民主党 衆議院議員 大畠章宏

国会リポート/No.873

至誠一貫・報恩感謝

「人間の回復」と「リベラリズム」

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経済の目的とは何か(宇沢弘文先生の主張) 

2014年9月に宇沢弘文先生は他界されました。宇沢先生が1997年に文化勲章受章された時に、仙谷由人議員や五島正則議員らと共にお祝いする会を開き、懇談したことを覚えております。当時は、宇沢先生が経済学の分野で国際的にも高く評価されている著名な先生であることも知らず、気軽にいろいろと懇談させて頂きました。
 今回、宇沢先生の著書「経済と人間の旅」という本を改めて拝読いたしました。この本の中で主張されている主な内容は「人間の回復」を旗印にした「人間のための経済」を目指すものでした。現在の日本と世界の「市場原理主義経済」「競争格差社会」の現状に対して大変参考になる内容でしたので、主な内容を下記に報告いたします。

(1)欧州の「人間の回復」運動 

2002年当時、宇沢先生はスペインなど欧州の旅をされ「ヨーロッパでは、たとえば、川岸を覆うコンクリートをはがして昔ながらの蛇行する川に戻し、周囲にその地域特有の樹木を植える」などの動きが始まり、「人間の回復」を目指した運動があると語っていました。日本では、経済発展を成し遂げる一方で、美しい自然は失われ、豊かな自然との関わりの中で築き上げられてきた日本の地域社会は無残にも崩壊しつつあると指摘しておられました。また、「私は、経済学者として半世紀を生きてきた。そして、人間の幸せに貢献するはずの経済学が、実はマイナスの役割しか果たしてこなかったのではないかと思うに至り、愕然とした。経済学は、人間を考えるところから始めなければいけない。そう確信するようになった」と語っておられました。

(2)「教育は経済学の重要な対象」 

さらに、「中でも教育は、経済学の重要な対象である。・・・教育は私が提唱する「社会的共通資本」の大事な要素であると考えるからである。陰湿ないじめ、荒れ果てた教室、不登校問題など学校教育をめぐる課題は数えきれないほど多い。しかし、これらを学校の努力だけで解決することは到底不可能である。社会にとって、最も大事なものの一つである教育制度を社会が粗末に取り扱った結果として起きたものだからである」と述べている。

(3)「社会主義の弊害と資本主義の幻想」 

「レオ13世は『レールム・ノヴァルム』の中で、欧州をはじめとして世界中いたるところで、いわゆる先進諸国がいずれも資本主義という制度の下で、ごく少数の資本階級が富の大部分を私有して、『飽くことを知らないまでに貪欲に自らの利益を求めて』行動し、その結果、労働者をはじめとして一般大衆は徹底的に搾取され、貧困に苦しみ、悲惨な生き方を強いられていることを指摘している。
 しかし、同時に、多くの人々は、社会主義に移行することによって、貧困と社会的不公正の問題は解決され、より人間的調和的社会が実現すると思っているが、それは単なる幻想にすぎないことを強く警告したわけである。社会主義の下では、人々の自由は失われその人間的尊厳は傷つけられ市民の基本的権利は無視されざるを得ない事を指摘している。」

(4)「リベラリズム、社会の基盤に」 

「新しい『レールム・ノヴァルム』では、二十一世紀の世紀末に立つ私たちが直面する問題を「社会主義の弊害と資本主義の幻想」としてとらえ、この二つの経済体制の枠組みを超えて、『リベラリズム』の思想に基づいて新しい世紀への展望を拓こうとするという意味で、感動的な回勅である。
『リベラリズム』の思想は、一言でいうと、人間の尊厳を保ち、市民的自由を守るという事を基本に物事を考え、行動する事を意味する。決して政治的権力、経済的富、宗教的権威に屈することなく、ひとりひとりが人間的尊厳を失うことなく、それぞれが持っている先天的、後天的な資質を十分に生かし、夢と希望とが実現できるような社会を造り出そうというのが、『リベラリズム』の立場である。」

「できない約束はしない事」(党エネルギー環境調査会) 

16日(木)、党エネルギー環境調査会で「今後のエネルギー政策」について意見交換が行われました。玄葉会長から、現在の省エネや再生可能エネルギーなどを含む現状報告があり、意見交換を開始しました。この中で、私も、次のような発言を致しました。
(1)1973年の第4次中東戦争により原油価格が7割上昇し「オイルショック」が発生し、国民生活に重大な影響を与えた。従って、エネルギー政策は国民生活と産業政策に重大な影響を与えるものでありしっかりと議論を行い責任ある政策としなければならない。
(2)今回、一連のマスコミ報道が先行したが、一部の幹部のみの会合で方針を決め、結論ありきの調査会は、党内民主主義に反する。また、30年に原発ゼロに出来るという具体的裏付けのない中で、党大会において「原発ゼロ法案」を提起することには反対。
(3)民主党政権は2012年の総選挙で大惨敗し崩壊したが、この失敗から学んだことは、「出来ない約束はしないこと」、「党分裂は国民の信頼を失う」という事であったと考える。従って、この教訓をしっかり踏まえ、心して調査会活動を行なうことを強く求める。

第15回日立少年剣道大会 

19日(日)、新しい「池の川さくらアリーナ」において「第15回中央LC日立少年剣道大会」が開催され、小学生から高校生までの剣士がそろい堂々の試合が行われました。