議事録

   

第168回国会 財務金融委員会-1号
平成19年10月23日

 

 

○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 私は、民主党の次の内閣の金融担当大臣というものを命ぜられまして、そういうことから渡辺金融担当大臣の所感について質問をいたします。
 まずは、見事に勘が外れて、大臣続投おめでとうございます。そのほかにも勘が外れているようなところがございますので、そういうものを含めて質問をさせていただきます。
 まず、大臣には、幾つか、きのうできるだけ早く質問内容をお知らせした方がいいと思いまして、早目に質問内容の骨格を事務方に説明させていただきました。その質問に入る前に、この質疑は、これから私もこの財務金融委員会の中で活動をさせていただきますが、私は主に経済産業部門を中心に活動してまいりましたので、どちらかというと、お金を借りる方の立場での活動が多かったわけであります。渡辺金融大臣は見るからにお金を貸す側のようにお見受けいたしますが、やはり両方必要でありまして、そういうことから、市民の皆さんやあるいは中小企業、そういう方々からもいろいろな御意見をいただいていますので、そんなものを含めて、これからの委員会での質疑に資するための基本的な質問をさせていただきます。
 まず最初に、金融担当大臣、日銀の目的というのは何だと思いますか。

○渡辺国務大臣 中央銀行は、まず、金融調節を通じて物価の安定に資するということが大変重要な仕事であろうかと思います。
 旧日銀法におきましては、国家目的に奉仕するという、言ってみれば国家総動員体制の時代の目的規定が置かれていましたけれども、新しい改正法においてはそのような規定はなくなりまして、中央銀行としての独立性が担保をされたものと思います。
 ただ、日本銀行といえども、これは糸の切れたたこのような存在ではございませんので、政府の経済政策と歩調を合わせて金融調節の仕事をやっていただくということではなかろうかと思います。

○大畠委員 実は、私も今、いろいろな勉強をさせていただいておるんですが、一番最初におっしゃった、日銀の目的は物価を安定させること、こういうお話をいただきました。
 しかしながら、過去のこれまでの行動を見ていますと、狂乱物価もありましたし、バブル経済が起こったり、バブル破綻、経済が破綻することもありました。結果として国民生活には大変大きな影響を与えたことは事実でありまして、私たち民主党として、政治とは生活であるという観点からすると、日銀そのものも、これまでの過去の、一生懸命やったんでしょうけれども、結果的に大変な迷惑をかけたことも事実ですから、そういうものは大いに反省をしていただかなければならないと思います。
 それでは次に、金融とは何か、このことについて金融大臣にお伺いします。

○渡辺国務大臣 金融政策もあれば金融システムもあれば金融行政もあれば、いろいろな切り口からの説明が可能であろうかと思いますが、一般的に、銀行がお金を預かってお金を貸し出すというのは、いわゆる信用創造と言われるものであろうと思います。お金の世界においてまさにこうした信用創造が行われるというところが、金融の持っている非常に大事でかつ厄介なところではないでしょうか。

