議事録

   

第168回国会 内閣委員会-7号
平成19年11月28日

 

 

○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 内閣委員会における一般質疑ということでありますが、きょうは、子育て、少子化問題、そして原子力エネルギーの教育に関する件、さらには科学技術対策について、岸田大臣、上川大臣、西川厚生労働副大臣に質問をさせていただきます。
 きょうの質問に当たりまして、少し地域の方のお話をいろいろ伺ってまいりました。私ども民主党は、小沢一郎代表を中心として、政治とは生活である、まさに地域で国民の皆さんがどんなことに疑問を持ち、あるいは問題視しているのかということを掘り起こしながら質問をしたいと思って、そのような声を聞いたわけであります。地域の女性の皆さんの声、また、地元の女性議員を行っている方からもお話をいただきました。さらには、私の知人で産科の医者をやっている友人がいまして、その方にも話を聞いてまいりました。また、大学において今勉学にいそしんでいる学生の声も聞いてまいりました。そういう声を踏まえて、質問をさせていただきます。
 まず、上川大臣の範疇の少子化問題でございますが、どうして今日のような状況に至ってしまったんだろうかということで、集まった女性の皆さんのお話をいろいろ伺いましたが、今、やはり共通する課題は、お医者さんの問題のようなんですね。身ごもって、そして無事に子供を産めるのかと。そのときに聞こえてくるのは、救急車が十件も二十件も電話で産院を尋ねて、なかなか入院する先が見えない、わからないということで、そんな事件、事故の報道もございましたが、どうしてこんなことが起こるんだろうか。ぜひ女性の皆さんに子供を産んでくださいと国が呼びかけているのにもかかわらず、現実としては、そういうお寒い状態が続いている。
 こういう問題については、例えば消防署の中に、どこの産院が今ベッドがあいているかとか、そういうものをコンピューターでデータ管理すれば、消防署の救急隊員が一々電話で今どこがあいていますかということを尋ねなくてもできるんじゃないかという意見もありましたし、受け入れるベッドがありませんという答えが多いわけでありますが、そういう小児科あるいは産科に対して、NICUなどの集中治療をする子供用のベッドというのはいつもあけておかなければならないんじゃないか、こういう端的な御意見等もございました。
 きょうは総務省と厚生労働省にも来ていただいていますので、まず、この件についての御意見をいただきたいと思います。

○木倉政府参考人 お答え申し上げます。
 本年の八月、奈良県におきまして、大変残念なことに、妊婦の方が搬送中に死産となられた事例もありました。こういうことを踏まえまして、厚生労働省では、総務省消防庁とともに、産科におきます救急搬送の実態調査を行ったところであります。
 その結果は、第一回、最初の消防からの照会によりまして搬送先の医療機関が決まったというのは、全体の九〇%は超えておりました。しかしながら、照会先において受け入れに至らなかった、こういう事例があるわけですが、この主な理由としましては、設備、スタッフの不足等による処置困難、あるいは手術・患者対応中であるということ、あるいは専門外であることが挙げられております。一回で九〇%を超えたところで決まっておるといいながらも、照会回数が十回以上あったケースがございます。
 これらにつきまして、その理由を確認いたしますと、理由といたしましては、これまでかかりつけのお医者さんがいらっしゃらない、初診であるというふうなことで回数が多くなってしまった、確認できないというようなことがありました。これらの改善を行っていかなきゃいけない、消防との連携ということは、御指摘のとおりだと思います。
 今、救急患者の受け入れが可能な医療機関の検索の仕組みにつきましては、救急医療情報システムということで各県に整備をお願いしておりまして、現在、四十四の都道府県で導入されております。これにつきましては、空き病床のぐあいであるとかいうものが各消防本部の方からも二十四時間三百六十五日検索ができる仕組みとはなっております。
 厚生労働省といたしましては、消防庁とも連携をとりながら、受け入れ可能な医療機関情報の速やかな更新を図っていくこと、システムの充実、更新が図られることに努めてまいりたいと思いますし、まだ三県、未整備の県がございます。この導入の重要性を訴えて整備の促進を図ってまいりたいというふうに思っております。

○村木政府参考人 NICUについても御指摘がございましたので、御答弁させていただきます。
 御指摘のとおり、NICUがふさがっているために受け入れができないというケースがかなりあるということが私どもの実態調査でもわかってきております。
 この背景でございますが、やはりNICU自体の病床数の問題、それからお医者さんを初めとする医療従事者の数の問題、それからもう一つは医療機関の経営上の問題等々があるわけでございます。
 特に、NICUに長期に入院をしているお子さんがいて、そこをふさいでしまっているということがございます。今私どもで、都道府県にお願いをして、特に長期入院児の状態などをよく自治体で実態把握していただいて、その上で、今ある医療や福祉の資源を具体的に活用してその問題を解決するということについて検証していただくということを進めているところでございます。
 また、省内の関係各部局におきまして、さらなるいろいろな対応策ができるかどうか検討を行っているところでございます。

