議事録

   

第166回国会 経済産業委員会 - 7号
平成19年4月11日

 

 

○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 前回の質問は半分のみでございましたので、後半の部分を中心に質問をさせていただきます。
 今回の経済成長戦略大綱関連三法案でございますが、基本的に、私の考えをもう一度整理して申し上げますと、言ってみますと、小泉改革、安倍改革といいますか、改革加速ということでありますが、どうも地域の実態をよく見ないままに、かなりの悲鳴が地域社会では起こり始めている。そういうことで、今回の三法案も、六本木ヒルズには全く必要がない法律でありますが、地域社会の方では非常に渇望している法律であることも事実であります。
 私は、さまざまな改革というのは必要だと思うんですけれども、見かけ上の改革だけで、いわゆる患者をよく診ないで手術したり処方するといろいろな副作用等々を起こしますので、本来、この安倍政権は、小泉改革のさまざまな弊害というものをいかに取り除き、新たな国をつくるか、そういう転換の政権でなければならないと思いますが、どうもそこら辺がイメージが定かではありませんし、改革加速だけで日本の国がさらによくなるという、そんな見通しもどうも生まれませんので、そういう意味では、改めて経済産業省は、もちろん霞が関あるいは六本木ヒルズも含めて、日本全体の経済政策のかじ取り役でありますから、甘利大臣には、ぜひとも地域社会の実態というものをよくよく直視されて、問題点があれば是正するように、さらに一層努力をしていただきたいということを冒頭に申し上げさせていただきます。
 そこで、地域経済にも非常に大きな影響を与える課題がございますので、この三法案の質問に入る前に、WTOとFTAとEPAというもの、この課題について大臣に、少し経済産業省として整理をしていただきたいという思いから質問をさせていただきます。
 四月三日の新聞等で、アメリカと韓国、両政府は二日、ソウルで行われた自由貿易協定の締結交渉が妥結したと発表した、こういう報道が一斉になされました。日経新聞には、「やればできる「日韓」も」、こういうふうな話ですとか、あるいは、日本とアメリカのFTAの話も出てきているような話もありますし、もちろん日本とオーストラリアとのFTAの、EPAの話もございます。私が見るところ、アメリカという国は、どうも世界全体として何かやろうということよりも、一対一で交渉事をまとめていく、こういう志向が非常に強いわけであります。
 甘利大臣として、経済産業大臣として、また日本国の大臣として、WTOとFTAとEPAというのはどういうふうに考えておられるのか、この基本的な御認識をお伺いすると同時に、NAFTAが一番スタートだったと思いますが、アメリカのFTA戦略についてはどういうふうに見ているのか、そして、さまざまな地域で始まりましたFTA、EPA、そしてその背景にWTOがあるんですが、そこら辺を含めて、どんな御認識でこの状況に対応されようとしているのか、その基本的な御認識をお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、中山(泰)委員長代理着席〕

○甘利国務大臣 世界の貿易や投資の障壁をなくしていくという最終目的に向かっては、やはり私はWTOだと思うんです。ただ、その二国間のFTA、EPA、EPAはFTAをさらに深掘りした、物やサービスの交易だけじゃないもっと幅広い分野についての障壁をなくしていくということになるわけでありますが、この二国間はWTOを加速させていくための促進剤になっているのかなと。
 というのは、二国間でやりますと、WTOの国際基準よりも深掘りできるというところがあります。例えば、投資でいえば、WTOではサービス分野だけでありますけれども、二国間ではあらゆる投資に向けた協調がとれるわけであります。ですから、二国間では質の高いものをつくることができる。それを次第に国際水準に広げていく、WTOに反映して、そういうWTOを補完する関係があって、WTOの姿をより理想に近づけるために二国間で、言ってみれば特区みたいな感じでいい形を進めていくという効果があるんだと思いますし、二国間でやっていくとセンシティブな問題についての処方せんも次第に見えてくる。多国間でいきなりやりますと、センシティブなものがあるからもう全部だめみたいになりかねませんけれども、二国間でセンシティブなことを解決していく処方せんを、ノウハウを少しずつ積み上げていくと、全体交渉でも次第にいい形になっていくという相互補完関係にあるのかなと。
 いずれにしても、最終的にはやはりWTOだというふうに思っております。