○大畠委員 私も、この金融についてはそう深い見識を持っているわけではないんですが、結局は、すべては世のため人のため、これが私は金融の原点なんだと思うんです。ある方は、人様から預かったお金だから安全第一で運用しよう、そして、奉仕が第二、第三にはやはり収益なんだと。やはり、そういう基本をもってすれば、かつてのように、土地を買いあさって転がして巨額な益を得るという、いわゆる大手銀行がかなり走りましたよね。それが結局は金融不安を生んで国民の皆さんにも大きな負担を与えたことは事実です。ここら辺をどうやってコントロールして、国民のための金融あるいは中小企業のための金融という形にするかというのが原点なんだと私は思います。
 けさテレビを見ていましたら、赤福の話が出ました。そして、もとの従業員の方がこんな話をしていました。まあ覆面の話でありますけれども、うちの会社ではトップの方が、もうかることだったら何でもやれという、そんな話も聞いていましたと言うんですね。いつからこういうことになっちゃったのかです。
 私は、さきの参議院議員選挙も、結局、小泉改革、市場原理主義でいけば何でもうまくいくんだというけれども、多分自民党の皆さんの中でも、それでいくわけはないという思いがあったでしょう。これは郵政問題だって同じなんですよ。郵便局を民営化する、反対するのだったら刺客を出して殺すぞ、こういう強権政治といいますか、強引な政治をずっとやってきたんです。国民は、どうもその政治はおかしいんじゃないか、このままいったら日本はどうなるんだという不安感を持って、さきの参議院選挙では自民党が、大変残念ながら大敗をされたんでしょう。
 福田内閣は、これまでの小泉改革の反省の上に立って、自立と共生という話をされました。私は、この大臣の所信を、所信といいますか、大まかな話を伺いましたけれども、この中に過去の小泉改革の反省というのが入っているのかどうか。どうも余りインパクトはないね。
 そして、私も今まで十八年間国会議員をやってきましたが、所信というか大臣の話を聞いてすぐこうやって質問をやれというのは初めてなんですよ。だから、この二枚にわたる、中身が濃いのだと思いますが、本当はじっくり読んで大臣質疑をしたかった。しかし、話を聞いたらすぐ質問と。これでは、私は、中身が非常に形式的な大臣の意見に対する質問になってしまうんじゃないかと思うんですが、しかしながら、そういうことでやろうというんですから一応準備してきましたので、この問題については、それを含めながら、織り込みながら質問をさせていただきます。
 そこで、大臣にお伺いします。
 大臣は、続投をされましたけれども、小泉改革、これに大賛成してずっとこられましたよね。前回の選挙でもそうでありましょう。そして、安倍内閣でも大臣を務められました。安倍内閣から福田内閣になって、大臣の御心境というのはどう変化されたのか、あるいは政治的な方針はどう転換されようとしているのか、ここについてお伺いしたいと思います。

○渡辺国務大臣 私は、小泉内閣の時代は政府の中には一切入っておりませんでした。したがって、党にあって、相当言いたい放題物を言っていた方だと思います。
 私が小泉改革の中で唱えた独自路線といいますか、私自身は第三の道と呼んでおったのでございますが、それは、抵抗勢力対改革派の対立という構図ではなくて、言ってみればそれをアウフヘーベンした改革の路線を目指すべきではないか、つまり、それは将来世代への愛である、愛の構造改革こそが正しい路線だということを申してきた人間でございます。
 安倍内閣から福田内閣に移りましても、この愛の構造改革路線は貫かれているものと私は解釈をいたしております。もちろん、安倍総理も福田総理もそのような言葉は使いませんけれども、私なりに理解をしているところは、まさに愛の構造改革ではなかろうかと思います。

