民主党 衆議院議員 大畠章宏

国会質疑

衆議院:憲法審査会()

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件

大畠会長  これより会議を開きます。

 幹事辞任についてお諮りいたします。

 幹事赤松正雄君から、幹事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大畠会長  御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、幹事の補欠選任についてお諮りいたします。

 ただいまの幹事辞任及び委員の異動に伴い、現在幹事が二名欠員となっております。その補欠選任につきましては、去る七月六日の議院運営委員会における幹事の各会派割当基準の変更に基づいて選任することとし、先例により、会長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大畠会長  御異議なしと認めます。

 それでは、幹事に

     木村たけつか君    大口 善徳君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

大畠会長  日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、特に日本国憲法の各条章のうち、第四章の論点について調査を進めます。

 本日の議事について申し上げます。

 まず、衆議院法制局当局から説明を聴取し、その後、各委員からの意見表明等を含む自由討議を行うことといたします。

 それでは、衆議院法制局当局から説明を聴取いたします。衆議院法制局法制企画調整部長橘幸信君。

橘法制局参事  衆議院法制局の橘でございます。

 本日は、第四章国会の章につきまして、お手元配付の資料に基づき、その主要論点について御報告させていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

 申し上げるまでもなく、日本国憲法は、その政治システムとして、いわゆる議院内閣制を採用しております。この議院内閣制という政治システムの核心につきましては、学説上議論があるところですが、一般的には次のように説明されるのが通例でございます。

 すなわち、立法府と行政府が権力分立の要請に基づいて一応分離されていること、そしてその上で、行政府が立法府、特に両院制の場合には下院に対して政治責任を負い、その民主的なコントロールに服する関係にあること、このように理解されているところでございます。さらに、一般的には、この場合、立法府は行政府の長たる首相を選任し、かつその不信任を決議する権限を有するとともに、首相側は立法府の解散権という武器を持ち、相互にチェック・アンド・バランスを図るような制度設計がなされる例が多いとも言われております。

 このように、立法府と行政府のいわば分離と融合のもとにおける責任政治のシステムこそが議院内閣制の核心ということになるわけでございます。

 そういたしますと、このような政治システムを議論する際には、国会と内閣を関連させて一緒に議論することが必要となってまいります。衆議院の憲法調査会報告書におきまして、両者をあわせて政治部門という形で整理しているのも、このような理由からであると拝察いたします。

 以上のようなことを念頭に置いた上で、かつ、各章ごとの検証を行うという本審査会の趣旨を踏まえまして、本日先生方のお手元に配付いたしました資料に掲げました論点は、基本的に国会に特化した論点に限定してございます。

 今申し上げました議院内閣制というシステムに直結するような論点、例えば国会の行政監視機能や首相公選制などに関する論点につきましては、次回の第五章内閣の章において取り上げることといたしておりますので、何とぞ、この点、御了承、御容赦のほどお願い申し上げる次第でございます。

 さて、以上を踏まえつつ、前回までと同様に、国会の章に規定されております各条項に関しまして、お手元配付のA3縦長の論点表に基づきまして、その主要論点について御報告させていただきます。

 ここでは、幹事会での御指示を踏まえまして、大きく二つの分野に大別した上で、それぞれ幾つかの論点を抽出してございます。

 まず第一の分野は、第四章冒頭の国会の地位、立法権に関する第四十一条に関する論点、そして、本日最大の論点と言っても過言ではないと存じますが、第四十二条及びこれに続く一連の条文において定められております二院制に関する論点であります。

 第二の分野は、通年国会など国会における議事手続等に関する論点、及び、現行憲法には規定はございませんが、現代民主政治を論ずる上で避けては通れない政党と憲法に関する論点、そして、それ以外の条文に関する論点でございます。

 さて、まず最初は、第四十一条の国会の地位、立法権についてでございます。

 本条項は、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」という簡潔かつ格調高い条文であり、先生方の日々の立法活動の根幹に位置する条文でもございますが、この簡潔な条文をめぐっては、例えば国権の最高機関の法的あるいは政治的意味など、学説上も実に多くの議論がなされているところであります。

 衆議院憲法調査会等におきまして特に議論されてきた実務的な論点は、後段の唯一の立法機関という文言に関する、先生方の法律案提出権の制限に関する論点であるかと存じます。

 すなわち、国会の構成メンバーである国会議員の先生方が法律案提出権を有することは当然でありますが、現行法令上は、国会とは別の権力機関である内閣にも法律案提出権が認められております。

 その一方で、本来的な権限者である国会議員の先生方の法律案提出権につきましては、逆に、国会法などによりまして、所定の賛成者を要する旨の制限が課されております。

 さらに、衆議院におきましては、会派所属議員が法律案その他の議案の提出者、賛成者になろうとするときは、その所属会派の党議を経た旨の国対委員長などの所定の役員の承認印、いわゆる機関承認が必要との確立した先例もあるところでございます。

 このような現状に対しまして、Aの欄に掲げた明文改憲の御主張は、国会を真に唯一の立法機関とするためには、法律案提出権を国会議員に限定する明文の規定を置くべきであるとする御意見です。

 これに対して、現在のままの運用で何ら問題はないとするのがC1の御意見です。

 他方、Bは、議員立法の賛成者の員数要件、現在は、例えば衆議院であれば、予算を伴う法律案は五十人以上、予算を伴わない法律案は二十人以上の賛成者が必要とされておりますが、これを、国会法を改正して撤廃あるいは緩和すべきであるという御意見です。

 また、C2は、先ほどの機関承認の先例は廃止するべきであるとする御意見でございます。

 次に、二院制に関する論点について御報告いたします。

 まず第一の論点は、二院制、一院制の是非それ自体に関する御議論です。憲法改正をして一院制を導入すべきであるとするのがAの欄の御意見であり、現在の二院制を維持すべきとするのがCの欄の御意見です。

 次に、二院制を維持するとしても、現在のままの二院制で全く問題はないとする御意見は、これまでの御議論におきましてはほとんどございませんでした。二院制を維持するべきとする見解の多くは、同時に、両院の役割分担やその選挙制度について、二院制の趣旨がより生かされるようにするべくさまざまな改善策を唱えております。

 これを大きく二つに分類して整理したのが、論点表の、両院の役割分担等という両院の権限関係に着目した論点と、国会議員の選出方法という両院の組織原理に着目した論点のそれぞれの欄でございます。

 まず、両院の役割分担、権限関係に関する論点でありますが、ここでは、明文改憲を主張する御意見として、両院の性格の違いをより一層明らかにするため憲法改正をするべきであるとするAの欄の御意見がございます。

 具体的には、一つ、現在、五十九条二項によって、衆参の議決が異なった場合に衆議院が再議決するには三分の二以上の特別多数決が必要とされておりますが、これを過半数に引き下げるなどして、より衆議院の優越を強化するべきであるとする御意見。

 二つ、予算については、現行憲法六十条二項の規定によって、衆参の議決が一致しないときや三十日経過による自然成立など衆議院の強度の優越規定が定められておりますが、しかし、この予算を担保するための歳入法案、例えば特例公債発行法案などは、一般の法律と同じように三分の二以上の特別多数決による再議決が必要となっているのは整合性を欠くのではないかとして、このような歳入法案についても、予算と同様に衆議院の強度の優越が働くようにするべきとする御意見などがございます。

 他方、三つ目として、衆議院は予算審査中心、参議院は決算審査中心との役割分担を明確にする観点から、これを憲法に明記するべきであるとか、会計検査院を参議院の附置機関にするべき等といった御主張もございます。

 これらの明文改憲の御主張に対して、憲法の規定はそのままにして、立法措置でできる範囲内の改善策、例えば、国会同意人事に関する議決について衆議院の優越規定を定めることとしたり、また、両院協議会における協議手続について、国会法あるいは両院協議会規程などを改正して、より両院間の実質的な協議ができるようにするべきとの御意見もございます。これがB1やB2の御意見でございます。

 これらの御意見に対して、現行法令の枠内の運用改善で対処すれば足りるとするのがCの欄の御主張です。例えば、参議院の決算審査重視の運営などは現に行われているものであるとか、あるいは、参議院の問責決議などはより慎重で抑制的な運用をすればよいとの提言などがその具体例でございます。

 もう一つは、国会議員の選出方法、すなわち組織原理に着目した論点であります。

 まず、いわゆる一票の格差に関して明文改憲を行うべきとする御意見がございますが、これに関しては、方向性が異なる二つの見解が唱えられているように存じます。一つは、あくまでも厳格な人口比例に基づく平等を求めるA1の見解であり、これに対して、人口を基本としつつも、それ以外の要素をも勘案するべきであり、最近の最高裁判決や学説の多数に見られるように、人口比例原則に過度に拘泥するのは適切ではない、このことを憲法に明記すべきであるとするA2の見解でございます。

 以上の二つの見解は、衆参を特に区別した議論ではございませんが、A3の明文改憲の御主張は、両院の選出方法に違いを持たせ、二院制の機能をより明確にしようというものです。例えば、第一院たる衆議院について全国民代表や直接選挙の原則を維持するのは、これは当然の前提とした上で、第二院たる参議院の選挙制度については、地域代表制や職能代表制、さらには間接選挙制や推薦制などの導入も検討すべきとする御見解です。

 これに対して、Bの欄の御主張は、あくまでも現行憲法の枠内で両院の選挙制度に違いを持たせ、異なる代表機能を発揮させることを目指すべきであるとする御見解です。

 次は、二つ目の分野に関する諸論点でございます。

 まず最初は、国会の議事手続等に関する論点であります。

 この中には、まず、いわゆる通年国会に関する御議論がございます。

 現行憲法は、第五十二条におきまして、「国会の常会は、毎年一回これを召集する。」と定めるとともに、五十三条においては臨時会の規定を設けるなど、一般に会期制を前提としているものと理解されております。

 これに関して、憲法改正をして通年国会、例えば衆議院議員の総選挙から次の総選挙まで、これは一般に立法期とか議会期と言われるようなものでありますけれども、これを広い意味での一つの会期として、必要に応じて休会をすればいいとするのがAの欄の御意見です。

 これに対して、国会審議がスケジュール闘争になっているのは、会期制それ自体に問題があるのではなくて、国会法に定める会期不継続の原則にこそあるのであり、国会法を改正してこれを廃止すれば足りるとするのがBの欄の御意見です。

 もちろん、国会会期の長期化については、現行憲法、国会法の枠内でも十分に対処可能であり、長期の延長や臨時会の適宜の召集で対処すれば足りるとするCの欄の御意見もございます。

 議事手続に関する特徴的な見解の一つに、二番目の論点として、憲法五十六条一項に定める定足数に関する御議論がございます。

 現行憲法では、本会議を開会しその議事を進める際にも、そしてもちろん、最終的な採決、議決をする際にも、総議員の三分の一以上の出席がなければならないとする定足数を定めております。

 しかし、議決の際の定足数は必要だとしても、開会をして議事を進める段階での定足数は必ずしも必要ないのではないかとして、議事を開くことに関する定足規定は削除すべきであるとする御主張がございます。これがAの欄に掲げた見解です。

 次に、国政調査権に関する議論がございます。

 現行憲法六十二条に規定されております国政調査権の主体は、あくまでも議院、ハウスでございます。衆参両院の本会議において行使するものと定められているわけでございます。

 この本会議の有する権限を、現行の国会法、衆参両院の議院規則におきましては、常任委員会や特別委員会に授権して行使することができるものとしているわけでありますが、しかし、これよりもより小さな単位、例えば議員、メンバーの先生方個々人が国政調査権を行使できるようなものとはされておりません。本会議や委員会が国政調査の行使主体であるということは、その発動の可否の判断は多数決、要するに、衆議院でいえば与党会派の意向に委ねられるということになります。

 そこで、政府の行動を機動的、適切に監視するためには、少数会派による行政監視機能を充実させる必要があり、そのためには、まず憲法改正をして、より小さな単位の一定数以上の議員、あるいは、究極的には個々の議員にも国政調査権を付与するべきではないかとするのがAの欄の見解です。同じ趣旨のことを、現行憲法の枠内で、国会法規の改正等の立法措置でもって実現できることをまず行うべきであるとするのがBの欄の御見解です。

 なお、御参考までに付言いたしますならば、平成九年の国会法改正によって、衆議院についてだけではありますけれども、いわゆる予備的調査の制度が導入されております。これは、多数派が拒否権を発動しない限りという条件つきではございますが、四十人以上の先生方が連名で、調査局長あるいは法制局長に対して予備的調査の発動を命ずることができるとするもので、広い意味で、少数会派の国政調査権を保障する制度として評価されているものと承っております。