○大畠委員 基本的な御認識はわかりました。
 最終的にはWTOが全体的なものにならなければなりませんし、当面それがなかなか進まないところについてはFTAとかそういうふうなツールも必要でしょう。
 ただ私は、アメリカの国家戦略として、軍事問題もそうなんですが、すべての判断はアメリカが行うんだ、例えばイラク問題もそうなんですが、国連じゃなくてアメリカなんだ、こういう、一言で言いますと余りひとりよがりになっても困りますし、そういうものについては日本の政府が、WTO問題、FTA問題についても、日本の基本的な考え方を明らかにしながら、アメリカにもただつき従うという国家的な姿勢じゃなくて、牽制球を投げるときはきちんと投げる。
 基本的には、WTO、FTA、EPAの問題についても、今甘利大臣がおっしゃったような形で、FTAもいいけれども、WTO全体について、もっとアメリカは全体的な整合性が行われるように努力すべきだということをぜひいろいろな機会に発言をしていただきたいということを要望しておきます。
 それから、この近々の課題として、実は三月二十二日に私の地元の方で農業団体、農協さん主催の「日本の食と農」を守る日豪EPA交渉対策集会というのが開催されました。私も出席させていただきました。
 いろいろ調べさせていただきますと、二〇〇五年の四月に、当時の小泉総理とオーストラリアのハワード首相との間で、自由貿易協定について共同研究をしようということで合意をし、昨年十二月に共同研究報告書というのがまとめられた。そして、四月二十三日、二十四日には初めての第一回の会合がオーストラリアのキャンベラで開催されるという話でございます。
 私も驚いたんですが、この農業問題を含めて、関税をゼロにするということがどうなのか、国土面積が日本の二十倍のオーストラリア、農地面積が八十九倍、農家の平均的経営面積は何と千八百八十一倍という、全く農業形態が違うところと今EPAを結ぼうという、研究をするという形でありますが、この会合の中でも平間会長さんという人から、無原則にオーストラリアとの農産物の貿易自由化を実施した場合、日本の農業は崩壊する、日本の農業の崩壊は日本国の崩壊を意味するというような趣旨のお話もありました。
 経済は非常に大事なんですが、食料問題あるいは日本国内でのものづくりというさまざまな問題をないがしろにしたまま、国際的なそういう一つの流れといいますかに乗ってしまうことは国益に反すると私も考えておりまして、ここら辺、今農水省の方でもいろいろ検討されていると思いますが、基本的な農水省のお考え方をお伺いしたいと思います。

○福井大臣政務官 オーストラリアとのEPA交渉に当たっての農水省の基本的な考え方いかんというお問い合わせでございました。
 今先生御指摘のように、国土面積も二十倍、農用地面積も八十九倍、平均経営面積、一戸当たりの農地面積、オーストラリアは三千三百八十五ヘクタール、日本は一・八ヘクタール、千八百八十一倍というまた巨大なる農業が今日本を襲おうとしているというのがお地元初め、日本全体の農家の御心配だというふうに思っております。
 そういうことで、我が国の農業とは構造的に大きな違いがあるオーストラリアがやってくるということが認識の基本でございますけれども、我が国の農業も、食料を生産、供給しているというのはもちろん基本なんですけれども、そのほかにも、自然環境の保全、それから良好な景観の形成、そして今先生が御指摘になりました文化の伝承、歴史と伝統、文化の空間であるということ、多面的な機能を有しているということに着目をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 そこで、日豪のEPA交渉に当たりましては、国内農業への影響を十分踏まえて、これは松岡大臣が何回も何回も申しておりますけれども、守るべきものはしっかりと守るとの方針のもとで、そしてまた一方で、国内農業の構造改革、担い手対策もやっております構造改革の進捗状況にも十分留意しつつ、日本として最大限の利益を得られますように政府一体となって交渉していく考え、これが基本的な考えでございます。