○大畠委員 上川大臣、今答弁がございましたが、病院の受け入れ体制が十分じゃないので今から整えますというんですが、そういうところからきちっと一つ一つ、地域の方の不安の声があれば、トータル的な少子化対策とか子育ても大切ですが、やはりそういう現場で困っていることに対しては、きちっとまず歯どめをかけていかないと、ピンを打っていかないと、私は、総論だけ言っていてもだめだと思うんですね。
 例えば十件とか二十件、いわゆるたらい回しになる現象について、これは厚生労働省の範疇かもしれませんが、大臣としての職責の一つの環境が崩れているんですよね。大臣としてはこれに対してどういうふうに指示をされているのか、お伺いしたいと思います。

○上川国務大臣
 八月の末に発生した奈良県の妊婦のたらい回しによる大変悲しい事件がございまして、周産期医療の現場の問題については大変厳しい環境にある、そして、そういう中で、お母さんたちが安心して子供を産んで育てたいという気持ちを実現することができない状況もあるということがクローズアップされたわけでございます。
 少子化担当大臣としても、この問題を大変深刻に受けとめて、厚生労働大臣に対しまして、早急に調査を進め、また、その問題点については的確に対応していただくような形での取り組みをともにやっていこうということでの申し入れもいたしましたし、また、そのフォローもしているところでございます。
 一番喫緊の課題ということで、大変深刻に受けとめておりますし、それに対しての的確な対処ということについては待ったなしでしていくべきことであるというふうに認識しております。

○大畠委員 今のお言葉をきちっと実行するのであれば、平成二十年度の予算の中にそのような予算をきちっと組むようなことが必要だと思うんですね。まさに担当大臣ですから、厚生労働省というのは全般をやっていますからいろいろなところがあると思うんですが、現地の病院も経営が非常に大変なんです。ですから、そういう装置についても大変お金がかかりますし、そこを大臣として、平成二十年度の予算編成の中に組み込む努力をしてもらいたいと思うんですが、この件についてもお考えを伺いたいと思います。

○上川国務大臣 少子の問題にかかわる予算の中でも、この産科の問題を取り巻く整備ということについては、緊急対策ということで取り組む方針を政府としてもしているところでございますので、少子化の担当大臣としても、予算の獲得に向けて、関係の省庁と連携をしながらしっかりと実現してまいりたいというふうに思っております。

○大畠委員 それから、これは女性の皆さんからの声ですが、少子化対策という声が非常に地域でも聞こえてきているけれども、地域の方では、産婦人科の医師が少ない、二十四時間体制の小児科の体制も不十分、一言で言えば、産む場所がない、なかなか安心して子供を育てるような社会環境になっていない、こういう指摘がございます。
 例えば、妊娠してから出産まで、一回の診察で五千円ぐらいかかる。あるいは、血液検査等も受けると一万円かかる。普通分娩では平均四十六万円、出産育児手当は三十五万円。こういう状況の中で、少子化対策で政府の方がいろいろやろうとしているんだけれども、現実問題は非常にまだまだお寒い状況が続いているという指摘があるわけであります。
 私もいろいろお話を聞くと、出産した後、子供に対してはいろいろ保険適用になるんですが、なぜ妊娠段階で診察するものは全部現金で払わなきゃならないのか。ここのところ、最近の事例でも出産にかかわる事故が随分続いているんですけれども、これだけの少子化の中で、妊娠したということがわかったときには、診察段階から、例えば保険適用、あるいは何らかの形で、若い方々にとっては一回五千円というお金がなかなか大変なので、したがって、私は、そういう措置をすべきだと思うのでありますけれども、この件について厚生労働省の御見解を伺いたいと思います。

