民主党 衆議院議員 大畠章宏

国会質疑

衆議院:本会議()

四国務大臣の演説に対する質疑

議長(伊吹文明君)  これより、先週行われました四国務大臣の演説に対する質疑に入ります。大畠章宏君。

    〔大畠章宏君登壇〕

大畠章宏君  民主党の大畠章宏です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、安倍総理の施政方針演説等に対する質問をいたします。(拍手)

 なお、答弁内容によっては、再質問することを申し上げておきます。

 質問に入る前に、猛吹雪や豪雪により亡くなられた皆さん、さらに、エジプトで旅行中、突然の事故により亡くなられた皆さん、そして、アルジェリアにおけるテロにより亡くなられた皆さんの御冥福をお祈り申し上げます。

 さて、質問に入ります。

 現在の日本国は、少子高齢社会の到来、長期のデフレ経済に加えて、東日本大震災、原子力発電所事故など、まさに国難のときを迎え、二年が経過いたしました。

 さらに、現在、体罰やいじめ防止対策、外国で働く方々の安全対策や豪雪対策など、日本国政府が取り組むべき課題は多岐にわたっております。

 こうした状況のもとで、先週行われました施政方針演説は、キャッチフレーズや先人の言葉を引用して、総理の意気込みを歯切れよく語っておられました。

 しかしながら、かけ声とイメージを先行させるだけでは、国づくりは進みません。安倍総理が振りまくムードの先に、どのような日本国を具体的に目指しているのか、国の形が不明であります。民主党は、未来への責任を果たすため、国民の視点に立ち、しっかりとただしてまいります。

 以下、私は、現場から届いた国民の声を踏まえ、要点を絞り、質問いたします。

 まず第一点の課題は、東日本大震災対策であります。

 来週の月曜日は三月十一日。東日本大震災より丸二年を迎えることになります。大変残念ながら、昨年の十二月時点で確認されました、亡くなられた方は一万五千八百七十九名、行方不明の方は二千七百十二名、また、九月時点で震災関連で亡くなられた方は二千三百三名に上りました。

 改めて、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますと同時に、被災されました皆さんにお見舞いを申し上げます。

 大震災当時、私は、国土交通大臣を拝命しておりました。

 二年前の三月十一日、国土交通省災害対策本部会議で、徳山東北地方整備局長から、真剣かつ深刻な状況報告を受けました。

 同時に、人命救助は七十二時間以内に行わなければならないという教訓を思い起こし、心を決め、人命救助を第一として、局長の判断が私の判断として、やれることは全部やり切ってくださいと要請いたしました。

 一緒に行動を起こしていただきました職員の皆さんや自治体の皆さん、そして自衛隊、警察、消防及び医療関係者の皆さん、さらには、道路の瓦れき除去作業などに全力で御協力をいただきました現地の土木建設業の皆さん、そして全ての関係者の皆さんに御礼申し上げます。

 その後の一カ月間で二万七千百五十七名の方を救出することができたと、後日、報告を受けました。本当にありがとうございました。

 しかし、今、三十二万人を超える避難者の皆さんの生活再建や復旧復興作業は、現在でも困難な状況にあり、なお一層力を入れて推進していかなければなりません。

 今後とも、被災者支援、被災地支援に全力を挙げることをお誓いいたします。

 さて、現在、被災された国民の皆さんに対する支援活動が各自治体の全面的な御協力をいただきながら進んでおりますが、幾つかの課題について安倍総理に質問いたします。

 これから申し上げることは、現地から届いた声の一部であります。

 第一点。国の支援で町の予算規模は十五倍にふえたが、応援の職員も含めて、町の職員は一・五倍にしかなっていない。通常の予算規模は五十億円であり、体制が脆弱である。町の外からの支援職員についても、なるべく長期の派遣を望みたい。

 第二点。復興公営住宅への入居希望者の七割は高齢者。高層住宅は建てられず、土地の確保に苦労している。

 第三点。ついの住みかではなく、ここはあくまで仮設住宅だ。今後の方向性も見えず、住民間のトラブルや健康状態の悪化が懸念される。

 第四点。復興公営住宅の建設、買い取りに当たっては上限価格が定められており、資材の高騰、人材不足により建設単価が高騰すると、この条件が満たされずに、建設が進まない。