○大畠委員 基本的には、今のお話を私なりに解釈しますと、日本の国益を損なうような形での一方的なEPAの締結、農業問題も含めての締結ということにはならないように努力するということで受けとめてよろしいでしょうか。もう一度、ちょっとそこはお願いします。

○福井大臣政務官 ちょっと余分なことですけれども、昨年の十二月に、この交渉が始まる前に、日本とオーストラリア政府間の共同研究最終報告書というのが出てございます。これが前提となっているわけですけれども、ここで、農業に対して、交渉はあらゆる品目と課題が取り上げられる、けれども、また、段階的削減のみならず、除外及び再協議を含むすべての柔軟性の選択肢が用いられるものとして開始されるということが両国でアグリーメントされておりますので、そういうことを基本としながら、もう一度申し上げますけれども、国内農業の構造改革の進捗状況にも留意しつつ、守るべきものはしっかりと守る、そして、日本国全体として利益を得られるように政府一体となって交渉していくということでございます。

○大畠委員 この問題については、衆議院、参議院両院で、昨年の十二月、米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖などの重要品目が除外または再協議対象となるよう、政府一体となって全力で交渉することとする内容の国会決議が行われました。この国会決議については農水省としてどのように受けとめているのか、もう一度ちょっと御見解をお伺いします。

○福井大臣政務官 今先生御指摘のように、国会でも、そして自民党でも、多分民主党でも、それぞれのつかさつかさで決議がなされているということで、十分その重要性を踏まえて対処していく所存でございます。

○大畠委員 世界的な流れが強いものですから、ついついその流れに乗っちゃった方が楽かなというような動きも全体的にあるんですが、私は、日本という国は、もっと、日本の国の国の成り立ち、歴史、あるいは地域で、正直言って、この間も申し上げたけれども、農家が百円玉一個稼ぐのは本当に大変なんです。キュウリでもナスでも、百円、百十円というふうな正札をつけると売れないと言うんです。九十五円とか九十円とか、ビニール袋に入れて札を張っておかないと売れないと言うんですよ。それで、日本の国を支える、あるいは日本の国民を、日本人を育てる上で農業がどれほど多くの貢献をしてきたかというのは御存じのとおりだと思うんですが、ぜひ、そういうトータル的な観点から努力をしていただきたいということを要望しておきたいと思うのです。ありがとうございました。
 さて、それでは続いて、この三法案についての質疑に移らせていただきます。
 この問題は、さまざまな形で日本の経済が非常に疲弊していることから、地域経済がおかしくなってきているということを甘利大臣も御認識されたので、このような産業再生、農林ですとか観光ですとか企業立地関係の処方せんを法律として出されたものと受けとめているところでありますが、なぜ地域社会がこういうふうにおかしくなってきてしまったのかということについて質問をさせていただきます。
 一つは、ちょっとこの間も一部申し上げましたが、いわゆるゼロ金利政策によって、三百三十一兆円というお金が、本来、預金者に支払われるところが支払われなかったということを、日銀の福井総裁が明らかにされました。やはり国民の消費というのがGDPの七割を占めるというのも、甘利大臣も常日ごろおっしゃっているとおりでありまして、いかに地域における消費活動が活発化するかというのが地域社会の経済の下支えになっていることは事実です。
 したがって、この金融政策なんですが、私は、バブル崩壊以来、金融機関というものをいかにして再生させるか、これも大事なんですが、肝心の国民の懐あるいは国民の消費というものがないがしろにされて、いわゆる金融機関の再生というものに視点を置いた形でどうも来てしまったんじゃないか。したがって、今日では金融機関が最大の利益を上げているわけですよね。
 金融問題の起こりは、バブル時代に土地を買いあさった金融機関にあるのです。それを国の税金を使って救済したんだけれども、私は今、救済し過ぎているような感じがするんですね。もっと、やはり地域社会のところにお金が落ちるようにしなければならないんじゃないかと思うんです。
 当然、金利を上げるということは、いわゆる中小企業の金利も上がるわけですから、そこら辺も十分見なければなりませんが、経済産業大臣として、一連の金融政策といわゆる経済政策、地域の中小企業政策、ここら辺についてどのような御認識をお持ちなのか、経済産業大臣と金融庁双方にこの件については御意見を伺いたいと思います。

