育と企業実習を組み合わせた実践的な職業教育を行ういわゆる日本版デュアルシステム、諸外国で行われておりますようなデュアルシステムを日本にも導入しようということで事業を実施してきたわけでございますけれども、これをもう一段、本格的に進める必要があるということで、先ほども御紹介のありました、経済産業省と共同で、専門高校と地域産業界が連携、協働をして若手のものづくり人材を育成する、ものづくり人材育成のための専門高校・地域産業連携事業といったようなものを開始したいというふうに考えているところでございます。
こういったようなことで、高校、あるいは大学も含めて、産業界との連携を強めていく中で御指摘のような点について取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○大畠委員 これは経済産業省だね。要するに、文部科学省はメニューを提示して、それを使うのは経済産業省ですよ。だから、せっかくそういうメニューがあるのであれば、私も余り聞いたことなかったんだけれども、なぜ経済産業省でもうちょっと真剣にこれをやろうとしないんですか。
ここら辺について、これはどなたでしょう。いいツールがあるのであれば、つくってあるんだから、それを商工会議所とか何かで話をしてもうちょっと積極的に使ってもらうような、多分、商工会議所なんかもこのルールをみんな知らないかもしれません、経済産業省としてもうちょっと真剣に取り組んでもらいたいと思いますが、経済産業省としての考えをお伺いしたいと思います。
○石毛政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど、私どもが行っている事業についてずっと申し上げましたけれども、もちろん、今先生おっしゃいますように、文部科学省が持っている制度についてもしっかり中小企業者によく行き渡るようにして、必要な場合は私たちが仲立ちをしながらそういう制度を活用できるようにしていきたい。商工会議所、商工会などの協力も得て進めていきたいというふうに思っております。
○大畠委員 とにかく、これだけ経済関係の三法案を出して、地域を何とか活性化しようというんですから、その原点は人材、人なんです。どんなに優秀な人でも、だんだん年をとってきてこの世を去るんです。次代を担う人が後から供給されなければ、その産業も町も死んでしまうんですよ。
だから、意欲がある人をいかに供給するかということは非常に大事なので、そういう意味では、地元の企業を理解するというチャンスはひょっとしたらそういうときしかないのかもしれません。だから、ぜひ真剣に取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
その次に、もう一つ、地元の企業から要求があるのは資金問題です、融資の問題。これも、日立市ですとか高萩、北茨城からも要求があるわけですが、特に、連帯保証人制度の廃止というのはずっと昔から要求があって、最近この問題については一歩前進していると聞いております。
連帯保証人制度の廃止、いわゆるお金を借りるときに、だれか第三者の判こを、保証をもらってきなさい、そうしないと貸しませんよという制度が、日本には古くからあったのかどうかわかりませんが、ここ二、三十年、これで泣いている人が随分いますし、簡単に判こを押したために、連鎖倒産したとか、あるいは保証人の企業とか個人財産も全部押さえられたという悲劇があちこちにありました。ですから、世界に類を見ない連帯保証人制度は廃止すべきだということも私も申し上げておりましたが、この問題についてはかなり前進し始めたということであります。
このことについて中小企業庁、金融庁の報告を求めると同時に、今回のさまざまな制度改正によって公的金融機関が徐々に縮小して民間金融機関に変わる。これも小泉改革の一環かもしれませんが、これまでだって、貸し渋り、貸しはがし、担保割れしたときには返せと言われた。こういうことで、中小零細企業にとっては何か懐寂しいといいますか、先行き寂しい環境にどんどん追い立てられている。これも市場原理主義経済の一つの影響だと思うんです。
ここら辺の金融問題について、特に、金融庁は金融庁で一つの考えを持っているんでしょうけれども、中小企業庁というのはまさに中小企業の立場に立って物を言い、考え、対策するというのが中小企業庁ですから、現状の流れの中で、中小企業庁はこの金融改革といいますか一つの流れについてどう考えておられるのか、金融庁はどう考えているのか、ここら辺をあわせてお伺いしたいと思います。
○石毛政府参考人 お答え申し上げます。
最初に、第三者保証、連帯保証の問題についてお答えしたいと思います。
今、大畠先生も御指摘になったとおり、経営に関係のない第三者まで取り立てを受けて連鎖倒産を引き起こすというようなことで、いろいろな問題を起こすということで社会問題として取り上げられてきているところでございます。私ども中小企業庁は、そういう中で、個人保証に過度に依存しない融資というものを積極的に推進してきております。
