2007.5.25更新 

 

LETTER from OHATA  

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No.364  世界潮流と日本の進路を考える  (2007年5月7日)

 

 

鳩山研修会で寺島実郎氏講演!

    5月6日(日)、政権交代を実現させる会(鳩山由紀夫会長)主催の研修会が、長野県軽井沢のプリンスホテル内会議室で行われました。今回の研修会は、日本総合研究所理事長の寺島実郎氏をお迎えし、「世界潮流と日本の進路を考える」と題して講演を頂きました。現在の日本の未来を考えるために有益な内容でありましたので、その概要を報告いたします。


21世紀に入って6年間の世界の潮流

   20世紀の世界経済成長率は2%程度でありましたが、21世紀の世界経済年平均実質成長率は3.5%に達している。また、世界貿易の年平均実質伸び率は7%、世界株式市場の時価総額年平均の伸び率14%。特に中国を中心として、世界規模での経済成長により、各国とも経済発展とそれに伴う内在する不安が広がっている。特にグローバル化という名の金融肥大化は大きな懸念材料。


世界経済のこれからはアメリカと日本経済の推移

  実態として、21世紀に入ってから5年間で、世界のGDPは14.7%増、日本のGDPは7.5%増、中国のGDPの伸びは、57.7%となっている。これからどうなるか,最大の要素は、アメリカ経済と日本経済。


これからの世界経済の3要素(経済、環境、エネルギー)

  これから問われるのは、3つのE(ECONOMY,ENVIRONMENT,ENERGY)のバランスのとれた持続可能な成長であり、深刻化する環境とエネルギー問題です。

 2005年に発効した京都議定書については、高成長による環境負荷の増大に対処するため、地球環境を考えての対策。アメリカの批准と中国の批准が肝要。さらに、エネルギー価格の高騰の背景にエネルギー供給体制の構造そのものがある。特に、マネーゲーム化する世界経済の問題点は、現代資本主義の病理である。


2006年の教訓、改めて確認すべきこと

   米英軍が主力となりイラクを攻撃し占領した後、イラク国内を調査した結果、イラク戦争は「間違った戦争」、「不必要な戦争」であったことが明らかになった。したがって、アメリカのブッシュ大統領の対イラク政策は、アメリカにおける歴史的再評価が必要であり、同時にこれを支持した日本の小泉外交の検証が必要であるというのが国際的な共通認識となっている。同時に、日本は、21世紀の国際関係創造に向けての外交基本方針を改めて考えることが必要と指摘されている。

    また、マネーゲームに傾斜した資本主義は省察されなければならない。特に、日本では、ホリエモン、村上ファンド問題があぶりだした社会的課題があり、これからの日本の資本主義のあり方を改めて模索することが必要だ。


2007年への5つの視点

@ 世界は、「脱9.11」の局面に向かい始めている。

A 世界経済は史上空前の「高成長の同時化」の持続とその危うさの顕在化が目立つ。

B 日本産業は転換期に差し掛かっており、アジア依存の深化と産業構造の歪みが目立って来ており、経済構造の再構築が必要。

C 行過ぎたマネーゲームと資本主義のあり方を再考すべき局面に差し掛かっている。

D 日本の針路において、強靭な産業戦略に裏付けられたユーラシア戦略の展開が必要である。


イラク戦争で累積戦費7119億ドル(約78兆円)

 イラク戦争開始以来のアメリカ戦費は、累積7119億ドルとなっており、現在でも月60億ドル(月約6,600億円、年間7兆9,200億円)の消耗となっている。ベトナム戦争の戦費(現在の価格換算で約5,700億ドル)と比較してもベトナム戦争を上回る戦費となった。戦死者も3,600名を超えた。これからアメリカは対イラン政策をどうするのかに注目が集まり始めている。


これからの日本の外交戦略の視点

   日本の経済は、「よくなってきた」と言われ、2.1%の経済成長が予測され始めたが、これは、@大企業のリストラ要素 A中国・アジア依存要素などから構成されており、日本の地域経済を含めてのものではなく、本物の景気回復を確立するためには、内需主導型経済成長をめざした経済戦略が必要である。このような状況下で見えてきた日本の姿は、 @産業内二極分化(勝ち組と負け組みの乖離) A川上インフレ川下デフレ(素材型産業の復権)などである。

 さらに、資産家の没落(土地と株の低落)と低所得者層の急増(フリーター、ニート、失業者やワーキングプアなど年収200万円以下の所得者の急増)を背景とした中間所得者の虚偽意識(俺はだまされていると言う意識)の深化などが社会問題化している。

 このような状況下で必要な日本の外交戦略は、@産業力を生かした基盤強化と A「親米入亜」(米国をアジアから孤立させず中国を国際ルールへ参画させる)ことが要点である。


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