前衆議院議員 大畠章宏

国会質疑

衆議院:経済産業委員会()

経済産業の基本施策に関する件についての質問

大畠委員  おはようございます。民主党の大畠章宏でございます。

 きょうは一般質問ということで、宮沢大臣を初め関係の皆さんにお伺いをさせていただきます。

 ただいま生方議員からエネルギーの問題についての質疑がございました。大臣からはエネルギーの輸入関係は九四%という話もございましたが、輸入は円安という話になりますと非常にコストがかかるということにもなりまして、日本国内の経済はどんな状態にあるのか、こういうことを中心として、経済閣僚の一人であります宮沢大臣に御質問をさせていただきます。

 けさの新聞でありますが、参考資料を席上配付させていただきました。これはけさの毎日新聞の記事でありますが、「消費者心理悪化」ということでありまして、安倍政権誕生のころからの現状判断指数というものと消費者態度指数というもののグラフが示されました。これは内閣府が十一日、昨日発表したものであります。

 この動向を見ますと、非常に安倍政権に対する経済的な期待というのは大きく膨らみましたが、現在ではかなり落ち込んできておりまして、特に地域経済の指標というものにおいては、消費者心理というのは非常に大きいんですね。この消費者態度指数というものを見ますと、ほぼ安倍政権誕生以前の水準まで落ち込んでいる。これは私は重大な関心を持って見なければと考えているところであります。

 そういうことからすると、今、株式市場は一万七千円をつけているんです。ですから、株価と国民の心理との間に大きな差ができている。

 この背景は、十月三十一日に発表しました黒田総裁の追加金融緩和措置というもので、プラス三十兆円しました。一方で、先日も質問をさせていただきましたが、年金基金関係では株式に投資する割合を増加させる、こういうことにいたしましたが、その背景で、国債の割合は六〇%から三五%に引き下げる。すなわち、国債を大体三十兆円規模売って株式に回すということなんですが、そういうことで株式市場は高騰しているわけなんです。その三十兆円分、国債を誰が引き受けるのかといったら、日銀が引き受けるという話なんですよ、つじつまを合わせると。

 だから、どうもそういうことで、株式市場を揺さぶって株価を高位置で維持したいという安倍政権の思惑だと思うんです。私も余り株式投資というのはやったことがないんですけれども、政府を挙げて株価をどうするかという介入をし始めているということになると、これは世界各国いろいろ政府がやっていますが、何か異常事態と見る。

 そういうことが、ひいては消費者心理のところに、アベノミクスというのは、株式市場は一万七千円ぐらいまで上がっているけれども、円安になって物価が上がって、結局、地域の生活が苦しくなるんじゃないか、そういう心理が私は働いているんじゃないかと。そうすると、アベノミクスとは何なんだ。第一の矢、第二の矢、第三の矢の成長戦略がほとんど見えない。

 日銀がいろいろ操作して、円安誘導をしながら株価をただ高く維持しているというだけではないか、そんな見方が今広がってこの消費者態度指数というものにあらわれているんじゃないかと思いますが、経済閣僚としての宮沢大臣のこの問題についての御認識をお伺いします。

宮沢国務大臣  今の経済の動向というのは、確実にアベノミクスが進展をしてきていると私は考えております。

 この消費者心理悪化というものも、これはある意味では絶対水準ではなくて前月比の相対水準でありまして、若干今足踏みしているというようなところがこういう数字に出てきているんだろうと思います。

 一方で、絶対水準ということになりますと、やはり二年前の今ごろを考えてみますと、六重苦と言われているような中で、消費者心理も冷え込んでいるし、一方で、企業の方も元気がないという状況だったのが、やはりこの二年間で随分絶対水準としては上がってきているんだろうと思います。ただし、相対水準でこういうことが出ているということは、やはり我々も地方とか中小企業とかということに相当これから気を配っていかなければいけないということは事実であります。

 第一の矢、第二の矢、第三の矢とあるわけですが、正直言いまして、やはりロケットスタートできたのは第一の矢の影響が大変大きくて、その結果、自動車産業を中心に裾野の広い産業が急激に元気が出てきたというところがロケットスタートの遠因だったと思います。

 しかし、第三の矢というのは、すぐに効くもの、また長くかかるもの、いろいろあるわけでありまして、その効果がやはりじわじわと出てきた結果、設備投資というのが本当に久しぶりにかなり出てきておりますし、また、実質賃金は下がっているといっても、賃金の方も何年かぶりの上昇を見ているということでありますので、私自身は、大きな流れとしては順調に来ている、ただし、こういう消費者心理等々を見ましても、この場は少し小さな流れとして足踏みしているということも事実でありますから、相当注意深く政策運営をやっていきたいと思っております。