○木倉政府参考人 お答え申し上げます。
 今の医療保険制度におきます仕組み、これはまず療養の給付、医療サービスを提供するというものがございますけれども、これにつきましては、今の法律の仕組みは、疾病、負傷等についてのものに給付する、それ以外にも別に、保険の給付につきましては、出産に対します出産育児一時金を給付する、これは両方ございます。
 今の御指摘でございますけれども、まず療養の給付、医療サービスの給付を行うというものにつきましては、疾病、負傷に対して保険の給付を行うという部分でございまして、これにつきましては、妊産婦の方の健診といいますものは、疾病や負傷の治療そのものとは異なるということでございまして、産前か産後かを問わずに療養の給付そのものの対象とはされておりません。
 一方で、お医者さんが母体に異常を認める、合併症等の異常を認めて診療が必要だということになった場合の検査、治療でありますと、これはもう産前産後かを問わず療養の給付の対象として給付がなされるということでございます。
 それから、正常な場合の妊娠、出産につきましても、今申しましたように、疾病や負傷とは異なりますけれども、その直接要する費用につきまして経済的負担の軽減を図るということでの保険給付がございまして、これが今御指摘の出産育児一時金でございます。その出産育児一時金、十八年の十月、昨年、一回の出産につきまして三十万円のところを三十五万円に引き上げたところでもございます。
 また、昨年の九月以降は、事前に保険者の方に、健保組合等に申請をしておいていただきますと、医療機関で、被保険者にかわりまして医療機関の方がその出産育児一時金を受け取るということで、妊産婦の方の窓口での費用負担が軽減できるという受取代理の制度も始めたところでございます。
 また、御指摘の妊産婦健診、妊婦の方の健診の費用でございますけれども、これにつきましては、予算の措置としてやらせていただいておりますけれども、市町村の方で実施をお願いしておりまして、これにつきまして、地方財政上の措置の拡充ということで、回数を多く受診していただけるような仕組みでお願いをしておるところでございます。

○大畠委員 地域のこういう声を聞いていると、日本の医療制度というのが、正直言ってお医者さんが少ない、あるいは病院、実は私も病院の数もちょっと教えてもらったんですが、かつては十三ぐらい病院があったんですが、今は産科関係は四つの病院だけになってしまったんですね。したがって、一つは助産婦さんでありますけれども、非常に一つの病院に集中しているという傾向が入っていまして、私は、日本の医療制度というのはどこか崩壊し始めたなという感じがするんだよね。それで、さあ安心して産みなさいと言ったって、ではどこに行って産めばいいのという声が出てきているんですよ。
 最近の、小泉改革以降、自立、自己責任というのを非常に強く強要されていて、それだけのサービスを受けるんだったらお金を払いなさいと。「シッコ」という映画を、民主党の主催で憲政記念館でやったのを私も見たんですが、フランスは無料なんだね。出産も、いわゆる医療行為に対しては無料。イギリスも無料なんですよ。税金の使い方ということで、フランスの女性の方に、出産関係で無料に対してどう思いますかと言ったら、それは当然でしょう、私たちは税金を払っていますから、こういう声が出てきているし、イギリスでもそういう傾向があるんだけれども、日本の国は、できるだけ国が関与するものをどんどん少なくして、市民ができるだけ負担してほしいという傾向にどんどん入っているんです。
 それで、さっき平岡さんが質問したように、何かよくわからないところにお金が使われているんだよね。今回の化学兵器の遺棄問題でも、二百億というお金が投入されながら、実際にやっているところには百億、あと百億は中国に出したとか何かと、よく中身がわからない。そういうところが、今回の防衛庁の問題もそうでありますけれども、何か一、二割高いんじゃないかという話もあるし、それがどこに使われているのか。ゴルフ代に使われているのか。そういう税金の使われ方全般に対して、どうも小泉改革以来、国民に対して負担は非常に強く求めるけれども、政府は一体何を責任持ってやるのかというのがよく見えなくなっている。
 私は、上川大臣、そこら辺は、政府の内部であっても、やはり言うべきものはきちっと言う。一大臣として自分の職責だけやるんじゃなくて、範囲を超えてもいいんですよ、それは国民から選ばれて代議士をやっているんですから。そういう声もぜひ反映していただきたいと思うし、岸田国務大臣も、自分の範疇とは別に、閣議なんというのはいろいろなことを言ったって別に構わないはずですから、もうちょっと、参議院選挙の結果を受けて、政府自体の進路というものを変えよう、もっと国民の生活とか地域の実態に、あるいは政府内部の無駄遣いは徹底してなくそうということを行動しないと、自民党が政権だ、民主党が政権だといったって、地域社会が壊れちゃったらどうしようもないんですから。
 私は、お母さん方の声とかあるいは女性の議員の声を聞いて、ああ、これはおかしな話になっているなという感じがすごくするんです。この医療問題についても、お医者さんも困り、病院の経営も困り、患者も困っているのが実態ですよね。そして、どうも不安感が広がっている。ですから、このことについては、ぜひそれぞれの大臣の範疇を超えて行動していただかなければならない状況に入ってきたなと私は思います。
 それから、休日の医療相談、子供さんが病気になったときにどこに行ったらいいのかわからないという声。病院に行かなくても、ちょっと電話相談、お医者さんと話をすればそれで解決するというような話もありますが、こういう電話相談の体制ですとか、あるいは緊急のときの、特に休日の夜間の対策ですよね。ここら辺が、どうも市民の皆さんは、子供さんを持つお母さん方は大変不安感が強いようでありますから、ここら辺も含めて、日本の医療制度、あるいはこういう休日の国民の医療サービス体制というものを整える必要があると私は思うんですが、この件についてお伺いしたいと思います。
    〔江崎(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

