議事録

   

第169回国会 内閣委員会-9号
平成20年4月11日

 

 

○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 二法案について質問をさせていただきます。
 なお、今回、消費者行政について、力を入れてより強化するという方向については私自身も賛成するところであります。ただ、最近の事例をいろいろ見ていますと、日本国内でなぜこんなことが起こるのかというような事件、事案が大変ふえているのは私にとっては不本意でございまして、もともと日本人は正直を旨とする。人をだます、うそをつくことは泥棒の始まり、このくらいの話でありましたから、それが、うそをついても見つからなければいいという社会になり始めています。
 後ほど、どうしてこんな社会になってしまったのかということについては改めて大臣にお伺いしますが、昨年を振り返っての一文字であらわすのは偽り、偽という字であった。これも非常に私としては残念な社会傾向ですね。
 それも、食品の偽装ですとか賞味期限の偽装、それから安全であるべき器具の不正改造による死亡事故、金銭的にはオレンジ共済とかおれおれ詐欺とか振り込め詐欺、つい最近では中国の毒ギョーザによる事件が起こったり、福祉機器等に起因する死亡事故、産地偽装、もう挙げたら切りがない。いつからこういう日本になってしまったのか、嘆かわしい状況でございますけれども。
 それはそれとしながら、最近の消費者被害あるいは紛争発生件数の状況について、資料はいただいているわけでありますが、これを見ると、平成八年と平成十八年のを比べると、相談件数は三十五万件から百十万件と三倍、あっせん件数も三万八千件から六万件と約二倍ということでしょうか、とにかくこういう傾向にあるわけでございます。
 大臣、想定問答には入っていないかもしれませんが、この日本の国の現状、こういう状況に至っている背景というのに何があるか。ここについては大臣というよりも政治家として、岸田代議士、代議士というのはおかしいですね、政治家としての御所見がありましたら、御開陳をいただきたいと思います。

○岸田国務大臣 大畠委員御指摘のように、昨今の日本の社会を見ておりますと、本当に多くの事件や事案が発生をしております。いわゆる消費者問題という一言でくくられる問題だけ見ても、本当に、食品の表示の偽装、中国のギョーザ問題を初めとする食の安全の問題、あるいは製品につきましても、シュレッダーや瞬間湯沸かし器、エレベーター、ジェットコースターを初めとするそうした製品の安全の問題、あるいは振り込め詐欺を初めとする取引の安全の問題、本当にさまざまな消費者問題にかかわる事件や事案が発生をしています。
 こういった背景には何があるのかということですが、これは、まずは日本の社会のありようというものがあるんだとは思っています。日本の国民の考え方、教育も含めて、社会に対してどうかかわっていくのか、そういった考え方、こういったものがあるのではないかなというふうに思いますし、日本人の社会生活のありようというものの変化もかかわってくるのではないかと思いますし、また、事業者、経済界側の対応というのもいろいろとかかわってくるのではないかなというふうに思います。
 さらに、国民生活担当大臣として一つかかわっている部分で申し上げるならば、日本の国に公益通報者保護法という法律が成立をしました。やはり、今回いろいろな事案が表に出てきますが、内部通報という形で表に出てくるケースが多いようであります。
 公益通報者保護制度、公益のためにこうした情報を提供した人間は不利益をこうむってはならないという考えのもとに保護するという内容の法律でありますが、こういった法律が日本の国において数年前成立をしています。私益を図るために通報をするというのはいわゆる垂れ込みという言葉になってしまうんでしょうが、公益のために通報する方々をしっかりと支える、こういった法律が成立をしています。
 内部通報ということについては、こういった法律が直接かかわったケースはどれだけあるかは把握しておりませんが、こうした法律が日本の国に成立をした、こういったことも、いろいろな情報が表に出てくる一つの要因になったのではないか、こんなことも考えております。