○大畠委員 愛の構造改革というのはどんなものか、私もよく理解することは難しいのでありますけれども。
 いずれにしても、小泉さんの、いわゆる小泉改革という旗を掲げてがむしゃらに、地域の実態を見ることなくがむしゃらに押し通したんですよ。そして、結局、ふるさとの地域で本当にまじめに暮らしている人が非常に将来不安を持ち始めている。そして、青年層も、一生懸命頑張れば何とかいい暮らしができるんじゃないかという夢さえも奪うような状況ができてしまったということは事実だと私は思います。中小企業だってそうでありますし、もう地域の中小企業の皆さんも、これどうなんだという思いはたくさん持っていますよ。
 そして、特に金融問題について言えば、金融に起因して自殺している人が、三万五千人のうち六、七千人はそういうところだというのですから、まさに金融担当大臣としては大変重い責任を持っているし、愛の改革だとおっしゃるならば、そういうところにメスを入れなければならない。
 どうもそこら辺が、私は、このきょうの所信を伺ってみると、突然、勘が外れて続投するということになったから急遽これはつくられたかもしれないけれども、もうちょっと愛を入れた大臣の意見にしてほしかったですね。山本金融担当大臣はちょっと今おられなくなりましたけれども、山本さんのときにもいろいろ一生懸命頑張ってきた。ところが、渡辺大臣になってから、何かちょっと強引なところが見受けられるような感じですよ。愛は、愛の改革が本当にあるのかなというのですが。
 ちょっと前後しますけれども、事務方に話した順番とはちょっと異なるかもしれませんが、きょうの新聞によると、ことし九月初旬、金融相の渡辺大臣は金融庁の事務方にこう指示した、粛々と進めろ。これが事実かどうかわかりませんよ。いわゆる生命保険の銀行での窓口販売でありますけれども、何かちょっと乱暴、このころはまだ福田総理に、もうちょっと抑えて仕事をしろと言われる前だったかもしれません。私は、何かかなり強引だったんじゃないかと。金融庁にとっては長年の悲願だった全面解禁というのだけれども、私は、なぜこれが金融庁の長年の悲願なのかよくわからない。
 こういう話になってしまいましたから、ちょっと前後しますが、生保の解禁問題についてここでちょっとお伺いしたいと思うんですね。
 それで、私も、公正取引委員会とかあるいは電気屋さんの小売店と量販店の闘いとかずっと見てまいりました。大きいものが余りにも力を持つと決してよくないね。消費者が一見喜びそうなんだけれども、地域社会を壊してしまうことがあるんですよ。
 だから、渡辺大臣のこの所信の中に、こういう一言がありましたね。利用者保護、利用者の利便性という話もありましたけれども、私は、この生命保険の銀行での窓販問題については、まずは一つは疑念があるところは、金融機関が窓口の横の方で生命保険も売ると圧力販売になってしまうんじゃないかという疑念。それから、融資を受けるわけですから、どうしても何かそういうことを言われると、一緒にやらないとまずいのかなという思いになってしまう。しかし、そこのところは、融資担当者は生命保険の担当をしてはいけませんよという歯どめは一応かけてあるようですね。しかし、家族に対しては、奥さんが入ってくださいよというものに対してはどうやら規制がない。さらに、支店長なんかも規制対象外。そして、その販売した生命保険の金融機関の責任というのはどうなのか、そこら辺もあいまいだ。
 こういうことがあって、これも含めて、大臣が粛々と進めろとおっしゃった愛の改革の原点をちょっと教えてもらいたいと思います。

○渡辺国務大臣 私が粛々と進めろという表現を使ったかどうかは定かではございませんが、いずれにしても、利用者のサービスの向上、利用者がより恩恵を受けるという視点は非常に大事であるという観点は持ち続けているつもりでございます。その点は、まさに私の申し上げる愛の改革と言ってよろしいのではないでしょうか。
 そういった観点から、私が事務方に申しましたのは、いろいろな人の意見をよく聞いてそして調整を進めるようにという意味で、もし粛々という言葉を使ったのだとすれば、そういう意味で申し上げたところでございます。
 大畠大臣からも直接御提言を承りました。したがって、あの御提言は、まさに事務方ががん首そろえているところでお受けをしたわけでございまして、まさにあの提言の中でいろいろな問題点を御指摘いただいたわけでございますから、そういった問題点について逐一精査をしてお諮りをしたと考えております。

○大畠委員 ここのところは、私は、全体的な流れとして、先ほど消費者というか市民の立場というお話もありましたが、市民の方からすれば、銀行に行くのはやはり融資を受けるためであって、生命保険に加入するためでもないんですよね。そういう意味では、預金口座とか何かは全部金融機関が掌握しておりますから、やはりそれをベースとして、こういうことではないですかというふうなことを言われると、非常に、それをしないといけないのかなという意味では、いわゆる優越的地位の濫用、これは金融庁内では大体それでいいんだと言うんだけれども、独禁法にも抵触する話ではないかと私は思うんです。
 したがって、先ほど中川さんからもお話がありましたが、こういうさまざまな事例について、今よくお話を聞くというんですが、これは生命保険の方でいろいろアンケートといいますか、情報をとると、四千二百五十件も問題事例があるという話なんですから、金融庁の方には集まらないんですが。だから、私は、ここについては、福田総理も言っているんですから、余り強引なことをやるな、もっと皆さんの意見を聞きながらやりなさいというんですから、再度この問題、与党内では合意したという話でありますが、愛の改革を行うのであれば、大臣の方から、さらによく精査して、この問題については市民に、あるいは中小企業経営者とかそういうのに、問題を懸念がないような形にしなさいという検討をもう一度すべきだと私は思うんですが、大臣、どうですか。