○甘利国務大臣 GDPの六割を占める消費を喚起するためには、消費者にきちんとした原資が渡るということが大事、それはおっしゃるとおりであります。預金の金利が上がらない、利子が預けていても全くつかない、あるいはお年寄りの世帯で言えば、毎月の収入が年金以外ない、預金の利息を消費に向けていたものが向けられない。確かに消費の減殺要因になるんだと思います。
 ただ、一方で、ローン金利にもはね返ってくる、中小企業の金利にもはね返ってくる。要は、どうプライオリティーをつけていくか。まず、金融機関というのは、産業、国民経済の血液たる資金を循環させるポンプの役割でありますから、ポンプが壊れちゃっていますと細胞が死んじゃうおそれがある。ですから、プライオリティーとしては、まずポンプを直すんだと思います。ポンプが直ってきたら、その次の施策として、きちんと国民経済の消費に資するような施策をとって、巡航速度に戻していく。これは、体力の回復の状況を見ながら、巡航速度に戻していくということを慎重に見きわめる必要があるんだと思います。
 もちろん、金融機関には、もうけていただいたら一刻も早く税金で返してねということは当然のことでありますから、そういう時系列に従って、工程表に従って、日本経済全体が完全に巡航速度に戻るようにしっかり注視し、政策を打っていくべきだというふうに思っております。
    〔中山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

○山崎政府参考人 金融機関の業況につきましては、全体としては、不良債権処理の進捗により、改善してきているものというふうに考えてございます。こうした中で、金融機関においては、みずからの責任と判断で適切にリスクをとって金融仲介機能を発揮していくことが重要であるというふうに考えてございます。
 こうした観点から、金融庁といたしましても、中小地域金融機関に対し、融資審査における目ききの向上、融資手法の多様化等を促すなど、地域密着型金融の一層の推進、それから中小企業の実態に即した検査の推進、与信取引に関する顧客への説明体制の整備等の施策を推進しております。
 今後とも、民間金融機関による中小企業に対する金融の円滑化を図るべく、各般の施策に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上です。