私どもが直接かかわっている機関について申し上げますと、中小公庫それから商工中金、これらの機関については、原則として経営に関係ない第三者の個人保証というのは求めておりません。
それから、国民公庫でございますけれども、国民公庫は非常に小さい企業を相手にしているものですから、第三者保証を求めるケースも多々あるわけでございますけれども、このところ、そういう第三者保証を不要とするような制度を新たにつくってきております。
御案内のとおり、いわゆるマル経制度というもの、これは無担保、無保証人の制度ということでやってきております。それと、新創業融資制度、これは午前中ちょっと議論になりましたけれども、その中で第三者保証をとらない、それは新創業ということに重点を置いた制度でございますけれども。
さらに、一般的に第三者保証人を不要とする融資制度というものを新たにつくってきているわけですけれども、これを平成十九年度に制度拡充いたしまして、貸し付けの上限額を一千五百万円であるのを二千万円にする、そういうような制度拡充をするということを承知しております。
それからもう一つは、信用保証協会。これも午前中議論になっておりましたけれども、昨年の四月から、原則として第三者保証人を徴求しない、そういうように保証協会に求めておりまして、そういう趣旨が徹底されてきているのではないかというふうに思っております。
いずれにしましても、中小企業庁としましては、今後とも、こういう保証人に過度に依存しない融資というものを一生懸命進めていきたいというふうに思っております。
それから、政策金融機関のいわゆる改革についてどういうふうに取り組むつもりであるかというお尋ねでございます。
今さら申すまでもないわけですけれども、日本の産業の競争力は大企業に部品、素材を供給する中小企業が支えている、あるいは、地域経済は各地域にある特色のある中小企業が支えているというふうに言っても過言でないと思っております。中小企業は日本経済を支える、その発展を支える原動力だというふうに思っております。そういう中で、資金調達の円滑化というのは非常に重要な要素だというふうに思っております。
こういうことで、政策金融機関の再編の議論の中で、中小企業金融の取り扱いをどうするのかというのが議論になったのは先生も御承知のとおりでございますけれども、行政改革推進法の中で、まず株式会社日本政策金融公庫についてでございますけれども、いわゆるマル経制度、そういうものの制度を含めまして、今まで中小公庫あるいは国民公庫が担ってきたそういう機能は、その新しく設立される日本政策金融公庫にしっかりと承継されるんだということが明記されております。それから、商工中金につきましても、民営化後も中小企業に対する金融機能の根幹が維持される、そういうようにするんだということが決定をされております。
今回の政策金融機関の再編後におきましても、このように新たに設立される日本政策金融公庫それから商工組合中央金庫、こういうところによりまして、中小、小規模向けの資金供給が円滑に行われるように、そういう資金繰りに支障を来すことがないように、中小企業者の方々にとってそういう機関が引き続き頼りになる金融機関として機能し続けるように、そういうふうに私どもはしていきたいというふうに思っております。
○河野政府参考人 金融庁からお答え申し上げます。
金融庁は民間金融機関を監督する立場でございますので、この保証人をめぐる問題につきましては、私どもとしましても、いろいろなトラブルの原因となったという点についてはよく承知をしております。また、大変厳しい状況があったということをさまざまなルートで伺っております。
そういう中で、私どもといたしましては、この四年間、地域密着型金融の推進ということを行ってまいりました。
これは、民間金融機関、特に地域金融機関に対しましていろいろ事業再生などへの取り組みや地域再生への一層の貢献等を求めるものでございますけれども、この中で、担保、保証に過度に依存しない融資ということを一項目挙げまして、多様な融資手法の活用、これは動産や債権を担保とする融資の活用なども含めてでございますけれども、こういう、担保、保証に過度に依存しない融資の活用ということを求めますとともに、やはりお客様への十分な説明が必要であるということを申し上げてきております。
トラブルに至りましたケースの中身を見ますと、やはり金融機関による十分な説明がなされていない、あるいは、保証人の方が負うべき責任について理解をしない、あるいは負担をすることについて全くその能力がないといったようなことがあった場合に非常に深刻な事態が生じておると認識しておりますので、こういった点につきまして、金融機関に対して、保証を要求する場合には客観的、合理的な理由を求める、それから、その理由について保証人となるべき方に十分な説明をし、その納得を得て保証をいただくのであればいただくというような対応をするように監督指針に明記をいたしまして、これまでこれを推進してきておるところでございます。