 第五点。福島県内の警戒区域内のインフラ整備がおくれている。インフラ整備を早急に進め、避難市民が帰宅したくなるようなまちづくりを図る必要がある。

 第六点。平成二十四年度補正予算で巨額の公共事業が実施されることになったため、被災地の発注工事で、資材高騰、人材不足等による入札不調が多発し、復興に障害が出ているなどであります。

 もちろん、これは現地からの声の一部でありますが、こうした現地からの声を含め、東日本大震災にどのように対応するのか、安倍総理のお考えを、被災者及び自治体担当者によく理解できるようにお答えをお願いいたします。

 次に、原子力発電所事故対策について質問いたします。

 原子力発電所事故により、現在でも約十六万人の方が避難生活を余儀なくされております。さらに、現在も、原子力発電所事故等のため、毎日三千人を超える関係者が全力で原子力発電所の安全性確保のために汗を流しております。また、地域の除染作業もおくれております。

 安倍政権としての原子力発電所現地対策及び避難生活をされている住民支援対策、地域の除染対策について、どのように進めるのか、総理の答弁を求めます。

 次に、国内経済対策について質問します。

 長く続くデフレ経済からの脱却は国民の願いであります。最近の円安、株高傾向については、一定の評価をすべきと考えます。

 ただし、この安倍総理の経済政策が結果として本当に歓迎すべきものなのかどうかをしっかりと検証しなければなりません。

 事実として、現在、いわゆる三本の矢は安倍総理大臣が手にしているだけであります。

 第一の矢である金融緩和について、日銀が共同声明で約束した新たな金融緩和策の実行は平成二十六年からとなっております。

 第二の矢である財政出動について、総額十三兆円にも及ぶ平成二十四年度補正予算は成立したものの、柱となっている公共事業は、着工のおくれによる景気浮揚効果のおくれが心配されております。

 第三の矢である成長戦略について、政府は産業競争力会議や規制改革会議を設立し検討を始めているものの、その効果は未知数であります。

 このように、三本の矢はまだ一本も発射されていないとの見方もあるにもかかわらず、期待だけが膨らみ、株高と急激なる円安となっております。

 もちろん、輸出企業にとっては収益の改善に大きく寄与しておりますけれども、輸入品であるガソリン、灯油、食料品も値上がりし、さらに電気料金の値上げが加わり、国民生活や物流業者、漁業者、農家、そして物づくりの中小企業にも大きな影響を与え始めております。

 例えば、円安により、輸入部品を組み立て国内向けに物づくりに励む関係者より、毎月赤字となり、このままでは経営が大変だという声が届いております。これは、国内雇用を維持したいと思い、必死に雇用と物づくりを守ってきた中小企業からの切実な声であります。

 これら急激に進む円安に苦しむ中小企業への対策、そして国民生活への対策について、安倍総理の答弁を求めます。

 次に、成長戦略について質問します。

 成長戦略は大切です。これまでも、民主党として、環境、エネルギー技術、医療分野、ロボット、農業分野、社会インフラ海外展開、海洋国家戦略などに力を入れてまいりました。

 その中でも、特に科学技術面での支援が重要であります。

 先日、ノーベル物理学賞を受賞されました小柴博士より、未来の日本にとって、国際リニアコライダー、最新鋭の素粒子加速器の誘致は、日本の未来にとっても若者にとっても重要です、ぜひ国としての支援方針を明らかにしていただきたいとの要請を受けました。

 科学技術と知的財産権の確立は、これまでの日本国の発展に大きく寄与してまいりました。リニアコライダーを含めた基礎技術、科学技術に対する総理のお考えを答弁ください。

 次に、雇用問題について質問します。

 経済政策の目的は国民生活と雇用の安定であり、雇用環境の改善が図られなければなりません。したがって、デフレを脱却し物価上昇に転じても、雇用が創出され賃金が上がらなければ、総理の発言された、額に汗して働く人が報われる社会とはなりません。これが同時に実現しなければ、三本の矢はその場しのぎのカンフル剤となり、国民の望む、本物の、安定した経済成長とはなりません。