○木倉政府参考人 御指摘の休日、夜間等におきます緊急体制、これはもちろん、もともとの休日、夜間の医療機関の体制をしいてもらうとともに、今御指摘のように、どこでどういう治療を受けられるかということの相談がいつでも安心して受けられる体制が必要だと思っております。
 相談の体制につきましては、厚生労働省におきまして、小児救急の電話相談事業というものの推進を図っております。シャープの八〇〇〇番ということで、すぐつながるような仕組みということで普及を図っております。
 これは、夜間や休日におきまして、保護者の方々は、お子さんの急病等、すぐに相談をしたい、専門士さん等にまず相談をしたい、本当に受診すべきかどうかも含めてアドバイスを受けたいという切実な声があるわけでございますけれども、これに対して助言をお願いしておるものでございます。
 全県の普及をお願いしておりますけれども、現在は四十一の都道府県において導入をされておりまして、休日あるいは平日の夜間等の対応で、お医者さんの指導のもとに相談をしていただいている。その結果として、今すぐ行った方がいいですよというアドバイスも、ここが開いていますよというアドバイスもできますが、今は心配ないですけれども、あしたまた改めて行かれて念のため相談をされたらいいですよというようなアドバイス、そういうこともふえてきておって、安心できるという声は伺っておるところでございます。

○大畠委員 これは、病院なんかに行って待っていてちょっと話をすれば解決するという問題も、心配だからみんなお母さんも子供を連れていくわけですよね。
 ですから、例えばNTTさんの電話番号案内と同じように、全国にそういうものをきちっと、ある市は一生懸命頑張っているからあるけれども、ここのところはないとかというのもあるんですね。全国的に非常にでこぼこがありますから、これは厚生労働省としても全国的に、全国民がきちっとひとしくそういうサービスを受けられるように体制を強化していただきたいということを私は強く要望しておきたいと思うんです。
 それから、これはお医者さんの話ですが、なぜ小児科、脳外科、産科の医者が少なくなってきたかというと、何か病院でトラブルがあると、患者さんの家族がすぐ警察に訴えて、警官が動くんですね。警官が病院とかお医者さんを調べる、調査に入る、そして問題があれば逮捕するということなんですが、ここのところが医者からすれば非常に精神的に恐怖感といいますか、全力で手術したりなんかするんだけれども、どうしても、人間ですから、いろいろなことがあるわけですよ。それで、失敗したら逮捕されるんじゃないか、失敗したら警官が来て調査されるんじゃないかという恐怖感が非常に強いというんです。だから、小児科とか産科とか脳外科のお医者さんはだんだんいなくなってきて、リスクの少ない分野に、医者はどのところもできるんですから、リスクの少ないところに入ってしまう。
 だから、ぜひ、何かがあって市民の人が警察に駆け込んだ場合でも、第三者機関というものをきちっとつくって、そこで冷静に、医療の専門家とか弁護士さんが入って、市民の話をよく聞いて、そして当該の医者の話も聞きながら、もちろん裁判に入る人は裁判に入っても結構だと思うんですけれども、何か第三者機関をつくって医者の恐怖感を取り除いてもらいたい。これは、お医者さんとしては非常に精神的に今圧迫され始めているというんですね。
 ですから、こういう第三者機関を設立して、ぜひそういう、小児科、脳外科、産科という非常にお医者さんが少なくなった分野にも安心して若い医者が入れるような環境をつくってもらいたいという声があるんですが、これについての厚生労働省の見解を伺いたいと思います。

○西川副大臣 お答えさせていただきます。
 大畠先生がおっしゃるように、今、周産期医療あるいは小児科、脳外科関係において大変お医者様が少なくなっている、いわば周産期医療が崩壊しているのではないかという御指摘をいただいて、私たちも懸命にその実情の把握、そしてその対策に今頑張っているところでございますけれども、今おっしゃった問題、医療事故、それに対してまず警察が出てくる、ここの問題に関して、お医者様に対して大変大きなプレッシャーになっている、これはかなり影響があることは事実だと思うんですね。先般の福島の大野病院のお医者様自身が逮捕される、あれは非常にセンセーショナルな事件で、かなりそういう精神的な影響というのは大きかったと思います。
 そういう中で、厚生労働省としても、まずそれに対して対応しなければいけないということで、まず市民、患者さんあるいは家族の方々は、相談する窓口が必要じゃないだろうかと。それに対して、まず都道府県で、医療法によりまして医療安全支援センターを各県に設置するということを努力義務でお願いしましたが、これが今全部整備されまして、各県に全部設置されております。そこでまず相談をしていただく。
 そういう中で、厚生労働省としても、次に、実際のそういう事態が起きたときに、原因究明その他をしっかり厚生労働省の方で、そういう委員会を立ち上げようということで、死因究明を専門的に行う医療事故調査委員会、今のところ仮称でございますけれども、これを立ち上げることを検討しておりまして、今、厚生労働省として第二次試案をお示ししているところでございます。
 そういう中で、最終的に、さらに今度は、そこの委員会では問題の処理、解決まではいきませんので、要するに原因究明をして、きちんとした結論を出して資料をお示しするというところまででございますので、その後の早期解決に向かっては、やはり裁判ではない、例えばADR、第三者の関与による解決の仕組み、あるいは医療分野において専門に扱う民間の機関なども設立されておりますので、そういう方向でなるべく処理をして、その上でなおかつ、お医者様の、これは刑事事件としてのあれがあると、それはまた判断の外でございますが、そこで解決できる制度を今構築中でございます。