 議事手続に関する四番目の論点として、国務大臣の議院出席義務に関する御議論がございます。

 国会のような合議体におきましては、その会議体で発言できるのは、基本的には合議体の構成メンバーである先生方自身でございます。これが大原則であります。これに対して憲法は、六十三条におきまして、内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかわらず、いつでも議案について発言するために議院の会議に出席することができるとした上で、逆に、国会サイドから答弁、説明のために出席を求められたときは、出席しなければならないと定めているわけでございます。

 しかし、この国会出席の権利及び義務のうち、出席義務については、この規定のために、国会会期中における国務大臣の外交等のための海外出張が必要以上に制約されているとして、これを緩和するべきであるとする御主張がございます。

 例えば、職務の遂行上特に必要がある場合にはこの限りでないとして、出席義務が免除される場合を憲法上明記すべきではないかとする御主張が、Aの欄の明文改憲の御主張でございます。

 これに対して、そのようなことは、国権の最高機関である国会の役割、権威を低めるものであり、また、そもそも議院内閣制のもとでは、閣僚の国会出席義務こそが行政監視機能の重要な要素であって、出席義務の緩和などは認めるべきではないとするC1のような御見解もございます。他方、真に必要な海外出張についてはこれを認めるべきであるが、それは運用で対処すれば足りるのであって、憲法改正までするような話ではないとするC2のような見解もございます。

 最後に、政党に関する条項を憲法に設けるべきかどうかという御議論について御紹介申し上げます。

 現代国家においては、外交や防衛、治安維持などにとどまらず、社会保障の分野など行政活動の役割が飛躍的に増大した、いわゆる行政国家の現象が顕著になってきております。

 そのような中において、国民と議会を媒介する組織として、かつ複数政党の存在を前提とした、政府・与党対野党という意味での実質的な権力分立の観点からも、政党の存在はますます重要になってきていると言われております。まさしく、政党なしには現代民主政治は機能し得ないと言っても過言ではないわけでございます。

 このような政党と憲法を初めとする法令の関係を歴史的に見れば、先生方には釈迦に説法かとは存じますが、例えばトリーペルの四段階説などによる説明では、まず最初は、政党というものに対して国家は敵視する態度をとる。その後、これを無視するという第二期の時代を経て、第三期に入ると、参政権の拡大や代議制の発達、それに続く議院内閣制の確立などに伴って政党の重要性が増し、その存在を法的に承認する段階に入る。例えば、政治資金規正法や政党法人格付与法、政党助成法や公職選挙法など、個別の法律を持つ我が国の現在の制度はこの段階にあるというふうに言われるところです。

 そして、その次の第四段階として、ドイツの基本法のように、政党を公的存在として憲法制度の中に編入する国もあらわれてくるようになるということでございます。

 このような理解を背景にしつつ、我が国でも、政党の公的性格に鑑みて、憲法に位置づけて、その政治活動の自由とともに、政党内部の必要な規律についても定めるべきではないかとするのがAの欄の見解です。

 これに対して、先ほど申し上げた政党助成法等の法律とともに、現行憲法下において、必要とあらば政党法を制定すれば足りるとするのがBの欄の御見解です。

 これらに対して、そのような主張は、公権力による政党の内部秩序に対する介入をもたらす危険性があるとして、あくまでも政党は、自由な私的結社として位置づけておくことこそが望ましいとするCの欄の御見解もございます。

 その他、第四章には、国会議員の三大特権と言われます歳費を受ける権利、不逮捕特権、免責特権などに関する規定や、一般に独立を保障されている司法権に対する重大なコントロール権能としての弾劾裁判所の設置など重要な条文もありますが、ここでは詳細な論点紹介は省略させていただきます。

 以上、本日は、第四章国会に関する主要論点につきまして御報告させていただきました。

 雑駁で疎密のある御報告であったとは存じますが、以上でございます。ありがとうございました。

大畠会長  以上で衆議院法制局当局からの説明聴取は終わりました。

    ―――――――――――――

大畠会長  これより各委員からの意見表明等を含む自由討議に入ります。

 この自由討議につきましては、幹事会の協議に基づき、まず、各会派を代表する委員が順次発言を行い、その後、各委員が自由に発言を行うことといたします。

 それでは、まず、各会派を代表する委員の発言に入ります。

 発言時間は七分以内とし、その経過につきましては、終了時間一分前にブザーを、また終了時にもブザーを鳴らしてお知らせいたします。御協力をよろしくお願いいたします。

 発言は自席から着席のままで結構でございます。

 発言の申し出がありますので、順次これを許します。鷲尾英一郎君。

鷲尾委員  民主党の鷲尾でございます。

 本日の論点である国会に関しまして、我が党で議論されている基本的な考え方を御紹介するとともに、我が国の議会政治について、現在指摘されている問題点も踏まえ発言させていただきます。

 まず、今回は、統治機構を取り上げる初回でございますので、我が党の憲法提言における統治機構全般の中での国会の位置づけについて紹介いたします。

 憲法提言においては、統治機構全般についての考え方として、首相主導の政府運営の確立と、国民の負託を受けた国会の行政監視機能の拡充強化を基本的な方向性として掲げております。国会については特に、首相主導で運営される政府を監視する機関としての役割を強調いたしております。

 これを受けまして、提言の中で、国会の政府、行政監視機能を大幅に拡充する必要があるといたしておりますが、国会の行政監視機能の充実につきましては、内閣の章と密接に関係するものでありますので、その際に詳しく述べることとなろうかと思います。

 国会の行政監視機能強化が二〇〇五年当時における我が党の問題意識の中心を占めていたということは、当時の状況に照らせばもっともなことと考えております。我が党の憲法提言は、今のところ最新の取りまとめが二〇〇五年であります。その後、政権交代などの状況の変化を受けまして、国会に関する憲法論議として、重点的に取り上げるべき点も変わってきていると思っております。

 周知のとおり、我が国の議会政治は、ねじれ国会という状況を克服できず、物事が決まりにくい状況が常態化いたしております。震災復興、原発事故対応、景気回復、財政再建その他、内外の諸課題が山積している中で、国会が機能不全に陥りがちなのは国民にとっても不幸なことであります。

 衆参ねじれのゆえに物事が決まりにくい状況、さらには、国のリーダーである総理が一年ごとに交代してしまう状況が憲法上どのような問題に起因しているのか、当審査会で検証を進めるべきだと考えております。

 以上のような問題意識からすれば、一院制の是非を踏まえた二院制のあり方こそが中心的な課題になると思われますが、我が党では、この点、二院制を維持しつつ、両院の役割分担を明確にするという基本的立場に立っております。

 すなわち、二院制を維持しつつ、その役割を明確にし、議会の活性化につなげる。例えば、予算は衆議院、決算と行政監視は参議院といった役割分担を明確にするとともに、各院の選挙制度についても再検討するとし、さらには、特に参議院について、決算、行政監視の充実など、専門的、総合的な機能を兼ね備えた参議院制度の確立を目指すなどの見直しが必要である。

 ただし、この二院制の見直しに際しては、分権改革との関連や二大政党システムの確立とあわせて検討されるべきであるとして、特に決算審議や行政監視における参議院の重要性に触れております。

 ただし、最近の状況の中で、我が党内でも一院制の議論が活発化しております。機関承認はないものの、超党派議連による一院制実現のための憲法改正案に賛成をする議員も多くおります。

 次に、国会議員の選出方法、すなわち選挙制度についてですが、政治家や政党の利害関係に左右されないよう、その基本的枠組みについて憲法上に規定を設けるといたしております。

 選挙制度は、憲法の根本規範を構成する国民主権の根幹であることに鑑みて、その時々の状況に左右されやすい立法政策に委ねるのではなく、憲法上方向性を明らかにすべきものと位置づけているところであります。このような憲法の規定を踏まえた上で、迅速に決断する政治状況をつくり出しやすい選挙制度という国民からの要請、ニーズも踏まえて検討すべきです。

 また、国会による行政監視機能の強化の具体策として、国政調査権の活用に触れる。国政調査権を少数でも行使可能なものにし、議会政治によるチェック機能を強化するとしております。

 最後に、政党についてでありますが、議会制民主主義を支える重要な役割に鑑み、憲法上に位置づけるということを踏まえながら、必要な法整備を図るとしております。

 特に、政党のあり方に関しては、政権交代後の我が党の与党としての経験から、政府と与党の関係をどのように考えるべきか、政権与党としての意思決定の仕組みはどのようにあるべきかという点を中心的な課題として意識しております。

 特に、政党については、憲法二十一条による結社の自由との関係、並びに自主性、自律性を強調する考え方もあり、もちろんそれは重要な観点とは思いますが、政党の意思決定が政権与党の意思決定として将来にわたる日本のあり方を左右することを考えますと、政党、特に与党の意思決定のあり方について、憲法論の観点からも重要な課題として検討されるべきと思います。

 以上、二〇〇五年の民主党の憲法提言の内容に加え、その後の状況の変化をも踏まえて、現時点での我が党の動き、考え方を表明させていただきました。

 以上とさせていただきます。

大畠会長  次に、柴山昌彦君。

柴山委員  自由民主党の柴山昌彦です。

 日本国憲法第四章国会について、自由民主党を代表して見解を述べさせていただきます。

 国会機能の充実については、中身もそうですけれども、憲法事項かどうかという議論も非常に大切だと思っております。私たちも、今お話があった国会の行政監視機能の充実に思いをいたしておりますけれども、例えば、福島原発の事故調の設置、あるいは行政仕分けについても、しっかりと国会で行うべきという提言をさせていただいております。

 さて、現在、国会のあり方に関して最も根本的でかつ活発な議論が行われている問題として、一院制、二院制についての議論があります。

 自民党の憲法改正草案の作成過程でも、一院制を採用すべきか否かは、憲法全体を通じて最も大きな議論のあったテーマでした。党内の議論では、ねじれ国会の状況に対する決められない政治などの批判を背景として、一院制を採用すべきとの意見も多く出されました。

 しかしながら、一院制の導入の具体化には、選挙制度を含めた詳細な制度設計を踏まえた議論が必要なんですけれども、今回の草案全体の位置づけや時間的制約により、そこまでの議論を行うことは困難でしたし、また、諸外国に見られる二院制の持つ慎重審議の効用を重く見るべきとの意見も、やはり強く主張されました。

 そこで、あくまでも、今回の草案では二院制を維持することとしており、論点表ではCになります。今後、二院制のあり方についてのさまざまな課題を検討する中で、一院制についても検討することとしております。

 続きまして、両院の役割分担についても、一院制に関する検討と絡めて議論があり、また、法律案の再議決要件の引き下げについても議論がありました。

 ねじれ国会のもとで法案審議が停滞しているとの認識を背景に、国政の停滞を避けるため、三分の二の再可決要件を過半数に引き下げるべきという意見も多くありましたが、一方で、それは参議院の存在を否定するものだという意見も強く出されました。

 結局、今回の草案では、一院制導入について現状を変更しなかったのと同様の理由から、再議決要件についても現状を維持することとし、論点表のCの立場をとりましたけれども、今後、二院制についての検討を進めていく上では、一院制についての議論と並んで、この再議決要件のあり方も重要なテーマであると考えます。

 次に、国会議員の選出方法、特に一票の格差についてです。

 一票の格差の是正を含めた選挙制度の改正については、最高裁判所の判決等を受けて議論が現に行われておりますけれども、そもそも、日本国憲法四十七条では、選挙区その他両議院の議員の選挙に関する事項は法律で定めるとされ、基本的に立法府の裁量に委ねられております。

 一票の格差は、投票価値の平等という民主政治の根幹にかかわる問題であり、その是正は喫緊の課題ではありますが、選挙制度は、人口をまず基本としつつも、行政区画、地勢など、その他の要素も総合的に勘案して定められるものであります。

 自民党の改正草案では、この点を明らかにする規定を、現行法制の規定を参考にしつつ四十七条後段として加えております。論点表ではAの2になります。

 次に、議事手続等についてです。

 自民党の草案では、通常国会の会期を法律で定めると規定し、また、いずれかの議院の四分の一以上から臨時国会の開会要求があった場合の召集期日を、要求から二十日以内と明確に定めました。

 会期制については、先ほど御紹介があったようにさまざまな意見がありますけれども、まず、これらの規定の運用により、国会の活動期間の確保のため一定の対応がとれるようになります。

 その他、自民党の草案では、両議院の本会議の定足数について、議事の定足数を削除し、議決だけの要件としています。論点表ではAになります。

 また、国務大臣の国会出席義務について、重要な外交日程があるにもかかわらず国会に拘束され、その結果国益が損なわれてしまうようなことがないようにするため、「職務の遂行上特に必要がある場合は、この限りでない。」として、出席義務を緩和し、論点表のAとしております。