 総理の経済政策により、雇用の創出、賃金の上昇をどのように実現するか、額に汗して働いている方々によくわかるように、明快にお答えください。

 また、それが実現できないときの総理の覚悟をお伺いします。

 さらに、現在、学生たちは卒業時期を迎えておりますが、若年層の雇用問題は深刻な状況が続いております。この若年雇用対策について、総理の答弁を求めます。

 また、一年以下の期限つき雇用契約者数は増加し、一千四百十万人に上ると発表されました。さらに、最近では、ブラック企業や貧困、格差社会が広がる日本において、現時点でもこのように雇用状況は悪化しておりますが、政府の規制改革会議の中で、正社員の解雇において、金銭補償して雇用契約を終える制度導入の検討を始めたとのことであります。

 これは、額に汗して働く人が報われる社会を目指すと発言されている総理のお考えと逆行していませんか。総理の答弁を求めます。

 次に、経済連携について質問いたします。

 TPPに関して、総理は、施政方針演説で、聖域なき関税撤廃は前提でないことを、先般、オバマ大統領と直接会談し、確認いたしました、今後、政府の責任において交渉参加を判断いたしますと述べられました。

 これは、さきの日米首脳会談における共同声明で、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認するとうたったことを根拠にしているものと考えます。

 しかしながら、その文書の前段にある、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものというのは、昨年四月十日、当時の玄葉外務大臣がカーク米国通商代表との会談で既に確認していることであります。

 つまり、今回の首脳会談で明らかになったことは、聖域が認められたということではなく、聖域として認められるかどうかは交渉の中で決まるということにすぎません。

 これで自民党の政権公約の条件がクリアされたというのは、国民を欺く安倍トリックではありませんか。

 何をもって聖域なき関税撤廃が前提でないとの結論に至ったのか、総選挙時に自由民主党を全力で応援した農協関係者や医療関係者にもよくわかるよう、安倍総理、答弁をください。

 次に、外交・防衛問題について質問します。

 日米関係は、我が国の外交、安全保障の基軸であり、その深化を図ることは、どの政権であっても重要なことであります。

 一方、東アジアでは、日本の政権交代に加えて、中国では習近平体制がスタートし、韓国では、先週、朴槿恵大統領が就任するなど、大きな変化の時代を迎えています。

 日中、日韓関係は、経済に限らず、相互に非常に重要なものであります。同時に、中国艦船による挑発的なレーダー照射を初め、我が国と中国、韓国の関係には、近年、緊張が高まっている一面も否定できません。

 リーダー交代を契機に、近隣諸国との関係改善にどのように取り組むつもりか、総理の決意をお答えください。

 また、北朝鮮は、二月十二日に三度目の核実験を強行し、拉致、ミサイル発射などで地域の平和と安定を脅かす行動をとり続けており、強い憤りを感じます。

 日米首脳も北朝鮮問題での協力を確認したということでありますけれども、国連安保理における取り組みを含め、政府の対処方針について、総理の答弁を求めます。

 次に、民主党政権時代に行った数々の国民のための改革を今後継続するかどうか、総理に質問いたします。

 まず、事業仕分けや行政事業レビューについて質問します。(発言する者あり)

議長(伊吹文明君)  静粛にしてください。

大畠章宏君(続)  民主党政権時代に行った事業仕分けや行政事業レビューは、二〇〇九年と二〇一〇年だけで一兆三千二百七億円の財源を捻出しただけでなく、政府内に適切な緊張感を与え、地方自治体でも同じように仕分け作業を始めたところもありました。また、国民に対して予算策定過程の透明性を高めるなど、極めて大きな意義があったと国民からも評価されました。

 こうした事業仕分けや行政事業レビューの継続について、総理の答弁を求めます。

 次に、一括交付金制度について質問します。

 民主党政権は、地方自治体の自由度を高めるため、補助金の一括交付金を目指した地域自主戦略交付金を創設しましたが、安倍政権はこれを廃止しようとしております。

 しかし、地域自主戦略交付金は、最終的には、省庁の枠を取り除いて、地方自治体が自由に財源を使えるようにするための重要なステップでありました。地方自治体はむしろ一括交付金化を評価しており、運用改善を求める声はあっても、制度の廃止を求める声を聞いておりません。

 地域自主戦略交付金を補助金に戻し、地方交付税交付金を削減することは、地方分権、地域活性化に矛盾しますが、安倍総理の基本的考え方を答弁ください。

 次に、子育て支援と教育について質問します。

 民主党政権下では、三歳以下、毎月一万五千円、三歳以上中学生まで、毎月一万円を支給する子育て支援を行い、さらに、高等学校授業料無償化で教育を社会的に支援する制度をつくり、経済的理由による高校中退者を約半減させました。