○大畠委員 これも非常に医者の仲間では深刻な、もちろん中にはいいかげんな医者もおるでしょう、そういうのはきちっと処罰をするとしても、大方の医者は非常にまじめにやっているんです。まじめにやっているんだけれども、そういうときにすぐ警官が病院に来て担当医者を調べるという話になると、これは一般のところでもそうかもしれませんが、非常に恐怖感になってしまうんですね。
 それで結局萎縮してしまう、やはりそういうリスクがある分野には入りたくないということで、医大を出た学生たちも先輩からの話を聞いていますから、そういうところじゃないところに行きたいなと思うのは心情でしょうね。だから、そういう心情もよくわかるのです。しかし、今のおっしゃったような形のものを早くつくってもらいたいという声がありますので、この件についてはさらに一層力を入れていただきたいという要望をしておきます。
 さて、上川大臣、今のお話をずっと聞いておられて、どうも医療問題だけではなく、子育て、保育所、幼稚園、学童保育、その預かり時間。働く女性の方が非常にふえているわけでありますが、大臣の間に、地域のそういう方々の声をもっとよく聞いて、即効性のあることもやらなきゃならないし、長期的な視点から手を入れなきゃならないのもあると思うんですが、大臣としてのこの問題についての基本的なお考えを伺いたいと思います。

○上川国務大臣 ただいま先生から、特に出産にかかわる医療の環境整備については大変喫緊な重要な課題であるということで一連の御質問をいただきまして、今回の予算の中でも、少子化対策関連の予算の重点項目の一つにこれを取り上げて、そして、赤ちゃんが欲しいと思って、しかし周りに産科関係の整備が進んでいないためにためらうなどというようなことがないようにしていくということについては、これは緊急の課題として全力で取り組んでいきたいというふうに思っております。
 そして、夜間あるいは休日の医療の問題も含めて、またお医者さんの問題も含めてということで、これは厚生労働省がさまざまな施策の全体像を描きながら施策の推進に当たっているところでございますので、これも連携をとってしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
 そして、長期的なことも含めて、即効性のあることも含めてということで、少子化全般に対しての考え方という御質問でございましたけれども、これまでも政府としては、今、目下の問題も含めてさまざまな少子化社会の対策についての取り組みを、大綱をつくる、あるいは総合的な少子化対策の考え方を打ち出しながら施策の推進に当たってきたところでございます。
 二〇〇五年の出生数と合計特殊出生率、実は過去最低ということでございまして、そして、昨年末に公表された将来推計人口におきましても、これからの大変厳しい環境の中で進んでいくという社会の将来像も出されているところでございます。
 今、改めて、結婚とあるいは出産そして子育てにかかわる世代の皆さんの希望というのを見てみますと、例えば未婚の方たちの九割以上は結婚したいとお答えになっていらっしゃるし、また、子育て中の方たちも含めて、どのくらいの子供さんが欲しいかというと、二人、一部の県につきましては三人というような御回答もしている。しかし、その現実が、なかなか希望が実現できない現状があるということに対して、この希望と現実のギャップをどう埋めていくのかということに焦点を当てて今取り組みを進め、そして、子どもと家族を応援する日本重点戦略の策定というところの検討をしているところでございます。
 こうした方向性のところの一つの少子化の急速な進行の背景として、就労と結婚、出産、子育ての二者択一構造の存在があるということ。また、先ほどフランスなど欧米の事例も御指摘ございましたけれども、出生率が回復しているこうした欧米の国々の家族政策を見ても、九〇年代以降、家族手当などの経済的な支援から、同時に、育児休業制度とか保育サービスの充実などによって仕事と子育ての両立支援を充実していくというような形での施策の転換が見られ、そうした転換が見られた国については出生率も上がっているというような動きがございます。
 こうした事例も十分に踏まえながら、日本の実情に合わせて、今、仕事と生活の調和の実現、つまり、働き方の見直しを含めた改革、あるいは多様な働き方に応じた子育て支援策ということでの社会的基盤の整備というものについては、車の両輪として進めていこうということで、鋭意その方向性に向かって取り組んでいるところでございます。