○渡辺国務大臣 我々は、絶えざる見直しを進めております。したがって、今大畠大臣が御指摘のような優越的地位の濫用というようなことがあるとすれば、これはもう論外でございます。家族に対してであろうが支店長がやろうが、優越的地位を濫用して行ったということであればこれはアウトになるわけでございます。
 もし、今の案に対してこういう不都合があるではないかということがありましたら、ぜひ私どもにそういった点を御指摘いただければ、まさにベターレギュレーションの取り組みの中で真剣に検討をしてまいりたいと思います。

○大畠委員 ぜひ、いわゆる小泉政権時代の強引な強権政治的なものから、やはりもっと穏やかに国民の声を聞いてやろうよという福田内閣にかわったんですから、その大臣になったわけですから、ぜひそこら辺は十分地域の実態を踏まえてやっていただきたいと思いますし、この委員会も、これを皮切りに一般質問等もやるというんですから、またこの問題については、ぜひ、仲間の同僚の議員からも質問があると思うんですが、十分考えていただきたいということを申し上げておきます。
 それでは、予定していた質問に戻りますが、まず、過去において、なぜバブル経済が発生してしまったのか、その原因について、きょうは日銀の担当の方もおいでになっていますが、日銀の担当の方からそのお話は伺いたいと思うんです。
 それから、大規模な税金投入も過去に行いました。私も、過去の新聞を振り返って、懐かしい金融機関の名前も目にしました。山一、それから北海道拓殖銀行、そして各地域での銀行での取りつけ騒ぎ報道という話もありましたが、日銀として、なぜこういう混乱を招いてしまったのか。いわゆる物価の安定ということを中心としてやってきたわけでありますが、ここら辺は金融監督庁の責任かもしれませんが、日銀と、それから大臣から、ここら辺の過去の金融政策、あるいは日銀政策のことを振り返りながら、現時点での所見を伺いたいと思います。

○稲葉参考人 バブル発生の原因についてのお尋ねでございますが、いわゆるバブル発生につきましては、現在もなお、いろいろ、さまざまな議論がございます。実際、さまざまな要因が作用したというふうに考えられますけれども、その中でも、長期にわたる金融緩和が、その一端があったということは否定できないんではないかというふうに考えております。
 当時のバブル発生に至る金融政策を振り返ってみますと、国内経済、一九八五年のプラザ合意以降の急速な円高進行、そのもとで、デフレ効果が強く懸念された状況にございました。このため、日本銀行は、当時の政策金利であります公定歩合を二・五%まで引き下げて、その水準を一九八九年まで据え置いたというわけでございます。
 このように、金融緩和が長期にわたって維持されたわけですが、その背景につきましては、第一に、当時は景気の回復傾向が次第に強まっていましたけれども、足元の物価の安定基調は維持されていたということがございます。そして第二に、何よりも、国際的に大幅な経常黒字の是正、あるいは円高の回避というのが優先的な課題として考えられていた、こういった事情が指摘できると思います。
 それで、金融政策面での教訓を、こういった経緯からどう酌み取るかということでございますが、やはり第一に、経済が抱えるリスクがあれば、極力早期にこれを把握して、予防的に対応していくということが大事なことではないか。そして第二に、為替相場の安定とか黒字の是正といったことのために過度に金融政策に頼るというのはやはり好ましいことではなくて、やはり金融政策はあくまで物価の安定というものを目標にしていくことが重要ではないか。こうしたことが重要な教訓として挙げられるのではないかと考えております。