 しかし、与党は、総選挙において、これらの子供たちへの支援制度を、ばらまきと批判しました。

 また、言うまでもなく、子供たちの教育の充実は、未来への責任の最たるものであります。

 そのため、民主党政権では、子供たち一人一人に目の行き届いた指導を行うため、小学校一、二年生について三十五人学級を実現いたしました。さらに、今後、少人数学級のさらなる拡充が必要と考え、三十五人学級を五年間で中学校三年生までの全学年に広げる計画を立てておりました。

 ところが、今、安倍政権は、公共事業のばらまきをふやし、三十五人学級の拡充計画を取りやめようとしています。

 総理は、子育て支援と教育を社会的に支援する制度や三十五人学級の拡充を、ばらまきと考えているのでありましょうか。総理の答弁を求めます。

 次に、年金・医療改革について質問いたします。

 かつての安倍政権時代に、消えた五千万件の年金問題や医療崩壊、救急患者の病院たらい回し事件などが浮上しておりました。(発言する者あり)

議長(伊吹文明君)  静粛にしてください。

大畠章宏君(続)  民主党は、二〇〇九年の政権交代後、これらの問題を解決するために大きな力を注ぎ、宙に浮いた年金記録照合作業を進め、一兆七千億円の支払いをすることにいたしました。

 にもかかわらず、政府は、ことし一月十七日、厚生労働省の年金記録回復委員会を解散しました。年金記録回復に当たって専門家の意見を聞く場がなくなったということであります。

 なぜ年金記録回復委員会を解散したのか、そして、今後、消えた年金対策を含めて、年金問題にどう取り組むのか、総理の答弁を求めます。

 また、民主党政権は、診療報酬をプラス改定にして、後期高齢者医療制度の実質的年齢差別医療十七項目を撤廃しました。

 後期高齢者医療制度について、今後どのように対処されるお考えか、年齢で区分する保険制度をどうするのか、日本国をこれまで支えてきた高齢者の皆さんによくわかるように、総理の答弁を求めます。

 次に、郵政事業に関して質問します。

 小泉政権時代、郵政民営化法が参議院で否決されると衆議院を解散するという、まことに強引な手法で郵政民営化を断行しました。郵便局を民営化すると日本はよくなるというお話でもありました。

 しかし、実際は、地域によっては唯一の金融機関となっていた郵便局の経営は難しくなり、長年地域に貢献してきた郵便局も閉鎖に追い込まれ、ますます過疎化が進みました。

 これに対して、民主党は、国民新党の皆さんや郵便局の皆さんとともに力を合わせ、政権交代を果たし、郵政株式売却凍結法を成立させました。さらに、昨年、公明党、自民党を初め多くの皆さんの賛成を得て郵政民営化法を改正し、郵政三事業の一体的なサービス提供を確保するなど、地域のための郵政事業改革を前進させました。

 地域の方々より、おかげさまで郵便局が利用しやすくなりましたと、感謝の言葉もいただいております。

 安倍総理は、この新たな郵政事業改革をどのように受けとめておられるか、今後どうするのか、質問いたします。

 次に、社会保障制度改革について質問します。

 自民党も公明党も賛成した社会保障制度改革推進法の中では、必要な法制上の措置については、この法律の施行後一年以内に、社会保障制度国民会議における審議の結果等を踏まえて講ずるものとすると定めています。

 ところが、民主党、自民党、公明党の三党実務者協議で、与党は、公的年金制度、高齢者医療制度について、現行制度を維持すればよい、制度改革でも法改正を必要としない場合もあるので、実務者協議は改正を前提としていない、民主党が主張する年金抜本改革は、たとえ現時点で三党が合意したとしても、法案作成は国民会議設置期限の八月二十一日に間に合わないと言い出す始末です。

 これでは、抜本改革から逃げ、法改正をしないつもりではないかと疑わざるを得ません。

 国民年金を含めた公的年金制度及び高齢者医療制度について法改正をするのか、総理の答弁を求めます。

 次に、衆議院議員の定数削減について質問いたします。

 昨年十一月の党首討論における野田前総理と安倍総理の約束は、この第百八十三回の通常国会で定数削減をやり遂げるということであります。この約束により、野田総理は解散を決断しました。これは、重大な、公の約束事です。