 最後に、政党についてです。

 現代政治において、民意を媒介する機関としての政党のウエートは確実に大きくなってきており、議会制民主主義にとって不可欠な存在となっております。いろいろ議論はありますけれども、このような政党の重要性に鑑み、自民党の草案では、政党について新たに憲法上規定を置いております。これとあわせて、結社の自由との関係をも踏まえ、「政党の政治活動の自由は、保障する。」との規定も置いております。論点表ではAになります。

 憲法に政党についてこのような規定を置くことにより、政党法を制定し、政治活動の自由の保障と同時に、党内民主主義の確立などの内部規律を定めていくための根拠になると考えております。

 以上、自由民主党代表としての意見表明とさせていただきます。

大畠会長  次に、木村たけつか君。

木村(た)委員  国民の生活が第一・きづなの木村たけつかでございます。

 大畠会長、そしてまた幹事の先生方の御配慮に心から感謝を申し上げます。

 日本国憲法第四章国会について意見表明をさせていただきます。配付された論点表に従い、まず国会の地位や立法権について意見を申し上げます。

 立法機関である国会の役割として、議員立法の活性化はもちろん重要でありますが、同時に、議院内閣制をとる我が国におきましては、内閣提出法案をいかに実質的に審議し、修正していくかが、国会に課せられた本質的な課題だと考えております。

 したがって、法案提出を国会議員に限定するより、内閣提出法案を含めた法案について、国会で審議を尽くすための仕組みを構築する必要があると認識をいたしております。

 また、議員間の闊達な議論により審議を活性化するため、党議拘束のあり方も見直すべきであると思っております。国民の生活が第一の規約におきましては、「党員たる国会議員の国会における各種採決においては「自立と共生」の基本理念にもとづく各自の信義にその判断を委ねるものであり、党議拘束はこれをかけない。」としております。国民代表たる国会議員の立法活動を過度に制約するものではないという観点からであります。

 以上の観点から、この論点については、論点表のC1及びC2の見解に立っております。

 次に、一院制、二院制の論点についてであります。

 国民の生活が第一では、二院制を前提として、論点表のCの立場で議論しており、その基本的な立場は、衆参ともに国民代表であるという現行憲法の基本は維持するべきだと考えております。しかしながら、衆参それぞれについて、国民代表ということの具体的意味や解釈は異なると考えており、これを踏まえて、衆参の機能分担を明確化するべきであると考えております。

 例えば、参議院は、法案等について衆議院の議決を否決せずに修正する、再考を求める等の議決を行い、衆議院の判断に慎重さを求めるという慣行の形成、あわせて、決算行政監視機能、中長期課題に対する提言等、参議院に求められる重要な機能の強化を図るべきだと考えております。問責決議につきましては、閣僚の辞任等の効果に結びつけるべきではなく、職務行為の適正化に向けた再考を促すといった象徴的意味合いを持つという運用を慣行化するべきであると考えております。

 両院協議会については、成案を得やすい仕組みとするべきであると考えております。例えば、委員構成を各会派の議員数に応じた比例配分とし、現状の衆参各十名を二十名とすることや、成案決定に三分の二以上を要するものを見直し、過半数とすることが考えられます。

 以上の改革については、立法措置が必要なものと運用の改善によるものがあるため、論点表ではB1、B2またはCの立場になります。

 そして、国会議員の選出方法については、国民代表ということの解釈が衆参それぞれで異なることを踏まえると、特に参議院について、衆議院と異なる方法を検討するべきであると考えております。例えば、都道府県代表など地方代表としての選挙方法を基本としつつ、全国比例など職能代表要素を加味した選挙方法や間接選挙などが考えられます。

 憲法改正を行ってこれを実現するA3の立場が理想でありますが、現実的な観点からは、立法措置により実現することもあり得ると考えており、論点表におけるBの立場をとっております。

 次に、議事手続に関する論点のうち、通年国会については、これを採用するべきだと考えております。

 本来は、憲法改正を行って、議員の任期を通じて一つの議会期とするのが最善であり、その意味では論点表のAの立場でありますが、現行憲法の枠内でも、会期を長期化することで実質的に通年国会を実現できると考えており、その意味ではBまたはCの立場であります。

 定足数については、採決時以外の定足数要件について、本会議、委員会ともに緩和し、定例日にとどまらず開催の多頻度化を図るべきであります。本会議の定足数については憲法改正が必要であるため、論点表のAの立場であります。

 国政調査権につきましては、国会の行政監視に果たす野党の役割の重要性を踏まえますと、少数会派にも行使しやすくする措置が必要であると考えております。現行の予備的調査の制度のように多数派による拒否権がないことを前提条件とするべきであり、論点表でいえば条件つきのBの立場をとっております。

 そして、閣僚の議院出席の義務については論点表のAの立場をとっており、重要な外交日程がある閣僚が国会に拘束されて国益が損なわれないよう、憲法改正によりこれを緩和するべきであると考えております。

 政党につきましては、政権交代により、多様な政党が内閣を形成し国政を担う時代となっているため、党の運営に対する有権者の信頼を高め、公党にふさわしい運営を行うことが必要であります。

 具体的には、党首を含む党内の機関について、その役割と権限の所在を明確にし、その選定方法についてルールを明確にするべきであります。とりわけ、党内の意思決定手続については、曖昧なルールがいたずらな混乱を招くことを踏まえますと、これを明確にすることは、公党として有権者の信頼を得ていくための最低条件と考えております。

 これらの点を確実にするためには政党法の制定が必要であり、論点表におけるBの立場をとっております。

 以上、国民の生活が第一・きづなを代表しまして、国会についての意見陳述とさせていただきます。

大畠会長  次に、大口善徳君。

大口委員  大口です。

 国会に関する論点について、公明党を代表して意見を申し上げます。

 最初に、二院制のあり方やこれと関連する両院の選挙制度、役割分担について、次に、国会の議事手続等について述べたいと思います。

 最初に、二院制について申し上げます。

 昨今、一院制、二院制に関する議論が盛んですが、公明党は、現行憲法で二院制を採用している趣旨、すなわち、議会行動を慎重にして抑制と均衡の機能を果たす、二、先議院の審議を補完し再考を促すという観点は依然重要であり、その意味で二院制を堅持すべきと考えております。

 次に、そのような二院制のもとで、両議院の組織、構成、選挙制度のあり方をどのように考えるかについてですが、今述べた二院制の趣旨を踏まえると、衆参で任期、定数、選出方法、選挙制度を異ならせて、なるべく類似性を排除した形にすべきであるというのが基本的立場です。

 その中でも、特に衆議院の選挙制度については、国民の代表機関としての地位をより重く受けとめ、民意の集約のみならず、多様な民意を国政に反映していくことが重要です。

 また、最高裁は、昨年三月、一票の格差が最大二・三倍となった場合、二〇〇九年の衆議院選挙につき、衆議院の一人別枠方式は違憲状態との判断を下しました。一票の格差については、民主政治の根幹部分ともいうべき投票価値の平等にかかわるものであり、早急に是正を図るべきです。

 このような観点から、現行の衆議院の選挙制度について申し上げれば、半分に満たない得票率で四分の三の議席を占めてしまい、政党の得票率と議席率との差は開きやすく、民意の反映が不十分という指摘があります。

 これを踏まえて、比例代表制については、小選挙区制による民意の過度の集約を是正するという当初の機能をより発揮させるため、一定の定数を配分するとともに、比例代表制と小選挙区制の二つの制度につながりを持たせ、一つの制度とするようその仕組みを工夫することが必要であり、そのことによって定数も削減し、同時に、一票の格差の是正を図ることが重要であると考えます。

 次に、両院の役割分担のあり方については、衆議院は予算審査、参議院は決算審査に重点を置くなどの考え方があります。このような考え方のもとで、現状でも、参議院を中心とする決算審査充実のための取り組みや、衆議院決算行政監視委員会による国会版事業仕分けなどの試みが行われています。

 また、法律案の、三分の二以上という再議決要件が厳し過ぎるので、まず、再議決権の一定期間の行使を制限するという措置を講じて、その乱発に一定の歯どめをかけながらも、国政の過度の渋滞を防止するため、衆議院の再議決は過半数で足りることとするという意見もございます。二院制における参議院の役割を念頭に置きながら、慎重に検討すべきと考えます。

 このほか、予算が成立しても、公債特例法案など歳入法案が成立しない状況を踏まえて、一般の法律案とは別に、歳入法案に限って予算と同じような衆議院の優越規定を設けるべきとする主張もございますが、これも明文改憲を要する事項であり、審議のあり方の改善の対処でできないかを含めて幅広く議論すべきと考えております。

 以上のような両院の役割分担に関する考えの背景には、昨今のねじれ国会をどう見るかという問題がありますので、この点について意見を申し上げます。

 ねじれ国会については、国会の審議の渋滞、決められない政治といった問題が指摘されているのは確かですが、しかしながら、それは民意のあらわれであり、時の政権は、きちんと誠実に参議院との対話に努め、円滑な政権運営を行う責任があります。

 昨今の東日本大震災以降の法案審議状況を見ると、内閣提出法案がそのまま通過することは著しく少なくなり、多くの重要法案について与野党協議が行われ、その合意を踏まえた形で、大幅な法案修正がなされた上で成立する例が非常に多くなってまいりました。また、多くの議員立法が成立しました。

 我々は、このような国会審議の実質化、活性化を通して、多様な民意を踏まえてしっかりと議論し、国民のための合意形成を優先させていくという国会本来の機能を発揮させ、決める政治を実現していくことが重要であると痛感しております。

 次に、議事手続に関する論点としては、まず通年国会について述べたいと思います。

 通年国会を採用すべきという意見は、地方議会でも通年化に向けた動きがありますし、今回の地方自治法改正法律案では、条例により通年の会期とすることができる、こういう条項も盛り込まれているわけです。国会でも真摯に受けとめていくべきと考えます。

 もっとも、明文改憲の措置を講ずるまでもなく、必要な会期設定や会期延長、適宜の臨時国会の開会の措置を講ずれば、運用は立法措置により実質的に対処可能と考えています。

 次に、閣僚の国会への出席義務について、閣僚が国会に拘束されて、国際会議への出席が妨げられるという指摘もあります。

 与野党の良識のもとで、重要な国際会議への出席を認めることなど、必要に応じて運用の改善を図ればよく、憲法改正までは必要ないと考えます。

 最後に、政党に関する論点について申し上げます。

 政党は、公的存在であると同時に、憲法二十一条に定める結社の自由に基づく任意結社であるという性質を持ち、その結成の自由、内部規律の自由等が保障されています。加えて、政党助成法や政党法人格付与法などにおいて、現在でも、必要な規律を行う政令を整備されているところであります。

 このような現状を踏まえると、明文改憲をしてまで、政党をあえて憲法に明記するまでの必要は感じられないというのが、現時点での考えでございます。

 以上、国会の章に関する公明党の見解を、若干の私見を交えつつ申し上げました。冒頭の意見表明とさせていただきます。

 以上です。

大畠会長  次に、笠井亮君。

笠井委員  日本共産党の笠井亮です。

 日本国憲法第四章国会は、国民主権原理のもとで代表民主制を採用し、議会制民主主義を実現するために、国会の地位と組織、権能を明らかにした極めて重要な条章であります。これは、明治憲法下で、天皇が統治権を総攬する体制のもとで国民を侵略戦争に駆り立てていったという歴史への反省と、近代立憲主義の原則を取り込んだものにほかなりません。

 この第四章の規定に照らして、現実の国会がどうなっているのか、その検証こそ必要なのであります。

 まず、国会の権能にかかわって、立法機能、政府行政監視機能、国政調査権、国民の請願審査などという国会が果たすべき役割、任務があると考えます。それらが実際に発揮されているのかどうかという問題です。

 第一に、立法機能で重要なことは、閣法、議員立法にかかわらず、徹底審議が尽くされなければならないということです。徹底審議とは、必要な質疑が行われ、その内容が国民に知らされ、国民の声をフィードバックさせながら審議を深め、合意を形成していくことです。

 ところが、昨今の消費税増税と社会保障一体改革なる法案は、国民の五割、六割が反対しているのに、徹底審議が尽くされないまま衆議院での採決が強行されました。しかも、そのやり方は、三党が密室で協議し合意したことを国会に押しつけるというものでした。

