2008.3.18更新 

 

LETTER from OHATA  

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No.409  日銀総裁候補、武藤氏否決の理由  (2008年3月17日)

 

 

「なぜ、日銀総裁候補の武藤氏を否決したのか?」

   3月12日に開会された参議院本会議で、民主党など野党は、日銀総裁候補武藤俊彦氏に反対、副総裁候補の白川方明氏は賛成、同じく副総裁候補の伊藤隆敏氏には反対票を投じ、その結果、武藤氏、伊藤氏の人事は否決され、白川氏のみ承認されました。

  この件について、支持者の皆さんから、「一体どうなっているのか。現在のように経済状況が厳しい情勢下で、政局がらみで日銀総裁の人事に反対したのであれば問題だ。その背景と理由を明らかにしてほしい」という趣旨のご意見をお寄せ頂きましたので、今週は、日銀総裁人事に関してその経緯についてご報告いたします。


民主党のめざす日本銀行総裁人事について

    民主党においても今回の日銀総裁人事に関して、あるべき日銀総裁像について財政金融部門会議において議論しました。もちろん、これまでに、「ノーパンしゃぶしゃぶ問題」が発端となり、大蔵省が解体され、財務省と金融庁に分離された経緯からも、財務と金融を分離することは大切です。そのような観点から、日銀総裁は財務省出身者でないことが望ましいのですが、財務省出身者であるから画一的に不適格と判定する必要もありません。あくまでもその人物の資質が問われるべきです。そのような観点から、議論した結果、望ましい人物像についてはおおよそ次の通りとなりました。

@政治的圧力に屈することなく、日銀の独立性を守り、物価の安定という使命を果たすことができる力量があること。

A公平・公正・中立を旨とし、国民の疑惑や不信を招くような行為をせず、国民の信頼を得られる人物であること。

B内外の金融環境の変化を的確に把握できる見識を有しているか。また、的確な把握を可能とする人脈を内外に有していること。

C市場との対話がきちんと行えること。

D危機管理能力を十分に持ち合わせていること。

政府は日銀総裁候補として武藤氏を提示

  3月7日(金)に、政府は、以前から「現在の副総裁、武藤氏の総裁人事は好ましくない」という野党のメッセージを知りながら、「日銀総裁候補、武藤敏郎氏、副総裁候補、白川方明氏、同じく伊藤隆敏氏」の人事案を衆参両院に対して提示しました。

    これを受けて、民主党は、議会運営委員会で候補者の意見を聞く事を要求し、これを踏まえて、財政金融部門会議を開催し、民主党人事委員会に報告し、その結果を党の役員会に報告して、最終的に党としての態度を決定することに致しました。


議運理事会で日銀総裁候補武藤氏らから意見を聴取

  3月11日(火)、午前9時45分から議会運営委員会の部屋で、日銀総裁候補者からの意見聴取を初めて行いました。その中で、武藤氏は「日銀の独立性を、信念を持って確保する」、白川氏は「謙虚に世界情勢を分析し、的確に対処する」、伊藤氏は「インフレターゲッテング論は、持論として展開してきた」などとそれぞれ決意を述べた。その後、各党の委員からそれぞれ質疑が行われ、12時半に終了しました。


「武藤氏については問題が多い」

同じく15時半からは民主党財務金融部門会議を開催し、議会運営委員会で意見聴取した内容を報告し、出席した議員からいろいろなご意見を頂きました。

@これまでの超低利金利のおかげで、本来国民にわたるべき利子所得、合計304兆円が失われた。この財務部門の責任者が武藤氏であり、承認すべきではない。

A武藤氏は、財務省が発行する国債を、日銀は2002年から毎月1兆2千億円づつ購入し続けており、年間14兆4千億円の長期国債を買い切りした責任者でもあり、問題が多い。

B主計局長時代から財務省事務次官までの間に、通算285兆円の国債発行を行った責任者でもある。

C輸出すなわち外需主導の日本経済から内需と外需のバランスのとれた経済体質にすべきであったが、相変わらず輸出主導の日本経済の体質を変えられなかった。

D今回の日銀人事については、承認すべきである。なぜならば、現在の世界経済は厳しい状況になり、人事でもめている場合ではない。武藤氏も金融に関して見識を持つ一人ではないか。


民主党、武藤氏と伊藤氏の否決を決定

    16時半からの党人事検討小委員会に部門での意見を報告しました。その結果、武藤氏については、民主党の求める「市場との対話」、「日銀の独立性」、「国際金融市場に精通」などの視点に照らして不十分であり不同意、また、伊藤氏については「インフレターゲット論、長期国債買い入れ増額などを主導」などの理由で不同意、白石氏については、日銀出身者と学者であり、資質などを評価して同意することとしました。

    日銀総裁を空席にすることは問題であり、政府は早急に選考し直すとともに、与野党間でよく話し合い、解決する糸口を見出すよう努力することが必要と考えます。

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