 二月二十二日に開催された三党幹事長会談において、民主党は、三党で直ちに協議を始めることを強く申し入れました。しかし、与党は、党内でこれから議論するので協議には応じられないとして、情報交換の場の設置にとどまりました。

 これは全くおかしな話であります。解散だけかち取って、あとはずるずると引き延ばし、国民の前で公に約束したことを破るのですか。もしそうであれば、これこそ、公約違反のそのものじゃないですか。

 先日の総理大臣の演説では、各党各会派で話し合い、しっかり結論を出していこうではありませんかと、まるで他人事のような発言でありました。

 安倍総理の責任において、今国会中に定数削減法案を成立させることを国民の前に明らかにしていただきたい。安倍晋三総理の誠実な答弁を求めます。

 最後に申し上げます。

 民主党は、一九九八年の結党以来、国民が主役となる政治を目指し、日本国において、国民の選択による政権が誕生する政治、政権交代ができる国を目指して努力してまいりました。

 戦後政治は、業界団体が主導する政治が長く続き、政官業癒着政治が横行しました。これに対して、民主党は、欧米並みに国民主導の政治を実現したいという思いで、今日まで歩んでまいりました。

 二〇〇九年に、その思いは国民に通じ、政権交代を実現することができました。しかし、昨年末の総選挙では大敗を喫し、再び政権交代となりました。

 この大敗を深く反省し、私たちは、新たに、海江田新体制のもと、党改革創生本部を立ち上げ、全国四十七都道府県に足を運び、党関係者の皆さんを初め、支援者の皆さんや国民の皆さんの率直な御意見を伺う運動を開始いたしました。

 そして、二月二十四日に開催した党大会で、第一次党改革方針と党綱領を決定いたしました。

 私たちは、生活者、消費者、納税者、働く者の立場に立ち、安心して暮らせる社会の実現を目指し、新たなスタートを切りました。

 どんな困難があろうとも、国民の視点で政治を行い、日本国の長い歴史と文化、伝統を踏まえた、お互いに助け合う社会、人を大事にする社会、そして、地域社会の中で全ての国民が安心して働き、暮らせる社会を目指して全力で行動することをお誓いし、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君)  大畠章宏議員の質問にお答えをいたします。

 東日本大震災からの復興におけるさまざまな課題について、現地からの声も含め、どのように対応するのかとのお尋ねがありました。

 現地の声に真摯に耳を傾け、復興の課題に速やかに対応することが重要と認識しております。

 このため、政権発足後速やかに、復興を加速化するよう指示をしており、復興大臣のもとに、住宅再建・復興まちづくりの加速化のためのタスクフォースを設置しました。

 このタスクフォースにおいて、速やかに住宅宅地等の工程や目標を公表し、その実現及び加速化に向け、御指摘の用地取得、資材不足、人員不足、入札不調などの課題に柔軟かつ迅速に対応するとともに、自治体のマンパワー対策に努めてまいります。

 また、福島県内の警戒区域内のインフラ整備については、区域見直しの進捗に合わせ、復旧工程表を作成して、復旧を加速していきます。

 仮設住宅等にお住まいの方々を含め、被災地の方々の生活を支援しつつ、これらの取り組みを通じて、将来の希望を持っていただけるよう努めてまいります。

 原発事故対策としての原子力発電所の現地対策及び住宅支援対策、除染対策についてのお尋ねがありました。

 私は、総理就任直後の最初の訪問地として、迷うことなく福島を選びました。そこで接した被災者の方々の、故郷へ一日も早く帰りたいという要望や思いに応えるため、縦割り行政を排し、現場主義を徹底するよう体制を抜本的に改組し、政府が一丸となって原発事故からの復興に取り組んでいるところであります。

 特に、東京電力福島第一原発については、一日も早い安全な廃炉が極めて重要です。国が前に出て研究開発の主導的な役割を果たし、世界の英知を結集して取り組んでまいります。

 原発事故で被災した住民の方々に対しては、被災者が将来の希望を持てるよう、避難解除区域の住民の帰還を促進するための取り組みや、直ちに帰還できない区域への将来の帰還に向けた保全対策などの施策も、速やかに実施してまいります。