○大畠委員 今のお話を聞いていて、西川副大臣にちょっとお伺いしたいんだけれども、年齢を数えるときに満と数えとあるよね。出産した以降は保険適用になって出産する前は保険が適用にならないということが、私はどうもわからなくなってきた。妊娠した時点からもう生命がおなかの中にあるわけだよ。生まれたら保険適用で生まれる前の生命に対しては保険適用にならないという、そこがどうもお母さん方は疑問に思っているみたいだね。
 出産したら保険適用だけれども出産前は保険が適用できないから一回につき五千円ずつ払わなきゃならない。若い世代にとっては五千円というのは非常に大きなお金なんです。だから、厚生労働省として、この少子化の中で、フランスとかイギリスみたいに医療行為は全部国でというところまでは私はきょうは言いませんが、せめて妊娠段階から保険適用ということまで踏み切ったらどうでしょうかね、副大臣。

○西川副大臣 ありがとうございます。突然の御質問で恐縮でございますけれども……(大畠委員「政治家同士のやりとりだから」と呼ぶ)はい、あうんの呼吸でということで、ありがとうございます。
 今の、おなかの赤ちゃんから見るとそれはおかしいだろうという御説はなるほどなと、ちょっと同感するところもございます。(大畠委員「検討してください」と呼ぶ)はい。
 ただ、いわゆる出産というのを、医療として、病気として見るかどうかという理念で保険適用外ということになっているわけですね。そこのところをどうクリアするかということだと思いますので、一つの御意見としてちょうだいして、前向きに検討したいと思います。

○大畠委員 そこら辺は、医学的にはそうかもしれませんけれども、今の現状を考えると、できるだけそういうお母さん方の負担を軽減することも大事だと思いますので、ぜひ検討をお願いします。
 上川大臣と西川副大臣には御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
 岸田大臣と経済産業省、文部科学省にお伺いします。原子力、エネルギー関連の質問でございます。
 十一月二十四日に、学生とシニアの対話イン東京という会合が武蔵工業大学の世田谷キャンパスというところで行われました。私も出席させていただきましたが、学生たちから非常に率直な意見が出されています。例えば、原子力に関する仕事をしたいと思っているんだけれども、家族とかあるいは一般社会の理解が十分でなく、こういうところで仕事をしたいんだというのがなかなか言い出せないとか、そんな話も出ました。
 それで、小学校とか中学校とか高等学校のエネルギーあるいは原子力に関する教育はどうなっているんだろうか。あるいは、もっとエネルギーに関する展示館とか博物館等の利用を学校でもやっていただいて、社会一般的な、あるいは子供たちにも原子力やエネルギーに関する知識というものを、正しい知識を持っていただきたいというお話がございましたが、この件について、関係の皆さんからの現状についてのお考えを伺いたいと思います。

○岸田国務大臣 原子力の研究開発あるいは利用につきまして、国民の理解ですとか信頼というものが不可欠であるということ、これは大変重要な認識だというふうに思っております。
 我が国の原子力政策の基本方針であります原子力政策大綱におきましても、広報ですとか、あるいは教育ですとか、こうしたものの充実を行っていくこととされているところでございます。
 具体的には、私が所掌しております原子力委員会におきまして、原子力白書を作成しまして、わかりやすい説明を行うとか、あるいは原子力委員会のホームページにおきまして基礎知識を解説するとか、あるいは国民との直接対話ということで、この二年間振り返りましても、市民参加懇談会を三回開催する、あるいはご意見を聴く会という会合ですが、これは三回開催をしております。あるいは、公開フォーラム二回を開催しております。
 このような直接対話も進めているところでありますし、さらには、この原子力委員会におきまして、先般の新潟県中越沖地震におきまして一部情報の提供が不十分であった、こういった経験を踏まえまして、通常時あるいは緊急時を問わない情報の提供を行う、あるいは、事実誤認あるいは見解の相違を含む報道に対しては訂正を求めていくなど迅速な対応を行っていく、こうした方針を図っていく、それをしているところでございます。
 御指摘も踏まえまして、今後とも工夫を続けていきたい、このように考えております。