○大畠委員 きのう、合同審査会の中で、北神議員から委員会内で配付された資料を見ますと、公庫関係の一般貸し付けが、平成十三年が三千百六十四億円だったのが、平成十七年は千七百六十八億円、約半分に減っているということです。
 ここら辺も、きのう、渡辺大臣が盛んに目標値を云々というような話をされて、経済産業大臣からは、目標値を余り設定すべきじゃない、地域の現状に従ってやらなきゃいかぬ、そういう話がありましたが、これを見ても、公庫関係からは市中に貸し付けられているのが半分になっちゃっているということ、これも地域経済が回らない原因だと思いますよ。
 民間の金融機関が元気になってきたから、そこが、民でできるものは民でと言うけれども、民間の金融機関は、一言で言えば、もうかっているところしか貸さないんですよ。だから地域社会がおかしくなる。
 二〇〇六年倒産件数、五年ぶり増加ということで、二〇〇七年も倒産件数の増加は続くのかという指摘に対して、リサーチの経済研究室長という方でしょうか、そう思うと。昨年は建設やサービスなど内需型の中小企業の倒産が多かった。これらの業界は過当競争体質が強く、淘汰が一巡したとは言えない。公共工事削減と人口減少という逆風がとまる可能性は小さく、二〇〇七年も建設やサービスなどの業界で倒産がふえることは避けられそうもない。現在、不良債権処理に積極的に取り組んでいるのは第二地銀や信用組合など地域金融機関でも規模の小さいところだ。融資先も中小零細企業が大半を占める。二〇〇六年に倒産件数が増加したにもかかわらず負債総額が減少したが、その背景にはこうした事情がある。二〇〇七年も小規模の倒産がふえ続けるだろうと。
 私は、やはり金融というのは、大臣もおっしゃるように、ポンプは直さなきゃならないんだけれども、いつの間にかポンプを直すことが目的化しちゃって、ポンプで水が出て、それで人々が生活しているわけです。その水が出てきて、それで生活する人を忘れちゃって、ただポンプを直すことにみんながしゃかりきになったら、ポンプを直している間に、ポンプを直しているということは故障しているのか、水が出てこないのかもしれないが、生活している人が困っちゃっているわけね。
 私は、ここら辺、金融庁も、ポンプそのものを所管しているところだから、いろいろ大変かもしれませんが、ポンプが大事じゃないんです。ポンプから出てきている水でみんなが生活することが大事なんです。だから、そこのところを金融庁も間違えて、ポンプを直すことが大事、ポンプが大事じゃなくて、ポンプから出てくる水でみんな生活ができるというところが大事なんですから、金融庁もその点は余り間違えられると困りますので、再度、ポンプと水の関係について、金融庁がどういう考えを持っているか、ちょっとお伺いしたいと思います。

○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
 私どもとしても、中小企業の再生と地域経済の活性化を図ることで不良債権問題も同時に解決していくということを目指して、平成十五年度以降、リレーションシップバンキングということでございますが、地域密着型金融の機能の強化に向けた取り組みを進めているところでございまして、今後とも努力していきたいというふうに考えてございます。

○大畠委員 山崎参事官、一生懸命努力されているのは前から存じ上げておりますが、ぜひ、庶民が水をちゃんと飲んでいるか、そういう状況も、現場を踏まえて、地域の金融機関も踏まえて、あるいは地域の人の実態をよく把握しながら、ポンプの修理並びに保守等をしっかりとやってもらいたいということを心がけていただきたいと申し上げておきますから、よろしくお願いいたします。
 さて、そういうことで、今回も質問するに当たって、いろいろな方々から意見を聞いてまいりました。
 空き店舗対策をしっかりやってほしい、これは従来からあるんですね。それから、保証人なしの金融ができてはいるが、この問題についても、一度失敗した場合に、果たして再度貸してくれるのか。一回倒産した経営者にお金を貸してもらえるんだろうか、こういうふうなお話もあります。多分、日本においては、一回倒産した企業の経営者は、何かマークがついて、あの人にはあれだからだめだとかなんかという話になってしまうんじゃないかな、そういう懸念を持っている方がたくさんいる。決して再チャレンジできるような体制はできていないんじゃないかという御指摘もいただいております。
 それから、ロードサイドに商業施設ができているので、中心部の商店街の崩壊につながっている、また自動車を利用できない高齢者にとっては非常に生活上困った状況がさらに続いているというお話ですとか。そこで、商店街の問題です。
 かつて、まちづくり三法の見直しのときに、タウンマネジャーというものを導入することが決まっていたわけでありますが、地域の実態を把握しながら対策をするというセンサーの役をしている人ですが、このタウンマネジャーの導入というのは今どうなっておられるのか。地域に行くと、余り聞いたことがないと言って、余り浸透していないようなんですが、このことについて、現状を教えてください。