大畠委員  今、宮沢大臣から、日本の経済、特に地域経済に対する現状についての御認識を伺いました。

 私は、確かに、ロケットスタートというのはそのとおりだろうと思います。これは非常に即効性があるものだと思いますが、ただ、日本全体を見ていると、きょうは小里環境副大臣もおいででありますが、私も副大臣から随分責め立てられました、東日本大震災のときに。遅い、遅い、何をやっているんだ、被災者のことを考えよということを随分厳しく予算委員会でも言われたわけでありますが、東日本大震災の復興のために、二十兆円の予算をつくって、必死になって私たちもやってきました。この東日本大震災の復興対策ということで巨額なお金がおりたということで経済が地域では回り始めたということと、今のロケットスタートといいますかアベノミクスというものの心理的な効果が相乗して今日まで引っ張ってきたんだと思うんです。

 ただ、ここで考えてみると、東日本大震災の復興は、私も言わざるを得ないんですが、皆さんがおっしゃっていたほどスタートといいますかスピードを上げていますか。どこかに復旧復興というのは置いてきぼりを食って、アベノミクスに集中して、さあ、株価が上がった、日本はよくなるんだというメッセージを盛んに安倍総理が出していますが、復旧復興というのは、何か社会的に、政府としても関心が薄れてきているんじゃないかと。

 私は、あの当時、皆さんからも責め立てられましたが、東日本大震災の復旧復興なくして日本の再生はないということを皆さんと意識は共有していました。ところが、最近、復旧復興の問題についての政府の熱意が私は薄れてきているんじゃないかと思うんです。

 みんな、株価が上がればいい、アベノミクスでトリクルダウンで地域に広がるというけれども、結果的には、この消費者心理を見ると、日本全体としては先行きはどうなるんだろう、円安で輸入品が高騰してきて結局消費者物価も上がってきた、そして物価が上がるけれども実質賃金は上がらない、これからどうなるんだろうに加えて、非正規労働者をふやそうという派遣労働法の改正まで踏み込んでいるわけです。

 だから、全体的に落ちついて見ると、何か、安倍政権のやっている経済政策はこれからどうなってしまうのかという心理が私はここに働いているんじゃないかと、これは私の見解ですが。

 せっかく環境副大臣もおいででありますから、現在の一番の課題であります瓦れき処理、あるいは、これは質問通告はしておりませんが、仮設住宅がもう三年ぐらいになっていたり、それから、復興公営住宅もなかなか進んでいないんですが、関連する大臣として、あれだけ予算委員会で強く主張されているんですから当然関心があると思いますが、そこら辺をひっくるめて、今副大臣をされている感想なりあるいは状況なり、お伺いしたいと思います。わかる範囲で結構です。

小里副大臣  東日本大震災が発災をしましてから、時の大畠国土交通大臣と気持ちを同じくして復旧復興に向けて取り組んだな、そういう感想を持っております。また、現政権になりましてからも、東日本大震災からの復興なくして日本の経済の回復はない、そういう信念でもって、一丸となって取り組んできたという認識でおります。

 御指摘をいただきました汚染土壌、瓦れき等につきましても、余り詳しく申し上げると時間がかかってしまいますが、それぞれ取り組んでいるところでございます。

 ポイントだけ申し上げます。汚染土壌につきましては、鋭意除染を進めておりまして、平成二十七年、二十八年度内には大半の市町村で終了する計画でございます。また、仮置き場などの除去土壌については、中間貯蔵施設の整備ができ次第、同施設に搬入していくという段取りでございます。当の中間貯蔵施設は、関係県、各関係長の御指導、御理解をいただきながら進めているところでございます。

 実際の搬入開始までには、法案の成立を初め、確認すべき事項が五項目あるところでございますが、それぞれ、今その取り組みを進めながら、早期の搬入開始に向けて最大限努力をしておるところでございます。

 なおまた、一般的な、土壌以外の瓦れき処理につきましても、当時、この汚染に関係しない廃棄物処理につきましては、災害廃棄物の処理特別措置法、これもまた時の国土交通大臣の御指導をいただきながら制定をした経緯があります。

 また、汚染された廃棄物につきましては、汚染廃棄物対策地域として指定されている中で処理を急いでいるところでございます。昨年十二月に改定した処理計画に基づきまして、仮置き場への搬入を進めるとともに、仮設焼却炉を建設し、減容化処理を開始したところでございます。減容化処理によって発生した焼却灰のうち、十万ベクレルを境にして、中間貯蔵施設に持っていく、あるいはエコテックに持っていくというものがあるわけでございます。

 残された大きな課題としましては、最終処分に向けて三十年のうちにこれを解決しないといけないということでございますが、それぞれ技術開発を急ぎながら、なるべく円滑な処理に向けて、今一生懸命頑張っております。当時と気持ちは全く同じくして、それ以上に頑張っております。