○大畠委員 そういう背景もあるかもしれませんが、私は、やはり日本において、日本も二千年の歴史を持つ国でありますし、商売というのはお客様のことを考えて行う、信用が第一なんだという考え方がずっとあったんですが、今は、もうければいい、ばれなければ、やり得だという風潮も起こってしまったんじゃないかと思うんですね。
 このことについては、いろいろな御意見もあると思うんですが、やはり小泉さんの責任は重いと思いますよ。市場原理主義、我に従わなければ切り捨てる。これは、確かに江戸時代、戦国時代はあったかもしれないけれども、やはり武士の情けというのもあったんですよね。何でもかんでもおれの意見に従わなければ切り捨てるなんという話じゃなくて、お互いに助け合うとか、そういう社会的な風潮もあったんです。
 それが何か、たまたまかもしれませんが、一変しちゃって、勝てばいい、手段は選ばずという、あれはなかなか格好いいじゃないか、確かにそういうのも一つだなというので、そういう社会風潮になってしまって、とにかく偽装して安く売れ、一円でも安く売れ、赤い色が足りなかったら何でもいいから赤い色を入れてとにかく新鮮そうに見せて売っちゃえばいいという、何かそういうものにみんな突き動かされてきたような感じがするんですよ。
 私は、福田政権が誕生というのは、まさに、そういう社会風潮を戒めて、小泉政権時代の負の遺産を一掃しようという動きかなと思ったんですが、どうもまだそこまでは踏み切れていないようですが、この問題については踏み切った、消費者保護、それを強化しようと。
 私も、この法案、いろいろ調べてみたりいたしましたけれども、一時、この消費者行政は、どんどん合理化しろ、民間にできるものは民間で、できるだけセンターは小さくしろというような流れが、新聞記事なんかを見ると、ここ三、四年顕著になっていましたね。そして市民の方も、まあ、しようがないのかな、非常に残念だなというので、弁護士会とか消費者団体もいろいろ声は上げるけれども、なかなか取り入れてもらえなかった。
 ところが、福田総理が誕生して、消費者庁をつくるぞ、その一言で随分姿勢が変わってきた。ここについては私は評価したいと思うんですね。
 そこで、お伺いするのでありますけれども、福田総理が消費者庁設立構想というものを打ち出しました。まあ、総理はいろいろ打ち上げるんです。道路特定財源の一般財源化というのを打ち上げたけれども、きのう一応、四、五人で集まって、ほぼそれでやろうじゃないかというような話になったらしいんですが、具体的な話になると、いや、もちろんいろいろ問題がありますよというので、よくわからない。
 この消費者庁設立構想というのは、一体、福田内閣のまさに担当大臣として、どういうふうに受けとめて、どうやろうとしているのか、まずお伺いしたいと思います。

○岸田国務大臣 福田総理の消費者行政一元化に向けての取り組みでありますが、先ほど大畠委員御指摘のように、さまざまな消費者問題にかかわる事案や事件が発生しています。こうした事態を受けて、行政としても、政府としても全力でこの対応をしなければいけないわけでありますが、そういった中で、改めて日本の行政の仕組み自体も、縦割り行政によって、どうも谷間事案が発生したのではないか、横の情報の共有が不十分だったのではないか、あるいは国民からの情報も速やかに一元化できなかったのではないか、こんな行政のあり方につきましてもさまざまな問題点が指摘をされたところであります。
 そういった中で、ぜひ、日本の行政のあり方も、消費者、生活者の視点からいま一度総点検をするべきではないかということで、生活安心プロジェクトというプロジェクトが立ち上がって、議論が進められるようになったわけですが、その中で、今、中国のギョーザ問題が特に大きなきっかけではありましたが、消費者行政推進会議という有識者会議を新たに立ち上げて、そこが中心になって、この行政の一元化の議論は進められています。
 その中で、まだ議論は五月へと続いていきますので、結論はまだ先ではありますが、やはり、生活者、消費者の視点から見直すということであるならば、消費者、生活者にとってわかりやすい行政をつくらなければいけない、消費者、生活者から寄せられた情報がしっかりと集約される、集約された情報にしっかりと対応する、そして、対応するための権限をしっかり持っている、こういった新しい組織をつくっていこうという議論が、大きくは今、進められているというふうに感じています。
 ぜひ、そういった新組織をつくることによって、こうした総理の思いを形にしたいというふうに思いまして、担当大臣として今努力をしているところであります。

