2008.3.14更新 

 

LETTER from OHATA  

  至誠一貫・報恩感謝

   

  既発行のLETTERへ 

No.408  道路予算の何が問題なのか?  (2008年3月10日)

 

 

与野党合意の「両院議長あっせんメモ」を踏みにじる与党の強行採決

   1月30日(水)の午前中、委員長職権で招集した財務金融委員会で、いわゆる「つなぎ法案」を強行採決し、与野党が激突した時に、両院議長は「両院議長あっせんメモ」を提示し、与野党が歩み寄りこれを認め、与党は、「つなぎ法案」を撤回する事を決意しました。
この時の両院議長あっせんメモの第一項目は下記のような内容でした。

    「@総予算および歳入法案の審査に当たっては、公聴会や参考人質疑を含む徹底した審議を行ったうえで、年度内に一定の結論を得るものとする。」

    しかし、2月29日の予算委員会や財務金融委員会などで与党が平成20年度予算関連法案を強行採決した事は、まさに、両院議長あっせん合意事項を、与党自身が踏みにじり破棄した事となります。

    すなわち、合意メモには、「公聴会や参考人質疑を含む徹底した審議を行ったうえで」とありましたが、少なくとも、財務金融委員会では、一度も公聴会を開く事も無く強行採決が行われました事は事実です。さらに、委員会で明らかになった道路建設予算について種々の問題が明らかになったにもかかわらず、対策を執らず強行採決が行われました。これまでの委員会での質疑において明らかになった主な問題点を改めて整理してみました。


問題@道路建設決定のシステムが不透明

    1987年(昭和62年)に決定された第4次全国総合開発の整備計画で14,000kmを決めたが、このうち、現在、すでに1,779Kmは自動車専用道路として完成。9,342Kmは99年までに計画済み。残り2,900Kmは具体的な整備計画が未定である。昨年の道路整備中期計画(08年〜17年度)で「採算性に問題がない」として今後20兆円かけて整備する方針が決まった。

    しかし、2,900Kmの内、1,050Kmは、高速道路として国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)で審議を経て建設することが決まりますが、残りの1,850Km(自動車専用道路(1,400Km)と高速道路に並行する国道(450Km))は、この国幹会議の審議を経ずに建設できる道路である事が新たに分かりました。


問題A最新の交通量減少データを使わず9年前の増加データで道路計画

   当初65兆円の道路予算であったものをどのようにして59兆円に減額したのかその査定内容を公表しなさいと指摘したが、財務相は当初提示出来ず。その後激しい委員会でのやり取りの中で、民主党などから強く資料を要求され、簡単な後付け的な内容の資料をやっと提出しただけで、59兆円の道路予算の積算根拠はほとんど示す事は出来ませんでした。

   また道路計画する際の重要な基礎データである予測交通量についても、今後減少するであろうとの最新の05年交通量調査結果があるにも関わらず、通行量が増加する見通しの99年に実施した調査データを使用していたことも判明した。


問題B「余った予算は一般財源化する」というが、積算して次年度に計上?

   今回の暫定税率10年間延長法案には、おかしな抜け穴が用意されていることも分かりました。委員会質問に答える形で、「今回は、単年度の道路予算を上回った道路特定財源の余剰分を一般財源として使えるようにする」と額賀財務大臣は答弁していますが、その年度に一般財源化した予算分は、次年度の道路特定予算に積み上げて繰り越すことができる仕組みとなっていることが判明。

    最終年度となる平成29年度の道路特定予算には、その間の10年分の一般財源化された予算分が上乗せされる訳であり、その累積分(道路整備に充てられる枠)の財源はどうするのかを問う委員の質問に、額賀財務大臣は、「受益と負担の関係から、一般財源化と納税者の理解という二つの要請に同時に応えるための規定」とはぐらかし答弁を繰り返すのみ。民主党など野党はとてもこれでは納得できないとして、繰り返し追及を続けましたが、そのままにして強行採決を行いました。国民に対する説明責任を果さない無責任な対応です。


民主党、「道路改革関連3法案」と「税関連法案」を参議院に提出

  2月29日(金)、民主党は、下記の道路改革関連3法案を提出しました。民主党の主張する改革案を法案化したものであり、この法律案は、参議院で審議される予定です。

1)

道路特定財源制度改革法案

 (揮発油等の税率の特例の廃止、道路特定財源諸税の一般財源化及び地方公共団体
の一般財源の確保のための関係法律の一部を改正するなどの法律案)
<主な内容>・道路特定財源に係る暫定税率(国税・地方税)を延長しない。

                   ・道路特定財源の一般財源化。
                   ・国直轄事業の地方負担金廃止

2)

所得税法など一部改正案(非日切れ法案)

(本年の税制改正の課題の中から年度内に成立しないことが国民生活の安定を即座に脅かす事項や事後的に遡及適用することが困難な事項を除いたもの。所得税法、法人税法、相続税法などの改正および研究開発税制、中小企業関係諸税など)

3)

租税特別措置法改正案(日切れ法案)

(今年度末に期限を迎える租税特別措置の内、年度内に成立しないことが国民生活の安定を即座に脅かす事項や事後的に遡及適用することが困難な事項のみを内容とするもの)

 トップに戻る