民主党 衆議院議員 大畠章宏

国会リポート/No.889

至誠一貫・報恩感謝

「あらゆる生活者を不安から解き放つ」

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「奪い合えば足らぬ、分かち合えば余る」(生活保障総合調査会) 

6月7日(水)、民進党尊厳ある生活保障総合調査会総会が開催され、前原誠司会長から、中間まとめの案が示され、了承、「次の内閣」に報告されることになりました。
中間まとめとしては、井手英策先生から提示された提言を受けて、調査会としての考え方をまとめたもので、「あらゆる生活者を不安から解き放つ」ことを主軸としています。

<井手英策先生からの提言要旨> 

1.基本認識:縮滅の世紀に入り、自己責任の恐怖におびえ、他者に冷淡になった人々。
 1)自壊を続ける新自由主義イデオロギーとさまよう国際政治
 2)「勤労」と「倹約」の美徳を前提とした「自己責任社会」の崩壊
 3)社会が分断され、仲間意識や他者への想像力さえも失い始めている日本


2.提言:“All for All(みんながみんなのために)“~あらゆる生活者の不安から解き放つ~
 1)私たちは経済成長を絶対視し、自助努力で将来に備える自己責任社会、「もっと大変な人がいる」と言って、人々に我慢を強いる不幸の再生産を終わらせる。
 2)私たちは、税と給付とのベストミックスを通じて、人々が人生の不安を感じる時期に、痛みを分かち合い、喜びを満たし合う“All for All”の社会をめざす。
 3)私たちは、「現金給付」から人間に共通のニーズである「現物給付」に力点を移しつつ、可能な限り所得制限を付けずに幅広い給付を行っていく。  
 4)私たちは、対人社会サービスの供給主体である地方自治体に対し、自治を育み、人々の安心を底支えできるよう、課税自主権の強化を進める。


3・理念:“All for All(みんながみんなのために)”が人々を不安から解き放つ。
  私たちは、閉塞感に覆われた日本社会に対し、その歴史的な歩みを大切な土台としながら、大きな変革の見取り図を示さなければならない。経済成長、格差是正、財政再建、これらからすべてを目的から結果に変え、すべての生活者が将来不安から解き放されるための道筋を力強く踏み固めていかなければならない。
 1)勤労と倹約の新しい同盟:「自己責任」から「分かち合い」へ
 2)「公正さ」の基準の転換:「お金の保障」から「尊厳の保障」へ
 3)「経済依存」から脱却:「人間の消費する経済」から「人間の乗りこなす経済」へ

<調査会としての中間まとめ> 

1.提言の受け止め
  本調査会は、井手英策教授の提言が提起した国際社会、経済情勢、政治環境などに対する認識を十分共有し、その改革の理念、哲学、方向性を一にして、今後、最終報告に向けた更なる具体化の議論を真摯に行っていく。
2.検討過程での指摘事項
  本調査会総会、役員会、加えて党幹部などとの意見交換において、優位すべき点として、有意義な指摘事項があった。主な指摘事項は下記。
 1)今後社会保障の在り方を議論する場合は「提言」にあるユニバーサルな発想が必要であるが、経済成長頼みの財源確保は困難な中でいかに配分資源を確保するのか。
 2)給付が普遍化することで勤労意欲が低下することはないのか。
 3)過剰貯蓄の解消と言っても、多くの人々に貯蓄が潤沢にある訳ではなく、誤解のない伝え方が必要である。
 4)国民負担の議論を正面から行う党内環境、および、それぞれの議員の覚悟が問われることになるが、その準備が出来るか・・・など。
3.最終報告に向けた議論
  本調査会では、井手先生からの「提言」をもとに、あらゆる生活者を不安から解き放つため生活保障施策の具体化とそのために必要な財源について、今後秋ごろの最終報告に向けて議論を進め、生活  

保障と税の一体的な改革案を示す。
歳出面の議論に際して、下記に示した施策の具体化に留まらず、不要な歳出の見直しについても、検討を行っていく。
  財源については、保険のリスクに備える性格を有することなどから、税制改革の組み合わせが基本になると考える。また、財源と給付の改革案は、明確なリンクによって透明で公平なものとする必要がある。
  その出発点となるのは、民主党政権期に、約束したことは一部しか達成できず、約束しなかった消費税増税を決めたことに対する徹底的な反省でなければならない。
4.生活保障の検討項目の例
  〇就学前教育の無償化          〇大学の授業料の大幅減免
  〇保育士などの待遇改善         〇給付型奨学金の拡大
  〇学校給食の無償化           〇国費留学の拡大
  〇所得制限なしの高校無償化       〇職業訓練、再就職支援の拡大
  〇医療・年金不安解消のための施策    〇若年世代への住宅支援
  〇見えない障がいの可視化と財政支援   〇地域包括ケアシステムの再構築
  〇同一価値労働同一賃金原則に基づく賃金支払いの推進
  〇介護従事者などへの待遇改善による雇用及びサービスの確保
  〇生活保護の内生活扶助以外の部分の対人社会サービスへの置き換え
  〇地方自治体への権限移譲(ナショナルミニマムの議論、課税自主権の強化など)