今後とも、この地域密着型金融の推進につきましては、一層の取り組みということを行うべく、現在、金融審議会で取りまとめに入っておるところでございますので、私どもとしましても一層努力をしてまいりたいと考えております。
○大畠委員 民間の金融機関を監督する立場ですからという話がありましたが、私は、いろいろ聞いていますと、要するに、貸し手と借り手というのは五分五分のリスクを抱えているはずなんだ、本来は。金融機関だけがリスクがなくて借りる側だけがリスクがあるという、今の連帯保証人制度というのはそうなってきますがね、とにかく判こをついてこい、そうすれば貸してやる、万が一のときは連帯保証人からがさっと取るという。だから、金融機関中心の融資制度という制度そのものが余りにも近代国家にはなじまないんじゃないかという認識を私は持っているものですから、そういうふうなお話を申し上げたんです。
金融庁としては、さらに、今前提条件をおっしゃっておられましたが、基本的には、欧米にない連帯保証人制度というのは日本独特なんですよ。ですから、そういうものはもうやめて。だから、金利の幅があるわけですよね。この人はどうもまだまだ不十分だなと思えば金利を上げればいいし、下げたりして、少なくとも、第三者の連帯保証人制度、判こをついてこいという制度についてはもうそろそろやめるべきだと思いますよ。私はそう感じておりますが、金融庁のお考えをもう一度お伺いしたいと思います。
○河野政府参考人 お答え申し上げます。
この連帯保証という契約形態そのものにつきましては、民法上の制度でございまして、私どもとしまして、これを一律に廃止することにつきましては、状況によってはということになりますけれども、これはこれでまたさまざまな弊害を招くおそれもあると考えますので、この点については、一律廃止ということはなかなか困難という点は御理解をいただければと思います。
他方、やはりこれは、先生まさに御指摘のように、各金融機関の現場においてこれまでいろいろなトラブルの原因となってきたことは事実でございますし、その点については十分社会的批判も踏まえた監督指針の書き方によりまして金融機関の指導をしておりますので、今後ともその努力を続けさせていただきたいと考えております。
○大畠委員 今のお話を伺っていると、ひょっとしたらこれは政治の責任かもしれませんね、ルールですから、法律という意味では。ぜひそういう地域の実態に即した金融庁としての行動をお願いしておきたいと思います。
それから、公正取引委員長がおられます、顔が見えましたので。お待ちいただきまして、一問だけ御質問して、お答えいただいたらお帰りいただいて結構なんですが、地域の声の中に相変わらず毎回入っているんですが、下請代金の遅延の問題ですとか下請代金の切り下げ、こういうのがやはり横行している。
大手の企業が高収益を上げている中で、小規模企業あるいは零細企業あるいは中堅企業の収益というのは非常に悪くなっているというのが私の感覚なんです。ですから、地域の方では、先ほど中小企業庁から報告があったように、中小企業の総体としての認識は、悪化している、どちらかというと悪くなっているという認識が広がっているんですね。
そこで、公正取引委員長にはいつも各方面で御奮闘いただいているわけでありますが、どこに活路といいますか御助力を願うかというと、公正取引委員会なんですね。優越的地位の濫用ですとか、優越的地位を利用してこれでやれと、ここのところは難しいんですが、それに文句言うとまた次に仕事をもらえないということがあるから、わかりましたという話になっちゃうんですが、ほかにもたくさん、安売りの問題ですとか談合の問題もあるし、公取委員長も大変だと思うんです。
ただ、こういう問題も非常に幅広いところに影響があるものですから、中小企業のまじめにこつこつやっているメンバーが泣き寝入りということについては、ぜひ私は是正させなければならない、政治的にもそう思うんですが、公正取引委員長の下請代金についての現状の認識と、そしてそれをどういう形で是正していくか、そのことについてお伺いしたいと思います。
○竹島政府特別補佐人 御指摘の下請法の問題、それから、独禁法に基づく優越的地位の濫用に対する対応ということでございますが、最近も成長力底上げ戦略の中で、下請法の厳正な運用等がうたわれているわけでございます。私ども公正取引委員会は、従来から、デフレ経済が長引いて下請にしわ寄せが来る、また原料が上がっても価格はなかなか転嫁できないという話がたくさんございましたので、下請法の厳正な執行ということには特段力を注いできたつもりでございます。