○渡辺国務大臣 バブルというのは崩壊してみないとわからないものだとグリーンスパン議長がおっしゃったそうでございますが、八〇年代後半のバブルの原因が一体どのあたりにあったんだろうか。いろいろな研究を今内閣府の研究所の方でしているそうでございます。
 例えば、プラザ合意以後の急激な円高は、まさに日本にお金がじゃぶじゃぶと入ってまいりました。過剰流動性が発生をし、また、当時、短期金利の高目誘導という形で円高を加速してしまったことがございまして、その後、言ってみれば金融緩和が過度に続いてしまったということ、また、土地担保融資における土地神話というものが、さらに資産価格の上昇期待を増殖させるという効果もあったかと思います。金融機関においては、リスクをとるのが過度のリスクテークになってしまい、リスク管理に失敗をして大量の不良債権を発生させてしまったということでございます。
 こうした問題に直面をした場合には、一たん歯車が逆回転をし始めたときには、まさに積極果敢に政策対応を行っていかなければならないんだと思います。しかし、残念ながら、失われた十年と言われるがごとく、大変長い時間をこの負の遺産の処理に費やしてしまったことは、政策対応が言ってみればツーリトル・ツーレートと言われる、後手後手に回ってしまったこともその大きな要因だったのではないでしょうか。
 したがって、我々はこの歴史の教訓に学ぶことが極めて大事でございまして、バブルというものが破裂してみないとわからないと言うには余りにも手痛い教訓を我々は負ったわけでございますから、常に危機管理の先の先を読む、そういう行動が必要であろうかと思います。危機というのは、まず危機を認知する、それに巻き込まれないような行動をとる、不幸にして巻き込まれた場合には積極果敢に対応をする、そして、危機というものは未来永劫続くわけではございませんので、次の未来を考えた政策をとっていくということではなかろうかと思います。

○大畠委員 バブルというか、金融の危機も起こってみなければわからないような話を大臣はされましたが、確かにそういう側面もあるかもしれぬけれども、それでは、金融庁とは何なんだ、あるいは日銀とは何なんだ、政治とは何なんだという不信になりますよ。
 私は、金融庁のこのパンフレットをいただきました。私も、先ほど言いましたように、金融の方は、お金を借りることはあってもなかなか貸す立場はやったことがありませんから、いろいろ調べさせていただきましたが、今の大臣の御認識では困るんですね。それだったら、私と同じような、借りる立場であればいいけれども。
 私はあのとき、大臣も学生時代だったかもしれませんけれども、一九九〇年の前のころ、一九七〇年、八〇年、九〇年、あの当時、何かおかしいと思いましたよ。だって、朝八時から夕方五時まで一年間働いた人の年収よりも、土地を買って転がした方が何億も入るなんということがあの当時あちこちで散見されましたよね。そんなものが続くわけがないと思った。だから、そういうものは突然起こってみて初めてわかるんだという大臣の認識では困りますね。これは大臣、それはあちらさんはそうかもしれないけれども、日本の金融大臣がそんな見識では困りますよ。
 では、金融庁の目的というのは何なんでしょう、大臣。

○渡辺国務大臣 金融庁設置法によりますと、金融庁の任務及びこれを達成するため必要となる明確な範囲というのは第三条において規定されてございますが、「我が国の金融の機能の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者その他これらに準ずる者の保護を図るとともに、金融の円滑を図ることを任務とする。」という規定がございます。