 それまで重ねてきた審議や中央、地方公聴会での意見も無視した消費税増税法案の修正だけでなく、全くの新法を含む二つの法案も突如提出され、三党が合意したからと、内容が国会と国民に十分に知らされないまま、わずかな審議で衆議院を通過させ、参議院で強行されようとしているのであります。これは、国会の立法機能を否定するものと言わなければなりません。

 第二に、今こそ、政府行政監視機能を十分に発揮しなければならないということです。

 このことは、今大きな焦点である原子力をめぐる問題に端的にあらわれています。今回の東京電力福島第一原発事故を踏まえて、国会のもとに、憲政史上初めて、政府からも事業者からも独立した調査委員会が、衆参両院において全会一致で議決され、設置されました。

 この国会事故調が提出した調査報告書は、規制する立場とされる立場が逆転関係となることによる原子力安全についての監視、監督機能の崩壊が起きていたと指摘し、七つの提言の冒頭に、規制当局に対する国会の監視を挙げています。その中で、国民の健康と安全を守るために、規制当局を監視する目的で、国会に原子力に係る問題に関する常設の委員会を設置することも提言しています。これらも正面から受けとめ、検討すべきです。

 第三に、国政調査権でいうと、ことし発効六十年を迎えた日米安保条約にかかわる問題にこそ行使される必要があります。

 三年前の政権交代後、日米核密約の一端が明らかになりました。しかし、日米安保条約のもとでの全ての密約、取り決めを明らかにすることにはいまだに至っていません。

 今日、オスプレー配備が問題になり、その低空飛行訓練ルートが公式に明らかになりました。しかし、日米地位協定に基づく区域でもない軍事訓練ルートをなぜ米軍が勝手に設定できるのか、日米間の航空取り決めを含めて、その全容を解明する必要があります。そうしたところに、今こそ国会の国政調査権が発揮されるべきだと考えます。

 国会権能の発揮という点から見て、国会改革や審議活性化の名のもとに何をやったのかも問われます。党首討論の導入と引きかえに総理大臣の法案審議出席を限定したり、官僚や内閣法制局長官の国会答弁を禁止しようとしましたが、いずれも、今日、破綻は明瞭ではないでしょうか。

 次に、国会の権能と選挙制度について述べます。

 国会の権能が十分に発揮されるためには、国会が民意を正確、公正に反映した議員で構成されることが不可欠であります。決められない政治などといいますが、それは、衆参がねじれているからでも参議院が強過ぎるからでもありません。決めるのは主権者国民であり、その意思、民意に背く政治を進めようとするから決められないのであります。

 民意に背く政治がなぜまかり通るのか。それは、民意をゆがめる小選挙区制によって、国会と内閣が虚構の多数で形成されているからにほかなりません。小選挙区制の生みの親とされる政治家からも、政党の堕落、政治の劣化が制度によって起きたと指摘されるほどです。

 憲法十五条三項で成年者による普通選挙、四十四条で選挙権の平等を、四十三条で、選挙された議員は全国民の代表と明記しています。これらの規定を踏まえ、多様な民意が正確、公正に議席に反映し得る選挙制度を組み立てることこそ必要です。

 最後に、政党の堕落、政治の劣化をめぐってもう一つ指摘しなければならないのは、政党助成金制度です。

 政党の活動資金は政党の自助努力で賄うのが基本であり、過度に国家に依存することのないようにするといいながら、資金の八割を政党助成金で賄う政党があるなど、この制度が税金に過度に依存した国営政党を生み出しているのであります。党財政づくりにみずから汗を流してこそ庶民の痛みがわかると確信いたします。

 政党助成金はきっぱり廃止へと踏み切るべきことを問題提起して、意見表明を終わります。

大畠会長  次に、照屋寛徳君。

照屋委員  社会民主党の照屋寛徳です。

 きょうから席順が変わり、与党席に寄った感がして座り心地がしっくりしませんが、私や社民党の改憲反対の姿勢は変わりません。

 本日のテーマである憲法第四章の明文改憲の要否等について意見を申し上げます。

 最初に、明文改憲の上、二院制を廃止し一院制を採用すべきとの主張がありますが、社民党は二院制廃止には明確に反対です。そのための明文改憲も認めません。現行憲法のもとでの二院制は堅持すべきであります。したがって、去る四月二十七日、衆議院に提出された議員立法、日本国憲法改正原案の趣旨にも反対であります。

 昨今、国会の意思決定の迅速化、効率化、議員定数削減等を理由に、参議院不要論、二院制の見直しなどが叫ばれておりますが、賛成できません。それらは二院制廃止の理由にはならないと考えるからであります。

 社民党は、参議院は、議院内閣制の弱点を補完して衆議院及び内閣に対するチェック・アンド・バランスを発揮するとともに、異なる制度、異なる時期による選挙によって、国民の多元的な意思をよりよく国会に反映することから、議会の任務である行政への抑止の役割をより重く担っている存在であると考えます。

 その意味で、日本の参議院は、連邦国家における二院制や貴族院型の二院制とは異なり、民主主義を強化する二院制の先駆的制度であり、良識の府にふさわしい参議院の機能の発揮こそが必要であるとの立場です。

 むしろ、政権政党が法的拘束力を理由に参議院における問責決議を無視、軽視するのは参議院の意思を否定するものであり、国民の民意を無視し、憲法理念と民主主義に反するものであります。衆参ねじれ国会の現象をもってそれらを正当化することは間違いです。

 次に、明文改憲の二に、憲法に政党条項を設けるべし、あるいは、政党法などの立法措置によって政党要件やその義務を明定すべしとの意見がありますが、社民党はそのいずれにも反対であります。明文改憲や個別法制定による政党規制の導入は、憲法二十一条に保障された結社の自由を侵害するものです。

 社民党は、日本国憲法が、結社の自由をうたうのみで政党それ自身を規定しないのは、戦前の無産政党への弾圧や翼賛政党化が戦争遂行を食いとめられなかったことへの反省を踏まえてのことであると考えます。憲法の理念に立脚するならば、結社の自由によって日本の民主主義を豊富化させ、戦争に道を開く体制づくりに歯どめをかけることが求められているのです。

 最後に、会期不継続の原則の廃止、通年国会の採用、国務大臣の国会への出席義務の緩和のための明文改憲にも反対であることを申し上げます。

 特に、憲法第六十三条に定める国務大臣の国会への出席義務は議院内閣制のもとでは当然のことであり、国民主権の原理、議会制民主主義の精神とも合致するものであります。国務大臣の出席義務の緩和は、国権の最高機関としての国会を無視し、内閣の賛同機関、追認機関に変えようとするものであります。

 同様の趣旨で、憲法第六十三条にただし書きを挿入し、国務大臣の国会への出席義務に関し、職務の遂行上特に必要がある場合はその限りでないとの明文改憲をすることは、国務大臣の国会出席義務を実質的に免除するものであり、反対であります。

 以上で私の意見表明を終わります。

大畠会長  次に、柿澤未途君。

柿澤委員  みんなの党の柿澤未途でございます。

 みんなの党は、三年前の衆議院選挙における公約において、将来的に憲法を改正し、衆参統合による定数三百の一院制国会を実現する、こういう方向性を既に打ち出しております。

 予算や条約を除き、ほぼ対等の権限を持つ衆参両院が並立し、衆参の多数派が違ういわゆるねじれ国会が常態化する中で、日銀総裁の人事が決まらない、予算関連法案の取り扱いをめぐり野党多数の参院が内閣の生殺与奪の権を事実上握る、自民党政権であるか民主党政権であるかを問わず、こうした事態が続いてきました。

 本通常国会の当初の閉会予定日であった六月二十二日時点における内閣提出法案の成立率は過去最低の二四・六%と、国会の著しい機能不全が続いております。また、結果的に、衆参どちらかの国政選挙が毎年のように行われる結果、安定的な政権運営が難しい、こういう点も指摘をされております。

 時代の変化に即応し、民意に基づいて法制度の改正を速やかに行っていくことを困難にしている、このような状況を打開し、選挙で示される民意に基づく国政の前進を図るには、衆参対等統合による一院制国会の実現を目指すべきというのが私たちの考え方であります。

 また、みんなの党は、一院制国会と同時に、首相公選制の導入を憲法改正の考え方の中で掲げております。これは、行政府の長を国民が直接選び、正統性を付与する制度とすることで、七百二十二人しかいない国会議員の都合で総理大臣の首が一年でころころかえられる現状を改めるとともに、立法府と行政府が、ともに国民の直接の民意に立脚した機関として相互にチェック・アンド・バランスを働かせながら国政を担っていくという新たな国家の統治機構の姿を目指してのものであります。

 また、国会の会期は通年であるべきと考えております。

 会期末までの法案審議のスケジュール闘争に明け暮れて、法案を審議未了のまま会期末を迎えれば野党の勝ち。そして、審議拒否が野党の最後の抵抗手段として用いられることともなっています。一方、いかに拙速な審議日程であっても、会期までに法案を上げれば与党の勝ち。したがって、会期末には多くの法案が短時間審議で次々と上げられることともなっています。

 このような、法案内容の吟味よりも、ややもすると審議スケジュールを重視した国会運営になっている印象があるのは、国会を会期によって区切り、しかも、会期不継続の原則があるからであります。憲法及び国会法を含めた総合的な見直しの検討が必要であると考えます。

 国務大臣の国会出席の権利と義務を定めた憲法六十三条の規定についても、よく言われることですが、総理大臣や外務大臣は国家の対外的な代表機能を果たしていることから鑑みても、首脳同士の国際会議等の場には積極的に参加をして日本の存在感を高められるよう、国会で「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」との規定を、国会の機能を損なわない限りにおいて見直していく必要があると考えます。

 選挙については、第四章では、四十七条において、「法律でこれを定める。」とあるのみですが、ここで一点申し上げたいのは、憲法十四条の法のもとの平等に照らしても、選挙の際に有権者が投じる一票は可能な限り厳密に等価であるべきという、いわば一人一票の原則であります。

 これについて、他党からは、人口だけでなく地域間格差も法のもとの平等に含まれるとして、一人一票に基づかない国会議員の定数配分も認められる、こういう見解を披瀝される方もいらっしゃる。また、憲法改正草案にそのような趣旨を条文として盛り込んでいる政党もあるようでございます。

 しかしながら、このような住所地による一票の価値の差別が技術的理由以外の理由で認められてよいはずがありません。男女でこのような差別を行った場合、人種でこのような差別を行った場合、憲法上どのような解釈をされるか考えていただければ自明のことであります。

 このような住所地による一票の価値の不平等を是とする議論が存在してきたことが、衆議院で一票対〇・五票、参議院で一票対〇・二票というような驚くべき参政権の不平等を国会が放置して違憲判決を受けるに至った最大の要因であります。この状況が変わらないのであれば、憲法四十七条の条文上、一人一票の原則を明記することも必要になるかと考えます。

 政党について、何をもって政党となすかの議論がないまま、政党交付金の交付要件である所属国会議員五人以上というような技術的条件をもって政党の成立要件となっている我が国の現状は極めて異様であると考えます。

 このような状況が、現職国会議員の離合集散による年末の駆け込み新党の結成につながっており、理念や政策を一致させないままの数合わせで政党がつくられ、何を目指す政党なのか国民には甚だわかりにくい。選挙において政策の選択肢を国民に提示するという民主主義の観点からも不健全な状況が生まれております。

 憲法上、政党の存在を明記すべきかどうかは議論が分かれますけれども、少なくとも、政党法の制定により、政党の要件及び権限、権能を定めることは必要と考えます。

 最後に、衆参統合一院制国会への憲法四十二条の改正に向けては、衛藤衆議院副議長を会長とする超党派の議員連盟による改正案が、ことしの憲法記念日を前に既に国会に提出をされています。

 衆議院議員百人以上という憲法改正の発議要件を満たし、審議の場であるこの憲法審査会もできているのに、現実に提出された憲法改正案が、国対委員長の判こがないという国会慣例上の理由でたなざらしになっている。これは信じられない不作為であると考えます。

 この点、論点表の四十一条C2にも掲げられている論点にもかかわりますけれども、いずれにせよ、現実に提出された憲法四十二条改正案の審議に向けたプロセスを一刻も早く進めていただくよう改めてお願いを申し上げまして、意見表明を終わります。

 ありがとうございました。

大畠会長  次に、平山泰朗君。

平山委員  国民新党・無所属会の平山泰朗です。

 日本国憲法、国会に関して、会派を代表して意見陳述をさせていただきます。

 まず、一院制に関して申し上げます。

 総理大臣が近年、短期間で辞職を繰り返してしまうのは、時代の変遷もありましょうが、やはり憲法上の国会規定が構造的な問題となっているのではないでしょうか。政策の継続性や国際的な関係性を築いていくためには、ある一定期間、内閣がかわらないことが望ましいと思われます。そのためには、事実上の法的義務がないとされる問責決議の制限、もしくは一院制を取り入れることが、安定政権をつくることができる方法だと思われます。