平成十六年に法律を改正して、単なる製造業、修理業だけではなくて、役務、いわゆるサービス関係の下請にも法律の適用を拡大しますということをいたしました。それからもう三年強たっておりますが、その間に二十五件の勧告、公表、これは法律に基づく一番厳しい措置でございます。それから、八千八百件の警告ということで、多いケースは、下請代金を一方的に事後的にさかのぼって減額する。百円だったものを九十五円にしてくれというようなことを事後的に要求をして、これはおっしゃったようなことで、下請事業者がのまざるを得なくて泣き寝入りする。それから、支払いがそもそもおくれる。こういったものにつきましては、しかるべきものをちゃんと払いなさい、それから、おくれた場合には利子をちゃんと払いなさいということで、原状回復措置を命じてきております。
そういう意味で、いかに情報を、そういうときに泣き寝入りせずに公正取引委員会に言ってきていただくかということでございまして、年に二回、中小企業庁と手分けして、言ってみると、官の側から掘り起こしをして、その中で、ああ、この親事業者はどうも複数の下請事業者からこういうことを言われているなということについては、さらに調査をして事件に結びつけていくというようなことを、我々としては、例外的に大変踏み込んだ仕事をさせていただいていると思っていますが、これからもそういうことできちんとやっていきたいと思っています。
それから、下請関係にない場合でも、大規模小売業者が納入業者をいじめるというようなことで、性格的には同じようなことで、これは独禁法のまさに優越的地位の濫用になるわけですが、これらについても相変わらずあるわけでございます。
最近も、そういうことで、九州の方のディスカウントショップを展開しているようなところで、簡単に言うと、ただで相変わらず従業員を納入業者から出させて、棚がえ、棚卸しの作業とか新規開店、改装のための作業に当たらせている、それでお金を払わないというようなことだとか。それから、全く理由がないのに、納入業者に何の責めもないのに、売れないからといって返品、本来買い取りであったはずのものが返品をされる、それも、納入業者から見れば大変な額になるというようなことがかなり行われている。
これらについては、本当にこの三年ぐらい厳正に取り扱っておりまして、わざわざ大規模小売業者に係る告示も出しまして、こういうことをやればきちんと厳正に対処しますぞということを言ってきているわけですが、大分よくなったというふうなことは聞いていますが、まだまだなくなったと言える状態ではございませんので、これからもそこは厳正に目を光らせていきたいと思っております。
○大畠委員 最後にまだまだという話がございましたが、私は、竹島委員長になって、本当に公正取引委員会は、公正取引委員会が出っ張らなくても済む社会にしなければならないとは思うんですが、残念ながら、今のところは、市場原理主義経済の社会というのは、まさに公正取引委員会がかなりしっかりしていないと公正な経済社会にならないということで、大変残念ながらというんでしょうか、竹島委員長には大奮闘をしていただいているところです。今まだまだという御認識がありましたが、公正な商業ルール、経済ルールを守らせるという意味で、さらにぜひ御奮闘いただきたいと考えているところであります。
竹島委員長、どうもありがとうございました。結構でございます。
さて、今、中小企業の抱える問題について幾つか質疑をさせていただきました。ほかにも準備はしておったんですが、時間的な配分等もございますので、御準備いただいた方には大変申しわけないんですが、少し飛ばさせていただいて次の質問に入らせていただきます。
ものづくり問題について、先ほど甘利大臣からもいろいろ御指摘をいただいたところでありますが、生産現場における派遣労働問題がやはり私は気になるところでございます。技術、技能を伝承するためには最低限の人が必要なんですが、その人さえ、確保していると価格競争に負けてしまうということで、そこまで削ってまで経営者はコストダウンに努めております。
確かに、中国製品とどうするか、あるいは国内のメーカー同士がしのぎを削っているんですが、市場原理主義経済に勝ち残るためには手段を選ばずという状況に入ってきていまして、私は、ものづくりというのが今どちらかというと非常に亜流になってしまって、主流は、もうかるかもうからないかという論理が動き始めている。ここのところを放置すると、私は、日本という国は物をつくれなくなる。安いものは中国でつくればいい、海外でつくればいい、日本は、そうすると、農産物も魚もものづくりもなくなって、金融あるいはサービス、観光という国になってしまうんじゃないかというぐらいの危機感を私は持っておるんです。
厚生労働省が派遣労働問題については平成十五年に法案を改正しまして、ものづくりの現場まで派遣労働をよしとしたわけですが、経済産業省はこれをどう見ておられるのか、厚生労働省は現状についてどう考えておられるのか、このことについてそれぞれお伺いしたい。