○大畠委員 私は、福田総理、いろいろ御苦労されていると思うんです、本音ではどういうふうに考えているのかよくわかりませんけれどもね。やはり小泉政権時代の、あの市場原理主義一辺倒の社会をつくれば日本はよみがえるという一つの暗示というものが日本人にかけられたんですけれども、その結果、日本の国の、特にふるさと関係は非常に疲弊して、国民生活もみんな疲れています。
 ですから、この被害者を救済するという手段を強化すると同時に、被害者が出ないようにすることも大事なんですよ。被害者を救済すると同時に、被害とかそういう事件が起こらない社会をつくることも政治の責任だと私は思うんですね。
 ですから、岸田大臣には、福田内閣の一員として、いわゆる行き過ぎた市場原理主義の弊害というものを是正しようという一つのメッセージを、福田総理にかわって、福田さんも割と謙虚な方ですから、少しそこら辺をサポートしてメッセージを出し始めるということが今国民のために大事だと私は思いますので、その点については御努力をさらに一層お願いしたいと思います。
 そこで、先ほど、私どもの同僚の園田議員、西村議員、吉良議員からいろいろお話がございました。新しい構想も大事だけれども、それを進めると同時に、既存の機関が十分に機能していない、ここが一番問題ではないかという御指摘がございました。
 そういう中にあって、私が見るところ、経済産業省、金融庁、農水省、厚生労働省、それぞれがこれまで努力をしてきたんですが、私が挙げた順序は大体成績のいい順序だったかもしれませんが、まず、経済産業省、金融庁、農水省、厚生労働省、それぞれこの消費者問題に対して現在どういう取り組みをしているのか、そして、福田総理の一元化構想に対してどのような対応を考えているのか。特に各省庁がばらばらではないかというような指摘も受けているところでありますが、それぞれ省庁も苦労していると思うんですが、そのことについて、各省庁の現状と現在の対応策についてお伺いしたいと思います。

○橘高政府参考人 お答え申し上げます。
 今お示しがありましたように、国民の安全、安心の確保、消費者対策、これは内閣全体の重要な政策課題でございます。産業政策の観点からも重要でございまして、経済産業省といたしましても、消費者保護の観点から、積極的に施策の立案、実施に取り組んでまいっておるところでございます。
 制度改正を中心に具体的な取り組みの例を御説明申し上げますと、まず、製品安全の対策につきましては、一昨年また昨年と、続けて消費生活用製品安全法などの改正をさせていただきまして、製品事故情報の報告、公表制度、あるいは長期使用製品の安全点検制度などを創設させていただきました。
 また、いわゆる悪質商法対策につきましては、まさに本日このような形で御審議をいただいております消費者団体訴訟関係に加えまして、訪問販売などによる高齢者の方の被害の深刻化に対応するため、特定商取引法及び割賦販売法の抜本的改正案を現在提出させていただいているところでございます。
 また、法の執行でございますが、特定商取引法に基づく悪質事業者の取り締まりにつきまして、積極的に取り組みを強化しておるところでございます。平成十九年度では、国と都道府県と合わせて、対前年度比で二倍以上の百八十件の行政処分を行ったところでございます。
 今後とも、関係省庁と密接に協力をしながら、消費者保護の取り組みに省を挙げて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 また、消費者行政を推進するための新組織のあり方につきましてでございますが、現在、大臣から御答弁ありましたように、官邸の消費者行政推進会議の場において検討が進められておるところでございます。私ども経済産業省といたしましては、消費者にかかわる幅広い政策分野がございますので、いかにそれぞれの政策分野における実効性というものを上げていくか、また、それにふさわしい組織のあり方というものについて、そういう観点から御議論をいただければと考えておるところでございます。