○大畠委員 これは、私は北関東出身の国会議員として、愛の改革まではいかないけれども、少し優しく言っているんですからね。
 今のおっしゃった金融庁設置法第三条というのは、私は、ここのところに何かこれまでの金融庁の動きを見ていて抜け落ちているものがある。預金者、保険契約者、有価証券の投資者等の保護を図るということなんですが、これは預金者の保護なんだけれども、借り手というのが抜けているんですよ。これは金融の円滑化を図る。
 だから、これまでの金融庁の発足以来の行動をずっと見ていると、金融機関に入っていって、あの事業者には貸すな、もう土地が下がって担保がだめだ、だからあれは不良債権だ、これも不良債権だ、あれも不良債権だ。借り手のところが抜け落ちているんですよ、この金融庁の第三条には。
 私は、借り手の立場から幾つか質問をつなげますが、晴れたときに傘を無理やり貸し付けて、雨が降ってきたら傘を取り上げたという話がありましたね。これを誘導したのは金融庁だというんです。
 私はその当時、中小企業の皆さんからもいろいろなお話を伺いました。何なんだ、これはと。要するに、金融庁というのが、金融機関を守る、金融機関をより大きくする、預金者を守るというんだけれども、借りている人のことを考えていない。私が一番最初に申し上げた、金融とは世のため人のためでなければならないと私は思うわけですよ。
 ところが、金融庁が創設以来勝手にさまざまな行動をやった。これは、金融機関がだらしなかったから、そういうこともあったんでしょう。特に、大蔵省時代、口にしたくないようなしゃぶしゃぶ屋に行って、何やっているんだと国民から大変おしかりをいただいた。それで大蔵省が解体をされてこういうことになったのも事実ですが、私は、もうちょっと地域の中小企業とかそういう借り手の人の立場も考えた金融政策を、金融庁としての仕事をやってもらわないとならないと思うんです。
 そこで、何点かちょっと具体的なお話を質問させていただきますが、まず、地域の人の、借り手の人から聞いているんですが、例えば、信用金庫、信用組合関係について、卒業生金融というのがあるらしいんですね。これは、信用金庫も信用組合も、それぞれ地域の人に融資をして中小企業を育てています。融資をすれば、金融機関がもうけるためじゃなくて、まさに世のため人のため、その貸し先の豆腐屋さんでも八百屋さんでも、ぜひしっかりと商売をやって地域の人のためになってほしいと言って融資するんだけれども、そこがだんだん融資の効果が上がって大きくなってきた。そうすると、いや、あなたにはもう融資できませんと言って、例えば信用組合は三億円以上の融資はできない、信用金庫も九億円以上の融資はできないという仕組みになっているそうなんですが、信用金庫の方は卒業しても融資していいということになっているんだけれども、信用組合の方はだめ、こういうルールになっていらっしゃるんですね。
 融資を受け取る方としては、ずっとなじんで、小さい企業から一生懸命融資を受けてこつこつとまじめに仕事をしてきた。そうしたら、だんだん地域の人の信用が上がって商売も大きくなってきた。ある程度以上になると、今度は、あなたのところ、例えば信用組合とは取引してはいけませんという形になっているんだけれども、なぜ、信用金庫の方は卒業生金融を了として、信用組合では卒業生の金融をだめと言っているのか、ここら辺ももうちょっと借り手の立場からの政策を柔軟にやるべきだと私は思うんですが、この件について伺います。

○渡辺国務大臣 御指摘のように、卒業生金融というんでしょうか、立派に成長をして大きな企業になった、従業員も三百人以上になったとか、そういうところは、信用金庫においてはいわゆる卒業生金融として員外貸し付けができるわけでございます。一方、信用組合はそういうことができないじゃないか、こういう御指摘でございますが、信用組合においてもそういったニーズが非常に強いということであれば、これは大いに検討する必要があろうかと思います。
 一方、員外貸し付けをどんどん認めていくということになりますと、では、協同組織というのは一体何なんだと。協同組織をやめて銀行になったところもあるようでございますが、銀行になりますと、御案内のように、法人税の優遇税率はなくなります、固定資産税の優遇税制もなくなっちゃうわけですね。したがって、それは、まさしく協同組織のままでそういった優遇措置を受けた方がいいのか、それはそれぞれの判断もあろうかと思います。
 いずれにしても、協同組織の金融機関というのは、まさにこれは一番地域に密着をして金融仲介機能を果たしていただいているわけでございますから、そういった観点から、もしニーズが高いというのであれば、検討することはあろうかと思います。