 その意味において、衆参のねじれ現象をそもそも憲法は想定していなかったのではないか。二院制の意義を再度見直し、一院制を前提に憲法改正を目指していく立場を我々はとっております。

 また、国会議員の選出方法に関しまして、原則、人口比例に基づく平等原則を前提としながらも、地理的な状況などを加味した選出方法を検討すべきであると考えます。具体的には、最高裁が示している一票の格差を上限に、国会議員の恣意の入らない定数の是正や、選挙区割りの見直しを図るべきだと考えます。

 我が会派は一院制を目指しておりますが、現行の二院制である以上、それぞれの選出方法は権能の分岐を前提とすべきであると考え、選挙制度において明確な区分けを考えるべきであるという立場をとっております。

 また、通年国会に関しまして、これは採用すべきだと考えます。現行制度を維持し、運用にて改善を図るべきだと考えております。

 議事手続において、議院の国政調査権に関しましては、より議員の権限を拡充するためにも、少数会派による国政調査権の発動を可能にし、行政監視機能を充実すべきだと考えます。今後、国会議員の定数が削減されていく中で、より一人一人の国会議員の権能は拡充されていくべきだという立場をとっております。

 国務大臣の出席義務は、二院制度上の二重出席などを考えれば、行政業務に対してより充実した作業をなしてもらうためには緩和すべきだと考えます。

 政党に関しましては、政党法などの法律に委ねるべきであるという立場です。憲法に対して明記する必要はないと考えます。あくまでも政党は、憲法上の存在ではなく、結社の自由その他各法の規定により存在を認められるべきものであると考えます。

 以上、国民新党・無所属会を代表して、意見を述べさせていただきました。

大畠会長  これにて各会派を代表する委員の発言は終了いたしました。

    ―――――――――――――

大畠会長  次に、委員各位による自由討議に入ります。

 この際、委員各位に申し上げます。

 本日の審査会におきましては、論点を、第一に、国会の地位、立法権及び二院制等に関する論点、第二に、第一で議論の対象としていない論点の二つに分類いたします。

 各委員におかれましては、おおむねこの二つの論点の分類ごとに意見表明をしていただきますよう、御協力をお願いいたします。

 なお、この二つの論点の分類はあくまで目安ですので、各委員の発言がその他の論点等に及ぶことは結構でございます。

 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、会長の指名を受けた後に発言をお願いします。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。

 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただきますようお願いいたします。

 なお、幹事会の協議によりまして、一回当たりの発言時間は五分以内といたしたく存じます。委員各位の御協力をお願いいたします。

 発言時間の経過につきましては、終了時間一分前にブザーを、また終了時にもブザーを鳴らしてお知らせをいたしますので、御協力をよろしくお願いいたします。

 それでは、まず最初に、国会の地位、立法権及び二院制等に関する論点について発言を希望される委員は、ネームプレートをお立ていただきますようお願いいたします。

逢坂委員  民主党の逢坂誠二でございます。

 会長、指名をいただきましてありがとうございます。

 私からは、二院制について発言をさせていただきます。

 昨年の四月二十八日だったと記憶しておりますけれども、国と地方の協議の場に関する法律が成立をいたしました。それ以降、国と地方のこの協議の場が、法制定後十三回にわたって、分科会も含め開催をされているところでございます。

 昨年の十二月の二十九日には、仮に消費税率が五%ふえた場合に国と地方の配分割合をどの程度にするか、これを地方の配分割合を一・五四%にするということが、この国と地方の協議の場において決められております。

 従前でいきますと、こうしたことというのはなかなか決めがたいことでありまして、こうしたことが国と地方の真正面からの議論によって決められたというのは、この国と地方の協議の場が法制化されたことによる、その成果が非常に大きいものだと理解をいたしております。

 なぜ国と地方がこのように公式の場で意見交換をして物を決めていく必要があるのかといえば、それは、国から繰り出す政策であっても、自治体の現場でいろいろなかかわりを持って政策全体が完結をしていくわけであります。そうしたことを考えてみると、政策立案の当初から地方の側がかかわっていく、国と地方が協力し合ってある種の政策をつくり上げていくことが、最終的に国民にとってプラスになる、地域の実態に合った政策の実現に資することになる、そういう思いからだと私は理解をいたしております。

 その意味で、この国と地方の協議の場の法定化は、日本の国と地方の関係に新たなステージを開くものとして、私は非常に大きな一歩であったと理解をいたしているところであります。

 他方、諸外国の例を見てみますと、実は、この国と地方の協議の場のような役割、これを常設的に国会に設けているという例が見られるわけであります。例えば、ドイツの連邦参議院あるいはフランスの元老院、いずれもこれは上院に当たるものでございますけれども、こちらの院におかれましては、自治体の関係者がいわゆる国会議員になっている。そうして、自治の問題にある種の優先権を持って、この院の中において話し合いをしているという例があるわけでございます。

 したがいまして、日本においても、この国、地方の協議の場、これはまだ第一歩、スタートしたばかりではありますけれども、いずれは、国会の場において常設的に地方との関係を話し合う、そういう役割をどちらかの院に持たせるということを検討してもよいのではないかというふうに私は思っております。

 当然、今、衆議院と参議院、どちらも似たような機能があって、一院でよいのではないかという議論があるわけでありますけれども、私自身は、そうではなく、衆議院と参議院の位置づけをよりクリアにし、場合によっては、多分私は参議院の方だというふうには思いますが、参議院の方に自治に対するある種の優先権を持たせる、その構成員についても自治体の代表がなるというようなことを検討することによって、国政の場においていろいろと議論される政策が、国民の立場に立った、地域の実態を反映した、そういう政策になっていく可能性が高まるのではないか、そんな思いを持っているところでございます。

 以上、二院制について思うところを申し上げさせていただきました。ありがとうございます。

石井(登)委員  民主党の石井登志郎です。

 私は、一票の格差と衆議院、参議院のあり方について意見を申し述べさせていただいて、そして、可能であれば衆議院法制局からちょっと御意見をいただければと思っております。

 憲法四十七条において、選挙のあり方については国会で決めると。同時に、一方で、憲法十四条に基づいて、一票の格差が今日まで、衆議院であれば二対一を目安、参議院であれば五対一を目安に違憲のラインが引かれてきたといいますか、そういう認識であるわけですが、ただ一方で、この二対一と五対一、これも今、みんなの党の委員の方からもおっしゃられましたけれども、本来は一対一であるというのが筋であろうと思います。

 一方で、憲法の制定の経緯の中で、私はぜひ、ここがわかれば御質問なんですけれども、参議院の一票の格差というところまで、この憲法制定の経緯においては想定はしていなかったんではないかと思います。

 といいますのは、これがどういう経緯でつくられたのかということに関してしっかりと見ていかなきゃいけないわけですが、アメリカの場合は、連邦下院の場合は、まさに一対一、一票の格差というのがほぼないようにということになっておりますが、一方で、連邦の上院議員に関しては、連邦国家でありますから、各州の選出ということになっているわけであります。

 それをそのまま日本に持ってこられて、鳥取県と東京都、各県一人ずつ出すというようなことを、そのまま当てはめたというようなことを私は想像してしまうわけですが、しかし、我が国は連邦国家ではございませんので、そうした中で、今回、この一票の格差というようなことが参議院において著しくあらわれているんではないかと思います。

 そうした中で、そういうことであればやはり、最終的には、憲法の中で、衆議院の位置づけと参議院の位置づけを明示して、衆議院は一人一票をしっかりとかがみのようにあらわす制度にする、参議院は、そういう考えに基づくのであれば、各都道府県の意見をしっかりと明示するというような形にする方が、本来、筋的にはすっきりするのかなと思うわけであります。

 以上、意見でありますが、もう一度、質問に関しては、参議院の一対五というようなことが、これは今日までの判決で一応こうしたラインが引かれているんですけれども、それはやはりいびつであろう、そもそもは憲法でこうしたことの想定を全くしていなかったからこうなったのではないかと思いますが、わかる限りで、参議院の格差の問題について、制定の経緯においてそうしたことがどれだけ考えられていたんだろうかということについて教えていただければと思います。

橘法制局参事  石井先生、御質問ありがとうございます。

 必ずしも詳細な資料が手元にはございませんけれども、帝国議会におきます両院制の問題、二院制の問題に関して、一票の格差についてまでの御議論は手元の資料では見当たりません。

 若干、それに関連する御議論を御紹介させていただきますと、帝国議会におきまして、二院制の問題については、貴族院ではなくて新しい両院制に対する構想や、一院制を排して二院制を採用した理由などが御議論になられました。

 金森徳次郎国務大臣は、次のような理由から二院制が妥当というふうに述べられたところでございます。すなわち、参議院設置の理念は、衆議院に対する抑制的機能を前提として、知識経験のある慎重熟練の士を求めることにあるとしたと。その際、参議院に職能代表制、そういう制度を採用すべきではないかということについては、徹底した職能代表主義で各職域の対立意見を何らかの力でまとめるのは日本の実情には不適当だという形で、職能代表制は否定したということでございました。

 なお、ただ、衆議院の附帯決議におきまして、参議院の構成については、社会の各部門、各職域の知識経験者が議員となり得るような、そういう考慮をすべきであるという附帯決議が付されたということでございます。

 先生直接のお尋ねの一票の格差については、手元に資料がございませんでした。

 失礼いたします。

畑委員  国民の生活が第一の畑浩治でございます。ありがとうございます。

 国会というのは、私は、熟議の国会で、徹底議論をして、そうやって決めるということが当たり前のことだと思いますが、そういうことが今しにくい体制になっていると思っております。

 それで、二院制あるいは両院の役割分担というのはあります。これは憲法の改正、できれば大前提であると思います。基本的には、二院制を維持しながらその役割分担だと思いますし、再議決要件の緩和ということは大変いいことだと思いますが、今までの議論で欠けているのは、いきなり再議決に行くのではなくて、両院の間の意見調整、そういうことについてしっかりやるという観点がちょっと欠けているのではないかと思っております。

 すなわち両院協議会でありまして、現行、両院協議会というのは、これは衆参、院議を構成した党派から出る。それで、形式的になって結局決まらないわけです。そこで、両院協議会の動かし方で、まず民主的に両院の意思を合致させるような方法を模索することが適当であると思っております。

 例えば、考え方としては、国会法ないしは議院規則を改正すれば足りるわけですが、両院協議会について、構成メンバーを会派構成に比例してやる、そういう中で、この議決も今は三分の二になっておりますが、過半数でやる。これをいろいろシミュレーションしますと、十人を二十人にして会派構成をする形にして過半数にすれば、両院協議会で成案が出ることは可能でありますし、大体できます。

 問題は、両院協議会で成案を得た場合に、憲法上はそれぞれの院に持っていって、また審議、議決が必要なわけですけれども、そこは、これは慣行になるのか、あるいは憲法に書くのかちょっとまた結論は悩ましいところがありますが、いずれにしましても、両院協議会の議決を尊重して各議院は議決をするような慣行なりやり方が必要であると思っております。

 そういうことによって、いきなり再議決をやるというよりも、そういうことをしっかりやって、プロセスの中で、両院協の中で決定していくシステムをつくるべきであると思っております。これが一点であります。

 それから二点目は、選挙制度が絡みますが、両院の役割分担というところで、先ほど話がございましたが、今の憲法の問題は、国民代表ということで衆参両院ができている。これは、機能や役割が憲法上違わないわけで、だから、決め方とか、あるいはいろいろな運営の困難になっている部分がございます。

 端的には、衆議院、下院が国民代表であると思いまして、そういうことをする。もう一つの憲法改正で、参議院、上院は、これは諸外国の例に倣って地域主権ということをやっていくとすれば、地方代表、地域の声を反映させる議会だとすべきだと思います。

 そうすれば、おのずから選挙制度も違わなければいけない。つまり、衆議院は一票の価値を重視する選挙方法でありますが、参議院は、恐らくは、ドイツなんかもそうですが、州代表にするとか、州から選ばれる複選制、または間接選挙にするか、あるいは道州代表にするか、これは道州制を議論した場合のセットでありますけれども、そういうことも必要になってくると思います。