○大藤政府参考人 お答え申し上げます。
 金融庁におきましては、金融システムの安定や透明、公正で活力のある市場の確立と並びまして、利用者保護、利用者利便の向上を三つの行政目的の一つとして掲げているところでございます。
 例えば、最近では、保険金不払いの問題や外為証拠金取引業者への対応、貸金業法等の改正など、利用者保護の徹底を図るための制度整備や厳正な検査監督対応に努めるとともに、苦情相談についても、利用者の目線に立った相談苦情処理体制の充実に努めてきたところでございます。
 苦情相談処理体制につきまして若干申し上げますと、平成十七年の七月に金融サービス利用者相談室というものを開設いたしまして、金融サービス等に関する利用者からの質問、相談、意見等に一元的に対応することによりまして、金融サービス利用者の利便性の向上、アクセスがしやすいようにということを図っているところでございますし、そこに寄せられた情報を金融行政に有効に活用しているところでございます。また、PIO―NET端末を設置するなど、国民生活センターが収集した苦情相談情報の有効な活用にも努めているところでございます。
 現在、消費者行政推進会議の場等で消費者行政を統一的、一元的に推進するための新組織のあり方について検討がなされていると承知しております。金融庁といたしましては、新組織が政府のさまざまな分野で担っている消費者行政の統一的、一元的な推進や質の向上に有効に機能するとともに、金融行政との連携が効率的に行われることを期待しているところでございます。
 また、苦情相談対応につきましても、その中で消費者にとってわかりやすい窓口の設置が検討されているものと承知しておりまして、金融庁としては、こうした窓口と適切な連携を図り、金融サービスの利用者保護、利用者利便の一層の向上が図られるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。

○谷口政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、消費者の方々への対応でございますけれども、農林水産省では、本省それから地方農政局等の全国四十七カ所でございますが、消費者の部屋というものを設置いたしまして、消費者の方々からの農林水産行政全般、また食料の生産、流通それから消費、さらに食生活などに関します相談や問い合わせを広く受け付けておるところでございます。
 平成十九年度の相談件数につきましては、食品の偽装表示問題でございますとか中国産冷凍ギョーザの事案等もございました関係で、約三万五千件に上る相談、問い合わせを受け付けたところでございます。相談の内容も、食品の表示方法や安全衛生に関する相談はもとより、食品の調理方法などの商品知識の話でございますとか、それから農産物の栽培方法、こういった幅広いお問い合わせにつきましてもお受けをしておるというところでございます。
 こうした消費者の皆様方からの多様な相談、問い合わせに対しまして、できるだけ一つ一つ丁寧にお答えをさせていただいているところでございますけれども、とりわけ健康被害情報等、他の機関にも関係する相談につきましては、関係機関と情報をとにかく共有いたしまして、谷間に落ちないように一体的に対応するよう努めておるところでございます。今後、こういったことをさらに肝に銘じまして、一層消費者の方々への対応を丁寧に図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 次に、消費者庁問題でございますけれども、この点につきましては、先ほどから大臣の話もございましたけれども、消費者の方々、生活者の方々の視点というものに立脚をいたしまして、消費者行政を統一的、一元的に推進をするための強い権限を持つ新組織のあり方というものがまさに推進会議の方で検討されておるということを私ども認識いたしております。
 農水省の所掌する分野というのが、国民生活関連分野という形で分けられておりますけれども、この分野につきましては、食品表示のほか、悪徳商法それから金融商品等、非常に広い範囲に及びますことから、消費者の方々から見て本当にわかりやすい行政というものの機能を、どうあるべきかということについて、これはぜひ政府全体としてきちんと検討するというところが大切ではないかというふうに認識をしておるところでございます。

○薄井政府参考人 お答え申し上げます。
 厚生労働行政の目的、これは国民生活の保障、向上を図るということでございまして、食品、医薬品、医療機器といったようなもの、あるいは医療、福祉といったサービス、いずれも消費者、生活者と非常に密接に関連をしてくるものでございます。消費者、利用者への情報提供であるとか安心、安全の確保というのは常に意識して仕事を進めていかなければいけないと考えているところでございます。
 厚生労働行政の分野では、実際の事務の執行は地方自治体にお願いしている部分が多いわけでございまして、消費者からの相談なり苦情といったものも、例えば食品であれば保健所とか、こういった形で地方自治体の方で受け付けることも多いわけでございます。
 また、直接厚生労働省に相談なり御苦情をいただくケースもございますが、厚生労働行政の相談室というものを設けておりまして、そちらで受け付ける、あるいは直接担当の課や部屋にそういうふうなものがあるということもございますが、いずれにいたしましても、その内容に応じまして必要な対応をするべく努力をいたしているところでございます。
 それから、国民生活センターとの連携ということも我々意識をしなければいけないと考えておりまして、政策提言等がありましたら、それに対して必要な対応をする。先般、PIO―NETの端末も設置をさせていただきましたけれども、国民生活センターの方で集められた情報も活用させていただくということで取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、消費者行政を一元的に推進するための新しい組織でございますが、先ほど大臣からございましたように、今、消費者行政推進会議で御議論が進められているところでございますけれども、厚生労働省といたしましても、国民生活の保障、向上を図るというこの任務を果たし、本当に消費者あるいは国民の立場に立った施策の展開ができるように、協力して施策の実施に当たってまいる必要があると考えているところでございます。
    〔萩生田委員長代理退席、委員長着席〕