○大畠委員 ここら辺は、愛の改革の一環かもしれません。そういうニーズがあれば、小さいときからというか小規模なときからずっと、やはり信用なんですよ。というのは、お金を借りればいいというんじゃなくて、やはりその事業者がじいさんの代からずっと、地域の金融の場合にはつき合いがあるわけですね。そして、そういう意味で融資をして育ててきた、そこが大きくなった、では、あなたのところはもうできませんという話じゃなくて、やはりそこのところは信頼関係のところでつなぎたいですから。ニーズがあればというお話がありましたが、ぜひそこら辺はよく御検討していただいて、その声を拾って柔軟に対応してもらいたいと私は思います。
 それからもう一つ、これも借り手の方からの話でありますけれども、信用保証協会との関係ですが、ことしの十月から、保証協会の保証負担割合が従前の一〇〇%から原則八〇%になった。中小企業向けの融資が困難になるんじゃないかという声が届いてきています。特に今、渡辺大臣のふるさともそうだと思うんですが、決して、小泉さんが言っているように、よくなったよくなったというのは六本木ぐらいなもので、先生のところだって、地域の方はまだまだ大変だという声が多いでしょう。そういう状況の中で、零細とか中小企業者にとってはより厳しい融資環境になっているんじゃないかというような話が私のところに届いてきています。
 この背景について、なぜこういうことになったのか、これは金融庁がやったんじゃないかと思ったら、中小企業庁が申し入れてきたというので、中小企業庁と金融庁の双方のお話をいただきたいと思います。

○高原政府参考人 お答えを申し上げます。
 責任共有制度は、従前、融資額の一〇〇%保証ということで保証協会が保証させていただいていたわけでございますけれども、これを、制度を利用する金融機関にも融資に係る責任の一端を持っていただくということを目的とするものでございます。その結果、金融機関が責任ある貸し手といたしまして、借り手である中小企業の経営支援などに一層の力を尽くしていただくということが促されると考えております。このような制度は諸外国の信用保証制度でも広く行われておりまして、大体五〇%から八〇%ぐらいの保証割合ということになっております。
 ただ、委員御指摘のとおり、借り手の中小企業の資金調達に支障があってはいけないということで、これに支障のないように万全を期してまいる次第でございます。
 方針の決定から先般十月一日の実施までに二年三カ月の間、周知の徹底等に取り組んでまいりましたけれども、それに加えまして、制度導入による影響の緩和ということを目的といたしまして、いわゆる小規模企業でございますとかあるいは突発的な災害に見舞われた企業などに対しましては、当面一〇〇%の保証を継続ということにさせていただきたいというように考えております。
 それから、加えて、ちょっと技術的なあれになりますけれども、単純に保証割合を八〇%に変更する、これは部分保証方式と呼んでおりますけれども、それに加えまして、一たん一〇〇%の保証をした上で事後的に二〇%相当部分を金融機関が負担する負担金方式というものも選択可能にいたしております。こういった結果、金融機関の与信行動に与える影響が小さくなるのではないかというふうに期待をいたしております。
 現在、全国に五十二カ所の信用保証協会でございますとか、九カ所の経済産業局で設置をいたしております窓口で相談対応にきめ細やかに取り組んでおりますけれども、引き続き、借り手の皆様方に影響が及ばないように、円滑な導入ということに全力を尽くしていきたいと思っております。
 委員におかれましても、現場の中小企業から具体的な問題点、指摘などございましたら、ぜひお教えいただきまして、私どもの方をよろしく御指導いただきたいというふうに考えております。
 いずれにしても、導入後の状況に関するフォローアップが大変重要でございますので、金融庁とも連携を密接にさせていただいて、的確に対応させていただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○渡辺国務大臣 御指摘の責任共有制度というのは、金融機関側にとってもリスクを共有するという点で、まさに責任分担を行うということだろうと思います。もし、今までのように一〇〇%保証だということになりますと、お金を貸す方が、これはどうせ間違いなく取れるんだから、まあ借り手のことなんかどうでもいいやなどと思ってしまったら、それは大変もったいない話ではないでしょうか。
 ですから、お金を貸す方も、きちんとお金を貸した先の経営支援をやるとかいろいろなアドバイスをするとか、何がしかのリスクをとってお金を貸しているんだという認識のもとに、まさに自立と共生という関係でこういう金融仲介機能を高めていくことはとても大事なことだろうと思います。