 そういうことをしながら、しっかりと機能分担を選挙の制度からもやっていくということが必要だと思います。

 それから、ちょっと三点目で問責のことについて申し上げたいと思います。

 問責は、憲法上は、衆議院がチェック・アンド・バランスで解散権があって不信任を出せる、参議院は解散制度もありませんので、民主的なチェック・アンド・バランスからは、参議院は問責はできますが、問責の効果というものは閣僚辞職に値するものではないという抑制的な運用、そういうことが必要だと思っております。そういうことが参議院の権威を高めることにもなり、チェック・アンド・バランスの枠外の参議院の権威を高めることになると考えております。

 以上です。

大泉委員  民主党、大泉ひろこでございます。

 私は、二院制について発言をさせていただきたいと思います。

 最初に、恐縮でございますけれども、橘部長にちょっと御質問をさせていただきたいんですが、もしおわかりになればということでございます。

 終戦後、GHQが日本国憲法の草案をつくったときに一院制を提言したというふうに聞いているわけでございますが、素人的に考えると、華族制度はやめるし、それに伴って貴族院は要らないだろうということで一院制を提言したのかなと思いますが、これに対して日本側が反対をして、二院制を維持したいということで参議院ができたというふうに物の本で読みました。この経緯を少し教えていただきたいなと。それにプラス、二院制にした理由、日本側の主張でございますが、これもわかれば教えていただきたいというふうに思います。

 当初の、終戦直後の最初の参議院選では、聞くところによれば、これも本からの情報でございますけれども、最高裁の判事とか非常に学識のある方がたくさんお出になって、その結果を見て良識の府という名前がついたというふうに私は理解いたしました。だから、憲法上、良識の府として参議院を想定したのではなくて、結果的に良識の府になったということであろうということでございます。

 現時点で見ますと、もちろん参議院の先生、立派な方がたくさんいらっしゃいますけれども、総体的に、衆議院と比較した場合に、人材にそれほどの差はないかなというふうに思っているんですね。やはり二院制をとる以上、その違いというのを明らかにした方が、いろいろな国民的議論というのでも熟したものができていくんじゃないかというふうに私は思います。

 例えばでございますけれども、衆議院は、明らかに選挙区から勝ち上がっていきますから地域代表でございます。参議院の方は、職域代表、職務代表、先ほど否定されたというお話もございましたけれども、そういう分け方もあるんじゃないか。現在の参議院の選挙でも、例えば医療関係とか労組では参議院の全国区で出てこられる方が結構おられるかな。こういうのを徹底していくと、片や地域代表、片や職域代表というような違いが出てくるんじゃないかというふうに思います。

 かてて加えて、その仕事の内容も違いを出した方がよろしいんじゃないか。

 先ほど、鷲尾議員の、民主党の二〇〇五年の提言によれば、片や衆議院の方が予算、参議院の方が決算というような分け方も私はいいと思うんですけれども、もし参議院の方を私が主張しているような職域代表ということにいたしますと、例えば、今、大津市で起こったいじめ事件というのがあるんですけれども、一九九〇年代にもいじめ事件とか子供が起こした猟奇事件というのはたくさんあったんですけれども、当時かんかんがくがくの議論が行われましたが、でも、その議論はどこへ行っちゃったのか。また同じことを繰り返しているわけでございます。

 六年という長期間でこういう議論に取り組める、あるいは法案づくりに取り組めるという参議院では、こうした青少年の育成とか教育とか、長期にわたっての話題というか法案づくりにいそしんでいただければ、そのときそのときのアップデートな話題を扱う衆議院との違いも出てくるんじゃないかなというふうに私は思います。

 したがって、今の議論は、私は、論点整理表でいえばBか、あるいはCでも可能かなと思っているんですけれども、その立場をとって主張させていただきました。

 ありがとうございます。

橘法制局参事  大泉先生、御質問ありがとうございました。

 手元の資料で、わかる範囲内でお答えさせていただきますと、先生御指摘のとおり、当初、GHQ民政局側が提示した案では一院制になっていたということでございます。GHQ側の憲法改正案の御説明ですと、三つの点を特に挙げていたというふうに物の本には書いてございます。

 それは、第一に、貴族制度は廃止されること、もう貴族院はないはずだ。二つ目は、日本は連邦国家ではないはずだ。貴族院型の二院制も連邦型の二院制も日本には要らないはずだ。そうすると、第一院と第二院の間で争いが生ずるおそれがあることを考えれば、一院制でいいのではないのか、こういうふうに言われたそうでございます。

 それに対して、松本大臣初め当時の日本国側は二院制を強力に主張された。その理由を例えば三つにまとめますと、多くの国が議会の運営に安定性をもたらすために二院制を採用している。二つ目、一院制の場合は、政権交代により政府の政策が一方の極から他方の極に移るおそれがある。三つ目として、第二院があれば、政府の政策に安定性と継続性がもたらされる。このような二院制の長所について説明したというふうに物の本には書いてございます。

 その上で、GHQ側、ホイットニー民政局長は、そうであれば、両院とも公選だ、直接公選だということを前提に二院制でもいいというふうにGHQ側は言われたというふうに書いてございます。

 あと、現在の選挙制度、特に上院、参議院の選挙制度についての解釈では、職能代表制については先ほど帝国議会での議論を御紹介申し上げましたが、京都大学の大石真先生の教科書などによりますと、両院の組織法、組織原理というものは、両院制をとる国では違えてしかるべきだ、憲法に明文の規定があろうとなかろうと、下院は直接選挙制と全部入れかえ制、これは必須である、これは世界各国からいっても当然だ。しかし、憲法に明確な規定がない限り、上院の組織法については、直接選挙制を憲法上の固定的な要求と解さなくてもいいのではないのか。そうすると、現在の我が国の選挙された参議院という条文の枠内でも、例えば、間接選挙制といった事柄も、現行憲法下で、先生おっしゃるように、Aの立場ではなくてBの立場であったとしても、認められる余地は十分にあるのではないのか。そのような学説上の見解はあるようです。

 以上です。

小沢(鋭)委員  私は、二院制の是非と、あと、議員立法について各会派の機関決定を発議の必要条件にするかしないか、この二点、関連するものですから、発言をしたいと思います。

 まず、この話はこの場でも申し上げたというふうに思っておりますが、現在において、憲法改正原案が国会に提出をされております。意外とこれは、一般の皆さん方、マスコミの皆さん方、気がついていらっしゃらないと思いますので、改めて申し上げるわけでありますが、超党派衆参対等統合一院制国会実現議員連盟という議員連盟がありまして、四月の二十七日に、提出者十名、賛同者百二十名、これは国会法の発議要件を満たしているわけでありますけれども、こういう形で既に衆議院議長のもとに憲法改正原案を提出しているわけであります。それを、現時点においては、いわゆる各会派の機関決定の判こがない、こういう話の中で、今たなざらしになっています。宙ぶらりんになっているわけであります。

 私は、個人的には、議運の委員長初め議運の理事の皆さん方に、この憲法改正原案というのは極めて重たいものでありますし、また、超党派の皆さん方が、しっかりと議論をして、そして発議要件を満たして出しているわけでありますので、ぜひ議論を行ってもらいたい、こういう話をしているわけでございますが、四月二十七日以降、現時点においても全くそれは行われていないというのが現状でございます。

 まずこのことを皆さん方に申し上げて、あと、法制局の橘さんに質問をさせていただきたい、こう思っております。

 一つは、いわゆる各会派の機関決定の必要性というのは、これは国会関係の法律、どこを見ても何も法文にはありません。どういう、ある意味ではきっかけといいますか、何を根拠にこれが行われているのかということが一点。それから、発議要件を満たしているこういった法案、特に憲法改正原案という国の大もとに関係するものが既に出ていることが、こういった各会派の判こがない、こういう話だけでたなざらしになっているということ自体、法制局としてそういったものをどういうふうに考えるのかといった見解をお示しいただきたい、こう思うところでございます。

 一院制の是非については、先ほど来議論が出ておりますので詳しくは申し上げませんけれども、端的に二点だけ申し上げると、現在の日本のように同じことを同じようにやっているという話であれば意味がないのではないか、さらにはまた、ねじれということであれば、決められない国会という話を国民からも批判を受けているわけで、それを脱却しなければいけないではないかというのが一点。

 それから、一院制にすれば、当然のことながら、議員の定数は減ります。我々の案は、二百五十名減らす。衆議院〇増五減なんという意見がありますが、〇増五減などという話ではなくて、二百名以上ばしっと減らす、そのくらいの話をしなければだめだということ、私からはこの二点をその理由として申し上げておきたいと思います。

 以上でございます。よろしくお願いします。

大畠会長  非常に難しい課題でありますが、お話をされる範囲内で結構ですから、よろしくお願いします。

橘法制局参事  小沢先生、御質問ありがとうございました。

 二問頂戴したかと存じます。

 一つは、衆議院の先例であります機関承認の先例がどのようなきっかけで生成し確立したかということでございます。これについては、まさしく憲法改正原案御提出後、衆議院の議院運営委員会理事会において詳細な御検討がなされた際に私御報告させていただきましたが、ただいま手元に資料がないので、記憶でだけ御報告させていただきます。

 昭和三十年前後に、当時の自由党であったかと思いますけれども、政党政治が進展する中で、今後、我が党所属の議員から議案を提出する際には我が党の機関承認がないものは受け取らないでほしいという申し入れがあり、そのような政党内の慣行が他の会派にまでどんどん広がっていった、政党政治の中で広がっていったというのが、衆議院において機関承認の先例が確立したきっかけであったというふうに言われております。

 先生御承知のとおり、国会法にも衆議院規則にも、あるいは、手元に持ってきておりますが、衆議院の先例集にも規定はございません。いわゆる不文の先例だということでございます。仄聞するところによりますと、参議院にはそのような先例はないというふうに承っております。

 この根拠は何かということになりますが、二番目の御質問と関連いたしますが、衆議院法制局としての見解を述べよという御下問でしたが、そのような恐れ多いことは私どもには当然できません。

 憲法五十八条に、両議院の、議院の自律権、すなわち、先生方はおのおのその会議その他の手続や内部の規則、規律に関する規則制定権があると。そうすると、衆議院の議事手続は衆議院の先生方が自律的に決める。それは、基本的には議院運営委員会であり、議院運営委員会の理事会において決める。そのような事柄が、果たして憲法や国会法、衆議院規則に照らして合法なのかということが次に問題になります。

 これも私自身が衆議院側の指定代理人となって裁判所に呼ばれたのでいまだに記憶している事件でありますけれども、平成五年、宮沢内閣が解散された直前に、当時日本社会党所属の上田哲先生が国政問題国民投票法案なる法案を日本社会党の先生方九十数名と一緒に出した。五十名は超えているので当然に受理してもらえると思っていたわけでありますけれども、日本社会党の機関承認が得られていないということでもって受理されなかった、これが最高裁まで上がりました。国会内の議事手続で最高裁まで上がるという大変珍しい訴訟がございました。最高裁は、そのような議院内部の自律的な手続については、それは衆議院が決めたとおりであるとして、その国家賠償訴訟を棄却したということがございます。

 そういう意味では、この機関承認は、先例として合憲、合法であるという司法府の判断は出ております。

 ただ、この機関承認が適切であるかどうかは、まさしく先生方が議院運営委員会でお決めになることというふうに存じます。

 ちょっと生意気なことまで申し上げましたが、以上です。

緒方委員  民主党、緒方林太郎でございます。

 この論点表を見ながら一つ思ったことがありまして、それぞれの規定と政党文化、政党を規律する文化との関係がその裏にあるんじゃないかなという気がいたしまして。何のことが言いたいかというと、党議拘束との関係が、恐らく幾つかのテーマとの関係で出てくるような気がいたしております。

 議員立法についてでありますが、これの自由度をより高めるかどうかという話と、今度、閣法に対するそれぞれの議員の投票行動である党議拘束というのを並べて考えるときに、日本というのは、政党における党議拘束が非常に強い、閣法に対する党議拘束が非常に強い、そして議員立法を出すことの自由度が低いということがございます。逆に、アメリカに行ってみると、党議拘束は物すごく緩い、しかも議員立法は出したい放題ということで、これは両極端だと思うんです。

 私は、党議拘束が仮に強いということであれば、党議拘束が強いゆえに議員立法の自由度が低いということになると、議員の活動の自由度というのが著しく極限まで下がってしまう、そういう状況がこの日本の議会政治の中にあるのではないかというふうに思います。

 そう考えるときに、議員立法の自由度を高めるのか、場合によっては党議拘束というものを物すごく緩くするのか、どちらかの選択肢というのを日本の議会政治というのは選択するということであっていいのではないかなという気がいたします。

 その一つとして、議員立法については、例えば、本当に二十人そろえば機関決定がなくて出してもいいというのは、一つの選択肢であろうというふうに私は思います。

 もう一つ、これは実は区分でいうと二なので、余りここで言うのは適当でないと思いますが、実は、定足数の話も、この党議拘束との関係で考えることができるのかなと思います。