○大畠委員 ただいまそれぞれから取り組み状況について御報告をいただいたわけですが、それぞれは努力しているんですよね。努力しているんだけれどもまだまだ、先ほど相談件数が三倍で百十万件というところにまで入っていますから、それぞれのところにもいろいろな形があると思うんですが、そこのところを一つにするというのも大変大事なことです。
 午前中の参考人質疑のときも、静岡県中部県民生活センター所長の望月さんの方から、もう既に一つのフロアに弁護士さんとか電話相談とか何かが一つに集まってやっているから、電話を受けたときに、これはどうするというので、すぐ対応をまとめて、結構消費者のところに情報を提供することができると。
 ですから、経済産業省も農水省も金融庁も厚生労働省も、そういうところがワンフロアに集まって、電話とか問い合わせが来たときに、その場でばたばたしながら対応すれば、随分私は即効性があると思うんですね。ですから、まず、現在の機能をどう強化するかということも大変私は大事だと思うんです。
 それじゃ、四省庁の皆さん、御退室していただいて結構でございます。ありがとうございました。
 そこで、大臣、今、各省庁はそういうふうに努力はしています。ただ、残念ながら、濃淡はあります、力の入れようによって。ここのところをどう束ねてやっていくかなんですよ。
 ですから、新しい構想を展開すると同時に、今やっているところをどうやって強化するかというのが、両方必要なんですね。新しい建物をつくったり、新しい組織をつくれば、それでパーフェクトな対策がとれるというものじゃなくて、同僚議員からもお話があったように、どうも、この十年というか、この五、六年、徐々に徐々に予算が削られてきた。特に、午前中の参考人の方から、一%ずつ毎年予算を削りなさいと言われていると。これがきいているんですよね。
 それで、お伺いしたいのは、国民生活センターという国の機関と消費生活センターのこの十年間の予算規模等々があらわしていると思うので、参考資料をお配りさせていただきました。吉井委員からもわかりやすい資料がございますが、私のは一覧表でございますけれども。
 まず、一覧表のものを見ると、平成七年のときが大体ピークですね。それから、十九年というのが今のところ最低新記録になっていますね。予算は半分。ですから、この間、いかに消費者行政というものに政府の方が力を抜いてきたかというのは、予算で大体わかるんですね。
 それから、もう一つの紙、これは日本消費経済新聞という新聞がまとめていただいたものですが、この出典のデータは内閣府が出された資料で、平成二十年の一月に、内閣府国民生活局の消費者調整課というところが、平成十九年の地方消費者行政に関する調査結果の概要というデータから一覧表にしたんですが、この表を見ると、現在の組織のいろいろ問題点というものも浮かび上がってきています。
 左側の方に全国の「一般会計予算の増減」というのがあるんですが、これが全国平均でマイナス三一・七%、これがいわゆる三位一体改革の結果ですよ。それから、その次、「消費者行政本課予算の増減」というのもマイナス四〇。
 一覧表がありますか、大きい紙の一番下の方なんですが、「全国平均」というのが下にあります。上の方に、ちょっと見づらくて恐縮ですが、左側の方から「一般会計予算の増減」、二番目が「消費者行政本課予算の増減」。
 これを見ると、一般会計予算がマイナス三一・七%、消費者行政本課予算の増減というのがマイナス四五%。それから、センター予算というのは一〇%、一生懸命頑張って予算をつけているようですね。
 それから、この表のおもしろいというか興味があるところは、一番右側の「特定商取引法行政処分件数」というところがありまして、その備考欄、「処分実績のない理由」というところを見ると、上の方からいくと、処分相当の悪質な事案がないというのがあったんですが、山形県の例は、専任担当者がいない、それから群馬県も、処分した経験がないためにやりにくい、それから富山県、処分した経験がないためにやりにくい、それから三重県、処分した経験がないためにやりにくい、鳥取県、専任の担当者がいない、徳島県も専任の担当者がいない、福岡県もいない、長崎県もいない、鹿児島県もいない、沖縄は、処分した経験がないためにやりにくい。
 ちょうど今読んだのは、一番右側の「処分実績のない理由」というところにアンケートで来たものなんですが、私は、これを見る限り、とにかく消費者行政というものはどんどん力を抜いて、予算でいえば半分になってしまった、これが実態。そして、訴え件数は三倍になった。そこで、これからどうするかというので、一元化というのを福田総理が打ち出されたわけでありまして、それについては何の異論もございません。
 そこで、予算がこれだけ減って、それから、なぜ一%予算を削減するという、地方自治体が三位一体改革で困ってやっているんですが、ここのところに歯どめをかけない限り、どんな一元化をうたったって、実際のセンサーは地域にあるわけですから、そこのところがどんどん衰退したら、立派なお城を中央につけても実効ないと私は思うんですが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