○前川政府参考人 文部科学省としての取り組み状況について御説明申し上げます。
 学校教育におきましては、原子力発電を含みますエネルギーの問題につきまして、児童生徒のそれぞれの発達段階に応じまして、社会科、理科、あるいは総合的な学習の時間を通じまして指導を行っているわけでございます。
 例えば、小学校の社会科ですと、三年生、四年生で、電気、ガスの確保と自分たちの生活とのかかわりといったことについて学習させる。あるいは、中学校の社会科ですと、資源、エネルギーの問題についての課題学習を行う。中学校の理科で、原子力などのエネルギーの有効利用の重要性について教える。また、高等学校に参りますと、理科の時間の中で、原子力などのエネルギー、資源の特性、利用、あるいは放射線の性質といったことについて学ばせる。また、総合的な学習の時間では、小中高等学校を通じまして、原子力などのエネルギーの問題につきまして、調べ学習とか討論、発表などの活動をやっておるところでございます。
 こうしたエネルギーや原子力についての理解を深めるためには、エネルギー関連の展示のある科学館などの施設を子供たちが訪問して学習するということは大変意義のあることだというふうに考えておりまして、私ども文部科学省といたしましても、こうした取り組みを支援するために支援策を講じておるところでございまして、エネルギー関連施設への訪問学習の実施あるいは副教材の作成、教員研修、こういったことを各都道府県で取り組んでおられる場合に、これを支援する交付金事業などを行っているところでございます。

○大畠委員 かつては、原子力に関する学校での取り上げというのは、どちらかというと遠回しにやっていたようでありますけれども、今の環境問題等々からいっても、原子力あるいは放射線、あるいは放射能とは何かとか、放射線とは何かとか、そういう基礎的なところはきちっと正しい情報を子供たちにも学んでもらうことが大事なので、さらに力を入れていただきたいと思います。
 それから、スリーマイルアイランドの原子力事故以来、原子力に対する疑問等が非常に呈されまして、大学でも原子力という名のついた学部や研究室が少なくなってしまったんですね。ちょっとお伺いしたいのは、こういう原子力と名をつけて一生懸命頑張っている学部とか大学はどのくらいあるのか。
 さらには、実は私も学生から聞いて初めて知ったんですが、原子力船「むつ」が開発を途中で中断をして、原子炉が解体されたんですが、いまだに原子力船を受け入れるための大学の研究学部というのがあるというんですね。その学生から聞いたんです。実際には原子力船というのが日本では計画がなくなってしまって非常に残念です、しかし、私たちは大学の中で、原子力船というものが建造された場合にはどういう形でそれをサポートするかという勉強をしているんですという話があったんですが、大学における原子力というものに対する研究をやっているところはどういうところがあるのか。
 そして、原子力船「むつ」は計画を途中で中断されましたけれども、私は、あの大変なお金を出して研究をした技術データがたくさん蓄積されていると思うんですが、そんなものをベースに、将来を展望して、そろそろ原子力船というものを日本でも再度研究を開始する、そういうお考えがあるのかどうか、この二つについてお伺いしたいと思います。

○藤田政府参考人 原子力の関係の大学の現状について、私の方から御説明をさせていただきます。
 もう委員よく御存じのとおり、我が国が原子力をスタートさせました昭和三十年代から、東京大学でございますとか京都大学を初めといたしまして、多くの大学で原子力に関する学科等が設置をされました。例えば、昭和五十九年の数字ですと、大学レベルで十の大学、それから大学院レベルで九の大学院でもって原子力に関する学科が設置をされていたところでございます。
 その後、委員御指摘のとおり、チェルノブイリの原子力発電所事故が昭和六十一年に起こりましたこと、それからまた、大学教育についても、大ぐくり化、学際化の傾向等がございまして、多くの原子力関係学科はほかの学科と統合等を行って、原子力を専門に学ぶ学科の数が減ってきたという状況がございました。
 しかしながら、特にここ最近、平成十六、七年以降でございますけれども、東京大学、福井大学、福井工業大学が新たに原子力関連の学科、専攻を設置いたしましたし、また、来年度には武蔵工業大学が新たに原子力安全工学科を設置する予定であるということなど、数の面で若干上向きの動向もあるところでございます。その結果、平成十九年度現在で、学科、専攻の名称に原子力という言葉をつけております大学は、学部段階で一校、それから大学院段階で五校というふうな状況になってきているということでございます。
 私ども、これから原子力の研究開発利用を持続的に発展させていくという上で、人材の育成、確保は極めて重要でございますので、平成十九年度、今年度から新たに経済産業省と連携をいたしまして原子力人材育成プログラムを創設いたしまして、初年度でございます今年度は、十四大学、八高等専門学校におきますすぐれた原子力人材育成の取り組みに対して支援措置を開始しております。また、世界的な卓越した教育研究拠点の形成を目指しますグローバルCOEプログラムにおきましても、東京大学の工学系研究科原子力国際専攻の取り組みを採択するといった形での支援も行っているところでございまして、今後とも引き続き原子力分野の人材育成の支援に努めてまいりたいと考えております。