○松井(哲)政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘がございましたように、旧中心市街地活性化法時代から中心市街地の活性化にそれなりに成功してきているという地域を幾つか見てみますと、商業者や地権者や自治体など、その町にさまざまな関係者がおられるわけですけれども、そうしたさまざまな関係者と一体となって熱心にまちづくりに取り組んでおられるタウンマネジャーという存在が非常に大きいということを私ども認識しておるわけでございます。
 こうしたことを踏まえまして、改正中心市街地活性化法におきましては、新たに中心市街地活性化の中心的な役割を担う組織としまして、さまざまな関係者が参画する中心市街地活性化協議会というものが法定化されているわけでございます。この協議会におきましては、タウンマネジャーが中心的な役割を果たしてまちづくりに取り組んでいただくということが期待されているわけでございます。
 現在、全国で三十九の中心市街地活性化協議会が設立されておりまして、既に八つの協議会におきましては専属的なタウンマネジャーというのが置かれております。また、今後も幾つかの協議会におきましてタウンマネジャーが設置されるということが見込まれているわけでございます。
 私ども経済産業省といたしましても、タウンマネジャーの人件費や活動経費に対します支援であるとか、あるいはまちづくりに関する人材育成事業などを通じまして、タウンマネジャーを初め、まちづくりの担い手の面での支援ということを進めてまいりたいと考えております。

○大畠委員 この件については、地域の方では非常に期待している声がありますので、もうちょっとPRをよくして、実効ある活動ができるように、さらに努力していただきたいということを要望しておきます。
 今まちづくりという話がありましたので、ちょっと質問の順序が前後いたしますが、この要望の中に、これは高萩市というところですが、当市の中心街区は一定少数の地権者が所有しており、土地の利用については所有者の意向が強く反映されている。現状、中心街区の再構築はかなり難しい。地権者の理解と協力が不可欠であるが、所有者の利益の確保がある程度保証されるような形で、使用者も価値を得られるような施策が必要なのではないか。税制の段階的な優遇措置、公的機関の設置、行政の支援と地権者の大きな協力体制、そして市民の中心地に対する帰属意識を高める施策が必要ではないかという提言が来ております。
 ちょうど私の手元に、これは中心市街地活性化シンポジウムというのが三月十六日、東京国際フォーラムで行われました。このときの発表の中に、これは丸亀町商店街、香川県の高松市でありますが、「地権者の合意を前提に、土地の使用権と所有権を分離する新しい方法を採用し、まちの合理的な運営・管理事業に大きく役立っています。」という報告がございました。いわゆる土地の所有権と使用権を分けて行動したら非常によくなったということなんですが、このことについて、経済産業省あるいは国土交通省、それぞれどういう形で、いわゆる中心市街地の土地の所有者といかにして町の中心部を活性化するかということ、この二つ、大変大きな課題なんですね。経済産業省と国土交通省からお伺いしたいと思います。

○松井(哲)政府参考人 お答えいたします。
 まちづくりにおきまして、地権者など幅広い関係者の協力が非常に大事であるということでございます。そういった点につきましては、先ほど申し上げました中心市街地活性化協議会の法定化によりまして、そういったことが円滑に進みやすい仕組みということを施行いたしておるわけでございます。
 先生御指摘のありました香川県の高松市丸亀町の商店街というのは、先ほどお話がありましたように、使用権と所有権の分離をすることによって、そうしたことが円滑に進む仕組みづくりということで先行的な事例だと私どもも認識をいたしております。
 また、権利の問題につきましてはまた別途ございますけれども、また、空き店舗の活用ということについても、私ども、いろいろな施策を通じまして、テナントミックスやチャレンジショップ事業などを通じまして、そうしたことが空き店舗対策を含め円滑に進むようにということで施策を講じているところでございます。