○岸田国務大臣 御指摘のように、消費者行政、特に地方の消費者行政における予算というのは激減しております。
 今、消費者行政を考える際に、やはり国の消費者行政組織も見直さなければいけませんが、これは地方の行政組織と一体となって成果が上がるものだというふうに思っていますので、国と地方の連携、一体となったその改革、大変重要だというふうに思っています。
 消費者行政推進会議、有識者会議においても、この点、第三回の会議で国と地方というテーマを特別に取り上げてこの問題を議論していただいていますが、地方の重要性につきましては認識が深まっているところであります。
 地方の消費者行政というのは自治事務でありますので、具体的にどういった予算を割くのか、どういった対応をするのか、これは地方自治体の自治にかかわる問題ではありますが、やはり消費者行政全体として成果を上げるということであるならば、国民の接点であります地方の消費者行政あるいは地方の窓口、これは大変重要だという認識のもと、国としましても、地方のありようにつきまして、地方自治に反しない範囲内でぜひしっかりと支援等を考えていかなければいけないのではないか、そんな認識を持っています。

○大畠委員 それから、商品テストというものについては、一段とと言うのはおかしいんだけれども、激減もいいところですね。
 私がいただいた資料によりますと、平成九年度には、商品テスト職員、これはちょっと資料は配っておりませんけれども、二百十三人おられたんですが、平成十九年度は八十人、二分の一以下ですよ。国民生活センターの方でも、商品テストのところはどんどん力を抜いているというふうに私は見ました。
 先日、国民生活センターの品川の事務所に行きましたけれども、非常に元気がないんですね。それはやはり、一生懸命頑張っているんだけれども、それが政府に評価されていないわけですよ。そして、予算が半減されて、自治体の方も一%ずつ、何か無理矢理、例えば多少おなかの回りに余分な脂肪があればそれは削ってもいいかもしれないけれども、心臓の皮まで削っちゃったんでは意味がないわけですよ。
 ところが、地方のやり方は、もう背に腹はかえられないと言って、あなたのところ二%削ってくれと言うと嫌だと言うから、では全員一%削るといって、必要なものも全部そぎ落とし始めているんですね。
 ですから、私は、この商品テストなんかは、特にこれだけ諸外国からたくさんの商品が入ってくるし、また、厚生労働に、薬だとか何かも入ってくるから、商品テストのところはどこがやるかといったら、やはり国の方が力を入れてやらなければ、やるところがないので、地方の商品テスト、あるいは国の国民生活センターの方でも商品テストというのはしっかりやるべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。

○岸田国務大臣 国民生活センターの役割の中でも、この商品テストというのは、専門性の確保という意味から大変重要だというふうに思っていますし、その他、情報提供という意味でも大変重要だというふうに思っています。
 この商品テストの部門につきましてもしっかりと充実させていかなければいけないと思いますが、加えて、これは他の省庁所管の独立行政法人の中にも、この商品テストにおいて大変すぐれた能力を持った独立行政法人があります。昨年末、独立行政法人改革の議論の中で、ぜひこうした他の独立行政法人の専門能力をしっかり活用する形で、こうした国民の期待にこたえることを考えるべきではないか、こんな議論を行ったわけですが、ぜひ、こういった体制も工夫することによって、国のレベルでの商品テストの充実に努めていきたいと考えております。