 現在においては、当然、与党側がというか政権が出してきている法律であるから、定足数を満たすのは与党の義務であるということで、与党が一生懸命定足数を満たす努力をするわけでありますけれども、逆に、党議拘束が物すごく弱くなってくれば、与党議員であっても、必ずしも定足数を満たそうという、その心理的なモチベーションがなかなか働かなくなるということもあって、そういうことであれば、逆に、定足数を満たすために、議員に追加的に出席のための義務を課すということも考える必要があるのかなと。これも、政党文化たる党議拘束との関係で見る必要があるだろうというふうに思います。

 問責決議と特例公債法案の話がそれぞれ両院の役割の中で出てきているわけでありますが、私も、憲法の本義に鑑みれば、予算における衆議院の優越、さらには、政府というのは、衆議院の信任を得た上で政権が成立しているということに鑑みれば、現在、問責決議案によって政権が揺さぶられるとか、特例公債法案によって予算が執行できないという状況というのは、本来の憲法の起草者の想定するところではないというふうに私は思います。

 しかしながら、これは、国会の、立法の自由の、立法する権利との関係で、そもそもそういった法律をつくることを禁ずるということは、恐らく憲法理論上難しいであろうというふうに思います。これも、最終的には、政党間の文化というか政党間のコンセンサスというもので解消していくことが適当である。

 例えば、次の総選挙というのは、総選挙が終わった後、どこの政党が政権を握っているかわからないという状況の中において、選挙が始まる前に、選挙の前に、どこの政党が政権につこうが、こういったことはやらない、問責決議を打つことはしないとか、特例公債法案を予算と一緒に通すとか、そういった知恵というのを政党は示すべきであろうというふうに思います。

 そして最後に、二院制の関係で、先ほどから、ドイツのブンデスラート、そしてフランスの上院等々の例を出しながら、地方の代表であるというようなお話がございました。

 私も、憲法四十三条におけるところの「全国民を代表する選挙された議員で」というその定義について、衆議院と参議院で分けて、都道府県の代表であるとか、そういった役割を参議院に与え、つまり、何を代表しているのかということをしっかりと衆議院と参議院で分けた上で、それに伴い、場合によっては権限も衆議院と参議院で分けるということも必要だと思いますけれども、衆議院と参議院両方において二倍とか五倍とか、ああいった議論をしていく、一票の格差の議論をするということは私は不毛だと思いますし、役割分担をすべきであろうというふうに思います。

 以上であります。

中谷委員  国会議員の定数の削減の話がありましたが、これは、人口のみならず、やはり地方自治体としての独立性や地方自治、地方分権を考慮して、それに配慮をして国政を考えなくてもいいのかという話であります。

 今回の〇増五減にしても、今後削減すればするほど、都市の議員はふえて、そして地方の議員が少なくなる。例えば、東京都においては、二十三区において都会議員や区会議員よりも狭い選挙区から選抜された国会議員が多数存在をしておりますが、一方、地方においては、都道府県から一名、二名という少ない人数しか選出されずに、それで国政を議論すれば、当然地方の声が薄くなってしまって、国としてのバランス、都市と地方の格差、これがますます広がっていくのではないかという懸念をするわけでございます。

 その点におきまして、やはり国政においても行政区画、地勢、交通などを反映して、国会で議論をして、そして議員定数を配分すべきでありますが、今回は、憲法において違反であるというような最高裁の判決が出たわけであります。

 橘さんに伺いたいことは、行政、立法、これの責任で決定したことを、司法が憲法違反である、そして無効であるということを決める権限が許されるのかということ。そしてもう一点は、先ほども話になりましたが、衆議院は一対二、参議院は五対一という目安などというようなことが言われるように、こういった数字で衆参区別して容認される。本来でしたら、こういった差が出るということを一体憲法のどこで規定をしているのか、そんな数字的なことを司法が勝手に判断をしていいのかどうか、この点において橘さんの事務的な御意見を伺いたいと思います。

橘法制局参事  中谷先生、御質問ありがとうございました。

 大変難しい問題で、ちょっと手元の資料では十分にお答えすることはできませんけれども、まず、衆議院、参議院、国会議員の先生方の選挙制度につきましては、日本国憲法、先ほど来言及されております四十三条、あるいは具体的には四十七条でもって、例えば四十七条ですと、「選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。」という形で、幅広い立法府、法律に対する裁量が認められているところでございます。合理的な選挙制度を先生方が国会で御議論されて、そして構築することは憲法上認められているわけです。

 しかし、同時に、四十四条におきまして、選挙権の平等、選挙人資格の平等が言われ、もともと十四条で法のもとの平等という規定がございます。このような憲法上の規定にのっとった形で国会が裁量を行使しているのかということを司法府が判断する際には、八十一条、最高裁判所は、一切の法律が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である、このいわゆる違憲立法審査権に基づいて、最高裁判所は、例えば一人別枠方式が合憲である、違憲であるという、先生方がお決めになられた法律に対する判断をすることができるというのが現在の憲法のシステムになっているわけであります。

 二つ目。では、そのような最高裁の判断が、衆議院においては一対二、参議院においては一対五とか一対六というような数字まで決めて判断しているのかということでございます。

 これは判例評釈、判例解釈の問題になりますけれども、少なくとも多くの評釈を前提としますと、最高裁は、違憲、合憲の基準について数値的な基準を述べたことは一度もないというふうに言われるのが通例であると思います。ただ、衆議院ですと、これまで一対三以上は、三・何倍のときには違憲判決あるいは違憲状態判決が出たとか、参議院では六倍以上のときに違憲状態判決が出たとかいうことから逆算して、最高裁はこれあたりを考えているのではないのかということを一般的に言われているだけであって、判決で数字まで述べているわけではないというふうに言われます。

 ただ、唯一合理的な基準があるとすれば、一対二、これには合理的な基準があるのだというふうに学説はいいます。というのは、一・九九九まではまだ二人にならないからいいけれども、一対二になると一人が二人分だ、これは許されないのだ、平等のもとにおいて許されないのだというふうな解釈を、説明を学説上はされているようです。

 以上です。

篠原委員  民主党の篠原です。

 きょうは非常にたくさんの論点があると思います。二院制とか今の一票の格差とかありますが、私は、党議拘束あるいは採決の問題に限って発言させていただきたいと思います。

 国会の審議を、一員として、国民の代表としていろいろ決めていく場合に、今一番問題なことの一つが、議論の形骸化というか、なかなか国民の声がきちんと反映されていないというところに問題があります。その一つが採決の方法だと思います。そして、緒方委員が触れましたように、党議拘束です。

 今問題になっている部分もあるので、それを特に申し上げますと、党議拘束などというのは、緒方委員も触れましたように、アメリカにはありません。二大政党制が確立していくと、A党とB党、X、Yでもいいんですが、政策が大きく違うということはなくなっていくんですね。ですから、アメリカの場合でいいますと、オバマ大統領は民主党政権です。しかし、民主党の大半の議員が反対し、共和党の議員が賛成して法案が成立することもあるわけです。

 ヨーロッパはどうかといいますと、フランスなどは非常に、フランスもアメリカと同じですが、議員個人の意見というか考え方を尊重する国です。ですから、上院のA党が賛成し、下院のA党が反対するというのはしょっちゅう起こっているんです。ねじれ国会なんて当然のことです。

 ですが、問題は起きないんです。なぜかというと、個々の議員が、賛成か反対か、全てを決定しているんです。そして、アメリカの場合ですと、新聞が皆全てローカル紙ですから、それぞれの州の選出の上院議員、下院議員がどの法案に賛成し反対したかということをきちんと公表しているわけです。それをもって次の選挙で有権者が判断するんです。ですから、党議拘束に違反したから党員資格停止だとか除籍などというのをやっている国は日本だけなんです。

 たった一つ違うのはイギリスです。イギリスは議院内閣制で、日本は制度として非常にまねしているわけですけれども、イギリスにはあります。さっき定足数の関係でありましたけれども、イギリスの場合は、党議拘束は一応あります。ありますけれども、順番を分けて、四種類ぐらいに分けています。分けていますけれども、いずれにしろ、処分というのは、きついのはほとんどないわけですね。これを考えていかないといけないんじゃないかと思います。

 皮肉なことなんですが、二大政党制が成立してきているこの段階において、今、一番か二番かわかりませんけれども、こんなに政党が多い状況になってきているわけです。どうしてかというと、重要な法案の採決になると党議拘束をかけるということをするわけです。それで、前の郵政民営化のときに国民新党ができました。今回は、ほかにきづなというのも先に、あれはTPPの関係なんですが、それから、国民の生活が第一というのもできまして、二大政党制の確立とともに政党がふえているという皮肉になっているんです。

 どうしてかというと、この党議拘束というへんちくりんなのがあって、今、中川委員おられますけれども、個人的なことでちょっと恐縮でございますけれども、郵政改革法案に反対されました。今度、社会保障と税の一体改革も棄権されています。私は、こういう議員が、いっぱいいていいとかいうわけじゃないですけれども、議員個人の判断でもって採決をしていくというのは、議員の一番要求されていることではないかと思います。そういう点がちょっと日本はずれている、これが一番問題ではないかと思います。この点を直していくことが今一番大切なことではないかと思っております。

 あと一分間は、それでは、ほかの問題、いろいろありましていっぱい触れたいんですけれども、今、中谷委員の言われましたことに関係するんですけれども、このまま参議院も衆議院も人口比にやっていったら、日本じゅうが、都会の人たちの、人口の多い地域の人たちの言いなりの国につくりかえられてしまうんです。そんなことがあっていいんでしょうか。都会の人たちだって、それは望まないはずです。ですから、大泉委員が言われましたけれども、緒方委員も同じですけれども、参議院はもっと違うやり方というのを絶対考えていかないと、バランスを失した国になってしまうんじゃないかと思います。

 以上で終わります。

柿澤委員  きょうは二院制のことが中心になるのかなとも思ったんですが、期せずして、どちらかというと、住所地による一票の格差を認められるのか認められないのかという議論がこの間展開をされているように思います。

 冒頭の意見表明で、私は、住所地による一票の価値の不平等、差別というものは、男女差別や人種差別と同様に認められない、こういうふうに申し上げたところです。裁判所の判例としても、基本的に、最大限一票の平等を目指しながら、しかしながら技術的な理由によって完全な一対一が実現できない、こういうことは正当化されても、そもそも平等でなくていいんだという議論は、なかなか現状においてはそれでいいという判断はされていないところだというふうに思います。

 先ほど来、男女差別、人種差別のアナロジーを提起させていただいていますけれども、例えば、国会議員における男女比率は、女性の議員が著しく低いわけです。こうした状況に鑑みて、女性の声が十分に国政に反映をされていないとするならば、女性の一票を男性の一票の二倍の価値とみなす、こういうことを仮に制度としてやって、これが合憲として認められる余地があるのかどうか。

 そして、例えば、これはもうどんな合理的な理由もないけれども、自民党さんの国会における投票は二票で、民主党さんの国会議員の投票は一票である、こういうことをやった場合に、これがもし合理的な理由がつくとすれば、憲法上認められる、こういうことがあり得るのかどうか。

 こうしたことについて、ぜひ、橘さんに答えろというのもちょっと、非常に酷なんですが、この際、お答えをいただきたいと思います。

大畠会長  それでは、突然でありますが、なかなか難しいところだと思いますが、答えられる範囲で結構でございますので、お願いします。

橘法制局参事  柿澤先生、いつも難しい問題、ありがとうございます。

 答えは、私ごときが答えられるような問題ではないということでありますけれども、憲法十四条の法のもとの平等におきましては、全て国民は、法のもとに平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的、社会的関係において差別されない。この場合には、合理的区別はいいけれども、合理的な理由がつかない差別はだめだというふうに言われている事柄はそのとおりでありますし、実質的な法のもとの平等を担保するために、社会的な弱者、例えば女性であるとか一般的にマイノリティーと言われる人たちに逆にかさ上げをする、そういうアファーマティブアクション、積極的是正措置は、まさしく女性の二票というのは多分そういうことだと思いますけれども、そのようなことの合理性はあるのかという事柄は、前回、第三章権利義務のところにおいて先生方御議論になられたとおりであります。

 いずれにしても、そのような別異的な取り扱いをするときに、その取り扱いについて合理的な理由があるかどうか。それは、第一義的には、国会において先生方が法律をつくる際に考えられることでありますし、最終的には、現行日本国憲法のもとにおいては、最高裁判所が憲法に照らして判断する。もちろん、司法の章の御議論になると思いますが、最高裁判所においてそのような判断をさせるのに適切ではないという御議論があるとすれば、それは憲法裁判所の設置という議論になっていくのだと思われます。