○竹内政府参考人 お答え申し上げます。
 中心市街地を魅力ある市街地として再生する上で、空き店舗や、あるいは空き地の所有者も含め、地権者の方々も含めまして、関係市が主体的にまちづくりに取り組むということは大変重要であると考えております。
 そのような観点から、これまでの全国の事例を見てみますと、例えば、先生から御指摘ありました高松市の再開発の事例もございますし、そのほか、まちづくり会社や信用力のある第三者が地権者の方々に新たな借り主を提案したり、利用形態を提案するということをしたり、あるいは、空き地を地方公共団体が広場として活用するような事例が最近多く見られるようになってまいりました。
 国土交通省といたしましても、こうした事例のように、地権者の方々が安心してまちづくりに参画する、あるいは協力していただくということは大変重要と考えておりまして、例えば、まちづくりを行うNPOなどの非営利法人が中心市街地整備推進機構としてこうした地権者の方々と一緒に空き地や空き店舗を活用する、あるいは、税制上の措置として中心市街地への事業用資産の買いかえ特例など、措置を講じているところでございます。
 さらに、平成十八年度に創設いたしました、中心市街地への都市機能の集積を促進する暮らし・にぎわい再生事業、あるいは、創意工夫を生かしたまちづくりを支援するまちづくり交付金事業、それから、土地の高度利用を推進する市街地再開発事業等、多様な制度を活用することにより、地権者も含め、関係者が一丸となって、一体となって中心市街地の活性化の取り組みが進むよう、引き続き支援してまいりたいと考えております。

○大畠委員 国土交通省もいろいろ努力していると思うんですが、これは全国各地の中心市街地の共通の悩みなんですね。地主の方は困らない。困っているのは地域の方なので、日本国憲法をつくるときに、土地の所有権をどうするか、国有化するかとかいう話もあったんだけれども、非常に日本人の土地に対する考え方が強いので、土地の私有を認めたというんですが、中心市街地については、今の現状を見ると、そろそろ私は分離すべきだと思うんですね。
 ですから、特区みたいなというか、丸亀町の事例なんかは、非常に友好的に信頼関係を持って所有権と使用権を分離したという話ですから、こういうことが全国的にも行われるような環境を国土交通省と経済産業省で連携しながら進めていくということはぜひお願いをしたいと考えるところであります。
 もう一つ、知的財産権の問題がありますが、中小企業でやっているんだけれども、いいの持っているんですよね。いいの持っているんだけれども、なかなかそれを有効活用できないという企業もありますので、商工会議所とか商工会の機能を利用して、地域の弁理士会なんかの応援も受けて相談窓口をつくったらどうかという、そんな声もありますが、この件について経済産業省の御見解をお伺いしたいと思います。

○渡辺(博)副大臣 地域の中小企業の知財の活用につきましては大変重要であるというふうに認識をしております。
 このような認識のもと、昨年の七月に、中小企業にとって最も身近な相談窓口であります全国の商工会議所、商工会すべてを知財駆け込み寺と位置づけまして、中小企業に対して知的財産に関する情報提供、適切な公的機関や専門家への取り次ぎ等を行う体制を整備したところであります。さらに、本年度は、知財駆け込み寺に弁理士等の専門家を派遣して、中小企業に対する個別相談を開催する予定でございます。
 今後も、一層この関係を強化してまいりたいと思っております。

○大畠委員 時間でありますので、これで終わりますが、内閣府からワンストップサービスの話ですとか、そういうのをお伺いしようとしたんですが、時間がなくなりましたので、また別の機会にさせていただきます。
 また、大臣におかれましては、年次改革要望書というのが毎年日本に出されているんですが、日本もアメリカに、あるいは中国に出すべきなんですよ。(甘利国務大臣「出しています」と呼ぶ)出していますか。中国に対してWTOに提訴したというニュースがきょう、DVDの問題で、海賊版の問題でアメリカが提訴したというのが出ていましたが、毎年出して、それをもうちょっと内外に明らかにしていただきたいと考えておりますので、どうぞ御努力をお願いします。ありがとうございました。

 トップに戻る