実は、私の住んでおります日立市ですが、かつては日立製作所を中心とする企業城下町と言われておりました。日立製作所に関連する企業が中心となって企業群をつくっておったんですが、最近、この日立市の資料を見て、私は、びっくりといいますか、驚いたわけでございますけれども、それはどういうことかといいますと、「日立製作所グループ企業を頂点とした生産ピラミッドの崩壊」という文書といいますか、報告書が私のところにも寄せられました。今はなかなか、日立製作所からおりてくる仕事だけを受けていればいいという時代は終わろうとしている。逆に言えば、ほかのところからもいろいろと仕事を受注しないとやっていけないということになってしまいまして、それで、生産の従業員数も、平成三年には四万三千人ぐらいいたんですが、今では二万七千、事業所でも、八百五ぐらいあったんですが、今は五百七、出荷額も落ちてきております。
しかしながら、日立市としては、日立製作所を中心とする企業あるいはそれを取り巻く優秀な基盤技術を持つ中小企業群があります、それから日立港という港もあるし後背地の常磐道路のインターチェンジもありますし、また企業立地の土地の利用計画もありますが、ここら辺があるので、ちょうど今回の法案を利用させていただいて、いわゆる企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律案、まさにこの法律案をベースに、改めて日立市として再生の道を歩みたいという提案書が出て、入手させていただきました。
特にその中でも、茨城県それから茨城大学共同研究開発センター、日立製作所、日立地区産業支援センター、日立商工会議所工業部会等々でひたちものづくり協議会を設置して、いろいろと検討をし始めたし、ひたちものづくりサロンというものを設置して、大学との共同研究とかさまざまなニーズのマッチングを図っていきたいというような提案書も上がってまいりました。このことが、言ってみますと、この法律に一番なじむ事例かなという感じもするわけでありますが、こういう提案書といいますか構想について、今回の法律を適用するという意味ではどういう受けとめ方をしたらいいのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○鳥生政府参考人 お答え申し上げます。
製造現場への労働者派遣についてのお尋ねでございますが、製造現場への労働者派遣につきましては、日々変動する業務量に応じまして労働力需要に迅速、的確に対応するというニーズがございまして、必要なものだと考えております。しかしながら、単に人件費削減という観点などから安易に派遣を活用するということは、製造現場における技能継承や人材育成という面から見て問題であるというふうに考えております。
労働者派遣により常用雇用が代替されるといったことを防ぐことが重要だという点から、最長三年の派遣受け入れ期間の制限等の仕組みを設けているところでございまして、こうした法令の遵守に努めてまいりたいと考えております。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
日立市あるいは日立周辺の再生プランの件でございますが、今回の企業立地促進法案では、地域、既存の産業集積がどうなっているかとか、あるいは、日立を中心にこれはすばらしい技術があるというのはもう十分承知しておりますし、日立港を初め那珂湊港、いろいろな産業施設が整っております。そういう中で、我々、できるだけ支援していきたいというふうに考えております。
既に私ども、一月に、茨城県あるいは茨城県関係市町村、三十九市町村に法案の概要のようなものを説明いたしておりまして、先生御紹介ありましたような議論がいろいろなところで進んでいるんじゃないかというふうに思っております。関係者の意見を十分協議していただいて、地域の強みを生かした基本計画をおつくりいただいて、私ども、同意を受けていただければ、予算措置、税制措置等々が御活用いただけるんじゃないかというふうに期待いたしております。
○大畠委員 幾つかの具体的な事例も踏まえて質問をさせていただきましたが、いずれにしても、この法律案が生きるかどうかも、結局、この法律案の中身がみんなに行き渡らなければなりません。
最後に内閣官房に、ワンストップサービス等々について、こういうツールがあるんだということを商工会議所等々を活用しながら一生懸命頑張っていきますという事前のお話もございましたので、時間ですから、この質問はやめますが、いずれにしても、せっかくいいツールをつくろうとしているんですから、これを最大限活用して、地域の実態に即した形の振興策がとられるように要望して、また機会があれば御質問させていただきますが、きょうはこの質問を終わります。
ありがとうございました。 |