 以上です。

大畠会長  それでは、この項については最後の発言になるようでございますが、保利耕輔幹事からお願いいたします。

保利委員  自民党の保利耕輔でございます。

 きょうは国会の問題についていろいろ御議論をいただいたわけですが、我が党が憲法改正草案をつくりますときに一番大きな問題になったものの一つが、この一院制か二院制かという問題でありました。それで、党内で激しい議論もありましたが、最終的には、平成十七年の憲法草案が二院制を採用しておりますし、それから党の幹部との相談、そしてまた、最終的には総務会の議を経て、二院制ということで決めさせていただきました。

 この理由はいろいろありますけれども、私が懸念をいたしましたのは、国会において強行採決というのがしばしば行われる。余りしばしばでもないかもしれませんが、好ましいことではないと思いますが、やむを得ず強行採決をやるという場合があります。強行採決によって、国民が守るべき法律が一発の採決で決まってしまうという事態については、私は国対委員長をやった経験から、これはできるだけ避けるべきであるというのが私の見解でございます。

 これは、一院制にした場合には、強行採決がもし行われれば、多数党による専制政治が行われる可能性がある。そしてさらに、これが独裁政治につながっていく可能性がある。したがって、そういう意味で参議院の存在意味というのは大きいなという判断をいたしたところでございます。

 党幹部の判断をいただいて、総務会で決定をさせていただいて、二院制にしたということがございました。

 もっとも、参議院のあり方については、衆議院で余り議論するのもいかがかなと思いますが、参議院は、ハウス・オブ・カウンシラーズという言葉が使われておりまして、これは、ハウス・オブ・カウンシラーズというのは、ハウス・オブ・リプレゼンタティブスという衆議院の言葉とちょっと意味が違うと思います。

 そういうようなことを、二院制が妥当であると述べたのが、この憲法をつくりますときに最初にお話しになったのが金森徳次郎国務大臣でありまして、衆議院に対する抑制的機能を前提として、知識経験のある慎重熟練の士を求める、こういうことが参議院に求められているわけでございます。ここに参議院の良識の府ということが言われるわけでありまして、非常に大事な概念だと思いますので、今後、この会合におきましてもよく勉強をしていく必要があるなということを感じております。

 以上でございます。

大畠会長  それでは、第一区分についての討議はこれで終わらせていただきまして、次に、第二区分に入ります。

 第二区分は、議事手続等、政党あるいは議員特権等々でございますが、この第二区分について発言を希望される委員は、ネームプレートをお立ていただきたいと存じます。

緒方委員  国務大臣の議院への出席の権利義務ということでございます。

 これはもう既にいろいろなところで議論をされているところでありますけれども、やはり私は、諸外国の議会の運用とかを見ていても、これほどまでに国務大臣が議会に拘束をされる国というのは、恐らく日本だけであろうというふうに思います。どの大臣でも、拘束される委員会、衆参合わせると、大臣によっては二桁の委員会に拘束されるという大臣がいるだろうというふうに思うとき、本当にこれで、議会での答弁を行った後、実際の仕事ができるようになるというのは、議会が終わった後の夜からだというような国務大臣も相当程度おられるでしょうし、ましてや、外国との関係で、外国に行くことを職務上求められる大臣に至っては本当に、議会との関係があるがゆえに外国に出ていけず国益を損なうということもある。もっと言うと、非常に過酷な職務になっているポスト、例えば外相というのは、あれは一年もやると相当に命をすり減らすんじゃないかと思うぐらいの状況にございます。本当に今のこの状況がいいのかと。

 そういう状況を解消するために本来設けられたのが、副大臣を天皇陛下の認証官とするというところであったのではないかというふうに思うわけでありまして、これは、実務上であってもいいと思いますし、憲法改正で対応すべきものであれば憲法を改正してということでありますけれども、この憲法六十三条の規定を余りに厳格に解するがゆえに日本の国の利益を損なうということがあってはならないのではないかというふうに私は思います。

 あともう一つ、議院の国政調査権。

 まさにここ、議院という言葉が、一人一人のリプレゼンタティブ、カウンシラーではなくて、ハウスで書かれていることというのは、非常に重いものがあると思います。それを受けての国会法第百四条の国政調査権というのも、まさにハウスとしての議院、そして委員会での決議がない限り国政調査権の発動に至らないということでありますが、もう少しこれは緩くてもいいのかなというふうに思います。

 個人的な経験を一つ言わせていただきますと、私、議員になりましたとき、直後に、質問主意書を出そうと思って、質問主意書を出したんですけれども、判こを押してもらえなくて、撤回させられたということがございます。実は、今でも、そのとき抱いた疑問というか質問というのはいまだ、三年たっても、一議員として解消されていないわけですけれども、議院の国政調査権というのは、リプレゼンタティブ、カウンシラーとしての、議員の国政調査権というふうにあってほしいな、私はそう思います。

 以上であります。

川越委員  私は、今の緒方林太郎委員のことと全く一緒なんですけれども、これだけ国際社会と言われる中で、国際化と言われる中で、本当に、閣僚が外に出ていくということに対して、国会に縛り過ぎる。これは、やはり国益を大事にするのであれば、もう少し外に出ていって発言すべきだろうと思います。

 私がこのことを一番最初に感じたのは、たしかリオデジャネイロの国連の、何ですかね、開発会議だったと思うんですが、時の宮沢総理大臣だったと思います。それで、今回も、リオ20とかオリンピックの開会式とか、行けなかったわけですけれども、やはり私は、日本人は内向きだと言われる、一番そこに集約されているんじゃないかと。

 もう少し、閣僚たるものは日本国を代表して世界を飛び回り、国益を大いに発揮してもらう、国民の代表として国益を守っていただく、そのことが大切ではないかということを申し上げたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

畑委員  国民の生活が第一の畑浩治です。ありがとうございます。

 私は、政党のあり方、それに関して党議拘束のあり方をこの場で申し上げたいと思います。

 政党というのは民主主義あるいは立法府における一番重要な役割を果たしているということは、言うまでもないと思います。であれば、やはりこれは、自律性は重要になりますが、政党のあり方をしっかりと法律で規定する、少なくとも法律上で規定することが重要だと思います。

 というのは、今、どの政党もというか、このような政権交代の時代で、政党は政権を担うわけです。もちろん、各政党はそれを目標にしていると思いますが、そういう中で、党の意思決定のあり方というのは非常に重要になると思います。党の決定が、場合によっては政府の、あるいは国の決定につながるわけですので、そこの手続がしっかりしているかどうかというのが問題だと思います。

 今回、消費税法案、いろいろ問題があったわけですが、この党内の、旧民主党の手続で、その手続、意思決定が曖昧であったと。一任というのは、一任で決定できるかどうかというのもあったし、一任の意味というのも曖昧でしたが、あるいは、紛糾した場合に党内でどうやって決定すべきか、両院議員総会なのか、あるいは政調で多数決をとるのか、その辺があったような、ないような、曖昧だったわけです。それがかなり、ひいて言えば、政党運営あるいは国政運営に対する不信を招くところもあります。

 そういうことを防ぐためにも、最低、党内の意思決定のあり方、そして党内の役員の選定のあり方、さらに言えば、代表なり党首の決定のあり方、この三つぐらい、少なくとも手続的に、こういう理念でやるべきだという規定は必要だと思います。それがやはり、民主主義の信頼性、政党の負っている役割において重要、当然課されるべき責務だと思っております。

 そういうことを考えた上で、もう一つ、党議拘束について申し上げたいと思います。

 我が党は党議拘束はかけておりません。そういうことで出発しております。私の問題意識は、事前に事前審査をがちがちやって党議拘束をやるということは、実は、熟議の国会というか、国会における実質的審議を阻害するものであると思います。国会議員それぞれが説明責任を持って、国会において議論することが重要でありますので、そういう意味から、事前審査制とセットになった党議拘束というのはいかぬと思います。

 党議拘束がなければいいのか、あるいは、どこかで必要なのかという議論は当然あると思います。党議拘束がないのが理想ですが、最低限、いろいろな議論を国会で、平場でしっかり議論した上で、最終の採決直前に党議拘束があるということは許容できると思います。いずれにしても、党議拘束、がちがち事前審査という、国会審議に入る前に党内で党議拘束をかけるというのは、私は、これは国会の議論の自殺行為だと思っております。

 そして、諸外国の例、いろいろ話がありました。アメリカとかフランスも党議拘束は弱いということがあって、イギリスは党議拘束は強いんですけれども、実は、日本みたいに強くないことも確かです。つまり、二段階、三段階で、議案の性質によって党議拘束をかける。かける時期も、法案提出前にがちがちかけるばかりではなくて、むしろ後の段階で、採決直前にかける場合も多いと思われます。

 そういうことから含めて、しっかり民主主義の議論が担保されるような党議拘束のあり方、これは憲法事項でもないし、また法律事項ではないかもしれませんが、各党各会派のそのような共通の慣行が形成されることを私は切に望みます。

 以上です。

照屋委員  先ほど、制限時間との関係で、政党についての意見を手短に述べましたけれども、関連して、いつも私が言うように、沖縄においては、敗戦後二十七年間、アメリカの軍事支配下で憲法が全く適用されないという状況が強いられておりました。その中にあって、結社の自由の保障は全くありませんでした。労働組合の結成も自由にできませんでしたし、政党や政党活動に対しても、アメリカ軍から大変な規制や弾圧がございました。

 具体的には、後に日本共産党の衆議院議員になりました瀬長亀次郎氏は、人民党を代表する政治家でありましたが、人民党事件で弾圧、投獄をされ、そして、那覇市長に当選をしましたが、アメリカ軍の布令、布告でもって追放をされる、こういう事態もありました。

 したがって、私は、憲法上に政党規定を設けるにせよ、政党法を制定するにせよ、国会で政党に関する法律をつくるとなると、どうしても多数派の肯定あるいは許容する内容になってしまう一方、人数や綱領、規約、運営方法などについて、少数党に不利な規定が行われかねない。旧西ドイツで行われてきたように、現体制に反対する政党が、国家権力によって禁止され、解散させられ、その財産が没収されたりする危険性もあるということを申し上げて、改憲の上政党規制をする、あるいは個別法で政党規制をすることには、私や社民党は反対であることを重ねて申し上げます。

笠井委員  今、照屋委員から大事な点が指摘されたと私は思っておりまして、瀬長さんのことにも言及いただきましたけれども、先ほど来、やはり憲法や法律という問題と政党という問題がごちゃごちゃになっているんじゃないかという感じがします。判こを押すかどうかという話もありましたけれども、それは、それぞれ属する政党の中できちっとどうするかという話になってくるんだと思うので、それを憲法とのかかわりでやるという話はちょっと、非常に違和感を感じたところであります。

 もともと政党というのは、言うまでもありませんが、憲法二十一条で、結社の自由に基づいて、つまり国家から監督や規制を受けずに活動するという自主的な組織であって、その活動は全面的に保障されなきゃいけない。その活動をやっていく上で、つまり、どういう活動をするかで政党がそれぞれ自主的に内部規律や活動のあり方を決めていくということになると思うので、それを何か、憲法や法律によりどころを求めて、政党がそれぞれやっていく上で憲法に何かそういうのがないとできないという話じゃ全然ないなということがあると思うんです。

 例えば党議拘束という話もありましたが、我が党の場合を申し上げますと、拘束とかというのがまず先にあるというよりも、我々は本当、それぞれ起こってくる問題に対して、国民に対して責任を持った対応をするという点で、党内でも徹底して議論を行います。共産党だからみんな同じ意見かというと、起こる事象については、さまざま、いろいろな意見、賛成、反対やいろいろな側面からの議論がある。それを尽くした上で、きちっと、では決めたことについてはみんなでその態度をとろうね、それでないと国民に対して責任がとれない、政党がばらばらであると国民から見られるということで、そこを大事にしながらやっているということであります。

 そういうことはそれぞれ政党が努力してやることであって、それを内部規律や活動のあり方まで法律で決めたり憲法で規定するということになりますと、やはりそこにはどうしても、そこで言う自由という問題が、照屋さんからもありましたが、時の多数党の考えを基準とする、つまり、そこで法律や憲法で決めるとなればそういうことになっていくということにならざるを得ないので、そこはまた別の次元の話だろうということを思っております。

 以上です。

大畠会長  他に発言の希望者はおられるでしょうか。

 それでは、発言も尽きたようでございますので、これにて各委員からの意見表明等を含む自由討議は終了いたします。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

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