 除染については、根本復興大臣と石原環境大臣のもとに関係府省の局長クラスを集めてタスクフォースを設置し、政府一丸となって取り組んでまいります。

 これらを迅速に進めることにより、福島の復興、再生を必ずや加速してまいる覚悟であります。

 中小企業への対策及び国民生活への対策についてお尋ねがありました。

 最近の為替動向により、製造業を中心に、中小企業、小規模事業者でよい影響が見込まれます。

 一方で、輸入資材等の上昇により影響を受ける中小企業、小規模事業者が一時的に収益を圧迫される場合には、セーフティーネット貸し付け等の政策金融により、しっかりと支援してまいります。

 また、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢により、企業の収益をふやし、雇用や所得の拡大を実現することで、中小企業、小規模事業者及び国民生活に経済成長の恩恵が幅広く行き渡るようにしていきたいと考えております。

 成長戦略と科学技術イノベーションの関係についてのお尋ねがありました。

 科学技術イノベーションは、日本経済再生の原動力となるものであります。成長による富の創出を実現するための重要な柱であると考えます。

 このため、政府としてこれを強力に推進するとの考えのもと、総合科学技術会議の機能強化を図ることとしております。今月一日に安倍政権のもとでの会議をスタートさせたところであり、今後、科学技術の面から、成長戦略の策定に向けた具体的検討を進めてまいります。

 我が国は、世界最先端の加速器技術で世界のイノベーションを牽引していきます。その一環である国際リニアコライダーについては、大きな夢のある構想である一方、巨額の経費を必要とすることなどにも留意が必要と考えております。

 政府としては、まずは研究者レベルでの国際的な設計活動の進捗状況等を見定めながら検討していきます。

 雇用の創出や賃金の上昇の実現、若年雇用対策、規制改革についてお尋ねがありました。

 頑張って働く人の所得をふやし、本格的なデフレ脱却を実現できるかどうかに、安倍政権の経済政策の成否がかかっていると言っても過言ではありません。イノベーションや規制改革など成長戦略に取り組むとともに、利益を従業員に還元する企業を税制で応援するなど、雇用と賃金の増大を目指してまいります。

 若者の雇用対策については、未内定学生やフリーターなど、個々の事情に応じた就労支援をきめ細かく実施し、意欲があれば世のため人のために活躍できる機会をつくってまいります。

 雇用規制の見直しについては、これにより労働移動が円滑に行われるという見解がある一方で、多くの労働者が賃金によって生計を立て、雇用を通じて社会とさまざまなつながりが形成されているということを踏まえれば、労使間で十分に議論が尽くされるべき問題であると考えます。

 TPPについてお尋ねがありました。

 さきの日米首脳会談では、TPPについて、その意義やそれぞれの国内事情も含めじっくりと議論し、私から、さきの衆議院議員選挙で、聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加に反対するという公約を掲げ、また、自由民主党は、それ以外にも五つの判断基準を示し、政権に復帰したということをオバマ大統領に説明いたしました。

 その上で、オバマ大統領との間で、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品といった二国間貿易上のセンシティビティーが両国にあること、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであること、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することは求められないことの三点を明示的に確認し、日米の共同声明を発出いたしました。

 これらを踏まえ、公約との関係では、私は、TPPでは、聖域なき関税撤廃が前提とされるものではないとの認識に至ったものであります。

 日中、日韓関係及び北朝鮮問題への対応についてお尋ねがありました。

 日中関係は、最も重要な二国間関係の一つであり、個別の問題があっても関係全体に影響を及ぼさないようにコントロールしていくとの戦略的互恵関係の原点に立ち戻るよう、粘り強く訴えていきます。私は、対話のドアは常にオープンにしておきます。

 韓国は、基本的な価値と利益を共有する、最も重要な隣国です。日韓間には難しい問題もありますが、日韓双方で新政権が成立した機会を生かし、二十一世紀にふさわしい未来志向の関係を構築するために、朴槿恵大統領とともに努力をしていく考えであります。

 北朝鮮問題については、米国等と引き続き緊密に連携協力し、追加的制裁を含む新たな安保理決議の採択等、断固とした措置をとるべく、しっかりと取り組んでまいります。

 先般の日米首脳会談においても、金融制裁を含む追加的制裁も含め、日米間で緊密に協力していくことを確認したところであります。

 事業仕分けと行政事業レビューについてお尋ねがありました。

 無駄遣いの削減は政府として重要な課題であり、そのために、事業仕分けを含めたこれまでの手法にとらわれず、より効果的な取り組みについて検討していく考えであります。

 具体的には、現在、行政改革推進会議において、行政事業レビューの実施方法について検討を行っており、三月中にも改善策を取りまとめた上で、来年度から実施してまいります。