○岸田国務大臣 原子力船の研究の話ですが、原子力潜水艦あるいは原子力空母等の艦艇を除く原子力船の研究、これは商船の高速化ですとか長期運航の実現の可能性を探るということで、一九五〇年代ごろから盛んに研究開発を行われたところですが、現在は、ロシアを除きすべて退役をしているというのが実情でございます。
 我が国におきましても、国産技術で建造されました原子力船「むつ」の開発そして運航によりまして研究開発の所要の成果が既に得られたということであり、その当時、実用化を目指すめどが立たないというようなこともありまして、平成十七年十月をもって研究開発を中止したというところでありました。
 御指摘の原子力船の研究開発につきましては、今後、例えば化石燃料の価格がどのように推移していくか等々、社会、環境の変化に伴いまして、経済性や原子力船の持つ特性、こうしたものに対するニーズの見込み等を考え、そうした研究開発に対する環境が整えば議論が再開される可能性はあるとは思っております。ただ、現状は先ほど申し上げましたとおりでございます。

○大畠委員 せっかくあれだけ関係者がそろって技術的なものを蓄積しましたので、それをぜひきちっと生かすようなことも検討すべき時代に入ったかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、最後になりますけれども、今、月の周りを「かぐや」が回っていて、この間私も、NHKの三十分番組ですか、あれで見せていただきましたが、非常に感動的な映像でありました。これをぜひ学校の子供たちにも見せたいなという提案をさせていただきましたけれども、これをどういうふうに今実用化しようとしているのかということと、あと、水素自動車というところもエネルギーの関連では非常に大事なものになってきたんじゃないかという御指摘をいただいておりますので、この二つについて現在の考え方を伺って、質問を終わります。

○藤田政府参考人 私の方からは、「かぐや」に関します画像の公開についての現状を御説明させていただきます。
 先ほど委員お話しになられましたとおり、去る十一月十四日、NHKの特別番組で、「かぐや」が撮影いたしましたハイビジョン映像などを用いましてわかりやすく解説をした番組が放映されたところでございますが、この視聴率は一〇・四%だということで、野球なんかよりも視聴率が高い、教育番組としては異例の高い視聴率だったというふうにお聞きをしております。これなども、宇宙開発や科学技術に対する国民の理解を深めるという意味で、非常に有益なものであったのではないかと思っております。
 そういう観点もございまして、「かぐや」が撮影した画像などにつきましてはできるだけ速やかに公開をするというふうなことで、既に撮影した画像等については速やかにインターネット上で公開はしてきているところでございますけれども、よりわかりやすい形で公開をするべく、現在、宇宙航空研究開発機構におきまして、「かぐや」が撮影をいたしましたハイビジョン画像など、画像に専門家の解説をわかりやすい形でつけた映像コンテンツを作成中でございまして、うまくいけば来週の後半にはJAXAのホームページにアップロードをして公開ができる予定でございます。
 今後とも、子供たちも含めまして国民にわかりやすい形で、「かぐや」の映像、画像や成果を公開してまいりたいと考えております。

○上田政府参考人 資源エネルギー庁の上田でございます。水素の自動車に関しての現状を御報告させていただきたいと思います。
 水素、これは現在のところ、水素そのものを燃やす自動車と、水素を原料といたしまして電気に変えていく燃料電池自動車と、二つのタイプがあるわけでございます。いずれも、将来のエネルギー源として、あるいは地球温暖化対策の観点から、非常に重要なエネルギーであると私どもは認識しております。
 現在、実は実証実験というのを二〇〇二年から行っておりますけれども、日本全国に約六十台の燃料電池自動車あるいは水素自動車というのが実証実験を行っております。また、そのインフラという意味では、水素のインフラ、水素ステーションというものを首都圏を中心といたしまして現在全国に十一カ所建設をしておりまして、これらで実証試験というのを行っているところであります。
 それから、規制の面も重要でありまして、これは内閣官房を中心といたしまして七省庁から成ります燃料電池の実用化に関する関係省庁連絡会議というのがございます。ここで、燃料電池の普及促進の観点から、各省庁の持っています規制の総点検というのを行いまして、六法律二十八項目につきまして、現在、初期段階での燃料電池自動車の走行に問題がないという形であるということを確認ないし規制の緩和をいたしております。
 さらに、水素につきましては、実は基礎的な研究がまた非常に重要でございまして、私ども、例えば産業技術総合研究所の中に研究センターを設置いたしましたり、九州大学と連携させていただきまして、九州大学の中に水素の脆弱性というのを研究する研究開発拠点を設置するなど、この分野での取り組みを強化させていただいておるところでございます。
 いずれにいたしましても、水素自動車というのは私どもにとりまして非常に重要なエネルギーであると認識しておりまして、今後とも一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。

○大畠委員 まだ質問の計画があったんですが、次回にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

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