大畠委員  今、小里環境副大臣から御所見を伺ったわけですが、阪神・淡路大震災のときにも大変尽力されたというのは伺っておりますし、これからまたさまざまな困難が来ると思いますけれども、それをぜひ、あの当時、野党時代を思い起こしながら、情熱を持ってしっかりと被災地の皆さんの立場に立って取り組んでいただきますようよろしくお願いしたいと思います。

 副大臣には、どうぞ仕事の方に戻っていただいて結構でございます。

 さて、そういうことで、経済政策でございますが、なかなかうまく私は進展していないのではないか、地域の実態からするとそういう感じを持っているわけですが、もう一つ、デフレの問題ですが、どうも私は、安倍政権のデフレの要因というものについての認識が間違っているんじゃないかという思いがあるんです。

 それは、日銀の一万円札を刷って、無理やり二%の物価上昇まで持っていけばそれでいいんだというんだけれども、実体経済が全くついていっていないんですよね。だから、トリクルダウン、トリクルダウンといいますが、株を持っている人が現金を手にして高額商品を買えば日本の経済がよくなるのか。少なくとも私の選挙区の農村部なんかには全く影響がないですよ。かえって物価高で生活費が困っている。

 あるいは、農業問題についても、戸別所得補償制度をやめちゃうというんでしょう、自民党政権。では、農業政策をどうするんですかというものの、手がないままで、ただ、民主党政権のときにはばらまきだったから、こんなのはやめちゃうんだという乱暴な手法だけで、農村部の生活がよくなるわけがない。

 私は、このままいきますと、何となくアベノミクスの三本の矢は効果があると世界じゅうに安倍総理は宣伝して回っておりますが、では、日本の中の農村部に行って話してみてくださいよ、皆さん、三本の矢が効果があって、農村部も明るい農村になるんですと話をしたって、聞いている人は、どこでそういう話になるんですかという話になると思うんです。

 そこで、お伺いしたいのは、経済閣僚としての宮沢大臣は、デフレ要因というのはどういうふうに捉えて、アベノミクスを投入すれば、それがひっくり返るんだというふうに認識されているのか、そこをちょっとお伺いしたいと思います。

宮沢国務大臣  私は、デフレというのは相当根の深いものだと実は思っております。恐らく、世界が大きく変わる中で、日本がそれについていけなかったということなんだろうと思うんです。

 世界が大きく変わることの象徴は、恐らく冷戦が終わったということ、ちょうど八九年にベルリンの壁が崩れたのが象徴ですけれども、その前に日本の経済はどうだったかと申し上げますと、東西が分かれている中で、西側陣営にいて、そして、比較的に安い労働力だった。

 そしてもう一つ、アメリカに次ぐ大変大きな国内市場を持っていたというところで、高度成長から始まって、ずっといい状況で来ていましたけれども、冷戦が終わった途端に世界ががらっと変わってしまって、世界が一つの大きな市場になった。したがって、中国の安い労働力と競争しなければいけない。

 一方、国内市場といった意味でも、中国は十三、四億ですし、EUができて四億を超える、アメリカも三億を超えているという中で、日本は一億三千万という大変小さな国内経済になった。

 そういう中で、過去の成功例に引っ張られ過ぎて変わってこられなかったことが、実は日本のデフレの一番大きな要因だと私は思っています。

 そうした意味では、アベノミクスの中でいえば、第三の矢をどうやって成功させるかということが一番大事だろうと思っておりまして、例えば農業であれば、農商工連携等々とか、また農産物の輸出とか、そういう付加価値の高いものをどういうふうに生産していくかというふうに変えていくということが、恐らく一番大事な政策ではないかと思っております。

大畠委員  確かに、大臣がおっしゃるように、そういう側面はあるんだろうと思うんです。

 もう一つ考えなきゃならないのは、藻谷さんが「デフレの正体」という本を出版されて、非常にみんなに受け入れられていますが、少子高齢社会というものがその根底にあるのではないか。すなわち、若い人が減ってくると、住宅はなかなか建てようとしない、少子化ですから人口も減ってくる、おのずから、経済を支える基盤そのものが弱くなっているんだ、だから、少子高齢社会に対して手を打っていくことがデフレの脱却のベースじゃないか。特に、市町村、地域、地方の都市に対して、どうやって再生させるかというのは非常に大事だ、こういうことを主張されていたわけです。

 そこで、農水省にきょう来ていただいていますのでお伺いしますが、地域における農業の実態、あるいは農村の実態、林業や漁業の再生策を農水省としてはどう考えているのか。特に、私ども民主党政権時代に六次産業化というのを一生懸命導入しましたが、その状況についてお伺いします。