 地域自主戦略交付金の廃止についてお尋ねがありました。

 地域自主戦略交付金については、地方から、窓口の一元化や手続の簡素化、総額の確保などの課題が指摘されていました。これらの課題を解消するため、本交付金を廃止し、各省庁の交付金等に移行することとしました。

 その際、地方六団体からの意見を聞き、各省庁における交付金のメニューの大くくり化や、継続事業の着実な実施に必要な総額の確保など、地方の意見を反映した施策を推進しております。

 このため、本交付金の廃止は、地方分権改革、地域活性化に矛盾するとは考えておらず、今後も引き続き、地方分権改革を進めてまいる所存であります。

 子育てや教育を社会的に支援する制度、三十五人学級についてお尋ねがありました。

 子育てや教育を社会で支えることなどは重要であると同時に、そのための政策はより効果的に進める必要があると考えます。

 児童手当については、昨年度の三党合意に基づいて、その内容を見直したところです。

 また、高校無償化制度については、所得制限の導入も含め、真に公助が必要な方々への制度となるよう検討してまいります。

 小学校三年生以上の三十五人以下学級の推進については、これまでの政策効果の検証を行いつつ、必要な検討を進めてまいります。

 年金問題と後期高齢者医療制度についてのお尋ねがありました。

 年金記録回復委員会については、法的根拠がなかったことから見直すこととし、法に基づく厚生労働省の審議会に有識者による新たな委員会を設置し、今月中に審議を開始することとします。

 引き続き、国民への記録確認の呼びかけなど、年金記録問題にしっかりと取り組んでまいります。

 また、後期高齢者医療制度については、当初、御党より、年齢による差別との批判がありましたが、年齢で区別した診療報酬を廃止し、広域連合による制度運営も安定しているなど、現在では、十分に定着しているものと考えています。

 今後は、三党協議も踏まえ、国民会議において御議論いただき、改革を具体化してまいります。

 郵政事業改革の受けとめについてお尋ねがありました。

 郵政事業改革については、昨年四月、民主、自民、公明の三党合意を踏まえ、改正郵政民営化法が成立をし、そして、郵政三事業の一体的なサービス提供を確保するなど、措置が講じられたところであります。

 東日本大震災の復興のための貴重な財源を確保し、国民負担を軽減する観点から、日本郵政の企業価値を高めていくことが求められています。

 そのような中で、郵政民営化法にのっとって、郵政民営化の成果を国民に実感していただけるよう、ユニバーサルサービスを初めとした公益性を確保するとともに、経営の効率化やサービスの向上を進めていくことが重要と認識しており、政府として対応してまいります。

 社会保障改革に関する法制上の措置についてのお尋ねがありました。

 社会保障制度改革推進法に基づき、政府は、医療、介護、年金、少子化対策について議論する国民会議の審議の結果等を踏まえ、八月二十一日までに必要な法制上の措置を講じることとなっています。

 この法制上の措置の具体的内容については、改革推進法に沿って、国民会議における審議結果に加え、三党協議の状況など、さまざまな状況を踏まえて検討していく必要があると考えます。

 政府としては、八月二十一日の国民会議の設置期限に向けて国民会議で議論を深めるなど、社会保障改革のさらなる具体化に向け、しっかりと検討を進めてまいります。

 衆議院議員の定数削減についてお尋ねがありました。

 さきの三党合意においても、選挙制度の抜本的な見直しの検討を行い、今般の国会終了までに結論を得て必要な法改正を行うこととしています。私は、自由民主党総裁として、党に対し、積極的に取りまとめを行うよう指示をしております。

 いずれにせよ、議会政治の根幹にかかわる重要な課題であるので、各党各会派において御議論をいただいているところであります。

 私としては、しっかり改革を進めてまいる決意であります。(拍手)

議長(伊吹文明君)  大畠君、協議中ですから、自席で待ってください。(発言する者あり)

