《市民政策情報Q&A》 (No.2)

 

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    原子力廃棄物最終処分に関する法律案について。

  (4月3日記)

               今回は 通産省が提案中の法律案を紹介します。

特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案(仮称)

平成12年3月                      

                     

1.法律制定の目的 

  原子力発電所の運転及び使用済燃料の再処理により高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)が発生する。

  現在までの原子力発電所の運転により発生した使用済燃料の量からそれに相当するガラス固化体の本数を計算すると約12,600本(1998年9月末現在)に達する。

 このため、高レベル放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施するため、最終処分費用の拠出制度、最終処分を実施する主体の設立、拠出金の管理を行う法人の指定等の関係規定の整備を行う。

 なお、本法律は最終処分の実施に必要な枠組みを制度化するものとし、最終処分の安全規制については、別に法律で定めることとする。

2.法律案の概要

 (1)国の基本方針及び最終処分計画の明確化 

     高レベル放射性廃棄物の最終処分を進めるための基本的な方針、我が国の最終処分の全体計画を原子力委員会、原子力安全委員会の意見を聴いて、通商産業大臣が策定し、閣議決定。

 (2)拠出金の納付

原子力発電事業者は、通商産業大臣が決定した拠出金額を処分実施主体((4)参照)に拠出。拠出金に見合う高レベル放射性廃棄物の処分は処分実施主体が行う。

 ・処分費用はガラス固化体4万本分まではスケールメリットが働く。ガラス固化体4万本を処分した場合、約3兆円。(ちなみに、4万本は我が国の原子力発電開始時から2015年までの原子力発電量に対応するものと見込まれる。)

 ・原子力発電1kWh当たりの処分費用は約14銭程度(割引率約2%)

 (3)概要調査地区等の選定

  @以下の三段階の選定プロセスを定義し、選定の際の調査・評価事項を明確化。

  概要調査地区:ボーリング等により最終処分施設を設置しようとする地層の長期間にわたって安定しているかどうかを調査する地点

                                              ↓

  精密調査地区:地下に施設を設けることにより、当該地層の性質が最終処分施設の設置に適しているかどうかを調査する地点

                                              ↓

  最終処分施設建設地:地層の性質が最終処分施設の設置に適している地域であって、最終処分施設を建設しようとする地点 (安全規定は別途受ける。)

 

  A処分実施主体による処分地等の選定が行われた場合には、通商産業大臣が都道府県知事、市町村長の意見を聴いて、最終処分計画を改定。

 (4)処分実施主体

  @処分実施主体の位置づけ

   ・処分実施主体は、本法律に基づく認可法人(民間の発意により設立され、通商産業大臣が認可・監督)。

   ・国の出資はなく、数を限定しない。

  A名称

   ・「原子力発電環境整備機構」

  B不測の事態への対応

   ・処分実施主体が不測の事態により業務困難となった場合には、業務の引継ぎ等必要な措置について、別途法律に定めることとし、さらに、当該措置がとられるまでの間は、通商産業大臣が業務を引き受けるものとする。

  Cその他

   ・試験研究炉からの高レベル放射性廃棄物については、拠出金納付業務の対象とはしないが、本来業務に支障のない範囲で、処分実施主体が委託を受けて最終処分できることとする。

 (5)資金管理主体

  ・処分実施主体に納付された拠出金は、通商産業大臣が指定する公益法人である資金管理主体が管理(指定法人)。

  ・資金管理主体が、透明かつ健全な資金管理を行うよう、通商産業大臣が厳正に管理・監督。

  ・処分実施主体は、通商産業大臣の承認を受けて、資金管理主体から拠出金を取り戻すことができる。

 (6)その他

  最終処分施設の保護のために必要な措置。

  (通商産業大臣は、最終処分施設を保護する必要があると認めるときは、保護区域を指定し、地下掘削の制限、鉱業権の取消し等ができる。)

3.今通常国会に提出する必要性

 (1)高レベル放射性廃棄物の最終処分事業の実現は、原子力発電を進めていく上で残された最重要課題の一つであり、一刻も早い取組が不可欠。

   諸外国においては、既に処分実施主体の設置及び処分費用の確保制度の導入がなされており、我が国の取組は、諸外国に比べて10年ないし20年余り遅れている状態。

 (参考)

   ・原子力委員会決定「高レベル放射性廃棄物処分の推進について」  (平成10年6月2日)

  「2000年目途の事業化に向けて、実施主体、資金確保等に係る諸制度の整備を着実に進める。」

 (2)高レベル放射性廃棄物貯蔵を行っている青森県に対して、処分実施主体を2000年に設立することを既に約束。

    我が国が使用済燃料の再処理を委託しているイギリス、フランスから返還される高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の貯蔵施設を有する青森県は、処分実施主体の2000年設立に向けた取組強化を強く要請。

    特に、1995年4月と1998年3月の返還輸送の際に、高レベル放射性廃棄物対策に関する国の取組みが遅れていること等を理由に、青森県知事がむつ小川原港の使用許可を出すことに難色を示し、ガラス固化体の陸揚げが遅れる事態が生じている。

 

                           基本的スキーム図

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