荒川政府参考人  お答え申し上げます。

 今、先生から、農林水産業、それから農山漁村の状況についての御質問がございました。

 御指摘にございますように、農林水産業、農山漁村は大変厳しい状況にございます。高齢化の進展、それから耕作放棄地の増大、燃油高騰など、いろいろな課題がございます。

 そういう中で、一方で、私ども農山漁村には隠れた潜在力というものもあるというふうに認識しておりまして、そういうものをしっかり引き出して、成長産業につなげていくということが大事だと思っております。

 一昨年以降、総理を本部長にいたしまして、関係閣僚から成ります農林水産業・地域の活力創造本部という場を政府全体として設けていただきまして、農林省の中にも、攻めの農林水産業の推進のための実行本部というものを設置しております。

 では、具体的に何をやるのかということでございます。

 まず、農業につきましては、需要をしっかり拡大していくということで、これまで余り目が向いておりませんでした輸出といったようなものについてもしっかり取り組んでいこうということ。

 それから、国内市場でも、余り今まで私どもが目を向けてこなかった医療ですとか福祉ですとか介護ですとか、そういったいろいろな業種との連携というものも大事だろうと思っております。

 それから、生産現場をしっかり強くしていくということは欠かせないことでございまして、昨年秋に臨時国会で通していただきました中間管理機構というものを通じて、農地の集約化というものを進めていこうと思っております。

 それから、先生御指摘ございました六次産業化でございます。これもいろいろな道具立てをつくっていただきまして、今、A―FIVEという出資というスキームを通じまして、六次産業化を進めていこうということで、ことしの二月から本格的に取り組んでおるところでございます。

 こういったような取り組みによりまして、少しずつではございますけれども、芽が出てきておると思っておりますので、これを強力に進めてまいりたいと思っております。

大畠委員  ただいま農水省から御答弁がございましたが、宮沢大臣、私は、日本の経済再生の一つの鍵が、経産省と農水省の連携。要するに、お互いに壁があったわけです。農水省は農産物をつくるのが得意ですが、売るのはどちらかというと不得意だったんですよ。付加価値を高めるという意味でも不得意だったので、六次産業化の中で経済産業省と農水省が手を組んで、農家の所得をいかに上げるかという知恵を出そう、そういうことを進めてきましたので、ぜひ経産大臣にはそういう観点から取り組んでいただきたいと思いますが、この件についての御所見をお伺いしたいと思います。

宮沢国務大臣  大変大事なことだと思っております。

 やはり経産省というのは、付加価値を高めるとか、例えば品質をしっかりと管理するとか、そういうところはずっと専門家としてやってきた役所でありまして、そうした意味でいいますと、例えば農水省とかまた厚労省というのは、余りそういう意識を持たないでやってきた部分は間違いなくあるわけでございます。ついつい出過ぎるのが経産省の悪い癖である部分もあるわけでありますけれども、その辺、しっかりやっていきたいと思います。

大畠委員  このほかに、福島の原子力発電所の課題についてもいろいろ質問したいと思いましたが、なかなか時間的に難しくなりましたので、また次回にさせていただきます。

 最後に、実は私の選挙区の、都市名は言いませんが市の青年会議所がありまして、昭和四十年代には大体六十人ぐらい青年会議所の会員がいたんです。今は九人になってしまったんです。単独でなかなか活動もできないというので、近隣の青年会議所と連携して一生懸命頑張っていますが、大臣、これが地域の現状なんですよ。要するに、後継ぎがいない、したがって、若い方々の青年会議所の会員がどんどん減ってしまう、これが現状なんですよ。

 ここのところに、私がこの間、中小企業庁の皆さんに申し上げたのは、何のための経済産業省なんですか、そういう状況のときに、官公需の一部を新しい企業が受注できるようにしようとか、ふるさと名物をつくろうとかという話だけではこの問題は解決しない。

 そこで、私は知恵を出してもらいたいと思うんですが、その一つが、農村部にいかにしててこ入れをするか。丸亀町が、中心部の土地の所有権と使用権を分けて、使用権はある公共団体が持って再開発をするということで町の活性化をしようということをしておりますが、そのくらいやらないと。本来はそういうものを出してきてほしいんですよ、町の状況を見ると。

 きょうは、そういうことで、経済産業省には、ぜひ、地域の現状というものをよく見て、どうしたらそういうデフレの原因である地方における少子高齢社会が改善されるのか、長期的な展望に立ったものを次回の通常国会のときには出していただきたいと思いますが、この問題も、ぜひ大臣、多分大臣の地元も大体同じような状況だと思います。シャッター通りと言われましたが、シャッター通りじゃなくて、今、シャッターが閉まっていた建物が取り壊されて、中心部から駅が直接見られるような町になり始めているんですよね。これはあちこちあると思うんです。ですから、その現実をぜひ直視して、経済産業省らしい仕事をしていただきますよう要望して、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

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