 同僚の皆さんに申し上げます。

 ただいま議場内交渉係が協議をしておりますので、静粛にお待ちください。

 大畠章宏君から再質疑の申し出がありますから、持ち時間四分弱の範囲でこれを許します。大畠章宏君。

    〔大畠章宏君登壇〕

大畠章宏君  先ほど安倍総理からいろいろと答弁を賜りましたが、私の質問に十分にお答えしていただいておりませんので、再質問をさせていただきます。

 一つは、この件については全くお触れになっておりませんが、今回の安倍総理の考えている経済対策によって日本の経済が回復したときに、いわゆる働く人に対する賃金の上昇をどのような形で導いていくのか、これがもしできないとき、総理はどのような覚悟を持っているのか、これについて質問します。

 これは、日本の経済にとって大変重要なことなんです。国民の所得が上がらなければ、日本国内の経済もよくなりません。そういう意味で、最終的な経済の回復というのは、国民の所得が上がって初めて、経済が回復したということになるんです。

 これは、安倍総理もそれをよく御存じで、そういうふうにしたいという話をさっきされましたけれども、それが実現できないときの覚悟を私は聞いているのであります。

 もう一つ重要なことがあるんです。(発言する者あり)

議長(伊吹文明君)  静粛に願います。

大畠章宏君(続)  先ほど安倍総理は、今回の解散というものを得るために、三年三カ月、さまざまな努力をされたようでありますけれども、特に十一月の十四日の党首討論において、安倍当時の総裁がどのような発言をされたのか、ここに私は議事録を持ってきています。

 野田当時の総理大臣が、定数削減はやらなければいけないんです、消費税を引き上げる前に、お互いに国民の皆さんに約束したことを、この国会で結論を出そうじゃありませんか、ぜひ、これは法案を提出いたしましたから、御党におかれても御決断をいただきますように強く期待します、この決断をいただくならば、私は今週末の十六日に解散をしてもいいと思っているんです、ぜひ国民の前に約束してくださいという質問がありました。

 それに対して、安倍総裁は、私たちは、まず〇増五減、これは当然やるべきだと思っていますよ、そして、来年の通常国会において、私たちは既に、私たちの選挙公約において、定数の削減と選挙制度の改革を行っていく、こう約束しています、今、この場で、そのことをしっかりとやっていく、約束しますよ、こう発言をされています。

 でありますから、先ほど、三党間でよく協議をしていただいて云々ということではなくて、これは、安倍当時の自民党総裁としての約束事なんです。

 ですから、改めて安倍総理大臣に、その覚悟といいますか、これを実現するという約束事を果たすことを、ぜひ国民の前で約束していただきたい。

 このことを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君)  大畠議員から、雇用や賃金の上昇について、私の覚悟を問いたいという再質問でございます。

 先ほど、その覚悟の上に私の考えを述べさせていただいているところでございますが、賃金においては、幾つかの企業において、景気をなるべく早く上昇させ、そしてデフレから脱却をしていくために、安倍政権の考え方に応じて、一時金あるいは賃金を上げていくという会社が出てきていることは、大変喜ばしいことであろう、このように思います。

 また、雇用においても、女性を中心に雇用の求人率が上昇をしていることについても申し上げておきたいと思うわけでありますが、覚悟について言えば、我々は、常に、全ての政策において覚悟を持って政策を推進しております。

 その覚悟において、何によって責任をとるか、それは、皆さん、我々は総選挙において責任をとるわけであります。

 そして、もう一点、定数削減についてお尋ねがございました。

 安倍総理が解散をかち取ったというお褒めの言葉をいただいたわけでございますが、解散を実行したのは野田総理であるわけでございまして、私がかち取ったという表現は、むしろ野田総理に対して失礼ではないか、このように思料するところでございますが、先ほど答弁の中で申し上げさせていただいたように、自由民主党の総裁として、党に対し、積極的に取りまとめを行うよう指示しております、こう申し上げているわけでございます。

 私は、行政府の長であります。行政府の長でありますから、この選挙制度の問題は、全ての党が、大きな党も小さな党もしっかりと議論をしていただくことがふさわしいのではないか、このように思うわけであります。

 今、石破幹事長を中心に、この制度について、あるいはまた削減について、議論をしております。また、与党でこの議論がもしまとまれば、それに速やかに皆さんが賛成をしていただければ、直ちに法案は成立するものと思われますので、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

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