○大畠委員 それから、一番先端で頑張っていただいています相談員なんですが、いろいろ資料を見ると、一年ごとにしか契約してもらえない、あるいは三年で雇いどめ、五年で雇いどめ。辛うじて、一年ごとの更新だけれども二十年間働いてきた人もいるようですが、先ほどからお話があるように、給料が非常に安い。なぜ、相談員というのは非常勤で正社員じゃない形になってしまっているのか、ここについての大臣の御認識を伺いたい。

○岸田国務大臣 相談員の待遇につきましても、御指摘のように大変厳しい状況にあるというふうに認識をしています。
 どうしてこうなったかということにつきましては、やはり厳しい財政状況の中で、各地方自治体がそれぞれいろいろな工夫をする中で、こうしたことになったのではないかと想像はいたしますが、各相談員の役割の大きさということを考え、また、あるべき姿、しっかりと検討していかなければいけないと考えています。

○大畠委員 例えば、データ処理するのはだれでもできるんですよ、一言で言えば。電話を受けて生の声を聞いて、本当にこの人は困っているのか、ひょっとしたら自殺するんじゃないか、それがわかるのが電話口ですよ、相談口ですよ。そこを非正社員にしておいて、中でその受けたメモを見たり、ちょろちょろやるのが正社員というのは、何か私は本末転倒なんじゃないかと。
 データ処理とか何かは、それはある程度、正社員が望ましいんだけれども、あるいはデータ処理にたけた人でもいいかもしれない。でも、電話口で生の声を聞く、消費者の声を聞く、その一番大事な部分をほとんど非正社員にしているという、消費者行政の姿勢の象徴的なものじゃないかと私は思うんですよ。大臣、ここのところを私は改めてもらいたい。
 それからもう一つ、弁護士それから行政書士、町の中に結構いますよ。そういう専門家に電話口でやってもらう、こういうことも根本解決に必要なんじゃないですか。総理みずから、消費者行政を改める、そして力を入れていくと言ったんですから、日本の国の総理大臣が言ったんですから、せめて電話口のところに弁護士とか行政書士とかベテランの正職員を配置するぐらいの改革があって初めて、消費行政に福田内閣はメスを入れたということになるんじゃないかと私は思うんです。決して消費者庁というものをつくったとか削ったとかという話じゃないと私は思うんです。
 もう一度、これについての大臣としての熱意ある温かい答弁をいただきたいと思います。

○岸田国務大臣 大畠委員御指摘のとおり、相談員の役割というのは私も大変重要だと思っています。
 相談員の資質あるいは対応能力、専門能力、こういったものによって、処理の効率も変わってくるんでしょうし、紛争の解決、結果も変わってくるというふうに思っていますし、また、今、消費者行政の議論をしていますが、情報の一元化、集約ということにおいても、窓口、相談員の対応によって随分と結果が変わってくるのではないか、こういった点で大変重要だというふうに思っています。
 具体的にどういった人材を集めるかということについては一度検討してみたいと思いますが、相談員の重要性、これはしっかりと頭に置いておかなければいけないと思っています。(発言する者あり)

○大畠委員 私が担当大臣だったら即、まあ予算の方はどうするんだというけれども、やはりやりくりすれば、今も裏の方からお話がありましたが、職員の人と交代するとか、職員を電話相談に教育してやってもらうとか、そういうことが必要だし、今ちょっとお話がありましたが、道路特定財源を一般財源化してそっちの方に充てるなんというのも、今のままじゃできないんですから。
 やはり、そういう意味でも、もうちょっと工夫を、福田内閣総理大臣が号令をかけたんですから、ぜひ岸田大臣の力量を発揮していただきたい。
 それから、最後になりましたけれども、先ほど岸田大臣の方から、紛争解決委員会の仲介委員、仲裁委員は、消費者のために積極的に後見的役割を果たすことが期待されている、あるいは、必要に応じて消費者のために積極的に後見的役割を果たすことが前提となっている、あるいは、中立かつ公正な立場においてその職務を行うことは消費者利益の擁護、増進を図る機関としての国民生活センターの趣旨に反するものではないという趣旨の御答弁もいただきましたので、民主党としてこの二法案には賛成するということを申し上げて、質問を終わります。

 トップに戻る