○大畠委員 大臣のお話もわかるんですが、これは一言で言えば、私は、金融機関が非常に安易に信用保証協会にリスクを背負わせるということで、そういうところがどうも背景にあるようですから、これは金融庁の方も、いわゆる目きき、要するに、担保に貸すんじゃなくて、やはりその事業者、あるいはその八百屋さんとか魚屋さんとか肉屋さんの地域に対する貢献度、そんなことも考えて融資をするという姿勢に金融庁の方も指導していただきたいと思うんです。
 もう一つ、私は前々からこの話を申し上げているんですが、金融の連帯保証人制度を廃止してほしい、こういう声をたくさん聞いています。というのは、今、若者の間でも、連帯保証人にはなるなというのを私は言っているんですよ、安易になるなと。簡単になると大変なんですよ、これは。知らないうちに債務が膨らんで倒産したら、またこれはかぶっちゃいますからね。だから私は、この連帯保証人制度とは一体何だろうと。だから、欧米並みに金利で差をつければいいんですよ、リスクがあるものは金利を高くすると。
 私も地元の漁業組合なんかに行ったら、政府系金融だって二十人の連帯保証人が必要。一億円を借りるとき、五百万ずつ、二十人が判こを押す。こんな制度は、大臣、私はやめさせるべきだと思います。そして、金融庁にこの話をしたら、いや、法務省の方でそういう制度があるから使うんですと言うから、きょうは法務省と金融庁の両方の見解を伺いたいと思います。

○後藤政府参考人 保証制度につきましては、かねてから保証人が過大な責任を負いがちであるなどの問題が指摘されているところでございますが、例えば、個人が保証人となることを法律上一律に禁止したり、あるいは保証人が主債務者と同一の責任を負う連帯保証制度を廃止するというような強力な規制を行うとすれば、担保に供する財産を持っていない中小企業にとって円滑な資金調達を阻害するなどの弊害が生ずるおそれがあると考えております。
 そこで、法務省におきましては、平成十六年に、基本的には今申し上げた考え方に立ちつつ、極度額の定めのない根保証契約を無効とすること、保証期間を五年以内に制限すること等を内容とする保証契約の内容を適正化するための民法の改正を行いました。これは平成十七年の四月から施行されております。
 法務省としては、保証制度に関するこの法改正の効果を見定めつつ、制度のさらなる改善の要否について、引き続き検討してまいりたいと考えております。

○渡辺国務大臣 個人保証に過度に依存する金融というのは、やはり再チャレンジを阻害することになる場面があろうかと思います。一方、保証があるとお金を借りやすいというのも事実でございまして、そういう間のバランスをどうとっていくかということが求められるんだろうと思います。
 金融庁が行ってまいりました地域密着型金融、いわゆるリレバンのプログラムの中では、例えばスコアリングモデル融資、簡単審査のローン、これはもう無担保、無保証でございます、あるいは在庫を利用した金融とか、そういった取り組みを進めているところであります。監督指針としては、金融機関に対して保証契約に関する説明体制を整備するということ、特に経営に実質的に関与していない第三者との間での保証契約においては、この契約締結の合理的理由の説明を求めているところでございます。
 いずれにしても、個人保証に過度に依存をしない金融手法の多様化というのは大事なことでございまして、金融機関が保証の徴求をすることについては、適切な業務運営を行っているかどうか厳正に検査監督をしてまいります。

○大畠委員 時間が参りましたのでこれで質問を終わりますが、茨城と栃木県は地続きでございまして、大体状況は同じだと思うんです。だからもっと、愛の改革をと言うんであれば、地域をもっと見て、大臣の力をもってすれば今の問題についてもやれるはずですから、ぜひやっていただきたいと思います。
 最後になりますが、十月一日から郵政民営化が実施されましたけれども、これは金融庁の管轄下に入ったんですね。私は地域のお話をいろいろ聞いていますが、やはりふるさとと国民生活を守る立場からもこの郵政改革の実態というのを検証しないと、もうなっちゃったんだというんじゃなくて、検証して、問題があるところは改めるということが私は必要だと思うんです。そういうことからも、株式の売却、先ほど中川さんからもお話がありましたけれども、私はやはりやるべきじゃないと思うんです。
 とにかく、どうなるかわからないという状態がまだ続いていますから、そういう意味では株式の売却は行うべきじゃないと思いますし、このことについてはぜひ大臣にも心にとめておいていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

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